2019年04月29日

2019 新潟大賞典 レース回顧

 そろそろ食傷気味の巻頭詞にはなってしまいますが、平成最後の中央重賞となった今日の新潟大賞典は、時代の流れを象徴するかのように、今週から短期免許で来日しているオーストラリア期待の若手ジョッキー、ダミアン・レーンJが駆る上がり馬のメールドグラースが、人馬揃って勢いのまま勝ち切り初重賞制覇、となりました。レースを振り返りましょう。


 今日の新潟は良に回復、含水率も11%台と、新潟としては標準くらいの乾き方に戻っていましたが、全体的にはそこまで高速馬場、という感じでもなく、例年春開催は少しだけタフなイメージですが、それ相応の馬場だった、というイメージでしょうか。
 未勝利の1800mが35,9-38,9-33,9=1,48,7と、中緩みが大きい中で上がりはそこそこ出る競馬、8Rの2400m戦は、メンバーレベルがかなり低かった、とは思いますが、47,8-50,3-49,7=2,27,8と、そこそこ流れた割にはラストの上位馬の上がりもイマイチでしたね。
 ローカルなので他のレースからの比較も難しいのですが、流石にキレッキレの脚を使えるほど軽くはなっていなかった感じで、その中で超スロー、ですから、1,58,6という勝ち時計はまぁ妥当なラインなのかな、というイメージです。

 レース展開は、まずブラックスピネルが押してハナを主張、外から好発のドレッドノータスが続き、その後ろにアストラエンブレム、エアアンセム、ランガディアが好位集団を形成、その後ろにサンデーウィザード、アウトライアーズ、メートルダールも早めの競馬で、その外目にメールドグラース、ルックトゥワイスがその後ろにいました。
 ミッキースワローは何とか五分には出たか、という所から、それでも出足は悪く後方3番手、ロシュフォールもスタート直後に少し挟まれるような感じで行き脚をつけられずに後方2番手からじっくり直線に賭ける競馬になりましたね。

 ラップは36,2(12,07)-48,7(12,18)-33,7(11,23)=1,58,6(11,86)という推移でした。
 ハーフで見ても60,8-57,8と3秒の後傾バランスで、新潟2000mは流れる時もあるのですが、やはりこのメンバーだとスロー、しかもブラックスピネルがかなり楽逃げに持ち込んで、誰もつつかなかったので超スローのラインにまで入ってきました。
 後半も仕掛自体は早くはなく、12,2-11,9-11,1-11,1-11,5という推移で、一応コーナー出口からじわっと上がっていますがほぼ直線の3F持続力勝負、という感じです。

 そしてこの展開の割には、400-200mの勝負所で10秒台に入っていない、というあたりが、馬場の状況でもあったのかなと思います。
 勿論実質ラップを踏んだのがブラックスピネルですし、この馬のキャラとしてはそれで不思議はないですが、思ったよりもこの地点でズバッと切れ味の質で台頭してくる馬がおらず、ラスト1Fでの持続力が強く求められている感じではあります。
 それでも上位に来た馬は、やはりこの400-200m地点で10秒台の切れを引き出していたと思いますし、その上で序盤のポジショニング含めてかみ合ったのが勝ち馬だった、というイメージで、色々評価の難しいレースにはなりましたね。

 勝ったメールドグラースは、正直こういう切れ味特化でここまでやれるイメージではなかったので、そこは素直に完敗ですし驚きで、反省材料ですね。
 勿論下級条件ではそこそこ切れ味も見せていた馬ですが、こんなに要所からスッと動ける馬だったのか、という感じで、そのあたりはレーンJの腕、というのもあったかもしれません。
 少なくとも序盤のポジショニングはともかく、コーナー出口から直線の入りはそこまでスムーズでもなくて、動き出し自体はそんなに早くないので、それでいてある程度勢いに乗せてきたルックトゥワイスを、この400―200m地点で楽々スッと引き離した脚色は中々のものでした。

 多分この馬の上がりで11,0-10,7-11,3くらいのイメージで、ルックトゥワイスは10秒台の脚を求められると苦しいタイプではあるのでその辺もあったかな、とは思うのですが、この馬自身がこの少しタフ寄りの馬場で、相対的に切れ味の質でソコソコ優位に立てた、というのは、これまでのレース内容からは読み切れなかったですね。
 勿論持続面はいい馬なので、残り200mであの位置ならばしっかり脚は使えますし、差してきた能力上位の2頭の位置取りが悪かった事も幸いしたと思います。この流れの中で上手く総合力を引き出せた格好でしょうか。
 まあこの勝ちっぷりからしても、多分流れての2000mはちょっと短い、とは思いますし、ステイヤー寄りの路線でどこまで、というイメージですかね。意外と切れ味が問われてもやれる、という意味で、目黒記念辺りは現実的に面白いと思いますし、いずれは2400m路線で期待しても、と感じました。

 2着のミッキースワローは、どうしてもこの距離で序盤から位置取りは厳しくなりますし、直線も腹を括って内目に絞って割ってきましたが、やはり本来もっと伸び伸び走れれば、最速地点でよりズバッと切れる馬だったろうだけに、結果論的にはもう少し外枠の方が良かったかもしれませんね。
 馬自身はやはりこのメンバーでは力上位、というのは見せたと思いますが、どうしても展開に左右される面が強いので今後も狙いどころは難しい馬だと思います。本質的にはもっと高速馬場向きですし、といってステイヤーか?と言われればそれも謎ではあり、まだキャラが掴み切れない馬でもありますね。
 こちらも秋に向けてこの2着の賞金ではまだまだ足りないですし、目黒記念が現実的でしょうか。超高速府中の2500mでロンスパ気味になった時に、タイトに立ち回っての一脚、というのは期待出来るはずで、なんとかもう一度軌道に乗ってきて欲しいですね。

 3着のロシュフォールは、スタートで少し不利があったか?とも思いましたが、基本的に後ろからの馬なのでそこは仕方ないかな、とも思います。
 直線は徐々に外に出しつつ、一番手応えのいいメールドグラースの後ろをしっかり確保して、スムーズに最速地点には入れたと思うので、その意味ではミッキースワローよりは出し切る競馬が出来ていると思うだけに、それで最後に見劣ったのは斤量差も含めて少し物足りなさはありました。
 ただ勿論この馬もはじめての重賞ですし、少しタフ寄りの馬場もプラスではなかったはずで、今後もこの路線では楽しみですね。エプソムCあたりに出てくれば狙い目にはなると思います。

 4着のルックトゥワイスは、悪くない競馬ですけどやっぱり北村友Jらしい待ちの競馬なので、あの位置から決め手勝負では本質的には足りないのはあったでしょうね。
 とはいえ向こう正面の時点で動いていくのも難しかったでしょうし、最速地点に入る前には外に出して勢いには乗せていたのでその辺は最低限のフォロー、それでもメールドグラースに、この斤量差で最速地点はっきり見劣ったのはやはりちょっと不満は残ります。
 このクラスまで来ると高いレベルでは2000mは短いのは確かで、超スローになってくれた分もう少し前半攻めなければいけなかった、という事にはなるのでしょうね。

 5着のブラックスピネルは、流石にスローに落とし過ぎて後続に余力を持たせ過ぎたとは思います。
 前半あの入りなら、せめて残り1000mから11秒台に入れていって、11,8-11,5くらいでコーナーを回ってこないと、瞬間的な切れが足りないこの馬でこのコースではアドバンテージが作り切れませんでしたし、持続力も前に行く馬としては高い、とはいえ、後続にあれだけ余力を持たれて、そこを引き出させてしまってはちょっと足りないのは致し方なかったかなと感じました。
 べストはワンターンの1800mで単騎逃げ、になるとは思いますし、その中でも全体のバランス、仕掛けのタイミングが難しい馬ではあり、白富士Sの時はそこがかみ合っていましたけど、今日は全体バランスと仕掛けの意識、少しずつ弱気だった分最後甘くなったレース、と見ていいかな、と思っています。



posted by clover at 17:15
"2019 新潟大賞典 レース回顧"へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: