2020年07月26日

2020 アイビスサマーダッシュ レース回顧

 究極のスピード勝負となる今年のアイビスサマーダッシュは、ロードカナロア産駒のジョーカナチャンが真ん中から果敢にハナを奪い切り、ライオンボスの追撃を今度は降り切っての、嬉しい初重賞制覇を飾りました。
 そしてやはりと言うべきか、今週はみんなこぞってWIN5を買って、それなりに穏当な決着でハッピーな人も沢山と、なんかこう、上手くストーリーが出来上がっている気もしますが、それでも毎週超波乱よりはホッと安心するところではありますね。


 今日の新潟はほぼ雨の影響もなく、時計もしっかり出る綺麗な良馬場での開催でしたね。
 古馬1勝クラスの2000mが59,5-59,4=1,58,9と平均ペースとはいえ好時計、9Rの糸魚川特別も35,8-36,1-33,4=1,45,3と、かなりのスローバランスから素晴らしい上がりを引き出しての競馬でした。

 脚質的にも本当にバラエティある感じで、昨日に引き続き外差しもしっかり決まっていますし、といって前目内目がダメなわけではない、今の馬場に対してしっかりパワー兼備の切れ味を引き出せる馬なら、不利なく能力を発揮できる良い馬場だったと言えるのではないでしょうか。
 なので正直、その中で54,5は、あれ?存外掛かったな?というイメージにはなりますが、風の影響を受けやすいレースでもありますし、その辺りは実際に色々情報が正確に集まってこないと、というのはありますね。

 レース展開は、いいスタートを決めたのがラブカンプーで、ジョーカナチャンは少し寄れてイベリスと馬体をぶつけつつ、ライオンボスも一歩目だけは微妙ながら二の足抜群と、三者三様の形で先行争いとなり、最終的にはジョーカナチャンがライオンボスの前をカットして外ラチ沿いを取り切ります。
 その後ろにライオンボスがつけたところで、インから寄せてきたラブカンプーがライオンボスを閉じ込めるようなポジションを確保し、この辺りの騎手の駆け引きは中々面白かったですね。
 ゴールドクイーンやモンベルデュは芝でスピードに乗り切れずじわじわ後退、インからは1頭だけ単独でカッパツハッチも前目に食らいつき、外目は前の馬を目標にイベリス、メイショウカズヒメ、ビリーバーあたりが追走、真ん中から少しずつダイメイプリンセスも脚を伸ばし、ナランフレグは後方から内目を通して、という感じでした。

 ラップは21,7(10,85)-10,4-22,4(11,20)-54,5(10.90)という推移になりました。
 ジョーカナチャンがかなり強気にハナを取り切った事で、テンの3Fは32,1とこのレベルでも相当なハイペースになっており、その分ラストは22,4とバランス的に言えば0,7のハイバランス、ラストも10,8-11,6なので、差しが決まってもいいラップと時計、ではあったと思うのですよね。
 ただ結果的には前の2頭の行った行ったで、3~5着馬は中団辺りからの差しと、思ったよりは少し時計を要した馬場と風向きだったのかも?というイメージです。
 このレースとしては珍しく追走特化に近い形ですし、その中でしっかり足を引き出せる馬、前半の質的なものを問われて削がれない馬が上位に来たという感触のレースですね。

 勝ったジョーカナチャンは、ここで勝ち切ってきたのは見事で、これは腹を括った菱田Jの好判断あって、だと思います。
 馬自身も充実期なのか、スタートでぶつかってバランスを崩してもすぐに立て直してトップスピードにスッと乗ってくるのが強みで、またライオンボス以外の外枠で前に行くと目された馬が軒並みイマイチの出足だった分、スムーズに外に寄せていく形が作れたのかなと思います。
 テン11,7-10,0ですからやはりこの出足の鋭さは素晴らしく、ただそれでもライオンボスより外に出すのは難しいのでは?と見て重い印まで打たなかったんですけど、それを見事にやってのけた事、ライオンボスの前をカットして少しでも意気を削いだことが最後の粘り込みにつながったと感じます。

 まあそこはラブカンプーのアシストもあった感じですし、この馬自身前走と比較すると、斤量が重いというのはあれ、ラップ・時計的には少し落としているのですよね。
 その意味でここまでの一貫消耗戦がこの馬にとってのベストだったのか?とは考える余地はあるのですけど、ただこの馬の落とした幅以上に、他の馬の差し脚を追走で殺ぎ切ったメリットの方が大きかったレース、と見做していいのかなと感じています。
 素直に強い競馬だったと思いますし、この馬は1200mでも軽い馬場ならかなり頑張れるので、その辺りまで含めて今後がとても楽しみな一頭ですね。

 2着のライオンボスも、王者の貫禄はしっかり見せたレース、ではあったと思います。
 一歩目だけ少し甘かったですけど、二の足がついてからはいつものこの馬の走りで、ただその僅かな立ち遅れの分だけジョーカナチャンに前に入るスキを与えてしまい、同時にラブカンプーに蓋をされる苦しい立ち回りになりました。
 それでも最後ばらけて前が空いたところからしっかり伸びてきていますし、本当に1000直なら展開不問で強い、という所は見せてくれましたけど、それでも追走特化にされた事、前に馬を置く形になった事、そういう細かい不利が蓄積して、最後の最後届かない一因にはなっているのではないでしょうか。
 こちらは今のところ1200mではいいところを見せられていないので、今後の使いどころが難しいのはありますし、このカテゴリはかなり消長が激しいのもあるので、また来年、というところでどこまで、とはなりますけれど、まだまだ頑張ってくれそうで楽しみです。

 3着のビリーバーは、今の状態の良さと、枠の良さ、展開が綺麗に噛み合った感じですね。
 元々1200mでも折り合いが難しいくらいの馬なので、出足そのものはともかく、この1000mでハイペースの流れは楽だったと思いますし、馬自身潜在的な追走力の高さを遺憾なく発揮、最後の伸び脚は一番、という形で、はじめてのこの舞台でもしっかり適性を見せたと思います。
 やっぱり1200mである程度加速型の競馬が出来ている馬、それでいて追走面の担保もある馬はそれなりに走ってくる感じで、その点は4着馬も同様ですが、ここは使ってきた強みを生かしての3着だろうと思いますね。
 この感じなら来年は1着を狙えるくらいの能力は見せていますし、好走スポットもソコソコ広いタイプなので、秋の路線と飛躍が楽しみです。

 4着のメイショウカズヒメも、休み明けでどうかな、と思いましたが、この舞台の適性の高さを申し分なく見せてきましたね。
 元々こちらも1200m路線では、時計の出る舞台でやや加速を伴う総合力勝負が一番マッチしていた馬ですし、ルミエールADも着順ほど差のない競馬が出来ていましたから、この時計の出る馬場で追走しやすい外枠に恵まれたとはいえ、決してフロックではない走りだったと見ています。
 この馬も条件的にはそこまで幅広く、とはいかないかもですが、噛み合う条件だといきなりでも走ってくる穴タイプなので、今後そういう条件は見逃がさないようにしたいですね。

 5着のダイメイプリンセスは、うーんやっぱり純粋に加齢と共に、このレース向きのスピードと切れは削がれていくのかな、というのが率直なイメージです。
 確かに真ん中の枠で、スタートも微妙で外に持っていく余裕もなく、真ん中を一頭で真っ直ぐに、というのは、目標を作りにくい面もあったでしょうけど、それでもこの時計と馬場なら、上がり31秒台で肉薄できる底力は持っていた馬なので、そこは素直に衰えはある、と考えた方がいいかもしれません。
 それでも夏場に調子を上げてくるのは確かですし、毎年ここから北九州記念は良い走りをしてきますから、そこでは今年も軽視は禁物になりそうですね。

 ナランフレグはやはりこのレベルに来ると1000mは少し短く、1200mの時計勝負でどこまで切れるかは見てみたいですね。セントウルSは個人的にぜひ出てきて欲しい馬です。
 ラブカンプーも前半の行きっぷりの良さは復活を感じさせるものではあり、ただ流石に今日は枠と斤量が不利過ぎたので、この負け自体は今までとは違うと見做してもいいかなとは思っています。それでも次に狙うかはまた難しい話ですけどね。
 ダート組はやはりピンかパーか、にはなってしまうので、スタートで後手を踏んだ時点で仕方ない負けだと割り切るべきですね。また適条件のダートで期待しましょう。

 予想・券種的には、辛うじて保険のラインが掠ってくれて、やっとこ夏競馬で微々たるものとは言え的中が出せてホッとしています。やっぱり綺麗な馬場はいいですね。。。
 正直ジョーカナチャンをこれ以上評価を上げるのは難しかったと思うので、敢えて言えば単穴ですね。ビリーバーも一応候補に残ってはいたのですが、ただ馬場を考えて差し馬が頭まで来るか?となると、ダイメイプリンセスみたいに明確に切れ味の質があるとわかっている馬でないと狙いにくかったのはあります。

 あとライオンボスは勿論、ダイメイプリンセスはここは結構大丈夫だろう、という自信があったので、その分本線強めに寄せてしまったのが結果的には失敗でした。
 それにしても、やはりこのレースは基本外枠が強いですね。真ん中からでも先頭まで行けるくらいのスピードがある馬ならともかく、というのは毎年思いつつ、どうにも並びで判断し過ぎてしまうのが悪い癖ではあるなと、そこも反省材料ですが、ミソッカスとはいえ的中は的中、気持ちは楽になるのでこれを来週以降にもきっちり繋げていきたいですね。




posted by clover at 16:29
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