2020年11月12日

2020 11月第2週2歳戦 レース回顧(日曜編)

 今日は遂に、アーモンドアイJC参戦が正式に発表されましたね!
 その選択をしてくれた関係者の皆様へこれ以上ない感謝の気持ちを伝えたいですし、今から楽しみで仕方がありません。

 もちろん、まずは三頭とも無事にゲートに辿り着く事。
 そして無事に走り切ってくれる事。

 それを大前提に、内容でも歴史的なレースが見られればなによりです。
 本当に今年の競馬ファンは幸せ者ですね。それに報いるためにも、これまでよりも更に真摯に競馬に取り組んでいきましょう。


★11/8(日) 東京1R ダート1600m未勝利戦

 このレースを勝ったのはマクフィ産駒のグランツアーテムでした。
 時計的にはさほど目立つレースでもないのですが、何と言っても勝ち馬の、滅多に見られないレベルでの後方一気は目を引くので取り上げました。

 前日のオパールムーンと言い、この週は横山典Jのポツンが冴え渡っていましたね。
 スタートも悪かったとはいえ、道中あの位置から文字通り全馬をごぼう抜きですから、一見の価値はあると思います。

 この馬の上がりは35,4なので、ダートでそういう切れと持続を両立出来る脚を引き出せるのは面白い要素です。
 ただ自身のバランスで言えば超スロー、全体時計の1,39,4は未勝利としては平均的な水準です。
 なので、今後もう少し前半が引き上がっても、物理的に追走が可能ならば面白い、と思いますし、どちらに転ぶにせよ次走が楽しみな逸材ですね。

★11/8(日) 阪神4R ダート1200m新馬戦

 このレースは、やや人気薄のヨハネスブルグ産駒・ワイズマンハートの一気の逃げ切りでした。

 阪神ダートは良で、みやこS当日なのであのレースだけ見るとそこそこ時計が出るように見えますが、私のジャッジとしてはあのレースは例外的に好時計です。
 全体としては水準か、それより少し重いくらいと見ていますし、1Rの未勝利戦も1,13,5ですので、一貫消耗戦とは言え1,12,8は比較的優秀だと見ています。

 後半ラップは12,1-12,2-13,0で、バランスとしても35,5-37,3なので、比較的前半は楽に入れたレースではあります。
 でもそこから、ラスト1F以外はほぼ落とさず持ってきているのは中々ですね。距離延長がどうかは微妙なラインですけど、良質な総合力があると思います。
 上のクラスでもやれる時計ですし、2着以降を千切ってきたのは伊達ではないレース内容でした。

★11/8(日) 福島5R 芝1200m新馬戦

 このレースは、ハーツクライ産駒のミエリが、先団後ろから早めに先頭に並びかけ、競り合いを制してデビュー勝ちとなりました。

 福島の芝は、開幕週から結構時計が掛かっていて、良でもクッション値が低めでしたね。
 他のレースでも未勝利で1,10,2、1勝クラスで1,09,8までなので、新馬で34,7-36,0=1,10,7ならそんなに悪い数字ではないでしょう。

 ラップ的にはちょっとトリッキーで、後半11,9-12,2-11,9とラストで再加速しています。
 この日は他のレースでもラスト200m最速、というのが時々あったので、或いは直線追い風とか、なんからのファクターがあったのかもしれません。

 勝ったミエリは一番いいスタートから、ただ少し1200mの流れに乗り切れない感じで、道中押っ付けながら先団後ろ、という感じでした。
 前が一番落とした4コーナー出口で一気に取りついて先頭列に並びかけ、でもそこから内外で抵抗にあって、最後はギリギリ振り払った、というイメージです。

 なので、この一戦そのものだけ見ればそこまでの強さは感じません。
 ただノーザンのハーツ産駒がそもそも福島の1200m?というのはあり、勝ち馬を増やすための使い分けの匂いもするので、その中でも、という評価は必要だと思います。

 血統的にもダノンチェイサーの下ですから、父ハーツなら少なくともマイル~中距離志向だろうと思います。
 実際に追走で苦慮していたと思うので、このタイプは次に距離延長で狙っていいのかな、と感じますね。
 ローテーション的にどうか、ですけど、赤松賞とかに出てきたら楽しみがありそうなタイプに思えます。

★11/8(日) 阪神5R 芝1800m新馬戦

 このレースは、デゼルの全妹になるディープインパクト産駒のオヌールが、好位の内目から究極の瞬発力戦を制しています。
 しかし姉同様、この馬も馬格がないですね。アヴニールセルタン自身小さい馬だったんでしょうかね?

 日曜の阪神の芝も相当に軽かったですけど、クッション値10,2⇒9,5が示す通り、少し雨が降った事で土曜程超高速ではなかったように思えます。
 実際道頓堀Sが34,7-11,4-34,6=1,20,7で、前日の2歳戦からすると物足りない時計になっていますし、流石にメンバーを考えれば少しタフ、と見做すべきだと思います。

 その中でのこのレースは37,4-37,7-33,6=1,48,7となっています。
 新馬戦らしく序盤・中盤共にスローで、残り600mの下り地点からペースアップする阪神外回りらしい3F戦、瞬発力&持続力特化戦です。

 ラストのラップは11,2-10,9-11,5と高いレベルでまとまっていますし、上位3頭は少なくともこういう競馬にかなりの適性がある、と見做せるでしょう。
 全体時計自体も新馬としては優秀なラインですし、いいレースだったと思います。


 勝ったオヌールは、内枠から姉と違って非常に上手な競馬が出来ましたね。
 いいスタートから楽に2列目ポケットで折り合い、4コーナーでは一枚外に出して進路確保、直線もしっかりどの地点でもいい脚を使えていました。

 この馬自身は最速地点で10,8くらい、そこから11,5と落としているので、持続面でえげつない、というほどではありません。
 ただポジショニング含めて総合力の高さは見せていますし、そこは姉にない強みになりそうです。

 早いデビューが出来た事も含めて楽しみな馬ですけど、出来れば少し休ませて、春に向けて成長が欲しいかなとも思います。
 まだ素質だけで走っている感じですし、もう少し中身が伴ってくればかなり凄い馬になる可能性があるのではないでしょうか。


 2着のコーディアルも、素材的には甲乙つけがたい中々の走りでした。
 スタートが致命的に下手で、序盤5馬身くらいの立ち遅れでしたけど、幸いスローペースの中、馬群にすぐに取りついての競馬にはなっています。

 コーナーもタイトに立ち回って、直線もある程度馬群の中を縫うような競馬が出来ていますし、外に持ち出してからの持続面も光りました。
 上がり32,8は究極レベルですし、ラストも11,1くらいで来ていて、最後まで前との差を詰めていたので、これは強い馬だと思います。

 勿論スタートの改善が高いレベルでは必須ですけど、並の相手なら出遅れても勝てそうな強さですね。
 エピファ産駒ですし、しっかり次を勝ち切って、クラシックに乗っていける馬になってくれれば嬉しいところです。

 3着馬も非ノーザンのバゴ産駒にしては切れたな、と思いますし、素材そのものは中々の馬に見えますね。
 このレースはかなりいい馬が揃っていたと思うので、今後の活躍が楽しみです。

★11/8(日) 東京5R 芝2000m新馬戦

 こちらはゴールドシップ産駒のスノークォーツが、上がり勝負を見事に制して見せました。
 他の掲示板に乗った馬が全部ディープインパクト産駒なのに、それを普通は切れ味で見劣るゴールドシップ産駒が抑え込んでいるのですから中々に面白いレースです。

 府中の芝は、クッション値こそ土曜より回復していたものの、荒れたゾーンが増えて、トータルプラマイ、というイメージの、やや高速~標準馬場というラインだったと思います。
 その中で65,4-59,1=2,04,5と新馬らしく超スロー、特にラスト3Fが11,4-10,9-11,4と、瞬発力&持続力特化戦になっていますね。

 勝ち馬は内枠からまあまあのスタート、そのまま好位のインで流れに乗っていました。
 4コーナー付近から外を押し上げる馬が多く、少し序列を落とすものの、そこで無理なく内目を立ち回った事で足を温存し、上手く最速地点でギリギリの内目を通して突き抜けてきましたね。

 実際見た目にも最速の坂地点で2馬身くらい詰めているように見えますし、11,3-10,7-11,3くらいの上がりだと思います。
 これはゴールドシップ産駒としては驚きの切れ味とも言えますし、牝馬らしいと言えばそうかもですけど、中々インパクトのある勝ちっぷりでした。

 実際ディープインパクト産駒の良血がズラッと揃う中で、ヨーイドンできっちり差をつけてきたのは凄いと思いますし、けど血統的にはタフなレースでもそこそこやれる期待は持てます。
 勿論超スローの恩恵は大きかったでしょうが、内枠がプラスになる日でもなかったので、これは次のレース、どういう走りをしてくるかかなり楽しみな一頭です。

 流石に桜花賞向きではないでしょうが、この走りならオークスはかなり楽しみがあります。
 その上で適性の幅を見せてくれればなお良し、ですし、ゴールドシップも地味ながらそこそこいい馬を出してきますよね。

 2~3着馬も悪い競馬ではなかったですけど、勝ち馬には完敗に近い内容ですかね。
 他の馬は血統の割にヨーイドンの適性があまりなかったか、使って変わり身はありそうですけど、ここまで離されてしまうと少し微妙な感じです。

★11/8(日) 阪神6R 芝1400m新馬戦

 このレースはディープインパクト産駒のグレイイングリーンが、好位から正攻法で抜け出しての快勝でしたね。

 ラップが34,7-11,8-34,7=1,21,2と綺麗な平均ペースで、道頓堀Sと比較しても、かなり優秀な勝ち時計になっています。
 後半は11,4-11,3-12,0とある程度は出し切る形ですけど、高いレベルで総合力が問われていて、ここで22秒を切ってきた馬はかなり素質があるイメージは持てます。

 その中でも勝ち馬のレースセンスと強さは抜けていましたね。
 スタートも五分に決めて、スッと二の足で好位の外につけると、直線も早めに前に並びかけて、坂下から一気に突き放す王道的な競馬でした。

 いかにも短距離色の強いディープ産駒らしい総合力で、マイルまではこなすと思いますが、いずれは短いところ、というイメージです。
 時計的なインパクトこそ前日に見劣りますけど、馬場差もあったと思いますし、こちらはまだ伸びしろもありそうなので、かなり楽しみな一頭なのは間違いないですね。

★11/8(日) 東京6R 芝1600m新馬戦

 このレースは、ワールドエース産駒のフェアリーリングが、中団から馬群の中を縫って中々に強い差し切り勝ちを見せてきましたね。

 ラップ的には49,2-47,7=1,36,9で、新馬としてはそこそこは流れています。
 後半は11,3-11,7-12,1と仕掛けの速い持続戦で、全体時計は目立つほどではないですけど、それなりの総合力勝負になっているのかな、と思います。

 その中で勝ち馬は道中中団の内目、直線もインを狙って進めますが、前の馬がフラついたところで、一度ブレーキを踏まされて外に切り替える形になっています。
 ラップ推移的にもう坂地点は減速地点なので、普通そこでブレーキとなると結構致命的なのですけど、しかしこの馬はそこから坂上でもう一度ぐいぐい伸びてきました。

 明らかにラスト1Fで3馬身くらい詰めてきていますので、一頭だけ持続性能が違った、という感じで、見た目以上に強かったと思います。
 競馬としても結構タフな内容ですし、根性があっていい馬ですね。

 正直ここは、全体レベルとしてはちょっと微妙だったかな、とも思いますが、勝ち馬はまだ伸びしろがありそうです。
 スムーズに出し切れればもっと、というイメージは持てますし、楽しみですね。

★11/8(日) 東京9R 百日草特別(芝2000m戦)

 このレースは、エピファネイア産駒のエフフォーリアが、道中折り合いを欠き、馬群に揉まれる苦しい競馬ながら、最後鋭く抜け出してデビュー2連勝を飾りました。

 レースラップは37,2-51,4-33,7=2,02,3となっています。
 ハーフで取ると63,4-58,9とやはりドスローで、かつラスト11,1-11,3-11,3と3Fに集約された瞬発力&持続力特化戦です。

 勝ったエフフォーリアは、まずまずのスタートから行く馬を行かせて、道中は4番手くらいの追走でした。
 遅い流れで掛かり気味でしたけど、馬の後ろでなんとか宥めている内に、中盤で外からミルコJのレインフロムヘヴンが捲ってきて、結果として後続の仕掛けも誘発、この馬は馬群の真っただ中に包まれる格好になってしまいます。

 4コーナーから直線坂下までもまだスペースのない苦しい形でしたが、前が開くとアクションに応えてしっかり反応、鋭く抜け出してきました。
 この馬自身は11,1-11,1-11,2くらいの推移でラストまで押し切った感じで、もう少し速く動ければもっとやれたかも、と思わせる素晴らしい持続力を見せています。

 道中の折り合いも良くなかったですし、エピファネイア産駒なので揉まれてどうかハラハラでしたが、この馬もいい根性を持っていますね。
 ここ2戦どちらもドスローなので、まだ追走面の課題はあるとはいえ、あれだけ前向きな気性ならある程度はこなしてくるだろう、という期待は持てます。

 オーソクレースに続き、来年は春の牡馬クラシックもエピファネイア産駒が賑わせてくれそうで、本当に楽しみしかないです。
 要所の機動力もあるので、小回りやタフ馬場もこなせると思いますし、ホープフルSあたりに出てくるなら期待したいですね。


 2着のレインフロムヘヴンは、スタートで出負けしてしまって後ろからでしたけど、捲るタイミングはペースを考えても適切でした。
 新馬は好位から、やはり早捲りで先頭に立って押し切る競馬でしたし、長くいい脚を使えるのが持ち味ですけど、この日は相手が強かった、という感じですね。

 どちらかと言えばもう少し分散した方がより強みが活きるのかなと思いますし、後はスタートを良くしたいですね。
 素材的にはかなりいい馬なので、こちらも先々が楽しみです。

 3着のヴェローチェオロも悪くない競馬でしたけど、最後馬場の悪いところに入らざるを得なかったのは痛かったかなと思います。
 この馬はここ3走、いい意味で物差しになる競馬をしてくれていると思いますし、その点では貴重ですね。

 4着以下は少なくとも切れ味特化の展開で少し足りなかった感じですね。



posted by clover at 15:39| Comment(4) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お疲れ様です。
ジャパンカップ、ほんと楽しみですね!アクシデントなく当日を迎えて欲しいですし、各陣営に感謝です(^^)
ほんと内容も伴うことを祈ってます☆
アーモンドアイがサクッと勝ちそうな気もするし、負けても特に評価も変わらないでしょうし、個人的には牡馬コントレイルに勝って欲しいですし、、、とかなんとか2週間楽しみます(笑)
Posted by のぶ at 2020年11月12日 19:21
いや~、夢のレースが実現しましたね。あとはホント当日まで各馬が無事で、天候等の条件も整った状態で開催が行われるのを祈るばかりです。
クラシック路線ではない3強のレースというのは、海外遠征が一般化してからは絶滅してしまいましたからね。ウオッカの天皇賞以来じゃないでしょうか。
個人的に最も盛り上がった3強のレースといえば、GⅠではないですけどサイレンススズカの毎日王冠ですが、この2レース両方とも古馬勢が3歳勢を
負かしているんですよね。となると、アーモンドアイが有終の美を飾るということになるのでしょうか?。今回ばかりは、ファンのためにJCを最後の舞台に
選んだ女王を応援したい、そんな現時点での気分です。

先週の阪神の馬場は土日とも超高速で、9・10Rのレベルが低かったと見ていたんですが、日曜の方が時計掛かっていた新馬の2鞍はかなり優秀ですね。
将来性では負けてますけどコーディアルが1番でしょうか。
Posted by I.C.スタッド at 2020年11月12日 22:38
>のぶ様

 いつもコメントありがとうございますー。

 奇跡の様な年の最終章に相応しい最高のメンバーになりそうですよね。
 まあその分有馬が寂しい事になりそうですけど。せめてクロノが香港に行かなければ、なんですけどねぇ……。
 本当にアクシデントなく当日を迎えて欲しいと切望しています。

 単純な馬の絶対能力だと、アーモンドアイ=コントレイル>デアリングタクトだと思うんですよね。
 ただ前の2頭はベストパフォーマンスを発揮できるか怪しいローテーションでもあるので、その辺りでどこまで拮抗してくるか、なんて思ってます。
 本当に、レース前にあれこれ揉み宇そうしているのが一番楽しいですよね。早く当日が来て欲しいような、来て欲しくないような……。

Posted by clover at 2020年11月13日 03:57
>I.C.スタッド様

 いつもコメントありがとうございますー。

 本当にここまでお膳立てが整うと、贅沢なもので、走る条件も万全に、バイアスなどで有利不利が出て欲しくない、ってなっちゃいますよね。
 アーモンドアイは過去の傾向から、このローテーションで磐石の力は発揮しにくいイメージではありますけど、それでも府中で、マイルでないならば、と期待はせざるを得ないですよねぇ。

 馬券的には面白くなくても、直線3頭で抜け出してくるようなレースになれば、もう感無量で泣いてしまうかもしれません(笑)。


 正直馬場はクッション値をどこまで当てにしていいか?がまだまだ難しいんですよね。
 仰る通り低いレベルで接戦だった9~10Rという見立ても出来ますし、或いは例の如く内回りだけ回復が遅かったとか(その場合グレイイングリーンの強さが際立つ話になりますけど)、結局次以降の内容も含めて地道に精査していくしかないなぁと思います。

 私も将来性ではコーディアルに期待です。
 やはりあれだけの末脚の絶対的な量があるというのは凄い武器ですからね。楽しみです。

Posted by clover at 2020年11月13日 04:01
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