2020年10月24日

2020 富士S レース回顧

 マイルチャンピオンシップの前哨戦として、今年からGⅡ昇格し、より存在感を増していきたい富士S。
 残念ながらやや頭数の少ない一戦になりましたが、見事に勝利したのは中団からレースを進めたヴァンドギャルドでした。

 福永Jも文字通り菊花賞の前祝い、と言わんばかりの完璧なエスコートでしたね。
 レースをしっかりと振り返っていきましょう。


★馬場・展開回顧

 今日の府中は稍重スタート、含水率・クッション値ともにそれなりの数字ではありましたね。
 ただ流石府中、順調に回復してメインの時には良、となっていました。

 ラップ的には、8Rの2勝クラス1400mが35,2-11,6-35,0=1,21,8、アイビーSが35,7-37,2-35,2=1,48,1となっています。

 どちらも平均ペースで、流石に最後は甘くなっていますし、良馬場としても普通より1~1,5秒くらいはタフだったかな、と思います。
 その中で字面は超ハイ、実質は平均からややスローくらいで1,33,4なので、想像よりは回復が遅かったのかなとも、メンバーレベルや状態面が今一歩?とも感じますかね。


 逃げたのはスマイルカナで、それを折り合いを完全に欠いたシーズンズギフトが突っかけていき、完全に2頭だけが後続を大きく引き離しての暴走ペースになります。
 大きく離れた3番手にラヴダシオン、その後ろにモズダディーとタイセイビジョンが続き、ワーケアがリカバーして中団、ヴァンドギャルドはスタートは決めて、そこから馬のリズム重視で進めていました。

 後方寄りにレイエンダ、ペルシアンナイト、サトノアーサーと続き、ケイアイノーテックは後方2番手、最後方にブラックバゴという隊列になりましたね。

★ラップ分析

 レースラップは33,8(11,27)-23,6(11,80)-36,0(12,00)=1,33,4(11,67)という推移になっています。
 ハーフだと45,4-48,0なのて゜更に前傾度が上がってしまいますし、前の2頭は引くに引けないとは言え苦しい形でしたね。

 全体としてはもう少し緩い流れとは言え、ラヴダシオンの位置で大体46,4-47,2くらいには見えます。
 少し渋って力のいる馬場で、後ろの馬でもそれなりには追走面が問われていますね。

 レースラップ的には残り800-600mから、12,0-11,5-12,2-12,3と、少し緩んでコーナー出口で再加速、という形になっています。
 ただ後続がはっきりこの11,5地点で一気に押し寄せている感じではなく、坂地点で前が替わっていますから、後ろの馬としては持続力寄りとは言え、極端な早仕掛けではなかったでしょう。

 むしろ三番手以降は、そこそこテンで流れて、中盤ちょっと緩んで、そこから3F持続戦、という、このレース傾向にフィットした展開で走っている感じですね。
 馬場バイアスもやや外差し優位になってきたかな、位の中で、最後は無理せず脚を残して、スムーズに外から、という馬が上位を占める形でした。

 ただラストのラップ的にあまりインパクトはないですし、GⅡになりましたけど、今年のレベルはGⅢのままかな、とは思います。
 まあ少なくとも、グランアレグリアやインディチャンプ相手にどうこう、というレベルの競馬ではなかったのは間違いないですね。

1着 ヴァンドギャルド

 流石福永Jというべきか、難しい馬できっちりスタートを決めてきましたね。
 その時点でかなり怖いな、と思って見ていましたけど、その後の脚の溜め方、コース取りも、今日の馬場を踏まえてのお手本のような立ち回りだったと思います。

 この馬自身の上がりは34,6で、残り200mで1馬身ちょっとくらいの差なので、11,2-11,3-12,1くらいの上がりだと思います。
 バランスとしても46,8-46,6くらいの綺麗な平均走破で、総合力を問われつつ、しっかり持続も引き出してきた、という感じですね。

 安田記念は少し立ち回りで不利もありましたし、出負けとセットで考えると、スムーズなら対ケイアイ、ペルシアンでこれくらい、というイメージには噛み合う内容だったと思います。
 ただ、本当に今日は完璧な立ち回りで、展開も噛み合いましたし、馬場の回復度合いもあるとはいえ、ラスト11秒台に持っていけなかったのは、最上位レベルでは……となりますね。

 特に今年は相手が強いので、本番で同じくらい完璧な競馬が出来たとしても、圏内候補の一頭、とはなってしまうでしょうか。
 内枠を引いて中団内目、下り坂で上手く勢いに乗せつつどこまでやれるか、もう一段のパワーアップは欲しいところですね。

 敢えて言えば、藤原厩舎なので多少お釣りは残しているかも、ですけど、ディープ産駒でもありますからねー。

2着 ラヴダシオン

 ラヴダシオンは斤量を考えれば相当に頑張りましたが、展開はこの馬も比較的恵まれたとは思っています。

 外枠で最初から馬場のいいところを選べましたし、序盤少し折り合いを欠きそうになりましたが、前が飛ばしてある程度流れた事で、抑え込むのが少しは楽だったのかな、とも感じます。

 この馬はNHKマイルCもそうですが、テンに脚を使っても、息を入れれば最後脚を使える馬です。
 個人的にはテンがもう少し緩んで折り合いに苦労しつつ、そこからスマイルカナの中盤早仕掛けについていって苦しくなるパターンを想定していたので、このギアの上げ下げを問われる総合力展開はプラスでしたね。

 実質単騎の3番手で、仕掛けもかなり待てたと思います。
 それでも最後は持続面で甘かったですけど、斤量もありましたし、伊達にレシステンシアを撃破していない、というところでしょうか。

 より素材が問われやすい阪神マイルでどうか?となると、左回り巧者の感も出てきていますし、朝日杯もあるので、簡単ではないと思います。
 前目を楽に取れるのは武器ですけれど、あの暴力的な持続を持つグランアレグリア相手に踏ん張れる絵図を描けるレベルには流石に足りないかな、というのが率直なところですね。

 でもレースセンスが良くていい馬なのは間違いないので、ここからの成長にも期待です。
 今日も馬体的にはお釣り残しだったと思いますし、父同様に古馬になって味が出てくれば、と思っています。

3着 ケイアイノーテック

 うーん、悪くはないですけど、ちょっと勿体ない競馬でしたね。
 休み明けもあり、単騎で前が離す形で難しさもあったでしょうが、少しこの馬としては常識的に乗り過ぎたと言うか、安田記念くらい強気に動いて欲しかったなとは思います。

 正確にラップが出るわけではないですが、3番手以降はほぼ確実に中盤は緩かったと思うのですよね。
 それこそ安田より動きやすい推移だったはずで、そこで強気に行けなかったのは休み明けなのか、鞍上が常識的に入り過ぎてしまったのか、判断の難しいところです。

 どうしてもエンジンの掛かりが悪い馬で、レース映像を見ても直線入り口から、坂地点でヴァンドギャルドに引き離され、最後はまたジリっと詰める形になっています。
 なので持続的にはもう少し勢いに乗せていけば或いは、と言えたのですけど、まあこの形になるとここまでなんでしょうね。

 馬場バイアスに助けられる形でギリギリ久し振りの圏内には届いてくれて最低限、でしたけど、次にマイルCSで狙えるか、と言われれば……ですね。

4着 ペルシアンナイト

 こちらも道中後方から、馬場のあまり良くないインをしぶとく捌いて伸びてきていました。
 いかにもこの馬らしい前哨戦ではありましたが、府中だと甘いのも変わらずで、叩いた次が勝負、というのもあるでしょう。

 でも、確かにマイルCSに相性がいい馬ではありますが、今年は阪神なんですよねぇ。
 府中よりはいいかもですけど、坂の下りからの惰性で脚を使う京都がベストなのは間違いなく、阪神だと下りから3F戦で少し足りない、という結果になりそうな気もしています。

 元々年々着順は下がっているので、今年は最後に突っ込んできて4着パターン?って気もしますね。。。
 まあサリオスが出なさそうな分、相手関係は少し楽かもですけど、今年は簡単ではないと思います。というより、基本的にこのレース組はそこまで狙いたくないですね。

5着 タイセイビジョン

 この馬も内枠でそこそこいい位置を取りましたが、そのまま内の狭いところで勝負するしかなかったのが厳しかったでしょうか。
 結果的にNHKマイルCと似たレース質となると、ラヴダシオンに届かないのも納得ですが、斤量差もあったのでもう少し踏んばって欲しかったところです。

 この馬でこのラインだと、やはり世代全体のレベルは微妙と言わざるを得ませんね。
 接触などもあり楽な競馬ではなかったですけど、物足りなさの方が大きいです。この馬としてはもう少し乾いた方が良かったかもですね。

★その他の馬

 サトノアーサーはインを突いたとはいえ、全く伸びませんでしたね。
 やっぱり本質的にはラップ偏差がない方が良さそうで、中盤緩んで再加速、という形で後ろからだと、機動力で負けてしまうのかもしれません。
 外に出してくると思ったのですけど、その辺りも含めて少し鞍上が安易に乗ってしまった気はしなくはないです。

 スマイルカナはどの道府中では簡単ではなかったでしょうけど、今日は可哀想でしたね。
 あのペースからでも一脚は使っているように、大した馬なのは確かで、実のところマイルCS本番で、このレースで穴目で狙うならこの馬ではないかな、と思っています。

★予想・券種回顧&反省会

 正直シーズンズギフトの暴走は想定外でしたし、馬場も展開も全て想定からかなりズレてしまいました。
 ラヴダシオンが思ったより強かったのも事実ですが、噛み合ったのも確かだと思っていて、やはりこの世代のマイル路線は、まともならレシステンシアとサリオスしか通用しないかな、という感覚です。

 そういうズレが大きかった中で、最低限負けなかった事は有難い限りですね。
 馬場バイアスの恩恵もありましたし、最後よくケイアイノーテックが届いてくれました。正直坂では、また4着っぽいな~とハラハラしてましたから。。。

 ラヴダシオンが拾えなかったのは仕方ないとも言えますが、一応自身に良くない展開に持ち込んでしまったとはいえ、レシステンシアに勝ったのをフロックの一言で済ませてしまうのは失礼だったかもしれません。
 後は福永Jで信頼度は上がったのだから、もう少しヴァンドギャルドを評価すべきでしたね。3歳を嫌うなら嫌うで、もう少し一貫すべきでした。

 全く取れない、というレースではなかったので、自身の読みの甘さに忸怩たるものはありますが、その反省も含めてまた明日、頑張りましょう。


posted by clover at 16:41| Comment(0) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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