さて、引き続き残りの2レースも回顧していきましょう。
しかし一方は激荒れ、もう一方は銀行レースと、中々に両極端な結果でしたね。
★目次
★JBC2歳優駿 馬場・展開回顧
今日の門別は、雨は上がっていましたけど、脚抜きのいい不良馬場でしたね。
他のレースでも普段よりは2秒程度速い時計が出ていましたけど、それでも1,53,4はかなりいい時計が出たな、という印象です。
レース展開は、カスカポレイ、ルーチェドーロ、プライムデイ、ブライトフラッグ、レイニーデイなどが先行していきます。
ラッキードリームは先団を見つつの内目、タイセイアゲインはその外あたりですが終始手応え悪く、その後ろにオタクインパクト、トランセンデンスはほぼ最後方からの競馬でしたね。
★ラップ分析
門別なので見てわかるのは上がりだけですけど、73,7-39,7=1,53,4なので、見ての通りの強烈なハイペースです。
レース解説で大体600m通過が36秒ちょっと、と言っていましたし、36,3-37,4-39,7と考えれば、はっきり一貫消耗戦ですね。
結果としてかなり追走面が問われて、そこで無理が祟った馬は早々に脱落、同時にスムーズなレースが出来ない馬も脱落していきました。
スムーズな競馬をした先行勢が粘りを見せる中で、最後は中団より後ろで脚を残した馬が一気に差し込む、中々に振れ幅の大きいラップ・展開になっていますね。
正直ここまで乱ペースですと、純粋な力関係以上に、どれだけスムーズに、の方が比重が大きい感じはしますし、だからこそタフな競馬に慣れている地元勢が例年以上に活躍したのかなと思います。
1着 ラッキードリーム
この馬も先団に入っていってしまうか、と思ったんですけど、少し下げて中団のインで、非常にクレバーな立ち回りでしたね。
勿論この馬の位置でもハイペースですけど、それでもコーナー内目で足を残した分だけ、最後の消耗地点で踏ん張れていたのかなと思います。
元々上がりの脚は結構しっかりしていた馬なので、それを上手く引き出した好騎乗だと思いますし、馬もタフな流れで強かったですね。
この数字で走れるなら、南関でも通用するなと思いますし、距離短縮でもやれそうなので今後がとても楽しみですね。
2着 トランセンデンス
この馬も勝ち馬基準で見ればこれくらいやれても、だったんですけど、ここまで人気がなかったのはビックリでしたね。
前走は自分から勝ちに行く早めの競馬が噛み合わなかった印象で、やはりこの馬は前半ゆったり入る方がいいのでしょう。
今回はメンバー構成含め、あまり色気を出さず自分の競馬に徹したのが結果的にはプラスだったのだろうと思います。
勝ち馬に比べると相当楽なレースをしていると思うので、この馬はあまり時計を鵜呑みにしない方が、とは感じますけど、ティーズダンク的なタイプになっていくかもしれないな、とは感じます。
3着 レイニーデイ
唯一中央勢で気を吐いた形で、ハイペースを前々で乗っていって、ここまでしっかり踏ん張れたのは大したものですね。
まあ外枠の分スムーズな競馬が出来たのはあると思いますし、結果的に積極策もマイナスではなかった、というところでしょうか。
ただこの形で地方馬に屈しているのも事実ですし、やはり過大評価は出来ない馬かなとは思います。
まだ揉まれる競馬でどうか?という課題もありますし、今後の成長含めて期待、ですね。
4着 ブライトフラッグ
こちらも前々から粘り込みで、伊達に連勝していない、というところは見せられたのかなと思います。
やっぱり総合的に見ても、この時期の2歳は例外はあれ、全体時計よりは上がり時計重視の方がいいんですよねぇ。
この馬も逃げ馬とは言え、ある程度ペースをコントロールしてしっかり後半踏ん張れている面もありましたし、逃げられそうにないから軽視、というのは少し短絡的だったなと感じている一頭です。
5着 サハラヴァンクール
こちらも展開嵌っての差し込みで、けどより後ろからのトランセンデンスに足りていない時点で、決め手の絶対量で少し足りないのはあるのでしょう。
悪い競馬ではないですが、地元勢の中でも序列は素直に着順通り、と見ていいと思います。
★その他の馬
タイセイアゲインは、少し接触などあったかもですけど、先団後ろでそこそこスムーズに見えたのですけどね。
すぐ内にラッキードリームがいたという事は、ポジショニングそのものは間違いではなかったはずですし、やはり中1週での状態面と、タフな馬場適性が皆無だったと見做すべきでしょうか。
個人的にかなりいい馬だと思っているので、中央の軽い馬場での巻き返しは期待しておきます。
★予想・券種回顧&反省会
ここは本命が星の彼方に消え去ってますし、勝ち馬拾えていないので完敗なんですけど、ちょっと悔いはありますね。
勝ち馬も重い印はともかく、拾おうかかなり悩んだラインではあったのと、トランセンデンスを拾えているのだから、そこに一貫性を求めるなら、という視座で失敗だったと思います。
勿論本命がこれではどうにも、とは言えるのですけど、工夫次第で全く手が届かなかったレース、という感じではないんですよね。
展開自体は読めていて、けどその流れの中で力を発揮できる馬のチョイスが少しズレた感覚で、そのあたりもどかしいところでもありますが……。
★クラシック 展開回顧
馬場はレディスクラシック参照でお願いします。
こちらも時計的に2,02,5は破格で、スプリントは妥当なラインだったのですけど、ここはわかりやすく三強が抜けていたのは確かだろうと思います。
レース展開は、ダノンファラオがスッと逃げを打ち、それを外からチュウワウィザードがやや掛かり気味に追いかけていきます。
その後ろにクリソベリル、そしてオメガパフュームもしっかりスタートを決めて先団からじわっと外に持ち出しており、この時点で波乱の要素はないな、という隊列でした。
その後ろ、中団くらいにデルマルーヴルとミューチャリ―、ノンコノユメやロードレガリスはやや後方から、という感じでしたね。
ただ結果的に、前がそこそこ速い流れから、けど平均バランスでまとめてしまって、位置取りの時点で手も足も出ない、という形になってしまったレースだと思います。
★ラップ分析
レースラップは36,5(12,17)-48,7(12,18)-37,3(12,43)=2,02,5(12,25)という推移になっています。
ハーフで取ると61,4-61,1で、正直1000mの通過を見た時点では、これはハイペースになるな、と感じたのですけど、結果的に平均でまとめてしまっているのですよね。
そしてこのレースも中盤がかなりタイトで、残り1000mから11,7-12,1-12,6-12,2-12,5と、はっきりロンスパです。
追走面も問われていますし、大井としてはコーナーの淀みも少なく、明らかに脚を出し切るポテンシャル競馬になっていると見ていいでしょう。
そしてその結果、質的にそこそこ速い流れでも全く削がれなかったクリソベリルが圧勝と、改めてものの違いを見せつけましたね。
オメガパフュームもあの位置を取れてしまえば、どこまでもバテない強みは存分に生かせますし、しかし結局、チュウワウィザードが完全に2頭の底力を引き出すお膳立てしちゃってるんですよねぇ……。
1着 クリソベリル
レースも楽でしたし、強かったですね。
正直私は、この馬が番手で、その外から終始チュウワウィザードがプレシャーを掛ける展開を想定していたんですよね。
けどチュウワウィザードが前に行ってくれて、ペースも妥当なラインに引き上げつつコントロールしてくれて、本当に楽なレースだったと思います。
実際これくらい流れると、3~4コーナーで取りついていけるのがこの馬とオメガくらいしかいませんから、無理に外に出す必要もないんですよね。
上手く最短距離で回ってきてから、直線で一足切れ味を引き出すというイージーな立ち回りでしたし、川田Jもマルシュロレーヌの轍は踏まず、細心のコース取りだったなと思います。
しかし向こう正面で11,7まで上がっているラップで、そこからさほど淀みもないのに、ラスト12,5でまとめてくるこの馬はやはり化け物ですね。
今回である程度ハイペース耐性のレベルも見えましたし、改めて国内の舞台では隙が無いな、と感じさせる磐石の強さでした。
この後チャンピオンズカップ連覇が本線でしょうが、ここは久しぶりに詰まったローテーションになるので、懸念はそれくらいでしょうね。
少なくともオメガとチュウワは中京1800mでは一段落ちますし、ゴールドドリームやインティもやや力を落としています。
それなりに新興勢力もいますけど、この馬のラインに届くような馬は、ですし、改めて暫くはこの馬の天下が続くでしょうね。
2着 オメガパフューム
スタートを決めて、しっかりいい位置を、閉じ込められるのを恐れずに取りに来たのは素晴らしかったと思います。
結果的に淡々と流れて、全く詰まる事なくスムーズに力を発揮出来ましたし、改めて大井では強いのですけど、それでもスローとハイ寄りの平均、どちらでもクリソには完敗となると……という感じです。
おそらくクリソベリルが出てこない東京大賞典の三連覇が最大目標になるでしょうし、その可能性はかなり高そうですね。
特に改めて語る事もなく、派手さはないですが堅実で強い馬です。
3着 チュウワウィザード
こちらは積極的な競馬を示唆していたので期待したんですけど、それは積極的過ぎるだろう、という感じです。
わざわざ自分からペースを引き上げて、けどはっきりハイバランスと言う程ではなく、結果格好の目標を提供してしまっただけなのはうーん、という感じでしたね。
馬自身も出来がイマイチだったのか、序盤珍しく掛かり気味でした。
それにこの位のペースならここまで止まる馬ではないとも思いますし、やはりノーザンと非ノーザンでは、休み明けの強度が違う、というのは改めて意識しないといけなかったな、と反省です。(追記:大変申し訳ありません、チュウワウィザードもノーザン馬ですね。。。思い切り勘違いしてました。)
4着 ミューチャリー
全体に引き締まった流れになった事で、この馬の素材面と後半要素は上手く引き出せたのだろうと思います。
ただやっぱり前の3頭が強すぎましたし、その強い馬の展開に乗じて、という面もあるので、メンバーが落ちて常に頑張れるかは難しいところなんですよね。
強い馬だと思っていますが、流石に最上位には差がありますし、交流のGⅡGⅢレベルなら狙いたいんですけどね。
5着 ダノンファラオ
この馬も、自身のペースだと61,4-62,6なので、ややハイくらいに持ち込んで、後半のしぶとさを増しているとみれば、成長はしているのでしょう。
ただ流石にまだこの馬のレベルでは最上位に太刀打ちするのは難しいですし、おそらくこの舞台がベスト条件なのも鑑みると、もう少し様子見はしたいところですね。
自分のリズムならそれなりにしぶといところは見せましたし、今後に楽しみは持てますけどね。
★予想・券種回顧&反省会
レース的には引き締まったいい内容で、ルメールJの立ち回り以外は満足しています。
ただやっぱり、三強で抜けている、と評価していたなら、素直に三連複一点で地道に行くべきだったかな、とは思います。
でも展開的に、スローバランスになってオメガが出負けすれば、のリスクは実際あったとは思うのですよね。
その辺りの読みの精度がまだまだ甘いと思いますし、今日は物の見事に坊主で、ここまでダメだと清々しいくらいです。。。
でも落ち込んでいる暇もなく、週末はまた4重賞です。
江戸の敵は長崎で、とばかりに、週末巻き返せればいいな、と、改めてネジを締め直していきましょう。
2歳優駿はJRA勢を軽視する、という切り口でないとどうにも、といった感じですかね。。エーデルワイス賞もそうですが、地の利の大きい条件ですし来年はもう少し地元勢も売れるかもしれませんね。
クラシックは過去2度の対決と違いチュウワのほうが外なので、私もマークしつつの逆転に賭けていたのですが。。クリソベリルは強いのはわかってるので、順調にいって、今度は万全状態での海外競馬が見たいですね。
ルメールに期待してましたがちょっとお手上げでした(笑)
しかしJBCのお祭り感は楽しいですし、JRAでもやってくれないかなぁと毎年おもってしまいますが、まぁないですよね。
いつもコメントありがとうございますー。
今年の場合は道営勢も結構勝ったり負けたりで拮抗していて、中々これ!って決め手を見出しにくいレースだったんですよね。
どうしても門別は地方の中でも一番深い砂で、適性差は出やすいので、軽い決め手で勝ってきたタイセイアゲインを安易に信じすぎたのは良くなかったと思います。
エーデルワイス賞みたいに、道営勢でもはっきり力差が見えていると、切り口としてはかなり楽なレースになるのですけどね。
来年以降常にJBCとセットならもっと盛り上がるでしょうし、ある意味地方の祭典らしく、地方の馬が中心になって活躍するレースがひとつくらいは、というところでしょうか。
クラシックは見た目的にも、はっきり3強がそれぞれの今の力を出し切るレースになってしまいましたからね。
その点で結果は清々しく受け入れられますけど、それにしてもオメガがあの枠でここまでスムーズにいくとは、って感じです。
クリソベリルはきちんと成長していますし、この馬もノーザンらしく、消耗を控えるレース選択がプラスになっている感じですね。
仰る通りもう一度海外で戦うシーンは見てみたいです。流石に去年のサウジCは色々特殊過ぎたきらいがありますからねぇ。
いつもコメントありがとうございますー。
今のクリソベリルなら、芝スタートのマイルでも対応しちゃうかもですけど、やっぱり本質的にはステイヤー寄りですからね。
ノーザンがどう判断するかもありますけど、ドバイのステップなら川崎記念でも、となるかもですし、今年のようにサウジ直行もありますからね。
この馬でマイルチャレンジがあればそれはそれで凄く楽しみなのですが。
少なくとも1800m以上のカテゴリでは、余程の乱ペースになっても対応できそうですし、国内敵なしだろうと思います。
JRAの場合は、まとめてしまうと売り上げが落ちるのは目に見えてますからね。
せめてJCとチャンピオンズカップくらいは、とは思うのですけど、同じ競馬場でやらないと騎手の問題もありますし、難しいですよねぇ。
スプリントは見応えありましたねえ! 何度でも見たくなるレースでした。
マテラスカイは人気ない時に馬券に絡む、昔いたダイタクなんとかの馬のようで(笑)
それにしても年齢考えると、サウンドトゥルーはヒッソリとですが頑張ってますねえ...。
チュウワウィザードって生産者ノーザンですが
仕上げは天栄やしがらきではないんですか?
ちょっと気になったので…
生産がノーザンでなくても天栄使ってるパターンはたまにあるみたいですが
逆もあるんですかね
いつもコメントありがとうございますー。
私も馬関連ではないですけど、パスワード間違いは良くやります(笑)。
ネットバンキングとか、安全性の為にちょくちょくパスワード変えて下さいとか、しつこくメッセージ来るんですけど、うるせぇ!んなちょくちょく変えてたら覚えきれないんじゃ!と言いたくなります。。。
なにかにきちんとメモして整頓しておけばいいんですけどね……。
ともあれ、興行としても大成功だったようですし、盛り上がるレースが多くて楽しかったですね。
マテラスカイは本当に掴みどころがないのですけど、昨日の馬場はスパイツタウン向きだったのかな?とも思います。
遠征中止はある意味英断だったと言えますかね。まだまだ頑張って欲しい個性派です。
結局三強が強すぎるだけで、二番手グループ相手ならまだまだやれちゃうんですよね。
南関でも崩れる時は出てきましたけど、タフなレースになればなるほど強いというのも、本当に凄い馬だと思います。
コメントありがとうございますー。
ご指摘もありがとうございます!
まず単純に、チュウワウィザードの生産に関しては私の勘違いです。
というか、その前提を勘違いしていたから、ああいう頓珍漢な展開予想になったとも言えて……これは本当に申し訳ない話です。今後より丁寧な裏取りを心がけます。
ただ実際、チュウワウィザード自体は在厩が多い馬ではある感じなんですよね。
地方出走時の外厩情報に関しては調べにくくて、去年の話ですけど、一応時折しがらきを使っているのは確認できました。
でも去年に関しては、同じ帝王賞⇒JBCクラシックのローテで、外厩明けになっていないのですよね(チャンピオンズカップ出走時のデータで見ています)。
このあたりはノーザン生産馬でも、単独馬主さんだとそれなりに意向が通るのかな?とも思えますし、曖昧な話で申し訳ないですがご勘弁ください。