2020年11月30日

2020 チャンピオンズカップ プレビュー

★はじめに

昨日は女帝・アーモンドアイが、チャンピオンの威厳を保ったまま、見事に引退の花道を飾っていきました。
 まだその素晴らしいレースの余韻が全身に木霊するかのようですが、改めて今週も、砂の絶対王者の登場となります。

 サウジCこそ大敗を喫したものの、国内では未だ無敗を続けるクリソベリルを止める馬は現れるのか?
 それともこの秋からのトレンド、GⅠの一番人気は今週も涼しい顔で勝利を収めてしまうのか?

 なんだかんだで去年の超ハイレベル戦の1~4着馬は顔を揃え、新興勢力も増えて、中々に難しそうなレースではあります。
 同時に、かなり癖のあるコースでもありますので、レースイメージなどしっかりおさらいしつつ、それぞれの可能性を吟味、していきましょう。




★レース傾向分析

 去年までのプレビューもご参照ください。


 中京開催も7回目になって、ある程度傾向、というものも蓄積はしてきたように思えます。
 一先ず言えるのは、やはり1コーナーまでの距離が短めで、かつコーナー半径が短いコースなので、本質的にはペースが上がりにくく、前目内目が有利なコース、という事ですね。

 チャンピオンズカップで見ても、ペースが上がった年は基本的に、スムーズだと強いけど絡まれると脆いコパノリッキーに、ライバルや伏兵、外国馬が絡んでいったパターン、とはなります。
 今年の場合も同タイプのインティはいますが、クリソベリルが圧倒的主軸で、この馬も先行するとはいえ、揉まれ弱さをはっきり見せているわけではありません。

 同時に、ペースを引き上げていけば共倒れ、という面はあるので、伏兵も思い切った競馬を狙うのはリスキー、という側面があります。
 更に坂スタートで適性が強く出る為、前に行きたい馬でもスタートで、のパターンもあり、その辺りの読みが難しいレースです。


 スローだと、向こう正面からの早仕掛けになるか、それとも直線坂地点での仕掛けになるか、コーナーで動けない分二極化します。
 ただ少なくとも、去年のように淡々と刻まれた場合、それこそブライトラインみたいな鉄砲玉でもない限りはまず動けませんし、概ねの場合で坂加速適性は求められる、と考えておくべきレースです。

 同時にコーナー外々からですと、遠心力などの関係もあり、中々スムーズに脚を引き出せません。
 過去にペースが上がった時でも、差してきた馬は基本内目を通しており、ノンコノユメやサウンドトゥルーなど正にその典型です。
 スローでもウェスタールンドは、インベタバチ嵌りで差してきました。

 なので基本的に、馬群を捌いても差し脚が鈍らないタイプでないと後ろからは厳しいレースで、差し馬でも内枠の方が有利、という、珍しいメカニズムを持っているレース&コースです。
 同時に、去年のような平坦ラップの超ハイレベル戦になると、後ろから差すのもより難しくなるので、今年も基本的にはインティ&武Jが逃げるのか、その形がどうなるのかがポイントですね。

 去年よりは前々に絡んでいきそうな馬もそこそこいて、けれど適性が読めないタイプも多いので、中々難しいとは思います。
 当然どの位置からでも内枠の方がいいので、枠が出て大きく評価が替わるパターンが有り得るレースですが、現時点では内枠を引けた場合の可能性を中心に語っていく事になるでしょうか。

★出走馬所感

・クリソベリル
 砂を被る競馬になった去年が圧巻の競馬で、斤量の恩恵があったとはいえ素晴らしい時計でもあり、その底力は圧倒的です。
 今年も普通に帝王賞、JBCクラシックを圧勝してここ、ですし、基本的には隙はない、と考えて差し支えなく、この馬を負かすにはどうしたら?という観点で組み立てていけばいいレースだと思っています。

 やはりこの馬を少しでも削ぐ、と考えた場合、ハイペースしか活路はないかな、と思います。
 後半要素は加速・切れ・持続の全てが破格ですし、ポジショニングも上手いので、平均からスローでこの馬の後ろから差すのはまず無理、と考えておいた方が無難です。

 今年はインティに、マイル路線で積極的な競馬をしてきたアルクトスやメイショウワザシ、エアアルマスあたりが先行候補になります。
 加えてカフェファラオやクリンチャー、アナザートゥルース辺りがどこまで積極的に入っていけるか、ですが、もしもクリソベリルが外枠を引いて、その内からポジショニング意識を強く持った馬が出してくれば、相対的に位置は後ろになるパターンは有り得ます。

 インティは去年のパターンがベストに近いので、出来れば引き上げたくないでしょうが、それに対して、ハイペースの方が確実に強いカフェファラオ、クリンチャー、アルクトス、アナザートゥルースあたりが、リスクを背負って鈴をつけに行けるか、ですね。
 クリソベリルとしては、流れてしまえば少し後ろからでも、という競馬は出来そうなので、どの道大きく崩れはしないでしょう。

 ただやはり中京で外々、となると最後甘くなる可能性も出てきますし、負けるとしたらハイペースで差し届かず、のパターンだと私は考えています。
 おそらくスローなら、同じように外枠で、外から出し切る競馬でも届いてしまうだけの性能差があると今のところは考えています。

 なので本命党の私としては、無難に本命を打つ可能性は相当高いです。
 極端な枠になったり、あとペースが上がりそう、と決め打ってのギャンブル本命抜擢がないとは言いませんが、少なくとも軸として、どういう展開でも一定以上信頼出来るのは間違いないですからね。

・カフェファラオ
 GⅠ騎乗機会4連勝と向かうところ敵なしのルメ様が選んだ、という事、未だ直接対決がない、という事で、この馬が2番人気になりそうですね。
 ただ正直、前走のような、スローに合わせて後半勝負をするなら、このメンバーではたとえルメ様でも一銭も買いたくありません。

 この馬が一番強かったのは誰がどう見てもユニコーンSであり、前半飛ばしていっても後半ラップを落とさない持久力性能にこそ真骨頂があるのは間違いないところです。
 なのでここは、あくまで勝ちを目指すなら、好位外目から積極的に前をつついて、上がりの掛かるレース、坂加速を強く求められないレースにする事が最低限の必須条件だと考えています。

 もっとも、それでも足りるか?というのは、武蔵野SでユニコーンS2~3着馬が全く歯が立たなかったあたりからも感じます。
 流石にこの馬の勝ちっぷりなら違う、とは言えますが、それでも府中マイルで良質なスピードを生かして、であり、去年の大レコードでもハロン12は切っていないこのコースで再現できるか?となると甚だ心許ない要件です。


 前走で中京コースと坂スタートを無難にクリアしているのはプラス材料にはなります。
 ただそのシリウスSのレースレベルもお粗末で、翌日の白川郷Sのハギノアグレリアスの方がよほど強い競馬・ラップを踏んでいます。

 サクラアリュールもJBCで完敗、エイコーンもみやこS3着とは言え、着差はかなり大きく、その辺りから見ても、前走の走りでは足りない、と断じていいでしょう。
 とにかくここは去年の上位4頭のパフォーマンスはえげつなく、勿論一年を経て変化はあるにせよ、その牙城をこのコースで打ち崩すには、この馬が持っている武器では厳しい、というのが率直なところです。

 勿論3歳馬の成長・可塑性に賭ける手もありますが、この馬はアメリカ血統らしく、比較的既に得意不得意が明確に感じるのですよね。
 去年と違い今年は12月開催で、斤量面の恩恵も去年のクリソベリルより少ないですし、ここは久々にルメ様に逆らうべき条件だと判断しています。

 この馬の可能性としては、外過ぎない外から前にプレッシャーをかけて、ハイペースに持ち込むパターンのみでいいと見ています。
 一応それは意識的に作り得る展開なので、もしもそれすらあっさりルメ様がやってきたらシャッポを脱ぐしかないですかね。基本的にはここで負けてもらって、フェブラリーSでそこそこ強めに狙いたい馬なのは確かです。

・チュウワウィザード
 実際どういう人気になるかですけど、この条件でも普通にクリソベリルの対抗格一番手はこの馬でいいはずです。
 去年は内枠からやや行き脚で見劣り、直線踏み遅れて4着でしたが、ハイレベル戦の流れの中で脚を使える底力は見せていますし、今年も普通に充実しています。

 前走は流石に自分から前を捕まえに行き過ぎて甘くなっていましたけど、本来のクリソベリルマークでスムーズに進めてくれば、普通に上位に食い込んでくるでしょう。
 対インティでも少し分が悪い面はあるのですが、あちらは色々脆さがあるので、安定感、軸としての信頼度はこちらになります。

 テン乗り戸崎Jは不安材料ですけど、乗りやすそうな馬ですし、ダートなら戸崎Jの信頼度も高いです。
 普通に真ん中より内を引くなら重い印候補、外目でも連下くらいは、というイメージですね。

・サンライズノヴァ
 この馬は基本的に後ろからの競馬になりますし、コーナーもブレーキせず、外々をスムーズに、でないと脚を出し切れない不器用さがあります。
 なので本質的に、このレースで一番狙ってはいけないタイプの人気馬で、カフェファラオはまだ自分で打開する可能性がありますけど、こちらはそれも出来ないので、概ね消すつもりでいます。

 勿論ペースが滅茶苦茶速くなって、差しが決まる展開の中で、上手くばらけてスムーズに回ってこられれば、みたいな、サウンドトゥルーの年くらいの噛み合いがあれば可能性はあります。
 ただそんな取りキーな展開になる確率は相当に低く、同じような展開でも、もっと立ち回りでアドバンテージを作れる差し馬はいるだろうと思うので、やっぱりここは一銭も買いたくないですかね。

・クリンチャー
 この馬も三浦Jに替わって、前走のような積極的な競馬をどこまでやれるのか?となります。
 そこまでスタートからのダッシュがいいわけでもなく、坂スタートも未知なので、正直あまり期待は出来ません。

 やるとしたら外目の枠で序盤中団くらいから、向こう正面で自分で捲って超ロンスパにしてしまうくらいですけどね。
 ただそれをしても、この馬は外々を通す形になりますし、それで漁夫の利を得る馬がいたとしても、この馬が残れるかとなると考えものです。

 こちらは馬群の中でも大丈夫なので、どちらかと言えば内枠で中団のイン、そこからペースが上がってくれるのを祈る、漁夫の利戦法の方がまだ可能性はありそうです。
 少なくともペースが落ち着いてしまえば、坂加速地点で置かれる可能性が相当に高いので、あまり狙いたい馬ではない、というのが率直なところですね。

・ゴールドドリーム
 今年は流石にパフォーマンスを落としているのですが、少なくとも以前より好走スポットは狭くなってきた中で、多分ドンピシャ走れるのはこの条件、だろうとは思っています。
 元々タフ馬場がそこまで得意なタイプではなく、けれど歳を取って、前走のような強烈なスピード特化にも対応できなくなってきているので、程よくスピードがコントロールされ、かつ軽めの馬場の1800mがベストではあるはずです。

 和田Jに替わるのはプラスではないですけど、適性面ではある程度このコースなら幅を持って対処できますし、去年も強い競馬でした。
 このコースはヴァイスリージェント、というあたりでも、リピーターはそれなりに安定するレースで、同じゴールドアリュール産駒のコパノリッキーなども、もう終わったか、という所での好走がありました。

 なので今回、少なくともカフェファラオやサンライズノヴァ、クリンチャーを買うくらいなら、この馬の現状のベストが炸裂する方に賭けた方が面白いんじゃないか、とは見ています。
 実際どこまで人気を落とすかわかりませんけど、最低でも印は打ちたいですし、内枠を引ければ並び次第で単穴など、重い印も考えています。

・インティ
 この馬も、去年はみやこS大敗からの鮮やかな復活好走でしたし、前走は明らかにハイペース耐性の面でダメだったので、度外視していいとは思います。
 こちらも6歳になったので、同じようなパフォーマンスが出来るかはなんともですが、武Jに手綱が戻るのは間違いなくプラスでしょう。

 去年坂スタートもクリアしていますから、今年も出来る限り内枠を引いて、スムーズに1コーナーまでで先手を取り切る形に持っていけるかが鍵ですね。
 去年のレースラップは神ががっていましたが、それを狙って再現できるのが武Jの真骨頂でもあり、その点で期待値は高いです。

 このコースでのマックスのパフォーマンスは確実ですし、内枠を引けて、他の先行馬に絡まれにくい並びと考えれば、やはり単穴など重い印を視野に入れたい馬にはなりますね。

・モズアスコット
 この馬は明らかにスピード型で、スーパーレコードの南部杯で強かったように、ワンターンハイペースがベストの馬です。
 なので強制的にコーナーでスピードがコントロールされがちなこの舞台は適性が低いと思いますし、実際一周コースではマイルでも結果を出せていません。

 シンプルに少し距離が長い、とも言えますし、こちらもカフェファラオ同様、自分から出していってハイペースに持ち込めて何処までか?というイメージです。
 中京の坂スタートも課題で、ただ鞍上は超積極的な横山武Jではあるので、レース展開を動かす要因としては注視しないといけない一頭かなと思っています。

 ただ圏内候補、という意味では流石にここは難しいと判断しています。
 引退レースですし、最低限スムーズにいいレースを、そして無事に走り切って欲しい条件ですね。

・エアアルマス
 この馬も前走、休み明けとは言えラスト止まり過ぎではあり、本質的には1800mは少し長いのかな、と見ています。
 東海Sは勝ち切りましたけどスロー寄りで、インティがあの位置からなので、ヴェンジェンス比較で言えば流石にここで最上位には、とは思います。

 一度使ってどこまで復調しているかで、また渋った馬場が得意なので、その辺りが噛み合えば前々から雪崩れ込みの候補の一頭には上がってきます。
 でも流石にここで強く狙うのは、よほど枠と馬場に恵まれないと厳しいかな、という判断です。今のところ紐候補ですね。

・アルクトス
 こちらもモズアスコット同様に好走スポットが狭く、ワンターンの1400~1600m戦で、ハイペース適性が問われた時以外は中々好走出来ていません。
 なのでこの馬も活路があるとすればハイペース先行ですけど、やはり一周コースで簡単ではなく、田辺Jも流れに合わせがちな部分はあるので、ここで狙いたい馬としては上がってこないのかな、と見ています。

 南部杯からのローテは近年結構走っているので、その点でも半端に人気しそうですが、今年の南部杯は明確にスプリント寄りの適性が強く問われたレースだった、というのは意識しておくべきポイントだと思っています。

・タイムフライヤー
 この馬の場合は、内枠で去年より1~2列前に入ってくる形が作れればちょっと面白いのですけどね。
 去年は流石にあの時計の中で、最後までジリジリと来ていましたけど、道中の位置取りがそのまま着差になっていました。

 それなりに出足はある馬なので、そこを上手く活かしつつ、底力を問われる単調な流れなら巻き返しはあってもいい馬です。
 流石に単穴までは厳しいですけど、枠が良ければ紐では引っかけたい一頭ですね。

 こういう時に腹を括って、内で待ってウェスタールンドしてくれそうな藤岡佑J、というのも悪くないとは思います。

・エアスピネル
 この馬も現状は1400~1600mで追走力を生かし、そこからの一脚、というレースでこそ、という感じです。
 エルムSがかなりだらしなかった以上、一周コースではペースが上がったとしてもどうかな?とは思いますし、福永Jで内枠を引けて、好位で我慢して何処までか、でしょうか。

 純粋にちよっと能力的にも足りないと思いますし、紐候補として考えてもいいラインですけど、多分消すんじゃないかなと思ってます。

・アナザートゥルース
 この馬も内目からの競馬は出来るので、タイトに立ち回りつつ、そこそこペースが上がって上がりの掛かる競馬になれば、圏内に食い込む余地くらいはあってもいいとは思います。
 前走は明らかにルメ様の追いかけ過ぎでしたし、ただゲートセンスは近走良くなっているので、ミルコJでもポンと出てくれれば、ですね。

 ただ同時にミルコJなので、外から勝ちに行きたがってしまう危険性もあります。
 純粋な能力的には足りない馬なので、内枠で動けないくらいの方がいいはずですし、外枠なら軽視、内枠なら紐候補に残しておく、位の扱いでいいと思います。

・その他の馬
 流石にそれ以外の馬、となると、どんな条件になっても上位に食い込むのは相当に厳しいでしょう。
 去年に引き続きメイショウワザシが出てくるか、そしてどんな枠に入ってポジショニングをどこに持ってくるかは、レースの流れの中で大きなポイントになりそうなので、そこは意識しておきたいところです。


posted by clover at 14:31| Comment(2) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お疲れ様です

1番人気が圧倒的強さを見せる秋ですが、今週も強いのが出てきますね。。違うのはルメール騎手が挑戦者側ということぐらいでしょうか。南部杯で激流を生んだ面々にメイショウワザシもいるので、クリソベリルから薄目の差しに流そうか、などと考えていますが得てしてみんな控えちゃったりするんですよね。。

さて、アーモンドアイの初年度のお相手がエピファネイアになりそう、ということでこれまたサンデーの4×3だなー、と思いましたが、よく見るとデアリングタクトにも似た構成になるんですね。父仔三冠より遥かに可能性の低い母仔三冠も、夢を見るぐらいなら許されますかね。
Posted by waka at 2020年11月30日 21:48
>Waka様

 いつもコメントありがとうございますー。

 結局インティ武Jが内枠からポンと出ちゃうと、それに競りかけていける胆力のある人馬がいるのか?って事にはなるのですよね。
 その意味でインティが外枠を引いた方が、乱ペースになる可能性は高い気がします。
 流れない限りあんまり荒れないレースだと思うので、穴狙いならそっちに賭けるのが妥当なレースでしょうねー。

 アーモンドアイ×エピファネイアは楽しみ過ぎますね。
 ロードカナロア譲りの気性の良さと賢さが上手く遺伝して、そこにエピファネイアのパワーが加われば、それこそ母の挑戦できなかった凱旋門賞、なんて夢も出てきます。

 仰る通り配合も、サンデー3×4にヘイルトゥリーズンやノーザンダンサーのクロスもデアリングタクト同様なんですよね。
 やはり成功例を踏襲する、というのは繁殖のひとつのセオリーですし、今からデビューが待ち遠しくてなりませんねー。

Posted by clover at 2020年12月01日 03:52
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