2020年06月15日

2020 6月第2週海外GⅠ レース回顧

 ようやく欧州競馬も本格始動という感じで、毎週のように面白いレースがあるので観戦にも力が入りますね。
 今週はもう明日からロイヤルアスコット開催もスタートで、今年は例年以上にレース数を増やしての開催にもなりますし大注目です。
 今週は記事枠が多いので、あまり時間に余裕がなければ、また金曜日くらいにロイヤルアスコット前半戦、という括りで海外回顧を出すかもしれません。そのあたりの予定は流動的ですが、一先ず今日は先週末の愛仏の4つのGⅠを見ていきましょう。


★愛2000ギニー https://www.youtube.com/watch?v=8USvHrGug44

 このレースは、去年夏の愛フェニックスS勝ち以来10カ月ぶりの実戦となったシスキンが、執拗なオブライエン包囲網をはねのけて見事に無敗での戴冠を成し遂げましたね。
 スタートで少し安めを売り、道中は中団~後方寄りのインとやや苦しい位置になって、ここぞとばかりにその前と横を延々6頭出しのオブライエン勢が固めていくという、いかにも欧州らしい密の競馬でした。

 実際にかなりその戦略は上手く嵌っていて、残り200m手前で外から3着馬がスパッと抜け出した時はこれで決まったか、と思わせたのですが、逆にその抜け出しが鋭すぎて、刹那出来た僅かなスペースをシスキンと鞍上のキーンJが見逃がしませんでした。
 文字通り体当たり同然に外でブロックしていたアーモリーを弾き飛ばして進路を確保すると、そこからの伸び脚は圧巻で、個々では能力そのものは違う、というのをしっかりと見せつけた強いレースでしたね。
 もっとも外に出した時に、煽りで赤帽の馬とかかなり不利を食らっているので、もしかすると斜行などでペナルティがあったかもですが、それでも厩舎・騎手ともに初のクラシックタイトルという事で、オブライエンの庭であるアイルランドの競馬史にひとつの逆襲を刻んだ、と言えるのではないでしょうか。

 あとこのレース、ちょっと気になっていたのが、ムーアJが乗ってないのですよね。
 正直これでアーモリーに乗っていたのがムーア様だったら、もっとぎちぎちにマークしきれていたのでは?なんて思ったりもするのですが、ともあれ一気にマイルへの延長もこなして、シスキンの未来は明るいですね。今後もマイル路線で非常に楽しみな馬です。


★愛1000ギニー https://www.youtube.com/watch?v=R_BqxFqr9ZU

 翌日の1000ギニーの方は、こちらまで落とせない、とばかりに、オブライエン厩舎のガリレオ産駒・ピースフルが、番手追走から力強く抜け出して後続を完封する見事な勝利でした。
 重賞自体初挑戦でしたけれど、元々素質を高く評価されていたようでここでも人気していましたし、実際にそれに見合う走りを見せてきましたね。
 時計の1,38,19も前日の2000ギニーより速く、同日同距離の古馬マイル戦でマジックワンドがぶっちぎっての1,38,17とも遜色がないので、これは中々に強いレースだったと思います。
 血統的には距離延長も苦にしないでしょうし、基本線はオークス、或いはロイヤルアスコットへの連闘もあるかも?という話ですが、今後の活躍が大いに期待出来る一頭です。

 2着に最後大外から差しこんできたファンシーブルーは、最近の欧州でお馴染みになりつつあるディープ×サドラーで、やっぱり日本だとスピード不足の血統でも、こちらではしっかりフィットしてくるのだなと思わされます。
 ここはスタートでやや後手、その後も一番人気の馬をマークしてやや仕掛けが遅れた感はあり、勿体無いレースではありましたが、それでも勝った馬は強かったですし仕方ないですね。
 こちらも基本オークスを目指すようですが、走りの質からは距離伸びてプラスに思えても、欧州のディープはどうなのか?というのはやはり出てきそうで、そのあたり含めて注目していきたいですね。



 ここは僅か5頭立て、メンバー的にもGⅠ級と言えるのはソットサスだけ、というやや寂しいメンバーになってしまいましたが、しっかりとソットサスが番手から押し切って貫禄勝ち、やはり叩き良化型、という所を見せてきました。

 ラップ的には1100m通過が66,75で、そこからの1000mが24,66-11,67-11,47-11,83=2,06,38となっています。
 馬場は稍重なのですが、時計自体はそこそこ出ていて、その中で平均ペースから少し緩んで、後半3Fの持続力戦、という印象ですね。
 正直ソットサス、勝つには勝ったのですけど、去年のこの舞台で超ハイペースの仏ダービーを突き抜けたような鮮烈さはなく、最後ウェイトゥパリスレベルの馬に差を詰められているのはちょっと物足りなかったですね。
 タイプ的にあまり自分で位置を取りに行くよりも、ジッと溜めて一気の加速と爆発力に賭ける方が噛み合うタイプなのかな、とも思いますし、相手が揃う舞台ならそういう競馬も出来るでしょうから、その時に真価は改めて問われる、という感覚ですね。



 ディアヌ賞の前哨戦になるサンタラリ賞は、テオフィロ産駒のタウキールが、初芝ながら好位外目から直線豪快に突き抜け圧勝、鮮やかにオークス戦線のトップに躍り出てきましたね。

 ガネー賞と同日開催なので馬場は稍重、ラップは62,16-25,28-11,44-11,26-11,48=2,01,62という推移でした。
 こちらは極端ではないもののかなりのスロー、特に1000-600m地点は平均12,64ですからかなり遅く、そこから直線向いて一気に加速しての3F瞬発&持続勝負、という色合いでしょうか。
 勝ち馬はこの流れで、スムーズに好位外から加速地点で速めに追いかけていく理想の形は作れていたものの、それでもこの千切り方は中々で、特にラストも11,48と高い持続でまとめているのは好印象です。
 抜け出す時の鋭さも含め、後半要素は全ていいものを持っていると感じますし、ガネー賞とのラップ比較でもペースを考えれば互角に近いものがあるので、これは距離伸びてもやれそうですし、疲れなどなければ現時点ではオークスの大本命、と見ていいパフォーマンスだったように感じますね。

 ディープ産駒でキーファーズ所有のサヴァランも出走していて、やや後方のインで脚を溜めつつ直線一瞬抜けてくるか?という雰囲気はありましたけど、最後甘くなっているあたり、持続勝負向きではないのか、シンプルにマイラーなのか、どちらかでしょう。
 兄弟成績を加味すると、持続性能はありそうに思えるので、どちらかと言えば距離っぽいですね。タフな欧州で2000m級になると、スタディオブマンこそ仏ダービーを勝ったものの、サクソンウォリアーも2000mでは勝ち切れなかったですし、中々難しさはあるのかなと感じるレースではありました。
 その意味でもファンシーブルーがオークス路線でどこまでやれるかは見てみたいですけどね。

 ちなみにこの2レースはどちらもC・デムーロJ鞍上で、年々しっかりとフランスでの足場を固めていて流石ですね。
 2頭ともにこの後の大レースを摸索できる素材の持ち主ですし、本当に楽しみです。


posted by clover at 17:05
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