2020年06月14日

2020 マーメイドS・エプソムC レース回顧

 今日は両重賞ともに雨の影響を受けて、やはりというべきか非常に難しいレースになりましたね。
 馬場も刻々と変化していく中で、上手くその傾向を掴んできた人馬が踏ん張ってきた感じですし、後々に繋がるのか?という部分で読みにくい結果になっていますけれど、まずはしっかり回顧、していきましょう。


★マーメイドS

今日は阪神の方が降る予報だったんですけど、蓋を開けて見るとあちらはほとんど雨の影響がなく、流石にスタートは重馬場でしたが、早い段階で稍重に回復してのレースでした。
 勿論阪神の場合は開幕週からして土台がそこそこタフなので、多少の悪化でも影響は出る舞台だったとは思いますが、8Rの1勝クラスではややハイペースで1,47,8とそこまで悪くない時計が出ていました。
 内回りのレースが午後になかったので読みにくい面はありますけど、ほぼ良に近いところまでは回復していた感じで、先週よりは1秒くらいタフかな?というラインに落ち着いていたと思います。
 また結果的に雨の影響が少なかったので、元々のイン有利の馬場も完全に保全されていた感覚ですね。

 レース展開は、逃げたのが注文通り内からナルハヤで、オスカールビーはスタートが良くなくて前まで行けず、替わって番手に押し上げたのがサマーセントとマルシュロレーヌ、レッドアネモスも早めの競馬から2列目ポケットに入っていきます。
 リュヌルージュはあまり揉まれたくない馬なので、最序盤じわっと外を意識しつつ様子見していたら、サッとレッドアネモスに前に入られてしまって3列目と少し勿体ない入りで、レイホーロマンスも早めの競馬で中団外、エアジーンは後方寄りの外で、センテリュオも後方、こちらはインベタでじっくりと構えていました。

 ラップは36,3(12,10)-48,3(12,08)-36,5(12,17)=2,01,1(12,11)という推移になっています。
 三分割で見るとほぼ綺麗な平均ラップですが、中盤は前半の方が遅く、ハーフで取ると60,8-おわねあと気持ち程度ですがスローバランスになります。
 しっかり序盤の3~4F目、1~2コーナーでラップを落としてコントロールし、向こう正面からは12秒そこそこまで引き上げていって、更に残り800mから11,7-11,4-12,2-12,9と前が強気の仕掛けで出し抜きに行く競馬になっているのですね。
 馬場を踏まえると800-400mの3~4コーナーでの11,7-11,4はかなり速いラップですし、ここで外から押し上げようとした馬は基本脚を使い過ぎてジエンド、という感じで、先週の鳴尾記念に引き続き持久力ラインでのイン立ち回り勝負、というレースになったのかなと見ています。

 勝ったサマーセントは、この位の馬場なら面白いと思っていたのですけど、より悪化してハイバランスだと苦しいかな、と思って拾わなかったんですよねぇ。
 ただ50kgで、オスカールビーが出負けしたおかげでスムーズに絶好の番手を取れましたし、終始前に一定のプレッシャーをかけつつ、この馬自身も出来る限りはロスなく立ち回ってきて、スタミナと持続性能を最後しっかり引き出せたのではないでしょうか。
 勿論この斤量なので何とも言えないですけど、こういう明確に仕掛けが早い競馬で踏ん張れたのは中々に魅力的ではあり、距離延長も問題ないと思うので、エリ女路線で馬場がまた少しタフ寄りになってくれれば面白いかもしれませんね。

 2着のセンテリュオは、これしかない、という競馬でしたね。
 どうしてもスタートと二の足は良くない馬なので、ポジショニングとしては内枠の時点で仕方ないかな、と思いますし、それでもまだ内の馬場が悪くはない、というのをしっかり意識して、出来る限りコースロスを留めた立ち回りの意識は流石福永Jでした。
 今日はこのレースまでで5勝していて、微妙なコンディションの中できっちり伸びるコースを把握しきっているな、と感じたのと、思ったよりは馬場が回復したので正直怖いなぁと思って見ていたのですけど、4コーナーからの捌きもほぼ完璧でしたし、この条件でこの馬がやれる走りは出し切れたのではないか、と思います。

 基本的には外枠からある程度リカバーしていく意識が欲しい、後半の持続型なので、理想はタフで外差し馬場で外枠、なんですよね。
 あまりこれは近代競馬では見ない条件にはなってしまうのですけど、その辺りが噛み合ってくれば去年のエリ女を引き合いに出さずとも、GⅠレベルでやれる余地はある馬だと思うので、一先ずここで賞金が詰めたのは最低限良かったと思うべきでしょうね。

 3着のリュヌルージュは、この馬としてはもう少し渋ってくれた方が、というのもあったでしょうし、後序盤の入りでポケットに決め打ちたくなかったのはよくわかるのですけど、半端になった分だけ1列下がってしまったのは勿体なかったですね。
 その分直線も少し進路取りに手間取るところはありましたし、それでも内枠の分だけコーナーのロスがなかったので、最後はこの馬らしいしぶとさは見せられたのかなと感じています。
 正直この馬は牝馬路線にこだわるよりも、ある程度タフ馬場の2000m以上、を求めていった方が良さそうだと感じます。京都大賞典とか結構合いそうですし、今は牝馬が強い時代ですから、そういう所でどこまでやれるか一度見てみたいですかね。

 4着のナルハヤは、これは藤田Jはいいレースメイクをしたなぁ、と思いました。
 前走は超スローに持ち込んで、でしたけど、今日はきっちり平均ペースを作り、また2走前の福島のように不用意な緩みを作らずに淡々と進めた事で、この馬のスタミナを活かしつつ、後続の脚を削ぐ形が上手く作れていたと思います。
 強いて言えばサマーセントのプレッシャーが少し早くて、完全に本仕掛けがコーナーになってしまったので、総合力勝負がベストのこの馬としてはちょっと苦しかったとは思いますし、もう少しバランス良く分散する形ならもっと粘れたかもしれません。
 ただレースメイク、という視座でも、馬自身もある程度爪痕は残せたレースになりましたし、オスカールビーの出負けに助けられた面もあるとはいえ、意図はきちんと感じ取れる競馬で良かったと思います。

 5着のエアジーンは逆に、この距離でもやっぱり追走で苦慮するのか、というのはありますし、その中であまり工夫もなくコーナーから外目を回して、なので、それはがっつりコーナーで置かれますよね。
 前走などもそうですけど、速いラップのところで置かれて、それでも最後はしぶとく、という馬なので、レース質が平均からのロンスパというのは噛み合いそうで微妙にずれていた感もあります。
 この馬は今のところ最低でも2200mは欲しいのかな、と思いますし、もう少しポジショニングで進境を見せて欲しいレースではありましたね。

 予想的には馬場読みがかなりズレてしまって、イン有利がそのままシフトしてしまった感じなので、ここは仕方ないかな、と思います。
 どうしてもこういう馬場でこの斤量とメンバーでは、純粋に隊列を読み切るのも難しいですし、強いて言えば基本は内有利なのだから、本命対抗は逆にすべきだった、くらいしか出来なかったイメージです
 正直今日の馬場を見て、福永J祭りを見てからの予想ならセンテリュオは入れられたとは思いますけど、まあそれは私のスタイルではないので仕方ないと割り切ります。結局最終もこっそり圏内には持ってきて、今日の阪神は基本福永J買ってればOKの一日でしたね。


★エプソムC

 こちらは、3歳の頃から素材は高く評価されつつ、幾度も幾度も重賞の壁に跳ね返され続けてきた東京巧者のダイワキャグニーが、番手から力強く抜け出しての快勝でしたね。

 府中の方が結局馬場回復も遅く、スタートも不良で、午前午後とそれなりに断続的に雨も降って、結局レース時点でも不良馬場になっていました。
 ただ流石に土台は軽い府中と言うべきか、不良表記でも少しずつインは乾いてきていたのかな、というイメージで、特に午後に入ってからのレースは、みんなが内を避ける中、レーンJだけがインに潜ってきっちり圏内に持ってくる、というのを繰り返していて、流石にあれだけ内も大丈夫、というのを見せてしまうと、メインはみんなそれなりに内に居残る競馬になっていましたね。
 正直一日の中でも馬場のバイアスが刻々と変化し続けていたと思いますし、これを事前に読み切るのは神業でしょう。

 時計的には午後のマイル戦が47,2-48,9=1,36,1と、48,7-48,0=1,36,7なので、流石に普段より3秒近く時計は掛かっていますが、昨日よりはマシになってきていたと思います。
 その中でハイペースからの1,47,7は、馬場を考えればそこそこ優秀で、良馬場なら44秒台くらいのイメージにはなるでしょうか。
 ただやはり、速い流れになっても後ろから差せる馬場ではなく、結果的には前目内目の競馬になるのが府中の奇々怪々なところでもありますよね。

 レース展開は、最後入れのトーラスジェミニがロケットスタートを決めて一気にハナ、それをダイワキャグニー、アトミックフォース、サラキアが追いかけていきます。
 その後ろのインにソーグリッタリング、ギベオン、アンドラステ、サトノアーサーと続き、マイネルファンロンとインビジブルレイズが中団くらい、やや出負けしたピースワンパラディはリカバーしつつその後ろで、シャドウディーヴァ、レイエンダ、エメラルファイトあたりも後方からの競馬になっていました。

 ラップは35,3(11,77)-35,9(11,97)-36,5(12,17)=1,47,7(11,97)という推移でした。
 トーラスジェミニが淡々と刻んでいて、中盤もほぼラップの波がなく12秒前後を続けていますから、序盤に追走面をかなり強く問われた上で、息の入る地点が少なく、結果的にコーナーのロスが大きい競馬になっていると思います。
 ラストも11,8-11,9-12,8と、ほとんど切れ味は問われずに、持久力ラインでの踏ん張り勝負で、最後はかなり落としていますけど、それでも後ろから差し込めるだけの脚を残せた馬は数少なかった、という、府中としては特殊なバランスに入るレースではありますね。
 当然ですがこの馬場で馬力が必要だったはずですし、その巧拙やポジショニングなども含めて噛み合った馬とそうでない馬の差が大きいレースでもあったかなと感じています。

 勝ったダイワキャグニーは、しかしどうしてこれだけ府中は走れるのに、新潟は全然ダメなのか不思議ですよね。
 元々この馬はあまり重馬場が良くないイメージがあったのですが、今はそのあたりは克服してきた感じで、やはり去年のJC、タフな馬場でタフな流れを逃げて粘り込んだ経験が、この距離でプラスに転じたのではないかな、というイメージにはなります。
 正直枠の並びが微妙だったので、もう少し消極的な競馬になりそうだと踏んでいたのですが、今日の内田Jはしっかり位置を意識して入ってきましたし、トーラスジェミニがリードしてくれた流れもこの馬に取ってベストマッチだったのだろうと思います。
 馬体も絞れて好調だったのもありそうですし、色々噛み合った面はあるとはいえ、文字通り悲願の重賞制覇ですね。これで秋は胸を張って大きな舞台に挑戦していって欲しいなと思います。

 2着のソーグリッタリングは、やはり安定感がある馬で、結果的に内枠もプラスに転じましたけど、それでも勝ち切れないあたりもらしさ、ですね。
 スタートもそれなりに出て、前が速かったのであの位置、というのもまずこの馬としては理想的だったと思いますし、敢えて言えばそこまでハイペースが得意、というわけではないので、もう少し淀んでくれた方がこの馬の良さはより引き出せたのかもしれません。
 要所の反応が一番武器になるだけに、こういう淡々と波のないラップではそれが武器になり切らないのは仕方なく、結果的に一脚は使えているのですけど、最後はどうしてもダラッとなってしまうのですよね。
 それでも2着をギリギリ差し切ったのは地力かな、と思いますし、斤量面なども含めて楽ではない中でいい競馬だったと思います。こっちも藤井Jで少し下げてしまったけれど、逆にこういう泥臭くしっかり追えるパワー型の騎手向きのレースになる、と判断出来る土壌はあったのだから、短絡的に決め打ってはいけないという教訓・反省になりますね。

 3着のトーラスジェミニは、確かにマイペースなら少々速い流れでも頑張れる馬だとは思っていましたけど、流石にここでここまでしっかり粘れたのはびっくりですね。
 勿論馬場の恩恵と適性を引き出す好騎乗があってのものですし、しかし今日の府中は最低人気がバシバシ走って本当に難しさ極まれり、という感じでした。
 タイプ的にいつも好走、とはいかないでしょうが、ローカルの1800~2000m重賞で、自分の形に持ち込んで何処までやれるかは一度見てみたいかな、と思います。

 4着のアンドラステは、馬場バイアスを考えると一番強い競馬をしていると感じます。
 スタートはある程度決めて、位置を取りに行くものの、どうしてもこのコースだと枠の並びを押しのけてまでが難しいですし、ジリジリコーナーで下がっての直線、それでも外から一頭だけいい脚で伸びてきて、あわや2着まで差し込んできたのは中々にインパクトがありました。
 やはり血統的にこういうタフ馬場がマッチしていたのはあるかもですが、それでもこのラップで最後まで来たのは大したもので、距離はもうちょっとあってもやれそうな感じはありますね。
 本来はもう少しポジショニングでも勝負できる馬なので、その辺りが噛み合ってくれば、クイーンSとか府中牝馬Sとかでも楽しみがある一頭だと思います。

 5着アトミックフォースも今の充実ぶりを感じさせる踏ん張りでしたけど、やっぱり本質的に1800mは少し短くて、かつ理想はスローバランスなんだろうな、というのは感じますね。
 一枚外とは言えダイワキャグニーには完敗ですし、もう一段地力をつけてこないと噛み合っても重賞では中々、というシーンは出てくると思います。

 サトノアーサーとピースワンパラディは、インを通して悪くはない立ち回りでしけだと、どちらも前半のポジショニングでやや後手を踏んでしまったのと、流れ切って追走面が強く問われ過ぎたのがネックだった気はしますね。
 レイエンダはこの馬場で外枠ではそりゃあ無理でしょう、という感じで、本当に藤沢厩舎の重馬場はてんでダメですね。そんな明確な弱点があっても1500勝なのですから偉大なのは疑いの余地はないのですけど、いい意味で言えば取捨がしやすいのはあります。

 予想的には、正直タフ馬場のダイワキャグニーをまだちょっと疑っていて、しかも内田Jだから外から2~3頭来た時にポジションを下げそう、とあっさり嫌ってしまったので完敗もいいところですね。
 まあ正直この流れでももうちょっとピースワンパラディに頑張って欲しかったな、というのもありますが、どうあれやはり梅雨の時期の競馬はことさらに難しい、というのを再認識させられる反省ばかりの一日でした。





posted by clover at 16:59
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