2020年07月08日

2020 ジャパンダートダービー レース回顧

 先程行われたジャパンダートダービーは、圧倒的人気に支持されたカフェファラオ、ではなく、そっちのアメリカンファラオ産駒かよ!のダノンファラオが番手外から力づくで捻じ伏せる競馬で、鞍上の坂井J共々嬉しい初GⅠ制覇となりましたね。
 正直中々に呆然とさせられる結果ではあったのですが、まあきちんと回顧、していきましょう。


 今日の大井も、ぐずついた天気が尾を引く形で悪馬場、スタートは不良で後半は重に回復していましたけど、それでも水分量の多い馬場だったのは間違いありません。
 時計的にはCクラスマイルが1,43,1、Bクラスの1200mが1,12,5、1400mが1,27,5なので、相変わらず馬場適性で大差はつきやすくなっていたものの、時計そのものはそれなりに出ていたと思います。脚抜きが良く軽い馬場、とは言えなかったと思いますが、例年並みの時計は出る条件だったとは考えています。
 なので勝ち時計の2,05,9は、超ハイペースを踏まえると少し物足りなさはあるかな、というラインですし、それでいて後続が大きく千切られた、となると、適性や状態面などで、人気上位の馬が丸で力を発揮出来なかった一戦、という色合いはどうしても強く出てしまうのではないか、と感じますね。

 レース展開は、外枠から好発を決めたダイメイコリーダが一気にハナ、それをダノンファラオが追い掛けて番手外で進め、カフェファラオはいいスタートだったものの、ハナを取り切れるほどではなく、そして外に持ち出そうという意識はあったのですが、最初はダノンファラオ、次いで外から押し上げてきたミヤジコクオウにピッタリと蓋をされ、インに閉じ込められる苦しい展開になります。
 フルフラット、キタノオクトパス、バーナードループとJRA勢がそれに続き、エメリミットがその後ろ、ブラヴ―ルはスタートも悪く、割り切って最後方からじっくり脚を溜める競馬を背タンクしましたね。

 ラップは35,9(11,97)-50.2(12,55)-39,8(13,27)=2,05,9(12,59)という推移になっています。
 ハーフで取ると61,3-64,6なので3秒超の強烈なハイペースであり、道中一度も13秒台を踏まない、コーナーが減速しがちな大井としてはかなり例外的な追走力特化に近いレースになっているのかな、と思います。
 後半も12,3-12,5-12,9-12,7-14,2と、コーナーでさほど減速せずに進めていて、息の入らない流れの分ラストは極限的に消耗していますが、それでも後ろからの馬が台頭する余地がなかった感じですね。
 結果論的に、前の2頭が急コーナーでもスピードを落とさず走る適性がかなり高くて、そこで後続との差をはっきりつけられた、というのはありそうですが、それにしても人気していた馬がビックリするくらい走らなかったですね……。

 勝ったダノンファラオは、正直この馬がこの展開で勝つの?と、適性判断面からはちょっと目が点になる結果でした。
 元々明らかに前半の無理が効かない感じで、速い流れについていくと甘くなるのも早い、というイメージだったのですが、このペースを番手で追走、前走は歯牙にもかけられなかったダイメイコリーダを楽に捕まえているのですから、本当にこの時期の3歳馬の適性はわからない、とシャッポを脱ぐしかありません。
 大きく言えば単純に地方の馬場の適性が高かったのと、質的な追走力は甘くても、相対的なハイペースはそこまで苦手でなかった事、そしてコーナリング性能の高さが存分に生きたレースだったのかなと思います。

 まあ矢作厩舎らしくレースを使って使って、の中で、状態にも波があったかもですし、正直何とも言えない部分はあるのですが、少なくともこの流れで正攻法で押し切ってきたのは、これまでの印象を改めねばならないでしょう。
 ただ時計的には平年並み、ペースを考えればもう少し出てもいい感覚ですし、距離はある程度あった方が良さそうですが、どちらにせよまだこの一戦だけで強さを信じ切るのは怖いタイプかな、とは見ています。

 2着のダイメイコリーダは、こちらはスタートをしっかり決めて果敢にハナ、地力で超ハイペースに持ち込んで粘り込んだのですから見事ではありますし、2走前からそういう適性も見せてはいましたからね。
 タフなスタミナ勝負の中で、やはり距離経験も強みになったのかなと思いますし、しぶとい競馬でこの馬の力は出せている気はしますが、しかしこれでダノンファラオに楽に差されてしまうのですから、本当に競馬は難しい、とつくづく思います。
 戦績的にもたたき上げで、そういう経験値が生きた部分もあるでしょうし、今後も即一線級、とはいかずとも、コツコツ力をつけていっていずれはまたこの舞台に、という期待は持てるいい馬だと思います。

 3着のキタノオクトパスも、中山1800mの消耗戦である程度踏んばれている馬なので、こういう展開にも耐性があった方なのかな、と思いますし、レースの上手さも含めてこの馬らしい結果だったと思います。
 ただ3着まで来られたのは、この馬自身が強いというよりは人気勢がまるでダメだった故、という感じではあり、実際に着差も時計も平凡ですから、あまりこの結果を鵜呑みにしない方がいいです。自己条件だろうと噛み合わなければ普通に負けるレベルの素材ではあると、今のところは感じてしまいますね。

 4着ブラヴ―ルは、道中死んだふりで、それでもこの馬の位置でもハイバランスになってしまっていますから、その中ではまだ相対的に脚を使えた、けれど前を脅かすほどでは当然なかった、という評価になるでしょう。
 距離が伸びて良さが出そうなのは確かでしたし、エメリミットには楽に先着していますから能力はありそうなんですけれど、時計的にもこの4着を
どこまで評価していいかは悩ましいところですね。

 5着のミヤジコクオウはうーん、正直かなり自信があったんですけど、馬場とナイターがダメだったのか、としか言えませんね。
 少なくともハイペース自体は前走を見ても問題ないはずで、ただコーナーでどうにも動けてない感じで苦労していましたし、総合的にこの距離もちょっと長い、というのはあったのかもしれません。
 それでもここまでのパフォーマンスとはまるで違う弱々しい内容になってしまいましたし、改めて軽いダートでどこまでやれるか、そこは注目していきたいところです。

 7着カフェファラオは、懸念材料が全部出てしまった感じで、やはり前走の勝ち方とはレース質がまた違う、という感じでしたし、なによりレース前からテンション高く、それでいて道中ずっと砂を被るポケットで我慢させられて、でしたから、そういう部分での消耗も大きかったんだろうと思います。
 現状はタフな馬場だとマイルまでかな、という走りに見えましたし、スムーズなら違ったかもですが、そういうリスクはあるタイプ、というのは見えていたわけで、もう少し評価を考えても良かったなとは反省しています。

 券種的にはうーん、このカフェファラオが包まれて嫌気を差して何もない、というパターンも想定していましたし、それならば外主導である程度流れて、というイメージで組んでもいたので、ベクトルそのものはそこまでズレていなかったとは思っています。
 が、その流れの中でダノンファラオがこんな激走するとは微塵も思わず、実際バーナードループも惨敗しているのにWhy?って感じで、つくづくこの時期の3歳馬の可塑性と、またレースを使って仕上げていく昔ながらの矢作厩舎の勝負強さを感じさせられました。
 スタート微妙だったとはいえ、予想以上にミヤジコクオウが走ってくれなかったのも含めて、まだまだ馬の見立てが甘いと反省しなくてはですけれど、ここまで人気が全て走らない、という年も珍しいので、中々的中に漕ぎ着けるのは厳しかったのかな、という感覚ですね。


posted by clover at 20:57
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