★はじめに
今週は牝馬のチャンピオンを決めるエリザベス女王杯ですね。
もっとも、古馬の東西両横綱のアーモンドアイ・クロノジェネシスは秋天に、東の大関のカレンブーケドールもJCに向かい、辛うじて西の大関のラッキーライラックが出てきて、というメンバー構成ではあります。
3歳世代も、絶対王者のデアリングタクトはJC参戦という事で、時代の風潮として、本当に強い牝馬は王道路線を選択する事が増えました。
元々エリ女は、そういう素材型の強い牝馬が勝ち切れないトリッキーなレースでもありましたし、数少ない非根幹GⅠで、能力より適性、という面も強くあります。
その上で、今年は阪神への舞台替わりが非常に難解さに拍車をかけています。
どの程度過去の傾向やデータが通用するかも含めて、プレビューとしても手探りな部分が多いですが、頑張って紐解いていきましょう。
★目次
★レース傾向分析
一応いつもの通り、去年までのプレビューも貼っておきます。
ただ、今年は阪神2200mという、全く別の適性が求められるコースでの開催になります。
例年通り京都でこのメンバーなら、はい、スローからの3~4F戦ですね、とほぼ決め打てるのですが、今年に限ってはそう短絡的に考えていいかが難しいところです。
阪神2200mは宝塚記念しか重賞がないので、比較対象にするには極端ではあるのですが、基本的にはコース形態と相俟って流れやすいレースになります。
スタンド前から1コーナーまでが長く、かつ一番ペースが上がる2F目がまだ下り坂なので、どうしてもテンのポジション争いでスピードに乗ってしまうのですね。
これが2000mですと、コーナーまでの距離が近い上に、2F目で上りに差し掛かるので、比較的スローに落ち付きやすい、という差異があります。
京都ですとそもそも内外の周りが違うので、その意味でも傾向がガラッと違うのですが、阪神内回りでも、2000mの実績がそこまで当てにならないのが厄介なところです。
実際に、特殊な馬場になったとはいえ、大阪杯と宝塚記念で、ラッキーライラックとクロノジェネシスの力関係がガラッと変貌したのは、記憶にも新しいところでしょう。
その上で、阪神は綺麗な楕円ではなくおにぎり型のコースなので、特に内回りは、3~4コーナー中間がフォルスストレート的な要素を持ちやすいです。
直線が短いから、この辺りの動きやすいところで動こう、という人馬が多くなり、その分全体の仕掛けも早くなって、ラスト1Fの坂地点では12秒台の消耗ラップになりやすい傾向があります。
坂の下りからの4F戦になりやすい京都2200mだと、そもそも前半はスローなのでみんな余力があり、直線も坂がないので、ラストまで11秒台と、軽いスピードが活きてきます。
対して阪神2200mは、最後にばてつつ急坂をクリアするタフネスとパワー、スタミナが求められ、ここで比較的適性差がはっきりと出やすい感覚です。
上がり時計そのものはかなり遅いのですけど、それでも上がり最速馬がバシバシ上位に絡むのは、そのあたりが複合的に絡み合っています。
序盤そこまで無理せず先団後ろから中団くらい、そこから後半ロングスパートでパワー寄りの速い上がりを使えるかどうか?というのが大きなポイントになりますね。
その点やはり、最初に無理なく位置を取りやすい内枠がやや有利な傾向で、外から位置を取るなら追走面の裏づけも欲しいところです。
その上で、今年の阪神の芝はかなりの高速状態にあります。
特に初日は超高速と呼んでいいレベルで、内回りの2歳戦の1400mで、ハイペースバランスとはいえ1,20,4と1,20,1が出るのは相当なレベルではありました。
翌日の古馬3勝クラスの1400mが、平均ペースで1,20,7となっています。
一見あれ?って時計なんですけど、よくよく見ると良馬場でも、前日少しは雨が降った影響で、クッション値が10,2⇒9,5とかなり下がっていたので、実は日曜の方がやや時計が掛かる馬場だった、と考えていいと思っています。
クッション値の掲載から二カ月弱が経過して、個人的にある程度傾向を掴めてきた部分もあります。
少なくとも雨の影響がない場合、前日に散水をしていなければ、素直にクッション値は高くなって、その分だけ時計の出やすい馬場になるイメージです。
特にレースのある土曜日は、やはり馬が走るとそれだけ地盤が固められる面もありそうで、その上で散水なしだと一気に日曜日にクッション値が上がってくる傾向が見て取れます。
府中などは特にそんな感じでしたし、おそらく路盤を硬めに作った今回の阪神もそれは踏襲できるのではないかなと感じています。
今週の天気は今のところずっと晴れ予報です。
なのでおそらく、金曜までは散水を続けて、その分土曜のクッション値は少し落ち着いた数字、そこから日曜に跳ね上がってかなりの高速馬場、というのが現状での私の想定です。
馬場が綺麗で時計が出やすい、というのは、宝塚記念とはまた異なる傾向になりやすい、とも言えます。
少なくとも近年、12秒を切るような時計で決着した年は、絶対的な前半の入りは変わらずとも、相対的にペースが落ち着いて、後ろから一気に、という競馬は難しいと感じます。
そして騎手にも、牝馬にはよりタフな阪神2200m、という意識はあるでしょう。
なので、コースデータよりは序盤無理せず、レースデータ通りにスロー寄りで展開していく可能性も普通にあります。
同時に、馬場が軽くて前にいないとどうにもならない、と思えば、このメンバーでも比較的ポジション争いが熾烈になる可能性もないとは言えません。
その辺りは鞍上のキャラと、枠の並びなど見ながら可能性を振り分けていくしかないですね。
ただどちらにせよ、後ろから行くしかない、という馬がズドンと一気差しを決めるのは厳しいとは思います。
ある程度のポジショニング、中団からやや後方くらいまでは最低限確保出来て、後半のパワー型ロンスパ適性があり、かつ追走面でもある程度無理が効く馬が、机上の空論としての狙いやすい適性、にはなるのではないかなと考えています。
その辺りを踏まえつつ、個々の馬を見ていきましょう。
ちなみにこの記事を書く直前に、リリーピュアハートは回避のニュースが出ていましたので除外し、残りの馬が全部出てくるとして、濃淡つけつつ一応全てに触れられれば、と思います。
★出走馬所感
・ラッキーライラック
去年の覇者のラッキーライラックは、宿業のライバル・アーモンドアイとの再対決を避け、必勝を期してこちらに回ってきました。
この馬とて混合の大阪杯を制した馬ですから、当然牝馬同士なら能力は一枚上、と捉える事も出来ますし、今絶好調のルメールJというのも売れる要素にはなるでしょう。
ただ同時に、宝塚記念では大きく崩れているように、阪神2200mという舞台に適性が高いかどうか?となると難しい面があります。
少なくともあのレースは、かなり滑る特殊な馬場と、かなりのハイペースで色々削がれた面はあり、今の高速馬場でなら、多少ハイバランスでもあそこまで大きく崩れる不安はないか、とは思っています。
でもやっぱり、ベストはスローからの後半勝負、かつロンスパ戦よりは、去年のエリ女みたいに溜めて溜めてヨーイドンの瞬発力勝負向き、という感じはあります。
それなりに分散した大阪杯でもやれましたけど、あのレースは枠とポジショニングが完璧で、道中も内々で我慢できた分最後まで弾けた、という感覚はあります。
ここでも勝ち切る絵図を描くなら、やはり出来れば内枠は欲しいかな、と思います。
先行力のある馬なので、このメンバーならポジションを取ろうと思えば、外枠からでも2列目くらいは取れてしまうでしょう。
けれど、高いレベルでは追走で急かされない方がいいですし、といって外枠で下げると、勝負所で外々から、と言うロスも馬鹿にならない負担になりますからね。
ペースも読みにくい中で、自分から動いて勝ちに行けるほど能力と適性が抜けているか?と言われれば、私は違うと思っています。
少なくとも二桁番から、となった場合は、本命は打たないと思いますし、連下までは落とす可能性はありますね。
内枠でも、他に噛み合いそうな馬がいれば対抗に留めるかもですし、本当に1倍台まで人気するかはわかりませんが、ここは久しぶりにGⅠの一番人気に少し逆らう狙い方をしてもいいレースかな、と感じています。
・ノームコア
前走の札幌記念は鮮やかでしたが、やはり最内枠で道中ロスなく進められましたし、後半型の競馬の中で良さを引き出してきた感じです。
血統的にも洋芝適性が高かったのは確かでしょうし、更に1F延長して、ある程度流れる可能性もある中でどう考えるか?ですね。
2200m自体は一昨年のエリ女を使っていますが、あの時はタフ馬場のスローペースで決め手勝負、その中で好位外から案外な競馬でした。
あれだけで一概に距離とは決めにくいですけど、他に10Fで好走している時は、やはりかなりの高速馬場か、或いは立ち回りで極力ロスなく、という条件がついて回るのですよね。
まあクロノジェネシスの姉で、ハービンジャー産駒、という字面だけ見ると、タフなレースでも強い可能性を考えたくなります。
でもこの馬の場合、2年続けて超高速のVMでかなりいい競馬が出来ていて、それを踏まえるとやはり阪神2200mのパワー型上がり勝負は?という感覚はどうしても付き纏うのですよね。
あまり輸送が得意な厩舎でもなく、春に高松宮記念を使った馬が2200m?というローテ選択の雑さも含めて、正直ここはあまり好感を持っていません。
やはり軽い馬場なら怖さはありますし、特に内枠を引けば軽視はしづらいでしょうが、外枠なら思い切って消すところまで視野に入れておきたい一頭だと考えています。
・ラヴズオンリーユー
この馬の場合は、超高速馬場で淡々と流れたオークスで、一頭だけ最後まで伸びてきて強かったように、この舞台はフィットする可能性が高いです。
あのオークスの2~3着がカレンブーケドールとクロノジェネシスであるあたりからも、適性面での期待は持てますし、基本的にはステイヤー型なので距離延長は大きなプラスでしょう。
ある程度ペースが流れても問題なく、それでいてポジショニングも悪くない、というのは、上で挙げた条件にも合致しますからね。
正直適性面だけで言えば、上位人気の馬では一番狙いたい気持ちはあります。
ただ、近走内容がかなり悪いのは事実で、本当にいい頃に戻っているのか?という疑念はどうしても拭いにくいです。
前走も馬場、という言い訳があるにせよ、そこまで悪くない展開でかなりだらしなかったですしね。
鳴尾記念も、内回りにしてはそこそこ流れていた中で、パフォーマプロミスに屈する、というのはやはり微妙でした。
かなり馬場適性の幅が狭いタイプ、という見立ても出来なくはなく、その場合今回はガラッと一変を期待は出来るのですけど、うーん悩ましいですね。
この馬も馬群での競馬は問題ないので、内枠に越したことはないでしょう。
調教過程など含めて、良くなっていると判断出来れば本命を打ちたい馬、なのですが、ミルコJもまだ不調期ですし、ギリギリまで考える事にはなりそうです。
ただ地力と適性から鑑みて、良馬場ならば最低でも連下は打ちます。
・センテリュオ
この馬も前走は鮮やかでしたが、相当に特殊な展開でしたからね。
力のいる馬場で超絶スローから、カレンブーケドールが痺れを切らしての後半ロンスパで、完璧に立ち回ってのズドン、ではあるので、個人的にあれでカレンブーケドール以上、とは決して思いません。
もしもカレンブーケドールがここにいたらおそらく迷いなく本命を打てるので、その意味では軽視もし難いところです。
でも本質的にそこまでポジショニングが上手くない、というのは、この多頭数競馬ではネックになりますよね。
去年のエリ女は強かったですけど、ただあれは1コーナーでスローになるのを見越して、早めに押し上げていったルメールJの神騎乗でした。
今年の舞台でそれが戸崎Jに出来るか?となると心許ないですし、まして基本スロー専用の馬なので、流れたところで位置を取りに行くのが致命傷になる危険性も孕みます。
超高速馬場自体はそんなに悪くなく、分散して長く速いラップを踏む、高速持久力型のレースはかなり強いです。
なのではっきりスロー、レース質で言えば去年の宝塚記念で、リスグラシューが勝った時みたいなパターンなら、最後に飛んでくる絵図も想像できる馬です。
ただ、ある程度現実的に流れた尼崎Sで少し甘かったのは気掛かりなんですよね。
勿論あそこは相手がメールドグラースですから、負けても仕方ない面はありますけど、ただほぼ平均に近いところでは要所の鋭さや持続をそこまで出せていないのも確かです。
そう考えると、かなりのスロー、と決め打って、かつ真ん中くらいの枠、じわっと押し上げつつもロスは少なく、という立ち回りが可能そうなら、くらいの狭い狙いになってくるのですよね。
少なくともあまり重い印を打ちたいと思える条件ではなく、枠やペースを考えて消す事も視野に入れたいところです。
・サラキア
この馬もここ2走は鮮やかですけど、それまでの先行策を封印して、ゆったり入る形で良さが出ているのがここでどうなるか?でしょうか。
一応去年のエリ女もそこそこやれてはいますけど、ヨーイドンで決め手負けではあり、距離の壁、というイメージも結構あります。
正直ここは前に行く馬が少ないので、今のこの馬でもニュートラルに入って前目、という可能性はあります。
揉まれていい馬でもないので、出来れはやや外目からじわっと先行して好位、それでいてスロー、というのが理想でしょうか。
高速馬場自体は対応力がありますし、後半のロンスパでもそこそこいいものは見せています。
その点で少し怖さはあるのですけど、枠次第では後ろから、という可能性もありますし、流れてしまえばやはり苦しそうで、こちらも狙いどころが難しい、狭いイメージではありますね。
ただ、ここ2走の内容は、鞍上のキャライメージとは逆に、馬の気分最重視で外々から、という競馬をしています。
流石にこの相手で、適性距離とは言い難い舞台で、外から勝ちに行く形で、となると、やはりあまり強く狙いたくはない、というのが正直なところです。
・リアアメリア
この馬もスローなら、なんですよね。
ここは結構怖さがあって、ポジションを取れるようになっていますから、楽に出て番手くらい、そこからスローロンスパでコーナーから強気に吹かしていけば、ステイヤー適性は高いので意外と粘り込めるチャンスはあっていいと思います。
三冠の中では明らかにオークスのパフォーマンスが一番いいですし、その点で左回り巧者の可能性もまだ否定はできないのですが、少なくとも良馬場なら右回りでも、と思います。
おそらく超高速馬場適性も高いですし、川田J×中内田厩舎の馬なので、密に戦略を組み立てての、秋天に続く逃げまであるのでは?と考えていたりします。
特に内枠だったら、包まれるのを嫌ってサッと主導権、というチョイスはありそうですし、ハナを取り切ってしまってからある程度コントロール、という形でスローに持ち込めれば怖いです。
外枠でも、前のペースを見ながらじわっと位置を決めていける強みは持てそうですが、川田Jの場合ハイペースでもポジションありきで突っ込んでいく懸念はあるので、そこのリスクをどこまで取るか、ですね。
現実的に見て、平均ペースまでならクリアしてくるのでは?と思っています。
力を出し切れた時の能力の高さはそれなりなので、牝馬最上位勢がいないこの相手なら通用してもいいと思いますし、人気次第で単穴も視野に入れておきたいかな、というラインです。
・ソフトフルート
この馬もカテゴリとしてはスローロンスパで持続性能を生かすタイプなので、リアアメリアとセットで狙うべき、ではありますね。
前走は結果的に出遅れが功を奏する形ですが、本来はもう少し位置を取れる馬なので、このメンバーなら中団くらいは意識して欲しいところです。
その点今回、スタートの上手い福永Jというのはプラスに感じますし、夕月特別の内容からも、持続力の絶対量そのものはリアアメリアより上かも、という見立ては持っています。
内々を通しても削がれない強みもありますので、内枠を引けて、スローロンスパ想定なら結構楽しみはあるのですよね。
ある程度流れて持久力ラインでの後半勝負だと流石に、と思いますし、正直今年の3歳世代は追走面で弱い馬が多過ぎだなぁ、と思いますね。
ただスローに振れた時、古馬の上位勢が適性ベスト、というイメージではないので(流れてしまえばまともならラヴズ、だと思っているのですが)、その辺りで食い込みの余地はあるかも、という評価はしています。
・エスポワール
この馬も血統の字面だけなら長い距離で頑張れそうですし、パワーもスタミナもありそうなんですよね。
むしろターコイズSあたりであれだけ走れたのが意外なタイプで、それなりに追走面の担保を持っているのは強みになるのと、この距離と相手なら前をすんなり取れそうなのも面白いところです。
この馬もあまり極端なハイペースは?ではありますが、3歳勢に比べればまだ幅はあると思いますし、高速馬場も悪くはありません。
前走は悪馬場で、コーナーの進路取りなどで後手を踏みつつなので、着差はあまり気にしなくても、と感じますし、この距離で平均からややスローくらいを前受出来れば普通に怖さはありますね。
この馬も内枠を引ければ単穴まで意識したい一頭で、武JもそろそろGⅠで存在感を見せてくれそうな予感はあるので楽しみです。
・ウラヌスチャーム
この馬は逆に、前走は完璧に嵌った感じは否めませんし、馬場適性とスローバランスが噛み合ったのも確かです。
本来そこまでポジショニングがいい馬でもないのですが、といって後半勝負一辺倒だと少し足りず、勝ち切ったのは奇襲逃げのメトロポリタンSと、イン捲りの前走、と考えれば、普通に乗っては難しい、というイメージにはなります。
そういう馬で、多頭数の阪神2200mでは奇策も打ちにくく、そしてGⅠ経験の乏しい若手の斎藤Jに乗り替わりでもあります。
その辺りを総合的に勘案すると、前走の圧勝でそこそこ穴人気するならば、バッサリ狙わない方が得策かなぁ、と今のところは考えています。
・ウインマイティ―
この馬もイメージ以上にスロー専用と言うべきか、前走は流れの中でいい位置にいたように思えたのですが、完全に伸びあぐねましたからね。
オークスも基本的にはスローロンスパに近い形ですし、その上でその形でリアアメリアやソフトフルート以上か?となると、ポジショニング含めて微妙なラインです。
特に近走はイマイチゲートが甘くなっていて、そこも不安ではありますし、前を取れても流れてしまえば苦しい、とはなります。
その点で噛み合う可能性がより小さい、という見立てにはなりますし、高速馬場向きでもないとは思うので、消す可能性の方が高いですね。
・ウインマリリン
うーん、如何にローテーションが良くなかったとはいえ、前走が負け過ぎなのは引っ掛かってしまいますよね。
タフ馬場もハイペースもそれなりに過去の実績からやれる、と思っていたのですが、馬場バイアスがあったとはいえあまりに無抵抗でしたし、実は高いレベルだとハイペースはダメなのかもしれません。
フローラSも今から振り返ると、純粋にメンバーレベルが微妙だった、とも言えますしね。
叩き2戦目での変わり身はあるかもですし、横山武Jならまず間違いなく強気に先行はするので、スローなら多少の怖さはあります。
ただオークス比較でも、今回似たような位置になった、と仮定するなら、高速馬場での高速持久力はやはりリアアメリアを上位に取りたいですし、スロー決め打ちでも紐までかなぁ、というのが今のところの印象です。
・ミスニューヨーク
この馬の場合、前走詰まらずにどこまでやれていたかがはっきりしていれば、もう少し狙い目としても峻別がしやすかったのですけどね。
ただ一応あの流れを前々で追いかけて、どん詰まってからもう一度伸びてきたように、3歳勢の中では比較的ペース対応の幅は広そう、という感じはします。
それなりにポジショニングも出来る馬なので、二度目の騎乗の長岡Jが上手く内枠からタイトに立ち回ってくれば、ペース次第では全くのノーチャンスではないかもしれません。
どちらかと言うとこの馬は、スローではなく、平均からややハイくらいで、前の馬が苦しくなるパターンで拾いたいですね。ラヴズオンリーユーが勝つようなレースパターンでの穴候補、という感じでしょうか。
コースは変われど、非根幹のマンハッタンカフェの血も侮れないですし、いぶし銀、という風情のこの仕事人コンビで、今一度の大仕事があったらドラマチックなんですけどね。
・サトノガーネット
この馬の場合はポジショニングが基本絶望的なので、流石に18頭立てでこのコースでは強く狙うのは……となりますね。
実は適性そのものは結構楽しみはあって、高速馬場向きですし、ロンスパ向きでもあるので、前がやり合って潰れる小倉記念パターンでズドン!が全くないとまでは言えないのが不気味なところです。
でも少頭数の時とは違い、縦のポジショニングも、勝負所の捌きの難易度も格段に上がります。
疲労とすれば全体でそこそこハイペースパターンの紐候補まで、というラインで、スローなら流石に物理的に届かないと思います。
・その他の馬
シャドウディーヴァはクイーンSが悪くなかったので、ある程度流れた時に少し怖さはありますが、関西圏で距離もやや長いこの舞台で狙えるか?となると、流石に少し足りない気はしますね。
サムシングジャストもいい馬ですけど、高速馬場だと色々質的に苦労しそうですし、距離も長いと思います。
リュヌルージュはパワー型で追走力もあり、スタミナもあるので、少し渋れば怖いのですけどね。斤量面含めて流石に良馬場だとまだ家賃が高い気はします。
ロサグラウカとカーロバンビーナは、流石に条件戦レベルで勝ち切れないラインでは、今年のメンバーでも少し足りないかな、とは思います。
阪神開催ですもんねえ。
これは楽しみになりました。
エリ女はやっぱりエリ女なのか、それとも宝塚記念のように底力が問われるレースになるのか興味深いです。
個人的にはエスポワールに期待してるのですが、今のルメ様に反攻出来るか、その胆力も問われそうです(笑)
阪神は高速馬場ですものね。阪神2200とはいえ、宝塚とはやはり少し求められる適性も変わってきそうですよね。
個人的には、単純にこの中で一番強いと思うノームコアに本命を打ちたい気持ちはあります。仰る通りローテは微妙ですけれど(笑)
スローからのロンスパだとは想定していますが、ウインマリリンが逃げるなら正直速くなっても不思議ではないですね。番手に控えても、けっこう早めに吹かしていくjですし。
後は、これだけの高速馬場ですから。京都と違ってスローや平均ぐらいなら内が大渋滞する可能性も考慮に入れなければ、ですよね。
対抗以下もラッキー、ソフト、センテリュオとある程度は人気所にはなりそうなので、できればノームコアの単勝一点で勝負できるくらいのオッズになって欲しいのですが……さすがに期待薄でしょうかね。
、
ラヴズオンリーユーはもう終わっているとみて、消します。想定3番人気ですが、さすがにその人気では……。
それにしても、カレンブーケドールにはこっちに回って来て欲しかったですねー。
ラッキーライラックは阪神2200はコース形態的とそれに伴う展開が合わない&ルメールの絶望的な阪神2200との相性の悪さがあるわけで勝負に出るなら消しも視野にですが、かと言ってここであっさり勝つのも十分あるわけでほんとに悩ましいところです。
あとは衰えもあると思うんですよね、正直馬場適性やペース等ありますけど、少なくともペルシアンナイトにまであっさり負けたのが驚きでした。去年みたいに自信もって本命!とは言えないですね。
現状はラヴズ軸かなぁと。ただ追いきり、当日の馬場はほんと重要ですね。
ほんと悩ましい。
いつもコメントありがとうございますー。
阪神開催となると、データ的なものの信頼度がガクッと下がるので、考察のし甲斐はありますよね。
特にレースデータが勝ってスローになるのか、コースデータが勝って平均~ハイになるかで、結果もガラッと変わると思うので、本当に難しいです。
ルメ様は比較的2200mが不得意なんですよね。
まあ非根幹で強い馬に乗らない、という面もあるかもですけど、ラッキーライラックにしても非根幹がベストの馬ではないので、逆らう余地はあると思っています。
オルフェーヴル産駒はオルフェーヴル産駒でも、というパターンは私もちょっと期待しています。
いつもコメントありがとうございますー。
馬場はほぼ高速で決め打っていいと思いますね。
開幕週は外差しもそこそこ決まっていたので、一概に内有利とは言えないですけど、それでもスローなら前・内の競馬にはなる気はします。
馬だけで見ると、まずスローじゃないか、とは思えるのですけどね。
でも仰るように、ウインマリリンが逃げた時に、阪神2200mの騎乗経験が少なく、常に積極的な横山武Jがペースを落としていけるか?ってのは気になるポイントです。
リアアメリア川田Jの逃げなら、ハナさえ取ってしまえば後はがっしり押さえて、去年の宝塚のキセキみたいなややスロー、にしてくると思えるのですけどねぇ。
確かにノームコアって、実は対ラッキーライラック2戦2勝なんですよね。
ただ戦績の適性から見るとアーモンドアイタイプで、阪神2200m?というのはどうしてもあるのが悩ましいです。
そこまで前に行ける馬でもないので、内枠でタイトに立ち回っても、仰るようにどん詰まりの危険もあるので難しいですよね。
多分人気はもうちょっと上がって、3倍台じゃないかなと思うので、単一本で勝負するのはリスクとのバランスで悩ましい馬ではないかとは感じます。
スローロンスパで底を見せていないのは確かですし、血統面の裏打ちは地味にあるのが本当に厄介な馬ですね。。。
ラヴズはバッサリか重く狙うか、どちらかに決め打つべきでしょうね。
カレンがここにいれば絶対的本命、と考えるなら、やはりオークスだけ走れば勝ち切れる馬ではあると思うので。
矢作厩舎の立て直し力と勢いに期待するか、それでも無理と判断するかも大きなポイントになりそうな一戦ですね。
いつもコメントありがとうございますー。
基本的にこのレース、5歳の牝馬ってあまり来ないというのもあるのですよね。
牝馬は衰えが早い面もあるので、特に若い頃から一線級で戦ってきた馬にとっては、5歳秋って本質的に鬼門なのだと思います。
ウオッカやブエナビスタ、ジャンティルドンナでも、5歳の秋シーズンは安定感と凄味を欠くレースが増えましたし、アーモンドアイでも秋天を見る限りは、ですからね。
その意味で、5歳牝馬がズラッと上位人気のこのレース、確かに世代レベルは高いのですけど、全てを信用して入るのは危険なのかな、と見ています。
その視座で言えば、2歳から第一線で活躍しているラッキーライラックに衰えを推定するのも無理筋ではないですね。
ルメールJが2200mを相対的に苦手にしているのもはっきり有意なデータとして出ていますからねぇ。
この馬をバッサリ消せるなら、その分他を手広く、という形も作れますし、このレースは色々な切り込み方があって本当に難しいです。
しっかり考える、と言いつつ、実情脳死状態で強い馬に本命打っていれば良かった10月は組み立てが楽でしたね(笑)。
今回、スタート直線で上り坂あって初角に向かい向こう正面から待ち受ける下り坂があって終い上り坂が待ち受けた仁川内回り2200mは英国競馬界の象徴でもあるエリザベス女王の冠に相応しい舞台ですね。
牝馬の切れる脚力よりもロングスパートの持続脚力が問われる舞台なだけに、欧州血統持ちが活躍する牝馬限定のG1があっても良いと思ってしまい。
そうもならんか?笑
そこで、今回マリリンの仕上がり状態?どうですかね?
個人的に、前走G1仕上げからの追い切りだから尚且つ輸送も考慮し出し過ぎない時計でまとめたのか?と考えてしまい。
また、血気盛んな積極策の武史鞍上で他のメンバーと比較しテンも遅くない馬なので逃げてレースメイクすると思い。
それで、個人的には仁川のクロコスミア候補と思って気になっていた存在だったので。
切れる脚力でない馬でG1馬達を相手に勝負するには、中途半端でない逃げから自らレースメイクするのが最善と妄想に耽ってしまい。笑
更に、もう一つのクロコスミア候補で。
相変わらずの単走追い切りから、気持ち良く突き抜けたリアアメリアの方が良く見えてしまい。
もう秋3戦目でしかも前走G1仕上げから、フレッシュさも上積みもない見込めないディープの仔ですが。
今回、ノーザン信楽による仕上げ手腕は良いと思ってしまい。
クロコスミアしてくれんかな?と、感情移入の色眼鏡で追い切り動画を見てしまい節穴状態なところです。笑
開幕2週目、内回りコースの満員御礼なフルゲートG1で馬場バイアスもフラット状態ならば。
とにかく、他馬の早仕掛け影響も凌げそうな穴は仁川のクロコスミア候補探しと思ってしまい仕方ありません。笑
余談、サラキアが本格化気配の追い切りようで参りましたね。
小倉日経で機動力あるところを見せつけて勝った馬だから、尚且つ折り合いが付く馬なので距離は保ちそう。
加えて、クロノもいなくリスグラシュー級の馬の存在もなく。
更に、同じ舞台のマイルG1出走するサリオスと同じ母親だからとりあえず相手には入れ置きます。
大外入っても、メイショウサムソンすれば良いではないか?と。
いつもコメントありがとうございますー。
確かに京都だと、基本上がり勝負の単調なレースではありますからね。
ただ基本的に牝馬には2200mは酷、と考えても、阪神替わりでパフォーマンスを上げる馬、ってのは基本的には少ないはずです。
本当にタフで強い牝馬はここには出てこない、という時代の風潮を踏まえても、そこは棲み分け、と考えてもいいのかな、という気はしますけどね。
今年のこのメンバーで、どういう時計・ラップが出るかは非常に楽しみです。
ウインマリリンは、正直フォトパドックの時点ではうーん、って雰囲気だったんですよね。
追い切りはセーブ気味でしたし、悪くはなかったと思いますけど、個人的にガラッと一変まであるかな?という感じです。
作戦は秘密、とか言ってる時点で逃げそうな気もしますけどね。気持ちで走る馬とも思うので、そのあたり含めて扱いが難しいですね。
リアアメリアもここまでは機嫌を損なわずに来られている感じですよね。
私の見立てだとこの馬はステイヤー寄りなので、その意味では今回のコースと、スローで前に行けるなら、という期待はあります。
ただ常に過剰人気するタイプなので、その辺りとのバランスも含めて考えたいですね。
サラキアは溜めて弾ける競馬が板についてきたので、追い切りもそのいい流れは見せていますよね。
後は実際このレースでそれが噛み合うか?ですけど、流石にスローだと厳しいかな、とは思います。
揉まれるのも良くない馬ですから、メイショウサムソンはちょっとやらない気がしますしね(笑)。
マリリンのでき物による摘出手術後、秋華賞までの仕上げ日程が狂いが生じ。
その前走からの一変が乏しいとなると、、、本当扱いが難儀になりました。
リアアメリア、前走スタート出が押して押しては?やはり掘れた荒れた馬場は苦手と思ってしまいましたね。
そこで、今回は掘れた馬場になってない高速化馬場バイアスならば?
スーッと出てからの川田、ラブリーデイ宜しくで大外からでもポジション取ってくると思うので期待値も上がってしまい。笑
そして、主人さんの見解からもマイラーよりゆったり追走出来るステイヤー寄りならば。
折り合いさえ付けば距離不安ないと考えられるだけに、明日の枠順発表後に思案し続けます。
あと一つ、昨年のオークスによる走破時計を見てしまうと。
やはり、4歳世代上位3頭は今年の3歳世代より強いと思ってしまい。
そこで、ラブズオンリーユー。。。
矢作トレーナーが公式会見で、、、「1週間前追い切りの併せ馬は失敗、先行馬が速すぎて併せ馬にならなかった」と正直に述べて。
あの武藤とダミアンで作り上げた持久力戦を勝ったオークスは戦慄ものだったので、未だあの当時から程遠い状態だと思って悩んでしまい。
併せ馬に遅れを取っても、先行馬相手にグッと前進気勢から喰らい付く闘争心みたいのが感じられないと。
鳴尾記念でも促しても追う反応がイマイチだった気勢が、エリ女本番でも再現されてしまうのではないか?と不安が募るところです。
最終稽古も、終い重視の単走追いで終い11秒台を出せるポテンシャルはあるだけに。
とにかく、ラブズオンリーユー自身の問題となり馬頼みになりますが。
当日、ラブズオンリーユー自ら闘争心に火を付けて競り落としに掛かる相手に競り勝つファイターになって貰いところですが。。。
こればかりは。。。
もう、母親になる準備段階突入と思ってしまって良いですかね?
本当、武史が逃げて持久力戦に持ち込めばラブズオンリーユーは勝ち負けあると思うだけに悩みます。
レース質的にも、全く若い馬が絡まない、という可能性は低いはずなんですけど、その取捨選択が本当に難しいですよね。
マリリンにしても調教師は馬群の中で溜める競馬を示唆していたり、ウラヌスが途中からでも前走みたいに動く、みたいなニュアンスを漏らしていて、展開も含めてすごく読みにくいです。
まあそれだけどの陣営も、この特殊条件で色気を持っている証左でしょう。
ラヴズオンリーユーはまともならこの条件では一番強いと思っているんですけどねぇ。
実際にオークス以降でベスト、と呼べる条件はここくらいなので、その点も含めて、いよいよここでダメなら、という背水の陣だろうとは思います。
仰る通りペース次第ですよね。テンから流れるか、中盤から分散するならかなり楽しみです。