2020年07月03日

2020 エクリプスS 事前展望

 今週は日曜の夜に、久々の海外馬券発売となるエクリプスSが開催されますね。
 今年はコロナ情勢でこういう機会も激減していたので、出来る限りしっかりと楽しみたいですし、残念ながら最終的には7頭の少頭数競馬にはなりそうですけれど、なればこそしっかりと分析、していきたいと思います。
 ただし、まだ枠番が出ていないので、予想自体は明日、日曜の2重賞とセットで出します。今日はプレビュー的な感じで、出走馬のキャラ・適性を中心に考えていきましょう。


★コース・レース傾向分析

 サンダウン競馬場の10Fコースは、急カーブのワンターンと、長い上り坂の直線がポイントになりますね。
 イギリスのコースで正確なラップはわからないので、正確な事は言えないのですけど、スタートから3コーナーまでの距離は結構あり、それなりにスピードに乗っていく形からコーナーで減速、また直線で再加速、というレースになるのが無難な想定でしょう。
 最後の直線は800mもあるので、少なくともコーナーからスパート、という競馬にはならないでしょうし、ある程度の追走力と急コーナーを無難にこなす器用さ、そして後半の総合力が問われる、チャンピオンレースに相応しいコースだと思います。

 例年はこの舞台で3歳世代と古馬のトップがはじめて激突、というのが恒例ですが、今年はコロナによるスケジュール変更で古馬のみ、その分背負う斤量も例年より若干軽く設定されていますね。
 ガイヤースという強い逃げ馬もいる事ですし、基本的には搦め手の効かないパワー・底力勝負になるだろうと感じています。

 馬場としては、レコードが2分3秒台なのでやはりタフ寄りですが、例年この時期は比較的晴天に恵まれて、よりタフな馬場になるイメージは薄かったりはします。
 勿論他のイギリスの競馬場同様、渋れば一気に2分10秒とか掛かる馬場に変貌しますから、ギリギリまで天気予報は注視したいところで、現時点では少し雨が降るかも?という感じなので、その辺りも適性面で勘案しておきたいですね。
 概ね強い馬が順当に勝ち上がるレースですので、今年の場合その能力の序列がどうなのか、その上で適性面で楽しみがある馬は?と見ていきたいと思います。しかしロードノースが結局回避の様なので、これは非常に残念ではありますね……。


★出走馬分析

・エネイブル

 泣く子も黙る絶対女王が、前走の敗戦を許しがたいとばかりに現役続行を表明、改めて凱旋門賞3勝目の勲章を手にするための始動戦に、去年と同じエクリプスSをセレクトしてきました。
 いわばコース・距離実績は申し分なく、ある程度馬場が渋っても、ハイバランスになってもしっかり戦える馬ではあり、6歳とは言っても使ってきたレース数もそこまで多くないですから、いきなりここでガクッとパフォーマンスを落とす、と考えるのは無理筋でしょう。

 凱旋門賞の敗戦も、強烈なタフ馬場で超絶ハイペースを、外枠から早め早めに追いかけてしまってのものですし、また5歳時のヴァルトガイストは普通に覚醒していたとも思うので、その点で相手関係としても、マジカルがいた去年より個人的には楽なのではないか、とは感じています。
 勿論固い馬場の時のガイヤースは別物、と考える事も出来るのですが、この馬自身は先行脚質で、しっかりガイヤースを射程圏に入れてのレースが出来ますし、また後述するガイヤースの特質からしても、余程相手に楽な競馬をさせない限りは普通に捻じ伏せられる、と思うのですよね。

 怖いのは仮にハイバランスになった時に差し込んでくる馬や、或いはスローロンスパで持続力を発揮してくる馬であり、地味に僚馬のロードノースはスローならワンチャンス、と思っていたのですけど回避、となれば、ここは貫禄で勝ち切ってくれるのではないか、と思っています。


・ガイヤース

 今年は2戦ともに派手な逃げっぷりで楽勝と、改めて潜在能力の高さを見せつけているガイヤースが、凱旋門賞大敗の雪辱を果たすべく改めて女王に白手袋を投げつけてきました。

 ただ個人的にひとつきちんと踏まえておきたいのは、このレースに対する記事などで、ガイヤースという馬をガンガン飛ばして逃げる欧州馬としては珍しいタイプ、とする論調が多いのですけど、確認できる範囲で言えば、この馬はスローでこその逃げ馬なのですよね。
 去年のアークール賞も64-58くらいの超スローバランス、今年のドバイミレニアムSも61,3-59くらいで、3着だったガネー賞も1100m通過が71秒程度で、後半が58,5くらいのレースですから、基本的にはスローからのロンスパが一番の武器ではあるわけです。

 またスタート自体も決して速い馬ではなく、いつもスタートしてすぐに二の足でハナ、というよりは、じわじわと先行していつの間にかスピードに乗せていく、というレースが持ち味であり、これは裏を返すと、テンに速い馬がいると危うさもある、という事にはなります。
 もっともこの7頭立てで、ハナに行けず包まれて苦しい競馬、という可能性は低いですけど、内枠ですぐ隣がエネイブルやバンコク、マジックワンドみたいな感じになると、前をカットされて、いったん下げて外から押し上げる、という強引な競馬を選択せざるを得なくなる可能性は考えておきたいです。

 また戦績的に、良馬場なら無敗、渋った馬場ではほぼ負けている所からも、馬場に依存するタイプなのは間違いありません。
 ただガネー賞と凱旋門賞での、ヴァルトガイストとの着差など踏まえても、馬場依存ほど比率は高くないかもですが、ペース依存の面もあるはずで、果たして前半、スムーズに自分のリズムで進められるか、それをエネイブルとデットーリJが許すか、というのは、前半の攻防の大きなカギになると思います。
 もっともスローロンスパに持ち込んでしまえば、それでもエネイブルなら捻じ伏せるとは思いますが、相当に踏ん張ってくるだろうことは間違いないですし、逆にペースが乱された時や、馬場が悪化した時に脆さを見せる可能性も考えられる馬ですね。
 ロードノースがいなくなったので、エネイブルを逆転できる可能性、としては、エネイブルより前で走れるこの馬にしかチャンスはないのかなとも思わなくはないのですが、ただここは距離短縮もありますし、個人的にはそこまで信頼したくない人気馬ではあるのですよねぇ。


・ジャパン

 血統的には日本に縁もゆかりもないのですが、その名前だけで何故か日本馬件だと売れてしまう難儀な馬ですけれど、その実力も確かなのは間違いありません。
 が、前走のプリンスオブウェールズSでは完敗だったように、意外と好走スポットは狭い馬、というイメージは持っています。

 この馬が強かったのは去年のロイヤルアスコットにインターナショナルSあたりですが、基本的に速い流れで殺がれず、加速を強く問われない中でシブトク長い脚を使うイメージではあるのですよね。
 前走のように全体としてはスローで(オブライエン調教師のコメントでハイペース、とあるのですが、ラップを見る限りはスローなんですよね)、坂地点でスッと一気に加速していくような競馬はマッチしていなかった感じで、後半の絶対量も、そこそこスロー寄りだったパリ大賞典がさほどのパフォーマンスではなかったあたりから、そこまでのものではないのでは?と感じています。

 勿論成長や、叩いての上積みはあるでしょうけど、元々去年も消耗戦の凱旋門賞でエネイブルを捕まえられていませんし、斤量が逆転してポジション差もある、という中、スローペースなら当然、ハイペースでもエネイブルを差すのは簡単ではないはずです。
 全体的にはそこまで流れない可能性の方が高いと思いますし、地力で3着くらいには来てしまうかもですけど、正直今の時点ではあまり狙いたくない一頭と思っています。
 馬場がかなり渋ったら浮上してくると思うので、その辺りは注意しておきたいですね。


・マジックワンド

 意外とこういう時にまたひょっこりと2~3着に来てしまうのがこの馬なのでは?という感覚はあるレースです。
 基本的に距離は2000mがベストですし、立ち回りが上手いのでこういう総合力が問われるコースはもってこいのはずで、休み明けの前走もマイル戦ながら強い競馬で久々の勝利の美酒を手にしましたから、5歳シーズンでもまだ充実一途なのは窺えます。
 出来れば内目の枠を引いて、エネイブルの1列後ろでジッと息をひそめつつ、その進路を当てにして、という競馬が出来れば面白いかなと思いますし、こちらはペース不問で強いので、普通に狙い目としては面白いのではないでしょうか。

 少なくともスローバランスでジャパンには負けないという感覚はありますし、海外でも牝馬が強さを見せつけるシーンは頭に入れておいていいのではないか?など思っています。


・ディアドラ

 その意味で、この馬にもある程度圏内のチャンスはあると思うのですよね。
 今回は比較的斤量も軽く、直線が長いコースで、この馬自身は坂加速自体はそこまで苦にしていないので、ある程度タイトに立ち回っての持続力特化戦になれば、最後までしぶとく食い下がってくれるのではないか、というイメージは持てます。
 勿論前々から破格の持続を見せるエネイブルに対してどうこう、までは言えないですけれど、ガイヤースが早めに潰される形で、ジャパンに噛み合わない展開であれば、マジックワンドあたりとセットで台頭してくる可能性はそれなりにあるでしょう。

 渋った馬場になっても、去年の英チャンピオン3着はかなり強い競馬で、勝ち馬がマジカル、2着のアデイブもオーストラリアでダノンプレミアムを楽々撃破し、帰国初戦のプリンスオブウェールズS2着ですから、その辺りの比較でも、とは思います。
 ただ海外オッズなら普通に紐で、と言えますけど、日本オッズですとその辺りのバランスの取り方が難しいのは確かですね。


・リーガルリアリティ

 逆に日本オッズだと全くの伏兵になりそうなこの馬ですけど、そこまで侮れないのではないかとは感じています。
 そもそも去年のこのレース3着馬で、エネイブルと3馬身弱なら悪くない競馬ですし、去年も叩き2走目の綺麗な馬場でいい持続力を発揮してきましたから、雨が降らなければ今年もちょっと面白いかもしれません。
 このレースの勝ち方を知っているスタウト厩舎でもありますし、どうしても前にエネイブルとガイヤースがいると、後ろの仕掛けは前掛かりにならざるを得ないとは思うので、その展開に乗じての漁夫の利での圏内食い込みを警戒し、紐に入れておくくらいはしてみてもいいのでは?と感じる一頭ではあります。


・バンコク

 ある意味展開の鍵を握る一頭でもあり、前走のように逃げに拘るのであればガイヤースにとっては嫌な相手、という事にもなります。
 もっとも逃げなくてはダメという馬でもないですけれど、ある程度先行して粘り込むのがスタイルなのは確かであり、エネイブル含めての枠の並びは注視しておきたい馬ではあります。

 ただ能力的には、前走がスローからの後半勝負で息切れ、キングエドワードSはハイペース展開でジャパンに完敗、となると、どちらに振れてもこの相手に食い下がるだけの武器を持ってはいないのかな、とは思いますし、予想的な視座では一番素直に外していい一頭かな、という見立てをしています。


posted by clover at 16:47
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