2020年10月28日

2020 10月第4週 2歳特別&1勝クラス戦 レース回顧

 では今日は、どれも中々見所のあった2歳の上級戦をみっつ、見ていきましょう。


★アイビーS <10/24(土) 東京9R 芝1800m>

 2016年にソウルスターリング、一昨年にクロノジェネシスと、ここ5年で2頭のGⅠ馬を送り出している、注目のリステッドレース・アイビーS。
 今年当レースを制したのは、マリアライトの初仔となる、エピファネイア産駒のオーソクレースでしたね。


 土曜の府中の芝は、午前中稍重から良に回復、とはいえ全般的に結構タフな馬場だったと思います。
 ひとつ前の8Rの古馬1勝クラス1400mが、平均ペースで1,21,8ですけど、これは勝ち馬がぶっちぎりでもありました。

 メインの富士Sも、実質的には平均ペースで流れて1,33,4でした。
 去年が重馬場で、実質超スロー、という流れで1,33,0が出ていた事を考えても、去年の重より今年の良の方がタフだった感じはします。

 去年のアイビーSは、奇しくも富士Sに出走して完敗を喫していたワーケアが制しています。
 今改めて見ても、この時の上がり時計と走りはかなりのスケール感を感じるのですが……難しいものですね。

 ともあれ、そういう条件の中でのこのレースは、35,7-37,2-35,2=1,48,1という推移になっています。
 バランスとしては少しだけスロー寄りで、中盤緩んでいるとはいえ、ラップ偏差はそこまで大きくなく、2歳戦と思えばむしろ淡々と流れたくらいでしょう。
 ラストは11,4-11,4-12,4と、そこそこ仕掛けも早く、明確に持続力勝負、という色合いですね。


 勝ったオーソクレースですが、スタートで新馬以上に派手に出負けしています。
 大体3馬身くらいは確実に出遅れて、そこから馬のリズムでじわじわ取りつきつつ、道中はほぼずっと最後方列、という厳しい競馬でした。

 中盤も楽に取り付ける、という程の淀みでない中、コーナーは内目で我慢、最後方に下がっての直線も、中々進路が確保できません。
 池添Jも内に行こうとしたり、やっぱり外に、と少しフラフラ腰が定まらない感じでしたが、残り350mでようやくラーゴムとスパイラルノヴァの間にスペースを見つけ、そこに鼻面を捻じ込んでいきます。

 ラップ的には坂地点最速タイなので、あれだけ待たされてから坂で一気に、というのは普通厳しいのですけど、この馬はそこで即座に反応、スッと一気に先頭列まで並びかけてきました。
 そのまま残り100mで先頭に立つと、最後はもう一伸びした外のラーゴムを退けてのデビュー2連勝、となっています。

 この馬自身は大体11,3-11,0-12,1くらいの上がりではないか、と思います。
 コーナーから直線で前が壁で、かなり待たされつつ、最速地点で一頭鋭い脚を引き出してきたのはかなりのインパクトでした。

 正直エピファネイア産駒なので、こういう馬群を割る競馬とかどうかな?と見ていたのですけど、全く怯む感じがなかったですね。
 比較対象としては少し大袈裟かもですが、デアリングタクトのオークスを彷彿とさせる、非常にセンスのある反応と加速力でした。

 ラストもこの日の馬場でこの時計なら、持続面で結構頑張ってきた方だと思います。
 そもそも出負けのリカバー分もありますし、総合力勝負に近い形の中で、このメンバーでは器の違いを見せてきた格好、と言えるでしょうか。


 ただ、強いのは確かですけど、課題も同時に多いですよね。
 スタートは2戦続けてなので改善急務ですし、道中もまだフラフラしている感じはしました。

 最後も抜け出してふわっとする感じもあって、色々粗削りな感じを見せつつもこの強さ、というのは本当に先が楽しみです。
 微妙に厩舎力に信頼が置きづらいのが悩ましいところですが、ホープフルSでももう少しまともに出れば勝負になると思いますし、大いに期待しています。


 2着のラーゴムもしぶとい競馬でしたね。
 こちらはまずまずのスタートから外々をスムーズに、ではありますし、直線の斜行もあったので、総合的に見て勝ち馬よりどうこう、とは言えません。

 ただラスト1Fでもう一度食らいついた脚は中々で、究極的には切れ負けした感じなので、ステイヤー寄りの適性が強そうです。
 スピード勝負の舞台ではどうか?とは思いますけど、近年の馬場レベルは武器に出来る馬だと思いますし、どこかできっちり賞金を積んでクラシック路線に乗って欲しいものです。

 3~5着馬も、展開面の不利や馬場などあったでしょうが、それなりにいい競馬はしていると思うのですよね。
 レースレベル自体はそこそこ高かったと思うので、この辺りの馬の次走がどんなものかはしっかり見ておきたいです。

 バニシングポイントはまぁ、基本的にダート馬でしょうし、府中でどうこう、ではなかったですね。


★2歳1勝クラス <10/25(日) 東京6R 芝1400m>

 このレースは、新馬戦を色々な意味で驚愕の勝ち方を見せたリフレイムが注目されていました。
 この馬もバニシングポイントではないですが、父アメリカンファラオでゴリゴリのダート血統なので、改めて芝でやれるのか試金石の一戦、と思っていましたけど、予想以上に強い競馬を見せてくれましたね。

 日曜の芝も良でしたが、馬場レベルはあまり回復せず、少なくともやや高速、というラインにも入っていなかったと思いますね。
 甲斐路特別でも61,0-59,7=2,00,7でしたし、その中で35,7-12,3-34,6=1,22,6なら、レースレベルとしては上等な部類だと見ています。

 勿論、それは勝ち馬がぶっちぎったからに他なりません。
 スタートはソロッという感じで出したリフレイムは、そのまま道中は無駄に動かず、馬のリズムでジッと最後方からの競馬になっています。

 ラップ的に見ても、800mまで平均的に遅く、そこから11,5-11,4-11,7と一気に加速する、前有利の3F戦です。
 しかし直線入り口で大外に持ち出したリフレイムは、坂上で先頭列に並びかけると、ラストは完全に一頭だけ違う脚で突き抜けて見せたのですよね。

 自身の上がりが33,6で、大体目視で11,1-11,0-11,5くらいだと思います。
 流石に抜群に切れた、という感じではないですが、スパートしてからの坂での反応と、そこからの持続性能は相当でした。
 特にこの日の馬場で、3F続けてこれだけのラップを踏むのは至難だったはずですし、文字通りスケールが違いましたね。

 当然ですが、相手関係はかなりこの展開の中でも貧弱だったと思っています。
 ただこの馬は、まだまだ無駄の多い、余裕のある競馬でこれですからね。

 確実に自身は超スローの後半型、最低でもマイルか、それ以上の距離仕様の競馬をしていると思います。
 特に持続性能は桁違いなので、これは普通に阪神JFが楽しみに出来るレベルだと感じます。

 もっとも、まだ道中の危うさなども感じますし、いきなりの遠征や右回りでどうなるか、不安材料が大きいのも確かです。
 ただ木幡巧Jも大きなチャンスだと思うので、なんとかしっかり手のうちに入れて、大舞台での躍動を期待したい一頭なのは間違いないですね。

★なでしこ賞 <10/25(日) 京都8R ダート1400m>

 このレースはヘニーヒューズ産駒のゼンノアンジュが圧巻の逃げ切りを見せています。

 日曜京都のダートは稍重で、時計は出やすかったと思いますが、日曜ほどではないでしょう。
 当日最終の貴船Sが、34,4-11,8-37,1=1,23,3という時計になっています。

 確かに、8Rより最終の方がより乾いていた、という解釈は出来るかもしれません。
 が、ラップだけ見ると、このレースは35,3-12,1-35,9=1,23,3で、ペース補正を掛けると、確実に3勝クラスより上の競馬をしているのですよね。
 それは勝ち馬がぶっちぎるのも当然、という形ですし、文字通りこの馬、1戦ごとに進化し続けている感じです。


 勝ったゼンノアンジュは、スタートはまあまあで、そこから過去の2戦同様、芝での二の足が鋭く一気に加速してハナに立っています。
 いつも芝とダートの切れ目で少しびっくりしたような仕草をしているのですが、そういう若さを見せつつも、ここはゆったりとややハイ程度にコントロールしてきました。

 後半は11,8-11,7-12,4と、中間点からコーナーで加速して、直線でも更に、という推移ですし、ここで後続を突き放しています。
 過去2走は明確なハイペース消耗戦で、それでも前走は普通にかなり強かったのですけど、この内容を見ると、より軽いダート、かつ後半型に寄せた競馬で更に良さが出た、という印象ですね。

 ミスズグランドオー比較でも、ヤマボウシ賞のデュアリストといい勝負が出来そうな素材ですね。
 むしろ単純なラップ的にはこっちの方が凄味があるくらいで、勿論逃げ馬だけに色々条件が噛み合わないと、でしょうが、今後短距離路線で非常に楽しみな一頭です。

 2~4着馬も、本来のこの時期の2歳特別クラスの勝ち負けレベルでは走れていると思います。
 ここは相手が悪かった感じですし、次も期待していいのではないでしょうか。


posted by clover at 16:50| Comment(0) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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