2021年01月11日

2021 フェアリーS レース回顧

 時期的にも開催コース的にも、中々クラシック路線の本流とはならないフェアリーS。
 ただ去年はスマイルカナが強い競馬で勝ち、桜花賞でも善戦したのちも活躍していて、少しずつでも風向きが変わってくる可能性はあります。

 今年も1勝馬がほとんど、という混戦メンバーでしたが、その中から抜け出したのは、キズナ産駒のファインルージュでした。
 余談ながら、去年のこの位の時期、大体エピファネイア産駒の重賞勝ちを阻むのはキズナ産駒、という構図が多かったですし、やはり気性面の安定、というのは大きいなぁと感じる次第です。


★馬場・展開回顧

 今日の中山の芝は良、クッション値は10,8とかなり高めの推移でしたね。
 先週からその片鱗はありましたけど、今週になって中山は一気に時計が出やすくなっていて、やや高速、に片足を踏みこんだくらいの時計の出方をしています。

 今日はここまで芝のレースが少なくてわかりにくいですが、未勝利マイルは47,6-47,6=1,35,2と平均ペース、ただ仕掛けが遅くて本質的にはラスト2Fのヨーイドン、という格好です。
 昨日の若潮Sは、中盤も全く緩まず流れ切ったとはいえ1,32,9でしたし、最終の2勝クラスマイルも47,3-46,9=1,34,2でした。

 馬場のバイアスは、全く内がダメとは言いませんが、どちらかと言うと最後は外伸び優勢、位のラインだったと思います。
 そういう条件での、このレースの1,34,4は、まずまずのレベルにはあるのではないかな、と考えています。


 レース展開は、まずネクストストーリーが好スタート、しかしタイニーロマンスがそれを交わしてやや強引にハナを切ります。
 それをシャドウファックス、ラストリージョ、カラパタール、オプティミスモなどが追走して、テンハッピーローズは外から被せられて少し嫌気を出し、折り合いに苦労しながらじをっと先団外目に誘導、という形でした。

 2コーナー過ぎから、やや出負けして後ろからになったクールキャットが、掛かったのか行かせたのか判然としませんけど一気に進出してハナを取る競馬、それにタイニーロマンスもやや抵抗したために一気にペースが上がり、スペースが広がっていきます。
 釣られてじわっと動くテンハッピーローズを見る位置でじっくりとファインルージュが続き、その後ろにホウオウイクセル、ベッラノーヴァはスタート微妙でほぼ最後方から、スペースを拾いつつの競馬になっていましたね。

★ラップ分析

 レースラップは35,8(11,93)-22,9(11,45)-35,7(11,90)=1,34,4(11,80)という推移でした。
 ハーフで取ると46,8-47,6とややハイペースになるのですが、3分割だと前後半は変わらず、結局このレースは、クールキャットが動いた地点だけえげつなくラップが速くなって、スローロンスパに近い形になっています。

 中盤最速なのがその証左ですが、これも分割すると11,0-11,9で、そりゃまぁ、あの地点で前の馬がいきなり11,0までペースアップを求められたら、最後まで脚が持つはずもない、というレースでしたね。
 いつぞやお叱りを受けたので出来るだけマイルドに書こうと思いますが、ひとつ前の迎春Sにしても、逃げ馬が超スローに落としこんで油断してたら一気に捲られて、慌てて抵抗しても時すでに遅し、という形でしたからねぇ……。

 勿論馬それぞれの適性はありますし、スローでいい馬もいるでしょうが、それでも出来るだけスムーズに競馬を進めたい中で、あそこまで強引にハナを取り切っておいて、なのに捲られる隙を作ってしまうというのはなんともなぁ……となります。
 実際のところ、タイニーロマンスはこんな競馬でも最後盛り返して6着でしたし、新馬だけでは読みにくかったですが、素材としては中々いいものを持っているのでしょう。

 正直あのスタートで、あっさり譲って番手に決め打ったら、外から捲りに捲られてズルズルポジションを下げたネクストストーリーも勿体ない競馬でしたしね。
 やはり全体のレースメイクをもっとバランス良く、というイメージはきちんと作って欲しいなと思いますし、そろそろとにかくスローに落として溜めればいい、という昭和的な競馬観からは離脱して欲しいなと感じます。

 同時に、スローで捲るにしても、無理に脚を使い切ってハナまで持っていくのではなく、どこかバランスのいいところで収める、というイメージも持たないと、中々最後までというのは厳しいですしね。
 レースの流れそのものが複雑骨折している中で、結果的にしっかり馬のリズムとペースバランスを大切に進めた後方寄りの3頭が上位独占ですから、何とも言えないレースではありますね……。

1着 ファインルージュ

 勝ったファインルージュに関しては、これは流石キズナ産駒というか、距離延長でもしっかり折り合えてリズムよく走れていましたし、ルメールJもテンハッピーローズマークから、じわじわリズムよく押し上げるらしいエスコートでした。
 スタートは少し遅かったかくらいで、多分理想より一列後ろだったと思うので、あのままスローだったら?というのはありますが、クールキャットが爆走してくれたおかげでかなり競馬がしやすくなったと思います。

 ただそれだけでなく、ラスト坂地点でもしっかり伸び切って、レースラップ的には11,9-11,8と加速、この馬自身は減速しているとしても、この時計とラップでまとめているのは中々のものです。
 競馬センスがとてもいいですし、総合力があるので、これは普通に桜花賞戦線でも少し楽しみはある一頭かな、と思います。まぁ今日はテンハッピーローズが半ば自滅に近い様相なので、彼我の力関係は読みにくいですけどね。

2着 ホウオウイクセル

 こちらはもう、動かざること山の如しの丸田Jらしい騎乗がバチコーンと嵌ったレースでしたね。
 外枠からスタートは良くて、かつ緑や橙の馬が大抵前に行ってくれたので、自分のリズムでも比較的いいポジションは取れていたと思います。

 道中は外から捲る馬がいてもそよとも揺らがずにじっと我慢、その分4コーナー出口でファインルージュとの位置取りが逆転していたのは、勝負という意味ではルメ様との差を感じる内容ですけど、この馬の力は出し切る競馬はしていると感じます。
 やはりステイヤー型の競馬でしっかり良さが出ましたし、外差しの馬場もプラスでしたね。ただタイプとしてはオークス向きですし、本質的に全体で淡々と流れるマイルだと足りないと思います。

3着 ベッラノーヴァ

 新馬からの2戦目で、揉まれ弱いエピファネイア産駒で最内でどうかな?と見ていたんですけど、後方からに徹してスムーズに進めてきましたし、その分最後は凄い脚でしたね。
 新馬も外枠から外々だったので、やはり丸山Jもそのあたりは考えて、馬の気持ちとリズムを最優先した結果だと思いますし、それでも序盤は前に馬を置いたら苦労している感じで、やはり捲りでスペースが出来てくれたのが幸運でした。

 そこからもほぼ最後方に下げつつ、常に前のスペースを空けてスムーズに追走出来ていましたし、仕掛けもギリギリまで待って、ラスト2Fの競馬に徹した分、最後は鋭く弾けてきたな、という印象です。
 まあ勝負に参加している競馬、とは言い難いですが、2戦目の馬で難しい枠、流れの中では上手く乗ってきた方だと思いますね。

 スローから仕掛けの早い競馬で、展開が噛み合ったのは事実です。
 勢いに乗せていけば外から差せる馬場もプラスでしたし、改めて次が試金石にはなると思いますが、素材的には本当に楽しみな走りをしてくれましたね。

4着 テンハッピーローズ

 今日は少し、この産駒らしく気性面の難しさをのぞかせたレースになってしまいましたね。
 序盤のスローの段階で、やや挟まれ気味になって頭を上げるシーンもありましたし、外からクールキャットが捲って出来たスペースを拾いつつ、気持ちに合わせてじわっと出していきましたが、結果的にはこの馬でも少し動くのが早かったとは言えるでしょうか。

 やっぱりペースが上がったところでもまだ掛かり気味に、となると消耗も大きいですし、新馬で大丈夫だったから、と安易に信用してしまいましたが、やはり初戦は色々な意味で水物、ではあるのですよねぇ。
 本質的にはマイルがギリギリ、という馬でもありそうなので、その点でもこのステイヤー型の競馬で早め早め、となると苦しかったのでしょう。

 ここまでのレースぶりを見ても、エピファネイア産駒らしくワンギア的な面はあるのか、4コーナーの手応えの割に最後は伸び切れず、という視座では物足りない競馬ではありました。
 ただこの展開に巻き込まれては仕方ないか、とも思いますし、やはり地味に関西馬が勝てないレース、というところで、この時期の輸送も難しさを助長する要素だったのか、期待している馬だけに今日は残念でしたね。

5着 ネクストストーリー

 こちらはいいスタートから、絶好のポジションを取れたかと思ったんですが、道中どんどん外から捲られて、伸びない内に閉じ込められつつ下げるという辛い競馬になってしまいましたね。
 最後は内を捌いてじりじりきているように、スムーズならここでももう少しやれた馬だと思うのですが、今日は展開の綾にやられてしまった感じはあります。

 タイニーロマンスの内田Jがなにがなんでも、という感じでしたけど、もう少し抵抗して、全体のペースとスペースを作りに行く意識はあっても良かったかもしれません。
 この辺りのバランスは難しいんですけど、やっぱり距離延長で足を溜めたい、という意識は出てきてしまうのでしょう。

 でもその辺りは私の見立てとしては逆で、距離が伸びるからこそ全体勝負にして、前半要素の良さを生かさないと、というところで、抜群のスタートを活かし切れなかったとは言えます。
 馬は面白いと思うので、今後もマイルくらいまでで楽しみはあると思います。

※予想・券種回顧&反省会

 うーん、ベッラノーヴァに割られてしまったか……と、エピファネイア産駒推しとしては喜ぶべきか残念に思うべきか複雑な結果ですね……。
 ちょっと中盤から一気の仕掛けというスローロンスパの、ステイヤー型の競馬になって、後方待機の馬が綺麗に嵌りましたし、それでもテンハッピーローズは残して欲しい流れと位置取りでしたが、まぁ仕方ありません。

 せめてホウオウイクセルを連下に引き上げられていれば、なんですけどね。
 ただ全体の適性自体はまずまず見えていて、大きくピントがズレていたわけではないと思うので、また今週末から、しっかり丁寧に頑張っていきます。



posted by clover at 16:58| Comment(6) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
YouTubeにblogにお疲れ様です!
お陰様で自粛下においても充実した日々を過ごせています(笑)
cloverさんの見解を自分なりに読み解き丸田騎手軸でいきましたが無念のルメール切りしてしまいました(涙)
寒い日が続きますがお身体気をつけて過ごしてくださいませ
引き続きよろしくお願いいたします
Posted by BSO at 2021年01月11日 17:34
お疲れ様です。

中京ダートの特別でちょこちょこっと拾えたので3日間開催ズタボロにはなりませんでしたが、ここは自分の切り口ではどうにもの結果だったので割り切りたいですね。。

その中京ですが芝の様子が少し変わってきた印象もある中で、今週末はハンデ重賞2つ、京成杯も2勝馬不在(タイムトゥヘヴンは注目したいですが)と一筋縄ではいかなそうです。まあこの難しさが厳冬期の競馬らしさでもあると思うので嫌いではないのですが。。
Posted by waka at 2021年01月11日 18:12
>BSO様

 いつもコメントありがとうございますー。

 確かにここは、数少ない丸田Jの買い時ではあったんですよねぇ。
 私も正直どうしてもエピファネイア産駒には採点が甘くなると言うか、まぁ大丈夫だろうと安易に一番人気から入ったのは反省しなくてはなりません。

 しかしそこまでセンス良く見極めておいて、詰めを誤りましたか。。。
 やはり競馬は答えのない知的ゲームで、だからこそ面白いですけど、こういう取れたかも?という外し方は堪えますね……。
Posted by clover at 2021年01月11日 18:46
>Waka様

 いつもコメントありがとうございますー。

 やはりこの時期は本当に目に見えにくいファクターも色々出てきて難解ですよね。
 中京は大分パワー寄りにシフトしてきた感はありますし、伸び所含めて判定が難しいですよね。
 個人的に愛知杯は相性のいいレースなので、なんとか頑張りたいところです。

Posted by clover at 2021年01月11日 18:48
お疲れ様です。
今年は重賞全敗スタートと重賞に関しては最悪のスタートですが、平場に助けられてなんとかなっております。
フェアリーSにしても直前に切った馬が2、3着ともやもやが募りますが次こそスカッと当てたいところです。
ライブの件はわかりました。
これからもよろしくお願いします。
Posted by ブソン at 2021年01月12日 12:07
>ブソン様

 いつもコメントありがとうございますー。
 私も重賞はあと一歩詰め切れないレースが多いです。もどかしいですね。

 この活動を始めてから、色々新しい事にもチャレンジしたり、勉強しなくてはと思うことがあまりに多いんですよね。元々機械音痴ですし。。。
 その意味ではキャパがいっぱいいっぱいなので、いずれ余裕が出来て、喋りにも慣れが出てきたら検討させてもらいます。申し訳ございません。
Posted by clover at 2021年01月12日 13:58
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