2020年11月23日

2020 東京スポーツ杯2歳S レース回顧

 来年からはGⅡ昇格となる、出世レースの東京スポーツ杯2歳Sは、ジャスタウェイ産駒のダノンザキッドが、好位から抜け出す教科書通りの競馬で完勝、クラシック路線に力強く名乗りを上げましたね。
 レースをしっかりと振り返っていきましょう。


★馬場・展開回顧

 今日の府中は良馬場、クッション値9,8なので、今週はあまり変化がありませんでしたね。
 馬場はやはり土日と使用して、更に外差し化が進んできたのと、もう既に外目もそこまで良くはないので、パワー馬場に適性がある馬なら内目でも、というパターンも出てきています。

 時計的には、今日は古馬戦が少ないのでわかりにくいのですけど、未勝利の2000mは60,4-60,5=2,00,9、ただしこれは勝ち馬が大きく千切っています。
 最終の2勝クラスの1400mが35,6-11,9-34,2=1,21,7なので、スローとはいえラストもそこまでではなく、標準ラインの馬場まで落ちてきたイメージにはなりますね。

 あと今日は、若干風の影響もあったかもです。
 直線で比較的加速ラップを踏む事が多かったですし、北東からの風で直線追い風、やや差し馬にプラスになる条件だったかもしれませんね。


 レース展開は、まずタイトルホルダーがポンと出てハナを窺いますが、それに外からレインフロムヘヴンが突っかけていって、抑え切れない感じで先頭に立ちます。
 ダノンザキッドもいいスタートを決めましたが、その2頭を行かせて単独の3番手、いつでも外目に出せる絶好のポジションを確保しました。

 その後ろにインからドゥラヴェルデ、ジュンブルースカイは中団の外目でしたね。
 出負けしたモリノカンナチャンとヴェローチェオロもじわっと取りついて、中団後ろから差を詰めていきました。

★ラップ分析

 レースラップは35,8(11,93)-37,4(12,47)-34,3(11,43)=1,47,5(11,95)という推移になっています。
 今日は比較が難しいですが、府中は三日間通じて、そんなに速い!という時計は出ていませんし、標準レベルのパワー馬場と考えれば、全体時計も悪くない、と思います。

 まあ去年のアレを鮮烈に覚えているだけに、余計にハードルが上がっている部分はありますよね(笑)。
 ただ後半も、中盤でかなり緩んでいる中で、12,7-11,9-11,0-11,4と、かなり加速度の高い後半勝負になっています。

 今日の馬場なら最速11,0は速いと思いますし、それを0,9秒の加速込みで引き出してきたのは中々だった、と思います。
 ラストも11,4なので、まだ足を出し切った、という数字ではないですし、勝ち馬は見た目以上に完勝、というところでしょうか。

 しかし、レインフロムヘヴンは二度ああいう捲りレースをして、馬が制御できなくなった感じで、しかもそれならそれである程度流していけばいいのに、4角で強烈に緩めて、むざむざ差し馬に楽なレースにしてあげる、というのは……。
 昨日のサリオスも残念でしけだと、確かにこれだと、ミルコJの乗り馬がどんどんいなくなっていってしまうのも仕方ない、と感じるレースメイクでした。
 二日続けて残念なレースメイクを見ちゃうのは、どうにも切ないですねぇ。

 ともあれ、実情2番手以降はよりスローからの3F特化に近い形で、ただ勢いに乗せてきた分、最速地点で動けたのは好位の馬、という認識でいいでしょう。

1着 ダノンザキッド

 新馬戦は間違いなく強かったですし、2~3着馬も未勝利を圧勝していて、ここも期待はしていましたが、ジャスタウェイ産駒だけにここまでスローになってどうかな?という懸念はありました。
 今日は+24kgで、発汗も結構していましたけど、レースに行けば優等生、という感じでしたし、その上で課題もきっちりクリアしてきた印象です。

 スタートもきちんと決めて、楽に3番手を取り、道中は前と5~6馬身差の位置で追走していました。
 大欅のあたりからじわっと差を詰めて、コーナーで更に加速しつつ、きっちり直線、最速地点で伸びてきたのは好印象です。

 といっても、ほぼ残り400m地点では詰め切っていたので、この馬は10秒台に入っているかどうか?ではあると思います。
 甘く見積もって11,2-10,9-11,4かな、という感じで、まぁ究極的に切れてはいないですけど、今日のパワー馬場で相対的に切れを引き出してきたのは評価出来ますね。

 完全な上がり特化でも要所で違いを見せて勝ち切ったのは、ダービーを考えれば大きな財産になると思います。
 今日は相手関係も楽ではあったと思いますが、しっかり順調に階段を昇っていると思いますし、クラシック戦線での活躍が楽しみですね。

 流石にマイル、という感じではないので、2歳の内に使うならホープフルSになるでしょうか。
 一昨年・去年と、JCに人気で出走するような強い馬が勝って、あのレースのステータスも大分上がってきましたし、今年もかなりいいメンバーが揃いそうなので、この馬もエントリーしてくれば取っても楽しみです。

2着 タイトルホルダー

 この馬も上手く前々の位置から、センスのいい競馬を見せてくれましたね。

 スタートは良くて、ただ外からレインフロムヘヴンに絡まれ、新馬で逃げていた馬って、普通ああいう場面でスッと引けないパターンが多い気がするのですよね。
 でもこの馬は楽に外の馬に行かせて、番手でも納得して走っていたように見えましたし、馬の気性がかなり素直なのかな、と感じる一幕でした。

 道中はそのまま2番手で、じわっと差を詰めていく中で、けれどダノンザキッドに早めに来られ、直線入り口ではもう並びかけられていました。
 そこから最速地点で差をつけられ、最後はジリジリ食らいついているものの、総合的に見ると少し切れ負け、という格好ですね。

 正直ドゥラメンテ産駒とはいえ、母系が重く、メロディーレーンの下だけに、切れ味勝負では厳しいと見ていました。
 勿論この馬の上がりは33,9なので、相対的に見てもあまり切れない、のはあるかもですけど、レースセンスの良さと要所の反応の良さはあるので、大きく崩れないのが持ち味になりそうです。

 高いレベルで言えばこういう競馬では足りないと思いますし、一周コースで分散するような先行策が打てれば、というところでしょうか。
 距離延長はプラスだと思いますし、この馬もホープフルSに出てきて、淡々とタイトな流れを踏んでくれたらいいレースになりそうですけどね。

3着 ジュンブルースカイ

 こちらは馬場の状態も含めて、枠なりにそつなく乗ってきたと思います。
 ただ惜しかったのは、坂の登りで加速していく中で、早めにスペースが詰まってしまって一瞬ブレーキを踏んだことと、そこから持続面で若干見劣ったところでしょうか。

 立ち回りはまずまずの馬ですし、今日のバイアスなので本当は内のタイトルホルダーは捕まえて欲しかったですけど、初輸送で-10kgと、馬体が細化していたのも、最後詰めを欠いた要因かもしれません。
 その辺りも含めて、ちょっと一旦立て直しは必要かもですね。府中の加速戦はフィットしているので、また共同通信杯あたりで狙える馬かな、と思います。

4着 プラチナトレジャー

 こちらは道中少し後ろから、コーナーをタイトに回して上手く進路を確保してきましたし、最後までジリジリと伸びていましたね。
 ただ不良馬場で勝ち上がったように、あまり上がり勝負自体は、という面もあったでしょうし、今日は全体的に上手くスペースを残しつつ乗られていたとは思いますので、それでこの着差、となると完敗は確かです。

 もう少し分散する形ならやれるかもですし、距離も伸びても良さそうな気はします。
 自己条件なら充分に戦えるレベルの走りは見せてくれたのではないか、と思います。

5着 ヴェローチェオロ

 物差し馬として有能なヴェローチェオロですけど、今日は出負けして、やや外目からじわじわと、という形でしたね。
 押し上げ自体はかなり緩い地点だったので、そこまでロスはなかったはずで、けど4コーナーでかなり外になったのは、実質あそこが最速に近いので、少し辛かったのかな、とも感じます。

 百日草特別では、コーナーで内目を通した分最後まで来ていましたけど、今日は外目で脚を使った分、ラストの持続で限界を見せた走り、だったと思います。
 まあゴールドシップ産駒でこれだけヨーイドンに対応できるのですからいい馬ですし、一周コースの2000m超で見てみたいですね。

★予想・券種回顧&反省会

 ん~、ワイドが正解でしたね。
 正直タイトルホルダーは、血統的にスローでは、と思っていたのと、レインフロムヘヴンが早め捲りでつつかれて、というイメージもあったのですよね。

 ただレインフロムヘヴンの出方も少し想定外(これはゲート出たのですから本来いい方、なのですけど……)、そこでタイトルホルダーが楽に収めてきたのも意外だった、というのが素直な感想です。
 ドゥラメンテ産駒も気性面で難しい馬は多そうですけど、全体的に能力のある馬は多いですし、来年が楽しみです。

 ジュンブルースカイの馬体が維持できていればもう少しやれたか、とも思いますが、その辺りのリスクも含めてが2歳戦ですし、ここは仕方ないですかね。
 流石に全部ワイドだと消極的過ぎるか、と思ったのですけど、2歳戦は当たればめっけもの、防御的な意識でトントンに持ち込めればいい、という感覚は持っておくべきだと、改めて反省する次第です。


posted by clover at 16:53| Comment(4) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
3日間お疲れ様でした。
おっしゃる通り去年が鮮烈すぎて拍子抜けしてしまったんですが、冷静に見ると物差しが桁違いすぎて去年と比較するのは違うなぁって事ですね(笑)
相変わらず本番じゃないダノン川田は安心して見られるんですが、本番どうなんでしょうかね?仮に朝日杯なり、ホープフルなりを勝って直行クラシックとなっても、過去2年を踏襲出来るとも思えないですし、ほんとダノンは悩ましいですわ(笑)
Posted by ブソン at 2020年11月23日 17:37
お疲れ様です

ダノンザキッドは+24が気になりましたが太い印象もなく、賞金・輸送経験あたり考えてもしっかり勝てたのは大きいですね。ただダノンで、ヴェロックスと同じジャスタウェイ産駒ということでクラシックではちょっとだけ足らない、なんてシーンもちらついてしまいますが。。

さていよいよJCを迎えますが、この3日間はパワー兼備で直線伸びるとこを選べる位置で競馬できた馬が強かった印象です。やはりイン絶対優位だった近年とは違う馬場と思ってよさそうでしょうか。
天気は大丈夫そうですが、サートゥルナーリアの回避は残念ですね。。
Posted by waka at 2020年11月23日 22:19
>ブソン様

 いつもコメントありがとうございますー。

 去年のコントレイルは、あの時点で毎日王冠と互角でしたからね。
 流石にレベルが違い過ぎますし、あれほどの馬が毎年ゴロゴロ出てくるならそれはそれで嬉しいのですけど。。。

 今年も水準級のレベルとは思いますし、スローだからあの着差、とも言えますからね。
 ダノンザキッドはもっと底力を問われるレースならいいパフォーマンスを見せてくれると思っています。
 
 ただ厩舎と馬主的に、距離延長やGⅠがどうか?ですよねぇ。
 少なくともラップ的観点からは、3歳春なら2400mでも、と思うんですけど、安田厩舎に2400mの馬を育てるノウハウがあるか否か……。
 ダノンの呪いもほぼ丸三年強固に続いていますし、どうしてもジンクスは一度解けるまではそっとしておきたい気持ちにはなりますよね(笑)。

Posted by clover at 2020年11月24日 02:27
>waka様

 いつもコメントありがとうございますー。

 そうですね、ここできっちり勝ち切れたのは、ローテーション的には大きいですし、とても楽しみな一頭です。
 でも仰る通り、「クラシック級」ではあっても、去年のコントレイルのように「クラシック当確」という感はないので、凄く高いレベルでの物差し馬になるかもしれません。

 ジャスタウェイ産駒は、このままでは去年・今年の新種牡馬の活躍に埋もれてしまうので、この辺りで一頭、そろそろGⅠ馬を出したいところですけどね。
 ダノンの呪いを打ち破る旗手になれるか、注目していきたいと思います。

 府中は正直かなりカオスな馬場ですよね。
 インがダメなのは確かとしても、外目もそれなりに荒れてきて、純粋に外枠から外を回せば、とも言えなくなっている気がします。

 しかも今週結構傘マークがちらつくので、馬場造園課が本気を出しても、中々回復処置は難しそうです。
 基本的にはパワー馬場、だけどある程度は位置を取れて、しっかり前を向いて直線に入れる馬、というのが無難なチョイスにはなるのではないでしょうか。

 サートゥルナーリアも展開ひとつでチャンスはある馬だっただけに残念ですね。
 個人的にはバッサリ切って、少しでもそこで妙味を、と思っていたので、狙う気満々のカレンとグローリーヴェイズの人気が上がってしまいそう、という意味でも残念ですけれど(笑)。

Posted by clover at 2020年11月24日 02:34
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