2020年06月21日

2020 函館スプリントS・ユニコーンS レース回顧

 今日の重賞は両場ともに一番人気馬の完勝で、秋に向けての展望・夢が大きく広がるレースになりましたね。しっかりと振り返っていきましょう。


★函館スプリントS

 今日の函館も良馬場で、今年のこの開催は未だ微塵も雨の影響を受けていない希有な条件になっていますね。
 その分時計的にもずっと速いまま、バイアス的にも前目内目有利が顕著、というのはあり、このレースもその傾向に見事に合致する結果となっています。
 時計的には8Rの1勝クラスが33,4-35,3=1,08,7なので、それと比較して1,07,5は妥当なラインですし、馬場を考えればゆったりした流れでもありましたからね。

 レース展開は、まず抜群のスタートだったのがダイアトニックとダイメイフジで、この2頭が互いの出方を見つつ、最終的にはダイメイフジが大外から取り切る形になります。
 ダイアトニックは相手を行かせつつ包まれない横のポジションを丁寧に踏んで、スムーズに番手外を確保し、その外にメイショウショウブとジョーマンデリン、後ろにライトオンキューがピッタリマークする形を取ってきました。
 丁度中団にフィアーノロマーノ、その後ろにエイティーンガールとシヴァージ、マリアズハートなどがいて、最後方に出負けしたスイープセレリタス、という隊列になりました。

 ラップは33,4(11,13)-34,1(11,37)=1,07,5(11,25)という推移でした。
 スプリント戦としては0,7秒の前傾はさほどのハイペースとは言えませんし、実際にテン3Fだけなら1勝クラスと同等で、スプリント戦にしては後半要素が強く問われたレース、と見ておくのが妥当でしょう。
 後半は11,2-11,1-11,8と、コーナーで淀みなく淡々と流れつつも一応再加速も踏んでいて、やはり前目内目で追走を武器に、そこからしっかり一脚を使える馬、時計勝負に強い馬がきっちりと台頭してきたのかな、というイメージです。

 勝ったダイアトニックは、まず文句なしの完勝で、父ロードカナロアの無念を少しでも晴らす勝利になったかな、と思います。
 カンパイになるんじゃないか、ってくらいのロケットスタートで楽に先手を取り、外の馬に行かせてスッと切り替え番手外と、函館のお手本のような入り方を見せてくれたのも、それだけ馬のスピードと操縦性が素晴らしいからで、本当にここにきてゲートが鋭くなっている分スプリントでも、というのは出てきていますよね。
 この馬としては別に流れても緩くてもさほど問題はないので、前の馬に合わせつつ自分のリズムで、という形でしたでしょうし、最速地点でもじわっと詰めていって、ラストはしっかり抜け出す横綱相撲の完勝でした。

 まだ極端なハイペース、32秒台を追走してどうか?と、重箱の隅をつつくような課題は残るものの、ここ2走の内容からほぼスプリンターとして完成してきたかな、と思います。
 同厩のダノンスマッシュよりゲートが安定している分安心感がありますし、しっかり速い流れからでも鋭い脚が使えるのは強みで、普通にこれは秋の主役候補、と見ていいでしょう。
 元々高松宮記念も不利がなければ、という競馬でしたし、スプリンターズSでモズスーパーフレアがガンガン飛ばしていくのにしっかりついていって、どこまでやれるかガチンコのスピード勝負が見たいですね。

 2着のダイメイフジは、久し振りの芝でしたけど、大外の最後入れで抜群のスタートが決められ、そこから逃げる形まで持っていけたのが、展開や馬場的にはかなり有利に働きましたね。
 正直こういう競馬をメイショウショウブがしてくれないかな、という予想だったのですけど、後述するカフェファラオもそうですが、やっぱり大外最後入れのスタートの合わせやすさ、ってのは侮れない要因であり、特にこういうバイアスがはっきりしている時は警戒しておかないといけなかったな、と反省です。

 この馬自身平均ペースくらいまでなら強い、というのはありますし、最後甘くなったのはこの馬自身のバランスでは流石にちょっと突っ込み過ぎた、という面はあるでしょうけれど、それでも3着以下はしっかり抑え込んでいますから好騎乗、馬もいきなり芝に戻って頑張る馬主孝行な走りだったなと思います。
 流石にこれだけ恵まれた後の一戦は難しいでしょうけど、噛み合えばスプリントGⅢ位ならワンチャンス、というのは見せてきましたし、キーンランドCあたりでもういっちょ、はあるかもしれませんね。

 3着ジョーマンデリンは、外の馬が速くて少しポジションを下げながら、という入りだったのが勿体無かったですけど、立ち回りは非常にうまく、函館巧者の実力は遺憾なく発揮してくれたのかなと思います。
 この馬としてはもう少し前が飛ばしてくれれば、という憾みもあるでしょうが、そこはレースメイクに寄与できる位置まで入っていけなかったが故で仕方ないですし、今後は函館以外でも走れるかが課題ですね。
 函館と札幌って、洋芝は共通していてもコーナー形態とか坂の位置とか、結構細かい部分が違うので、どちらも走る適性を持っている、というのは意外と少ないのが競馬の面白いところでもあります。

 4着フィアーノロマーノは、やはりこの距離だとあの位置からになってしまいますし、こちらもややペースが遅くて後半特化になると決め手ではちょっと足りない、というのは見せてしまいますね。
 ダイアトニックとの比較でも、明らかに前半のポジショニング性能の差が着差に繋がっている形ですし、この馬としては流石に1200mは少し忙しい、出来ればもっと流れ切ってしまった方がいい、というのはあったでしょう。
 ただこれまで夏場は殆ど走れていなかった馬ですし、そこを克服してきたのは収穫で、もう少し時計の掛かる馬場になった時のキーンランドCならもう少し前進が見込めるかもしれません。

 5着シヴァージも、前にこういう展開でまとめられては流石に苦しいのですけど、ただこの馬は本当に前走もそうですが、思いの外決め手はあるのですよね。
 今日も大外を回しながら最後まで一頭違う脚で差し込んではいますし、そこそこコーナーでも動ける馬なので、こちらもコーナー半径が大きい札幌のキーンランドCの方がより面白いと思います。時計が掛かる馬場になってくれればなおよし、ですね。

 6着ライトオンキューは、競馬の形としてはかなり良かったと思いますし、これで伸びあぐねるのはやはり休み明けか、時計勝負向きではないか、どちらにせよちょっと物足りない内容なのは確かです。
 ピナトゥボもそうですけど、どうもシャマーダル産駒は旬が短い傾向があるようで、この馬もひょっとするとドバイ中止のせいで、もっとも脂の乗り切った時期を無為に過ごしてしまった可能性が出てきましたね。
 そういう悲観的なイメージを払しょくするためにも、次は本領発揮の末脚を披露して欲しいものです。

 券種的にはある程度前に行く馬を、という意識は持って組み立てたつもりが、思いの外重い印を打った馬や、穴馬に至るまで、前に行けなかったという残念なオチになってしまいましたね。
 でも上のメゾットを踏まえれば、確かにダイメイフジは抑えてもいい馬ではあったんですよね。といっても多分的中まで結びつけるのは厳しかった気はしますが、その点少し雑な予想になったと言うか、正直ユニコーンSの方に力を注ぎ過ぎたと言うか、です。。。


★ユニコーンS

府中のダートは、流石に昨日からは回復して終日稍重での開催でしたね。
 地味に午前中もちらほら雨が降っていたりで、乾きにくい状況だったのもあるでしょうし、時計的にも昨日ほどではなくともやはりそこそこ速い、というイメージではあります。
 9Rの青梅特別が46,7-49,3=1,36,0と、かなりのハイペースでこの時計なので、昨日よりは1秒弱掛かっているイメージですけれど、その中で超ハイペースとはいえ1,34,9まで叩き出してくるとは恐れ入りました、の一言になります。

 レース展開は、まず注目のレッチェバロックはソコソコのスタート、でもしっかり芝で二の足はついて、この馬らしい外連味のない逃げに持ち込む事には成功しました。
 それを外から追いかけたのがサンライズホープ、メイショウベンガル、フルフラットあたりでしたが、しかし大外の最後入れで、前走とは雲泥の差のスタートと二の足を見せたカフェファラオが、ほぼ馬なりでスーッと外から大きな完歩で上がっていき、レッチェバロックをピッタリマークする番手外まで取り切ってしまうという、いい意味で予想外のポジショニング性能を見せてきました。
 先団の後ろにサンダーブリッツ、キタノオクトパスと続き、中団後ろくらいにケンシンコウとサトノラファール、後方外目にタガノビューティーがいて、デュードヴァンはミルコJになってやはりのやや出負け、二の足もつかずに道中は後方3番手とかなり苦しいポジショニングになりましたね。

 ラップは34,2(11,40)-24,2(12,10)-36,5(12,17)=1,34,9(11,86)という推移でした。
 ハーフで取ると46,1-48,8なので3秒近い相当なハイペースであり、正直これはレッチェバロックルメールJのレースメイクとしては妥当、やるべきことはやった内容だと見ていいと思います。
 まあ強い言えば中盤11,9-12,3と少しだけ息が入って、そこから12,1-12,2-12,2なので再加速は踏んでいますけど、それでも誤差程度で、かなり追走面で後続を削ぐ競馬が作れているのは確かだろうと感じます。

 それでもやはり府中マイルなので、それなり以上の後半要素は求められた、というのはありますし、レースラップ的にはこのペースで入ってラスト1Fで減速していない、というのがちょっと異常なレベルだな、という感覚になります。
 実際勝ち馬を除けば46,1-49,6という超々ハイバランスで1,35,7と、この走破でも青梅特別との比較で悪くない、例年並みの内容とは言えるので、勝ち馬はちょっと結果的に別格過ぎた、と見做していいのでしょう。
 それと面白いのは、上位5頭が全て、前走東京ダートマイルの勝ち馬だったりするのですよね。こんな風によどみなく追走&底力勝負になると、逆にコース適性面が色濃く出やすい、というのも感じた一戦でした。

 ともあれ勝ったカフェファラオは、結果論的に追走が問われてこそ、という強さでしたね。むしろこれまでの2戦は、真価を見せないままにあれだけ強かった、と見ておくべき勝ち方だったと思います。
 勿論恵まれた点も多く、やはり大外枠で最後入れはゲート不安がある馬としては理想でしたし、けれど前走あれだけ芝で行き脚がつかなかったのが嘘のように進んでいったのは、馬の成長なのか、それともやっぱりミルコJが良くないのか?って話にはなってしまいますね。

 ともあれ、あの形から妥協せず、当面のライバルであるレッチェバロックをピタッとマークする位置までニュートラルに押し上げていくのがレーンJらしい強気さで、また馬もそれだけのスピードをいきなり求められて、むしろはじめて伸び伸び走れた、くらいに楽々ついていくのですからすごい、の一言です。
 ほぼ残り200mまで持ったままで楽にレッチェバロックを交わし、最後の1Fはそこそこ追われていましたけど、その結果ラストまで12,2と減速せずにまとめているのは、追走力&持久力の化け物、と評していい内容だったのではないでしょうか。

 この点はいかにもアメリカンファラオ産駒らしい基礎性能の高さ、という感じで、今日のレースではっきり、ケンタッキーダービー挑戦もアリ、と思える強さを見せてくれたなと思います。
 勿論まだまだコロナ禍がある中での遠征はリスキーですけど、逆に言うとそういう時だからこそチャンスは大きいとも言えますし、適性的にはかなりいいところまで行ける気はするのですよね。
 あと今年はアメリカの3歳牡馬路線、ナダルやシャーラタンが脱落して結構層が薄くなっており、丁度今朝1800mに短縮されたベルモントSでティズザローが強い競馬を見せてきましたけど、この馬の三冠を阻止するのは、なんて視座でこの馬が普通に問答に上がってくる、そういうレベルのパフォーマンスだったのは間違いありません。

 贅沢を言えば、本番の前にアメリカで一走するローテを選べればベストではあるのですけど、流石に難しいでしょうかねぇ。
 仮に遠征しなかったとしても、今の国内ダート路線の強豪にまた一頭、破天荒な強さを見せる馬が加わってくるわけで、チャンピオンズCあたりは素晴らしく盛り上がるレースになってくれそうな予感がしますし、本当に将来が楽しみで仕方ない一頭です。
 まあ素直にJDDを使うかもですし、その辺りも含めて動向に大注目、ですね。

 2着のデュードヴァンは、なんだかんだで堅実に強い馬だなと思わせる走りはしているのですけど、どうにもミルコJだとポジショニングでロスが多過ぎて、となってしまいますよね。
 かなり流れたとはいえ、中団にも入ってこられなかったのは、ですし、結果的にコーナーから外々の苦しい競馬にはなって、それでもかなりの切れ味を見せて台頭してきたのは、これまでのレースとは違う形で好走した、という点で収穫ではあるでしょう。
 本当にこのコースならどんな展開でも崩れる不安がないですし、流石に勝ち馬は圧倒的過ぎましたが、古馬相手でもそれなりにやれるイメージは持てる馬です。でもポジショニングは妥協しない騎手の方がいいですね、追走面も武器になる馬ですから。

 3着のケンシンコウは、前走の勝ちっぷりがかなり良かったのですけど、それを焼き直すような中団からのしぶとい差し脚を見せてくれましたね。
 この馬も他の馬よりラスト1Fでの持久力面で良さがあるな、という感じで、流石にデュードヴァンには切れ味の質の差と地力で一気に、でしたけど、このラップであそこからラスト1Fでじりじりきているのは力がないとできないとは思います。
 ケンシンコウなのに武田の赤備えでしたけど(笑)、どうあれある程度タイトに立ち回りつつ、流れてしぶとさが生きる舞台なら今後も楽しみはありそうです。ただしこういうタイプはレバードSは向かないと思いますし、まだタフさに賭けてJDDの方が面白いかもですね。

 4着のサンダーブリッツも、しっかり流れに乗ってじわじわと伸びてくる、前走同様の競馬の上手さとしぶとさは見せていましたけど、最後は力負け、という感じでしょうか。
 5着キタノオクトパスもそうですが、このあたりはシンプルに前走の時計差が能力差、みたいな面もありそうで、どうしても府中マイルってトリッキーになりやすいのですけど、これだけシンプルなレースの中での自分の力は出せている、という事にはなるのだと思います。

 9着レッチェバロックは、まあやるべきことはやったと言えますし、このペースでもう少し後ろを引き離せていたならラスト200mくらいまでは頑張れたかもなんですけど、流石にカフェファラオに大名マークされてしまっては苦しかったですよね。
 やはりこの馬自身は、一度減速してしまうと再加速を踏むのが得意ではない一貫スピード型っぽいですし、といって中盤も11秒半ばで暴走気味に飛ばしていけ、というのも無茶な話ですから、ここは仕方ない負け方だと思います。
 素材的にこの負け方は悲観しなくていいと思っていますし、改めてダートスプリント路線でその才能を開花させて欲しいですね。とりあえず芝スタートでもそこそこ速い、というのは収穫ですが、現状はダートスタートの方が相対的にプラスでしょう。

 13着タガノビューティーは、普通にここまで崩れるとなると状態面にはなるのかなと思います。
 勿論ハイペースで苦しかったのもあるでしょうが、デュードヴァンとの比較でも前走と比べてあまりに走っていませんし、ちょっと一回立て直して、改めて自分の形に徹する競馬で魅せて欲しいですね。本当にこの馬の嵌った時の決め脚は鮮烈ですからねぇ。

 予想・券種的には毘沙門天の御加護でなんとか辛うじて、というところでしょうか。
 まあ素直にデュードヴァンをもっと評価しておけ、というのはあるのですけど、やっぱりミルコJで最内って嫌ですし、実際道中この馬を狙ってた人はハラハラし通しだったはずで、あれだけのマイナス要素があっても強かった、とまで見切れなかったのは反省材料ですかね。
 あと、適性的にレッチェバロックは苦しい、と思い切ります、とか言う割には券種的に思い切りが悪いのは確かにあるのですよね。このあたりがギャンブラー気質ではないと言うか、人気が切れて穴が狙える時に強く、といけないメンタリティはやっぱり良くないです。

 買い目の割り切り方次第で、せめてあと100円三連複上積み出来ていれば、という悔いは残る構築になってしまいましたが、それでもかなり力を入れて予想したレースでなんとか的中できたので最低限良しとはします。
 来週は帝王賞に宝塚記念と非常に楽しみなGⅠ二つが待ち構えていますし、この的中を勢いとしてなんとか頑張りたいですね。


posted by clover at 17:11
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