2020年07月12日

2020 プロキオンS・七夕賞 レース回顧

 荒れる、と定評の夏競馬ではありますが、今日の2重賞はどちらも一番重い斤量を背負った実力馬の勝利と、改めて一筋縄ではいかない難しさを感じさせる結果になりましたね。しっかりと回顧、していきましょう。


★プロキオンS

阪神ダートは稍重でのレースとなっていましたね。
 もう少し回復が遅いか、と思っていたのですけど、結構実質的にも字面通りに回復したのかな、というイメージで、7Rが34,3-36,6=1,10,9、10Rは37,6-36,2-37,8=1,51,6と、トリッキーなラップですが3勝クラスでこの全体時計は良馬場並ではありますからね。
 その意味で21秒台まで入れてきたのは、シンプルに上位勢がこの条件で強かった、と見ていいのではないかと思っています。

 レース展開は、まずラプタスが逃げてトップウイナーが番手外を確保します。
 その外からヤマニンアンプリメも早めの競馬、内からレッドルゼル、スマートダンディーと先団を形成して、サクセスエナジーは一歩目でスピードに乗れずに押して押していくも先団外目につけるのがやっとの苦しい入りになりました。
 その後ろに初ダートのエアスピネルがいて、ミッキーワイルドも中団の内目、サンライズノヴァは流石にこの距離でスピードに乗り切れず、後方でいったん下げ切ってから外に出して押し上げていく形、最後方にリズム重視で進めたデュープロセス、という隊列でした。

 ラップは34,3(11,43)-11,9-35,6(11,87)=1,21,8(11,69)という推移でした。
 全体としてハイペースなのは間違いないのですが、サクセスエナジーが出負けした分だけ前の隊列がすんなり決まって、このコースの重賞と考えればゆったり目の入りですし、特に中盤11,9と少し緩んでから、11,7-11,6-12,3と若干とは言え再加速を踏んでいますので、阪神1400mっぽいラップ、とはやや言い難いですね。
 結果的にも意外と後ろの馬が外から差しこめていて、それは中盤以降に取りつく淀みがあったから、とも思えますし、イメージとしては総合力勝負の中、スムーズに自分の形で進められたかどうか?という部分が大切なレースだったのかなと見ています。

 勝ったサンライズノヴァは、それにしてもここでは力が違う、と言わんばかりの豪快な勝ちっぷりで、右回りでもこんな競馬が出来るのかとちょっとビックリしましたね。
 スタートはイマイチで後ろからは予定調和、そこから上手く外に持ち出し、丁度緩みがあった中間点辺りからじわっとスパート、上手くコーナーで速度に乗せて直線に入ってきましたし、そこからの切れと持続も文句ない素晴らしいものでした。
 59kg自体はこなせると思ってましたけど、前が少しトリッキーな展開にした分だけこの馬としては楽だったかなとも思いますし、自分の力を引き出す走りをきちんとメリハリをつけてやってきた松若Jも好騎乗だったと思います。
 右回りでこれだけ走れたのは今後に向けて収穫になりますし、改めてマイル前後のGⅠ戦線で期待したい一頭です。

 2着のエアスピネルはもっと驚きましたね。初ダートで1年ぶり、しかも初の1400mでこれだけスムーズに強い競馬が出来るとは、やはり本質的な優等生、頑張り屋な部分は舞台を選ばす発揮されるのかと、ちょっと感銘を受けました。
 スタートもスムーズで、このテンの入りに楽に馬なりでついていける質的・量的な追走力をしっかり見せていて、最後は流石にサンライズノヴァの爆発力に屈したものの、それでもラストまでしぶとく食い込んできているのは楽しみな要素です。
 このレースを見ても、芝でもそうでしたが、ある程度追走は問われた方が安定するタイプのはずで、現状は距離もマイルより1400mの方が噛み合うかもしれません。勿論マイルは守備範囲だと思いますし、改めてダート路線でどのくらい活躍できるのか楽しみですね。

 3着のヤマニンアンプリメは、大外枠でいいスタート、楽にいいポジションが取れましたし、前の淀みの時にしっかり差を詰めてプレッシャーをかけつつリズムよく、という丁寧な競馬が出来ていたと思います。
 本質的に1400mは少し長い、というタイプですし、JBCを見ても上がり切ってしまった方が良かったのか?という感はありますけれど、それでも楽に好位から抜けてくる脚は良いものを見せていましたし、また夏の交流重賞路線で楽しみがありそうですね。

 4着のデュープロセスも、前に行ってイマイチの競馬が続く中、思い切った脚質転換で違った味を引き出せたのは面白い要素ですね。
 まあサンライズノヴァと違ってコーナーまではタイトに立ち回り、最後に外に出して、ではあるので、上がりそのものをあまり高く評価しない方がいいかもですけれど、最後の伸び脚は目を瞠るものがありましたし、こういう馬場と競馬の形でも走れる、とわかったのは今後に向けていい材料でしょう。
 勿論総合的にワンパンチ足りない、という面はまだあると思いますが、差しがもう少し安定してくれば楽しみな馬になっていくかもしれませんね。

 5着トップウイナーは、この馬としてはゴリゴリ一貫戦よりも、少しでも息が入る展開の方が良かったとは思いますし、ラプタスと2頭で上手く適性に噛み合う流れには出来たのではないか、と思っています。
 ただその形だと後半の絶対量を引き出しやすい馬も多い中で、最後のワンパンチが足りない、というのは露呈する負け方だったと思いますし、この馬自身は良馬場の方が、相対的にいい結果に繋がりやすいのかな、とも感じましたね。

 レッドルゼルなんかは逆に流れ切ってしまった方がいい、というのはあったでしょうし、サクセスエナジーはスタートであれだけ出ていけないと流石に苦しく、やはり少しの間でも休み明けカテゴリになると良くないのか、とは改めて思うところです。
 予想的にも本命がこの2頭の二択だった時点でどうにもならず、ですし、やや展開も読み違えたとはいえ、七夕賞ほどまるっきりベースが違う、という程ではない中で、もう少し強い馬の底力を信頼する形が取れていれば、なんですよねぇ。
 結果論的に、カテゴリはともかく、GⅠ勝ち馬とGⅠ2着2回のエアスピネルと、実績だけで拾っていけば普通に取れてしまうあたりがまた逆に難しいと言うか、夏は勢い、と思わせておいての舞台替わりでの実績馬の頑張りまで読み切れなかったのは反省です。


★七夕賞

こちらは予想以上に雨が降ったみたいで、芝は重馬場、しかもかなりタフで、いきなりガラッと外差し馬場にシフトしてしまいましたね。
 8Rが60,5-64,0=2,04,5と、強烈なハイバランスでの消耗戦でこんな時計ですし、織姫賞も36,6-37,1-37,2=1,50,9と持久力レベルでのタフなレースになっています。
 正直昨日までの馬場がなんだったのか、ってレベルの変貌ぶりですし、時計的には平均ペースでの2,02,5は妥当なラインだと思いますけど、流石に想定と3秒も違ってくるのは外れ過ぎてごめんなさい、としか言えないですね。

 レース展開は、やはり先行勢が少なく手探りの中で、パッシングスルーが強気に逃げを打っていきます。
 それを一頭だけインベタでウインイクシードが追いかけ、その後ろにノーブルマーズとリュヌルージュ、マイネルサーパスとブラヴァスも早めのポジショニングで、エアウィンザー、ヴァンケドミンゴ、レッドローゼスあたりが中団、クレッシェンドラヴはスタート良くなく後方から馬群を縫ってじんわりリカバーしつつで、ジナンボーも今日は出負けして後ろから、ヒンドゥタイムズも後方からになりましたね。

 ラップは36,6(12,20)-48,6(12,15)-37,3(12,43)=2,02,5(12,25)という推移でした。
 ハーフですと61,3-61,2と綺麗な平均ペースで、この辺りは逃げ馬不在を読んだ戸崎Jの逃げと絶妙なペースメイクが嵌ったか?と思わせるところもあったのですが、この流れでもみんなかなり積極的に早めに押し上げてきました。
 結果的に後半は11,8-12,1-12,2-13,0と仕掛けが早いロンスパ消耗戦になっており、前半無理せずに後半長く脚を使ってきた馬、同時にコース取りで損せず進められた馬が上位に、という感じにはなっていますね。

 勝ったクレッシェンドラヴは、馬場やペースも味方しましたし、3コーナーからの内田Jの進路取りが絶妙でしたね。
 流石に最内は悪くなってきているものの、それでもまだ三分所程度ならそこまででもない、というのをしっかり見切っていたか、みんなが外々に行く中でうまくスルスルと位置を上げてきて、そこからしっかり突き抜ける味のある競馬でしたし、人馬一体、という感じで格好良かったですね。
 元々この舞台は得意で斤量も妥当、能力的には一番だったのは間違いなく、ただ差しが向く展開にはならない、と昨日までの馬場で判断したらこれですから、色んな意味で持ってる馬でもあるな、と思います。
 こういう後半ロンスパのタフな競馬はもってこいですし、距離にも適応力はありそうなので、今年こそは有馬記念に出てきて欲しいですね。サマー2000を取りに行くなら、新潟記念よりは札幌記念の方が、相手関係を踏まえても面白みがあると踏んでいます。

 2着のブラヴァスも、こういう持久力ラインのタフな競馬でしっかり結果を出せたのは収穫になると思います。
 この馬は前半結構位置を取っていましたし、3角からマイネルサーパスの仕掛けに合わせて進出、ややコーナリングの中で距離損はありましたけど、それでもいいところを選びつつ最後までしぶとく伸びていく面はきちんと見せられたのかなと思います。
 軽い馬場ですとあまり前半型の競馬では、質的な追走に課題がありそうなんですけど、タフな馬場で相対的にそこが削がれればタイトな流れでもやれるのだな、と感じましたし、この感じだとやっぱり距離は伸ばしていいと思うのですけどね。

 3着のヴァンケドミンゴは、流石の福島巧者ぶりを発揮してきたとも言えますが、馬場バイアスとレース展開も前走ほどではなくともかなり噛み合った中で、なので、他のレースでこれだけのパフォーマンスが発揮できるかは難しい判断ですね。
 やっぱりこのスパイラルカーブでの進出の形がフィットしているのかな、とは感じますし、この馬もコーナー半径の長い札幌でどういう競馬が出来るかはちょっと見てみたいです。
 素材的にもこの馬なりにきちんと成長している感はありますし、先が楽しみですね。

 4着のヒンドゥタイムズは、スタート出負けは痛かったですけど、この馬場と展開なので逆に恵まれた面もあったはずで、その辺り相殺して考えると、出負け分だけブラヴァスに負けた、能力的にはこのあたりと互角にはやれるというイメージのままでいいのかなと思います。
 とにかく堅実な馬ではありますし、極端な切れが問われなければ安定して強いのと、一定追走が問われてもやれそうな面はあるので、今後の成長次第ではかなり面白い一頭です。ただ距離は2400mくらいあってもいい、その方が競馬がしやすいようには感じるのですけどね。

 5着のウインイクシードは、前には苦しい馬場と流れになる中で、一頭だけインベタで踏ん張っているとは言えますけど、やはり全体の仕掛けが早い中で強気に出過ぎると、持久力性能ではちょっと甘い、とういうのを改めて見せてしまったかなと思います。
 この馬としては馬場悪化が本当に残念でしたし、それでもしぶとく踏ん張っていますから地力はつけてきている筈で、いつも人気になりにくい馬ですが、どこかでもう一度穴をあけてくれる馬だと思っているのですけどね。

 ジナンボーはあの位置になってしまうとそれは、って感じで、今年のレーンJは最期まであまり冴えないまま終わってしまいましたね。
 マイネルサーパスは逆に、この展開とあの仕掛でこれだけ負けたのが意外で、まあもろにパッシングスルーの外誘導に引っ掛かって苦しい立ち回りになったのはあるでしょうけど、やはりこのあたり難しいなと感じざるを得ませんね。

 予想的には馬場とバイアスを真逆に読み違えている以上当たるはずもないので素直に諦め、ではあります。
 まあその中でも、そこそこ期待していた馬が踏ん張ってはくれていたので、ベクトルとして土台が狂ってなければ、とは思えるのですが、前日予想の限界はどうしても出てしまう条件になってしまいましたね。
 結果的に見てもさほど荒れていないですし、この馬場前提でなら買えない組み合わせではないだけになんともですが、気を取り直してまた週中の交流重賞からコツコツ頑張りましょう。


posted by clover at 16:47
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