2020年11月08日

2020 アルゼンチン共和国杯・みやこS レース回顧

 GⅠの谷間の週ですけど、心配された天気の崩れもなく、どちらも良馬場での力勝負になりましたね。
 果たしてこの先のGⅠ戦線に繋がる走りを見せられた馬はいるのか、しっかりとレースを振り返っていきましょう。


★アルゼンチン共和国杯 馬場・展開回顧

 今日の東京は良馬場で、クッション値も9,6と昨日より跳ね上がっています。
 やはり散水がないとその分きちんとクッション値に反映するんだな、というのは先週に引き続き見えてきますし、今後も意識しておきたいポイントです。

 ただ、馬場的には、今日はこのレースまで芝の古馬戦がなかったので、あんまり違いが分かりにくかったのですよねぇ。
 午前中の未勝利1800mがスローで1,48,7、百日草特別は63,4-58,9=2,02,3でした。

 とりあえず個人的には、エピファ産駒のエフフォーリアが快勝してくれたのでニッコニコなんですけど(笑)、後半4F戦で、ラストは11,1-11,3-11,3となっています。
 ドスローなのは確かですが、仕掛けは速くて持続ラップながらラストまで落とさない、というあたりで、実質的にはやはり昨日より軽かったと判断しています。

 バイアス的にはやはり内<外なのは間違いないですね。
 その中での、このレースの2,31,6はやや物足りないかな、とも思いますけど、中緩みが大きかったのでその辺りもあったでしょうか。


 レース展開は、まずミュゼエイリアンがハナを取り、その後ろにオセアグレイト、オーソリティと外枠の馬が前を取っていきます。
 少し離れてバレリオにタイセイトレイル、その後ろにラストドラフトなどがいて、ユーキャンスマイルは中団の内目でやや窮屈な競馬でしたね。

 サンレイポケット、メイショウテンゲン、サトノルークス辺りも中団で、その後ろのグループにサンアップルトン、アイスバブルなどがいました。
 後方にはゴールドギア、トーセンカンビーナなどで、隊列はかなり縦長になりましたね。


★ラップ分析

 レースラップは41,5(11,86)-37,1(12,37)-38,1(12,70)-34,9(11,63)=2,31,6(12,12)という推移になっています。

 レース自体はハイバランスですけど、これは単騎逃げ馬のものですし、番手以降は実質スロー、オーソリティの位置でもかなりのスローではないでしょうか。
 ブロック推移で見ても、中盤徐々に緩んで、後ろの馬は労せずフラットに取りついて直線勝負、というオーソドックスなアルゼンチン共和国杯、という見立てでいいはずです。

 ラストは11,3-11,2-12,4なので、コーナー中間から後ろは取りついていって、仕掛けの意識自体は早いスローロンスパからの持続力戦だと思います。
 その分ラストは12,4と結構甘くなっているのですけど、その割に食い込んでくる馬がいなかった、というあたり、オーソリティが強かったというよりは古馬勢がだらしなかったイメージを受ける一戦です。

 どうもそれだけ馬場バイアスが強烈だったのかな、という気もしますね。
 特に内枠の馬は、スタート直後も馬場の悪いところを通って、となりますし、ラストドラフトなどはそこそこスムーズに外に出せたからよかったものの、力を出し切れなかった馬も多かった印象です。

1着 オーソリティ

 結構自信満々に切り飛ばしていたので、見縊って申し訳ありません、と五体投地ですね。
 元々折り合いに少し難しさのある馬でもあるので、大外はいくら馬場いバイアス的にプラスでも厳しいか、と思ったのですが、そこは流石のルメールJ、出していきつつピタッと折り合わせてしまいました。

 その辺りは馬の成長もあったでしょうし、実質単騎の3番手でスローに支配、ストレスない道中から自分で動いていく強気の競馬が出来ていました。
 この馬自身は上がり34,4ですけど、ラストは自身のものなので、11,0-11,0-12,4くらいにはなるでしょう。

 コーナーからじわっと分散して、という意味では確かに長く脚を使っていますが、それでも流石に12,4は結構落としている感はあるのですよね。
 全体時計としてももう少し出ていい馬場だったと見ていますし、器用な競馬が出来ているのは評価しますが、やはり基本系のスローロンスパ型、という所から逸脱した適性幅や強さを見せた感じではないです。

 血統的に成長力はあったでしょうが、流石にこの秋に更に強い相手、となると厳しい気はしますね。
 ただ折り合いに進境を見せたので、来年のステイヤー路線で楽しみな一頭になると思います。

2着 ラストドラフト

 こちらは内枠で、道中も結構内々でしたけど、直線外に出してしっかり伸びてきましたね。
 パワー馬場を苦にしない所や、スローロンスパでそこそこ良さを見せてきたあたり、やっぱり本質はステイヤー寄りっぽくて、これまでは距離が足りなかったんだと思います。

 少なくとも2200mから、2500mくらいまでがベストの距離だと思いますし、タイプ的にはポジショニングで少し良さが足りないステイフーリッシュみたいな印象です。
 前半ゆったりなら後半はどういう馬場でも一定脚を使えるタイプだと思うので、その辺りを意識して今後は路線選択して欲しいところです。
 ノヴェリストの代表産駒ですし、もう一つ二つは重賞を取って欲しいですけどね。

3着 サンアップルトン

 こちらは枠なりにやや外目追走から、柴田善Jらしくそのままぐるっと外を回して、馬のポテンシャルに賭ける競馬でしたね。
 言ってみれば昨日のユングヴィと同じではあるのですけど、それでしっかり来られるくらい馬場バイアスが外向きだったと言えますし、馬もこの舞台はフィットしていたのでしょう。

 ラスト1Fはこの馬が一番伸びていた位で、どちらかと言うと直線で少し切れが足りなかった感じなので、もう少しタフ馬場だったら面白かったんですけどね。
 追走が問われていいタイプではないので、こちらも狙いどころはやや限定されると思いますが、ステイヤー路線で楽しみな一頭です。ステイヤーズSに出てきたら普通に狙いたいですね。

4着 ユーキャンスマイル

 こちらは道中マークがきつくて、中々外に出せず、4コーナーも苦肉の策で内目を通して、でしたからね。
 その上で直線も、外に出したいところでびっしり壁で追い出せず、やはり苦し紛れに内目に潜り込んでなので、リズムも悪かったですし、バイアス的にかなり苦しかったと思います。

 それでも最後じりじりきているのはやはり能力の違いという感じですけど、ここは勝ち切っておきたい舞台だったので勿体ない競馬になってしまいましたね。
 ただ普通にJCでも、展開ひとつで圏内ワンチャンスはある馬なので、この敗戦と豪華メンバーで一気に人気を落とすなら、という感覚はありますね。

5着 タイセイトレイル

 仮にも去年の2着馬ですし、前に行ければそこそこしぶといですね。
 本当にこの馬はミルコJが乗ると致命的に後ろからになるのですけど、やはりある程度はこういう積極的な立ち回りをしてくれる鞍上がいいな、と思いますし、ここは悪くない競馬だったと思います。

 直線ジリジリだったのは、去年要所で結構スパッと切れていたのを考えると少し物足りないですけど、まだ適性舞台なら重賞でもいずれ圏内食い込みは期待できる馬だと思っています。

★その他の馬

 サンレイポケットは道中もやや窮屈でしたし、最後伸びないインに入ってしまいましたからね。
 鞍上的に馬場のバイアスをしっかり読み切れ、というのも難しかったかもですけど、色々半端な競馬にはなってしまった感じです。

 メイショウテンゲンは、道中位置が取れるようになっただけまだいいのですけど、やっぱり府中の軽い馬場で直線スピードを問われてどうこう、というタイプではないですね。

★予想・券種回顧&反省会

 んー、オーソリティは大外でもありましたし、素直に過剰人気だと思ったんですけどね。
 骨折明けでまだ仕上がりも万全ではない、と言う中で、レース質に噛み合ったとはいえ、3歳馬の成長度と言うのはやはり読みにくいところです。

 それと予想以上に外差し有利の馬場にはなったので、その分ユーキャンスマイルが外に出せなかったのは厳しかったですね。
 概ね印を打った馬が上位には来ているのですけど、やはり本命が4着では……という事にはなってしまいます。精進ですね。


★みやこS 馬場・展開回顧

 阪神は結夜間もほとんど雨が降らなかったようで(降雨量2mmでしたね)、ダートも朝から良馬場でのスタートでした。
 流石に含水率は昨日より高めでしたけど、それも微差、という感じで、普通に良馬場らしい時計水準になっていると思います。

 1勝クラスの1800mが平均ペースで1,54,0、2勝クラスの2000mが61,2-64,3=2,05,5と、超ハイペースですけどそこまでの時計にはなっていません。
 その辺りを踏まえても、想定よりは重い普通の良馬場、というイメージですね。

 なので、このレースの勝ち時計の1,49,9は、破格、とまでは言いませんが、相当にハイレベルだと思います。
 実際上位から後続が大きく離れていますし、阪神タフ馬場のハイペース戦で、はっきり適性が求められた面はあるのかもしれませんね。


 レース展開は、まずじわっとベストタッチダウンがハナを取り切り、それを外からエアアルマスが少し掛かり気味に追いかけていきます。
 ワイドファラオがポケットに入り、クリンチャーもコメント通りの積極的なポジショニング、それをヒストリーメイカーとマグナレガーロも追いかけて、先団は結構密集する形になりました。
 そこから少し離れてスワーヴアラミスは最初から行きっぷりが悪く、エイコーンは後方で自分のリズムで、という感じでしたね。

★ラップ分析

 レースラップは36,5(12,17)-36,0(12,00)-37,4(12,47)=1,49,9(12,21)という推移になっています。
 全体としてもそこそこ流れていますが、エアアルマスとクリンチャーが向こう正面で強気に前に競りかけていった事で、中盤が全く緩まない底力勝負になっていますね。

 道中ほぼ淡々と12秒台を踏み続ける持久戦で、ラストは12,2-12,0-13,2と大きく落としていますが、出し切った形とは言え強の馬場で50秒を切ってきたのは中々のハイレベルだったなと感じます。
 もっとも完全に後半の機動力や切れを問われていないので、中京に繋がる競馬質だったか?と言われると微妙ですね。あのコースはこういう競馬に持ち込みにくいですしねぇ。

1着 クリンチャー

 こういうズブい馬は、本当に川田Jにフィットしているようですね。
 ある程度位置を取ってそこから機動力を求められたら、なんて危惧していましたけど、なんのことはなく、ペースが上がってもお構いなしに早仕掛けで捻じ伏せに行く超強気の競馬で、馬もそれにしっかり応えてきました。

 勿論ラストはかなり落としているように厳しい競馬の中で、流石にJBC上位組にポテンシャル面で足りるか?となると、これでは苦しい気はします。
 ただ位置取り含めてしっかり自分の競馬が出来たとは思いますし、これで芝砂重賞制覇、本当に息長く活躍してくれるいい馬ですね。

 こういう積極的な競馬をステイヤーコースでも出来れば、と思いますし、地方適性もありそうなので、一度交流重賞でも見てみたいですね。

2着 ヒストリーメイカー

 こちらも流石北村友J、そつなく無理なく丁度いいバランスで位置を取ってきましたし、馬もこういうレースがマッチしていましたね。
 まあ正直ここまで完全に流れ切っての底力勝負なら、畑端Jでも2着取れていたレースかもですけど、やはり道中の負担など考えれば、今日は安心して見ていられましたしね。

 ようやく馬体重も少し戻してきて、調整のバランスもつかめたのかな、と思いますし、やはり阪神はマッチしていますね。
 まだまだ重賞でやれる力はある馬だと思うので、今後の鞍上がどうなるか、はありますけど、楽しみは大きい馬だと感じています。

3着 エイコーン

 こちらは完全にスタミナ勝負になったところで、ラストこの馬らしいしぶとさで食い込んできましたね。
 実際ここまでペースが上がってしまうと、物理的にスピードでついていけない面はありますし、ステイヤーコース向きなのは確かだと思います。

 ただ今日はエアアルマスがピタッと止まってくれたのもありますし、バテない強みが活きるレースなら、というところでしょうか。
 今後クリンチャーが川田Jを配してくるなら、セットで狙えるタイプとも言えますね。前走に続き人気薄での激走は、調子の良さと成長両方で見ておきたいところです。

4着 エアアルマス

 こちらはレースの形は良かったですけど、まだ中身が本物ではなかったですかね。
 序盤実少し掛かり気味でしたし、そこから厳しい流れで一足は使ったものの、ラストは完全に失速なので、タフ馬場で坂のあるコースは少し距離的にも?だったかもしれません。

 噛み合った時は本当に強い馬ですし、こちらもまだ底を見せていない部分はあるので、今日は残念でしたが、改めてマイル~軽めの馬場の1800m戦で狙っていきたいなと思います。
 あと高いレベルだとスロー寄りの方がいいかもですね。その意味ではクリンチャーは天敵になるかもですが。

5着 マグナレガーロ

 こちらも積極的にポジションを取ってきたので、その分苦しくなった面はありますし、素直に力負けでしたね。
 現状はもう少しゆったり入れるステイヤーコース向き、となりそうなので、その辺りからコツコツ積み重ねてくれば、と思います。

★その他の馬

 ベストタッチダウンは楽にハナを取れましたし、いい感じに見えましたけど、3コーナーから一気に来られて全く抵抗できなかったですね。
 ペース的に少しハイペース、というラインでこの内容だと、やはり良馬場でトップクラスではちょっと厳しいのかな、というイメージになります。

 ワイドファラオも今日はまるでダメでしたね。
 砂を被ってもやれる馬だと思っていたのですけど、あの感じだと少し状態面も疑った方が良さそうですし、狙いどころの難しい馬だなぁと思います。

★予想・券種回顧&反省会

 う、うーん、流石にこっちは直線向いたところで、やっすいけど三連複は当たったと思ったんですが……。
 骨折休み明けとは言え、交わされてからのエアアルマスが予想以上にだらしなかったですね。こっちも本命4着と言う悲しみ……。

 エイコーンは確かにこういうタフな展開向きですけど、1800mでは少し短いと見ていたんですよねぇ。
 前走単穴打った馬だけに少し後悔がありますけど、どちらにせよ本命を間違えてはダメ、という事です。

 地味に今週の4重賞は、非常に珍しく単穴が全て圏内に来ていたんですよね。
 その意味ではどのレースも、もう少し工夫があれば当てるチャンスもあったので、微妙に消化不良ではあります。

 少なくともピントが大きくズレているわけではない、と自分を慰めて、改めてまたGⅠがはじまりますし頑張っていきましょう。


posted by clover at 15:35| Comment(2) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
谷間の箸休め、というには豪勢な4重賞でしたが
予想に回顧とお疲れ様でした。

府中はヨシトミ先生の安全運転で2日連続圏内というのが印象的でした。
そういう馬場というのもありますが、このまま推移していくと
ジャパンカップもかなりバイアスのかかりそうな予感も。

またこちらのブログのアイコン的存在でもあるクリンチャーもようやく勝てましたね。川田騎手で良さが出たと思いますが、次走チャンピオンズCだと乗れないのが。。

私も馬券的には「う~ん・・」な2日間でしたが、また来週からGⅠなので切り替えていきたいです。
Posted by waka at 2020年11月08日 16:50
>Waka様

 いつもコメントありがとうございますー。

 毎年、このGⅠの谷間週って地味に忙しいんですよねぇ。
 JBCもあるし、海外もBCがあったりで、色々バタバタしている内に終わってしまう感じです。

 エリ女週もプレビューある上に4重賞で、例年この2週が忙しさのピーク、ってイメージです。
 まあ今週に関しては、デイリー杯と福島記念が珍しく積極的に買いたくないレベルで食指が動く馬がいないので、予想の比重としても残り2つに傾斜するとは思います。

 善臣Jの自然体できっちり、というのは、ある程度見えていたのですけど、それにしても馬場が特殊ではありますね。
 例年なら春のDコースになって現出するような状況ですし、仰るようにCコースになっても、インの悪い部分を全て覆える感じではないですよね。

 そもそも今の時点でCコースの内目をみんな通している以上、普通に外差しになると思います。
 JCも基本外枠が来ないレースですけど、今年は特殊、と割り切って、データに引きずられ過ぎないようにしたいですね。

 ともあれ、まずはエリ女のプレビューから頑張っていきます。
 今年は阪神2200mなので、ある意味例年より書く事が多くなりますね。。。

Posted by clover at 2020年11月09日 03:42
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