2017年01月01日

馬のタイプについて

 昨今は競走馬のレベルが全体的に拮抗して、同じメンバーで競馬をしても展開ひとつでガラリと着順が変わる、なんてことも、昔に比べるとよく見受けられるようになりました。
 それだけに、個々の馬の適性を見抜き、好走スポットを見定める事は、純粋に競馬観戦を楽しむ上でも、勿論美味しい馬券にありつくためにも大切な要素であり、今日はその辺りについて大雑把に語ってみようと思います。

 本当にざっくり分けると、競走馬のタイプは、

1.前傾タイプ
2.総合力タイプ
3.後傾タイプ

 と区分できるかな、と。

 最初に前傾タイプについては、まず基本的に前半からガンガン飛ばしていっても、後半で必要以上にバテずに粘りこめるタイプ。
 基本的には短距離馬やダート馬に強く出やすい傾向ではあり、現役だとノボバカラやビッグアーサーなんかは顕著かなと。
 どちらも好走レースの傾向として、レース後半での再加速のない消耗戦、前傾の高速戦で強い結果を残していて、かつポジショニングとしても出来る限り前につけた方がそのまま結果に直結するわかりやすいタイプ。
 こういう馬の場合、純粋に流れやすいコースや、淀みにくいコース、或いは自在性の高い位置取りが出来る枠を取れた方が俄然有利であり、まあ当然騎手の意識まで含めての立ち回りではあるものの、狙いどころは立てやすいタイプかなと。

 ちなみに芝の中距離区分においては、本質的な前傾タイプってのはやはりサイレンススズカくらいしかいなかったかな、と思います。
 よく比較されることもあったエイシンヒカリは、どちらかと言えば後傾寄りの総合力タイプではあったと思うし、唯一ハイラップで逃げたアイルランドTも中盤の緩みから再加速、という競馬ではあり、また最後の落ち込みからもあの戦法で実際にGⅠレベルで通用したか、は、実際その後一度も試してくれなかったので神のみぞ知る、ではありますが、多分辛かったんじゃないかな、と。

 あと前傾タイプには、総合力寄りの前傾タイプ、ってのもいると思っていて、これは完全に流れ切っていい、という事はないけれど、後半で使える脚が限定的なので、相対的に見ると前掛かりの方が安定する、ってイメージ。
 昨今だとグランデッツァなんかは典型的だったし、実はイスラボニータも、この前の阪神Cを見る限り実はそういう競馬の方が安定して強い可能性を見せてくれたなと思っています。こういうタイプは前半ある程度流れても、後半で一瞬鋭い脚は使えるけど、でもそれが長続きしないから、その一脚を先頭に立つ場面で引き出さないと勝ち切れないわけですね。
 
 多分エアスピネルも根本的にはこの区分に入ってくると思っていて、実際戦績見ても、距離に関係なく道中の位置取りがそのまま結果に反映しているわけで。
 ですので、来年早々に京都金杯に出てきて、まあおそらく圧倒的な人気になるでしょうけど、外枠引いてマイルでも中団くらいから、って競馬になると取りこぼしはあっても不思議はないな、って今のところ見ています。好きな馬なので、マイルなら後半要素をもっと高めてこられる、という方が嬉しいのは確かなんですけど、それも含めて注目だなと。
 
 総合力タイプは、上でも触れたように前傾寄り、後傾寄りに幅は出てくると思いますが、総じて前後半のバランスが平均的に問われた時にもっとも好走できるタイプ。
 現役だと真っ先に思いつくのがサトノノブレスで、後半特化戦になると弱いけど、鳴尾記念みたいに時計の出る馬場で淡々と流れた時に最もしぶとさを発揮するタイプなので、そういう条件が揃いそうな時はそれまでの戦績に関わらず狙いやすい馬です。

 あと基本的に、一流の総合力タイプはもっとも好走スポットが広い、ハイペースでもスローペースでも一流のパフォーマンスを発揮できる印象で、キタサンブラック、サトノダイヤモンドあたりはここに入ってくるかなと。
 キタサンはダービーのハイペースで崩れたせいでみんな強さを掴み切れていなかったけれど、今年の宝塚を見てようやく誰しもが強さを認めた、というのも、やはりその幅広い好走スポットを誇示したことが最大の理由だと思うし、サトノについては三歳世代、って括りで後述しますけど、実際にこの二頭はこの先も崩れることはまずないだろうと。
 逆にゴールドアクターが今回あそこまで食らいつけたのは、この馬が本質的には後傾タイプで、レース自体も後半要素の方が強く求められているからとは思うし、なので例えばハイペースになりやすい宝塚の舞台で信用できるか、というと微妙かな、って見立てですね。

 後傾タイプは色々と細かく区分けできるので、ここではサラッとにしますが、ざっくり言えば溜めれば溜めるほど爆発力が上がるタイプと、スローの流れの中で出現しやすい後半の特性を強く持っているタイプ、に分けられるかなと。
 前半のタイプは、一気にペースが上がった時の加速性能、最高速に乗った時の切れ味、そこからスピードを長く維持する底力・持続力などの要素が全て秀でていて、スローバランスで足が溜められれば、例えばマイル戦の後半4Fの中で、どの地点でも他の馬より鋭い脚を使えるタイプですね。

 このタイプの典型的な馬は、前述したゴールドアクターに、モーリスもそうだと思っています。というか、スクリーンヒーロー産駒の一流馬はこういう傾向が出やすいのかもしれないし、今後それは意識してみてもいいかも。
 なかんずくモーリスは、いずれ近い内に列伝書こうと思っているけれど、マイルでも2000mでもスローであればあるほど圧倒的なパフォーマンスを見せるタイプであり、実際本格化後に敗れた、或いは苦戦したレースは、いくらなんでも舐めプな調整だった今年の安田記念を除けば、平均ペースで先行策を取った去年の安田記念と、かなりのハイペースで流れた札幌記念だけで。
 その辺りからも、ある程度総合力が問われても一流の域ではあったけれど、スローペースの時は超の上にもうひとつ超をつけてもいいスーパーホースだったのかなと思っています。最後の香港Cのあの爆発力はえげつなかったですからねぇ。

 もうひとつは、基本的にポジショニングが良くて、そしてスローの流れの中でなにかしら後半要素で特筆したものを持っているのが基本的なイメージで、最近だとシングウィズジョイとかが当て嵌まりますね。
 先行力があるけどペースが上がったらてんでダメで、だけどスローにコントロールできれば卓越した加速性能と切れ味の質の高さでスッと後続を出し抜ける、こういうタイプは好走スポットは超狭いけど嵌れば強くて穴を開けやすいので、そのパターンを覚えておくと面白いです。

 長々と私見を綴りましたが、その上で今年の三歳世代、特に上位が強かったと持て囃されていた根拠はどこにあるのか?って話で。
 それはやはり、58,4-59,5とハイペースで流れた皐月賞に、60,0-(26,0)-58,0とややスローで流れたダービー、最高峰の二つのレースで真逆に近い好走要素が問われたのに、上位の顔ぶれが一切変わらなかったことに起因していると思います。
 特にその中でも、どちらのレースも好位~中団の平均的な位置取りから好走してきたサトノとエアは非常に高い総合力を持っていると思うし、結果的に見てマカヒキは後傾寄りのタイプだったのかなと。実際皐月も自身は60,0-58,0くらいのバランスでの走破だし、前半を問われ過ぎると脆い、ってのが、空前のハイペースで外々を回らされた凱旋門で露呈してしまっただけで。
 完全に調子を崩していたディーマジェスティのJCの惨敗も含めて、ややその世代レベルに疑問符がつけられてもいましたが、サトノダイヤモンドの有馬の勝利でやはりきちんと強い世代だ、と再確認できたと思いますし、基本的にはこの世代の好走スポットは広い、その上で最上の条件はなにかを、今後のレースを通じてしっかり見定めていきたいなと思っています。
posted by clover at 04:18| Comment(0) | 能力分析ツール | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする