2017年06月18日

2017 帝王賞 レース回顧

 豪華メンバーが揃った上半期ダート路線の総決算、帝王賞は、並み居るGⅠ馬を蹴散らして、スタートで出遅れて終わったと思わせたケイティブレイブが素晴らしい末脚で差し切り、嬉しいGⅠ初勝利を飾りました。レースを振り返っていきましょう。

 馬場状態は重でしたが、他のレースの時計推移を見ている限りですと、昨日よりは少し重くなっていたかな、という印象です。
 その分このレースの勝ち時計も2,04,4とやや掛かった印象ですが、それでも馬場を考えればほぼ水準のレベルにはあると感じます。

 展開は、逃げると目されていたケイティブレイブがスタートで大きく躓き後方から、という波乱のスタートになります。
 好スタートを決めたのはクリソライトで、その内側からオールブラッシュが二の足を効かせてハナを取り切り、クリソライトが番手外でピッタリマークする展開になります。
 アウォーディーはまずまずのスタートから、ケイティブレイブが出遅れたこともあってスムーズに外目に持ち出し、最初の1コーナーの入りまでにクリソライトの外3番手という絶好のポジションを確保しました。

 ゴールドドリームは一歩目こそ立ち遅れたもののリカバーを効かせて二列目で先団をしっかりマーク、アポロケンタッキーはケイティブレイブのせいで目立ちませんが、やや立ち遅れた上に左右の馬に挟まれて下がる不利があり、道中は中団のやや前で、外からじわじわリカバーしていく形になります。
 サウンドトゥルーは外目から出たなりに中団やや前で、やや内目に入り込みつつ進出に機会を伺い、ケイティブレイブは中団より後ろでじっくり脚を溜める作戦に切り替えることになりました。

 レースラップは、36,7(12,23)-50,1(12,52)-37,6(12,53)=2,04,4(12,44)という推移でした。
 三分割ですとやや前傾ですが、ハーフで見ると62,1-62,3と綺麗な平均ペースになっていて、一見先行勢に楽な流れに見えるのですが、このレースの特色は、道中で一回たりとも13秒台を踏まない、息の入らない流れになっている点です。

 折角なので全ラップを載せてみますと、12.6-11.6-12.5-12.8-12.6-12.4-12.3-12.6-12.2-12.8という推移で、最遅が12,8、最速が2F目を除けば12,2と、極めて波の少ないラップになっているのがわかると思います。
 かつ向こう正面に入っての残り1000mから12,4-12,3とじわじわ加速し、流石に急カーブの4コーナーではやや落としているものの、そこからの加速度も0,4とこのコースにしては大きくなく、見た目の数字以上に追走力と持久力が問われた展開と見ていいと考えます。
 
 勝ったケイティブレイブに関しては、古馬になってからの一連のレースぶりから、ハイペース、タフなペース自体は絶対に合う、という確信があったので、自分で逃げてそういう流れに支配出来るここは、それこそ歴戦の疲れがここで出なければまず好走できるだろう、と思っていたのですが、流石にこの出遅れからの差し切りコンボは予想出来ませんでしたね。。。
 ただ結果的に、平均ペースながらも息の入らない、かなりタフな流れになってくれた、というよりこれはクリソライト戸崎Jがかなり積極的に乗ってくれた部分に帰するものは大きいのですが、それが噛み合ったのはあると思います。

 他の中央勢は、多かれ少なかれ序盤から前目の流れに乗っていっていますし、かつ道中も早めにリカバーを、進出を、という形で、かなり厳しいレースをしているのに対し、こちらは最初の1000mまでじっくり脚を溜めて、後半のロンスパ持久力勝負に徹することが出来た、この前半での余力の差が比較的大きく作用したレースになった、と言えるでしょう。
 おそらくこの馬自身のバランスは、目視ですが63,5-61,0前後に見えていて、追走面での余裕があることと、後半の機動力の高さ、直線再加速の流れでもそれ以上に一足の鋭さが生かせた、このあたりのこの馬の良さが綺麗に嵌り切った感触ですね。

 とはいえかなり強い競馬だったのは間違いないですし、これだけハードなローテーションを強いられながら、レースを重ねる中でどんどん強くなっている感はあります。
 当然ながら前傾戦でも強さを見せられますし、タフな馬場・展開に噛み合えば後半勝負でも結果を残せるとなれば、この好走スポットの広さは本当に頭が下がる頑丈さ、精神面の強さに帰するしかないなぁ、とシャッポを脱ぐ思いです。でも馬自身に文句はないとはいえ、このローテでこの馬を本命にはしたくなかったんですよねぇ…………。
 ともあれ、今回はコパノの回避で出走出来た、というツキもありましたし、それを生かして見事にGⅠ馬になったのですから、今後はその立場に相応しいローテーションで、この路線の中軸として頑張って欲しいところですね。

 2着のクリソライトも素晴らしい競馬でした。
 個人的にオールブラッシュの逃げになったところでちょっと嫌な感じはあったのですけど、今回はこの馬も好スタートから前進気勢をはっきり見せて、道中全く緩ませないようにピッタリくっついていましたし、3コーナー手前から早めに仕掛けて、コーナーでの機動力のなさという弱点を出来る限り打ち消す好騎乗だったと思います。
 やはりこの馬は自分のリズム、かつワンペースでこそ、というのは改めて感じましたし、こういう波のない、スタミナを強く問われるラップで走れれば早々には崩れず、むしろ後続の脚を削げる競馬が出来るので、本当に乗り手の意識が重要になってくる馬なんですよね。

 今回は近走で調子を上げていたのもあるでしょうし、馬自身も気分よくレースに入れていた感じはあり、また戸崎Jとも比較的手は合っているのかな、という感じはありました。
 7歳ですけどまだまだ自分の形に持ち込めれば強いですし、もう一花咲かせて欲しいですね。ただ今日の結果を見ても、タフな流れでもケイティブレイブのほうが一枚上、というのは見えましたし、勝ち切るまでは中々、とは思いますが。

 3着のアウォーディーは、展開としては悪くなかったと思いますが、やはりドバイ帰りの調整の難しさに、この馬の気難しさ、乗り難しさも合わせて出てしまったかな、というのはまずあります。
 後は純粋に、タフな消耗戦的展開の中では上位2頭がかなり強かった、という見立ても出来て、チャンピオンズカップもかなりの消耗戦でしたが、あのレースで負けたサウンドは抑え、アポロあたりとの着差も同等、と考えれば、この展開で正攻法で、この馬の力は出し切った、とも言えるかもしれません。

 どうあれ、今日に関しては展開の不利もなく、ポジショニングも完璧でしたので、素直に完敗を認めるしかないですね。
 この馬ももう7歳なのは事実なので、少しずつ下降線には入っていくでしょうし、まだまだ一線級なのは確かですけど、気性的にあまり早く先頭に立てない部分などを鑑みれば、去年の破竹の勢いのような、常に勝ち切る競馬を期待するのは酷なのかもしれません。

 4着サウンドトゥルーは、展開的にはかなり向いたと思うんですけど、コーナーから内目に入って進出がややスムーズでなかったのと、後は休み明け、馬場コンディションがやっぱりちょっと噛み合わなかったのかなぁ、という負け方でしたね。
 2着以降は確実にラスト200m13秒台に入っているので、そこで持久力で食い込んでくるのがこの馬の十八番のはずが、今日は完璧にケイティにそのお株を奪われた格好でしたし、結果的には外枠をそのまま生かして、勢いをつけて外から入っていった方が良かった気はします。でもそれでも3着争いに勝てたかくらいでしょうし、叩いてからの馬、なんでしょうね。

 5着アポロケンタッキーは最序盤の不利は痛かったと思いますし、それに加えて持久力戦の序列ではこれが現状妥当なのかな、というのもあります。
 どうしても向こう正面から速くなり、コーナーでもほとんど緩まない中では、自分の脚を引き出すタイミングも作れませんし、要所での機動力がかなり大きな武器になる馬ではあるので、大井でしたらスローバランスの方が明確に合うのでしょうね。
 まあでもこの馬もドバイ帰りですし、まだ若いですから今後の飛躍に期待です。
posted by clover at 04:07
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