2020年10月21日

2020 10月第3週2歳特別戦 レース回顧

 そろそろ特別戦が質量ともに分厚くなる時期なので、基本的な回顧は特別戦と新馬戦で二日に分けて、としていきましょう。

 この時期の2歳特別戦あたりでも、強い競馬で連勝してくる馬がいれば、すわスターホース候補か?と心が沸き立つものです。
 第二のデアリングタクトやコントレイルを見逃がさないように、改めてきちんと見ていきたいところですね。


★紫菊賞 <10/17(土) 京都9R 芝2000m戦>

 秋華賞と同じく、京都内回りの芝2000mで開催される1勝クラスの紫菊賞。
 今年は(も?)6頭立ての上に1頭取り消しと、レース成立ギリギリの寂しい出走頭数になりました。

 勝ったのは、ディープインパクト産駒のヨーホーレイクでした。
 新馬戦に続く連勝でクラシック路線乗車に一歩前進ですね。

 とにかく走らない馬を出さない事で有名なクロウキャニオンの産駒ですが、デビューから2連勝は地味にマウントシャスタ以来となります。
 果たしてこの馬の将来性はどうなのか?ライバルの走りは?見ていきましょう。


 この土曜京都は、雨の影響を大きく受けて、稍重スタートの午後は重馬場開催となっていました。
 内回りのレースが後半は少なかったので、単純比較は難しいですが、午前の未勝利の2000m戦は60,5-63,4=2,03,9と、ハイペースでかなり渋い時計になっています。

 外回りなら清滝特別がかなりの中緩み戦とはいえ1,49,7で、その辺りを考えても、中距離なら2~3秒はタフな馬場だったと見做していいでしょう。
 なので、64,6-60,3=2,04,9は、全体時計としては微妙ですが、後半5Fとして見れば比較的優秀かな、と思っています。


 午後のレースあたりからは、多くの馬が内を避けて走るようにもなっていました。
 ここでワンツーを決めた2頭も、道中はずっと外目外目を選んで走っていましたし、結果的にそれだけ走りに余裕があった、とも言えます。

 レース後半は12,2-12,0-11,3-11,9と、坂の下りからじわっとペースアップして、直線ではかなり速いラップを求められています。
 この最速地点での加速力と、そこに至るまでの運び方が勝負を決定づけた一戦かな、というイメージです。


 勝ったヨーホーレイクは、道中は丁度中団の外目で、前を行くグラディトゥーの動向をきっちり見据えていた感じですね。
 坂の下りからじわっと差を詰め、上手く勢いに乗せながら直線に入っており、最速地点で上手く2着馬を出し抜くようなレースを組み立てられていました。

 最後は相手もしぶとかったですが、勢いの差で捻じ伏せた印象です。
 素材的に抜けて凄い走りではないですけど、いかにもこの血統らしいしぶとさを感じられましたし、兄弟の中でもカミノタサハラに近いタイプなのではないでしょうか。

 福永Jもこの日は絶好調で、ワンデーシックスを決めたくらいですし、余程馬場が読めていたのでしょう。
 今の京都は馬場の伸び所や変化をきっちり見極めるのが難しいだけに、それに長けている福永Jのスキルが活きた面も大きいのではないかと思います。
 その点は今週のコントレイルでも心強い要素ですね。


 2着のグラディトゥーも、3着以下は突き放していますし、強い競馬ではあったと思います。
 少し前半のスローで折り合いに苦労する感じもあり、じわじわとニュートラルのスピード性能の差で早め早めの競馬にはなっていました。

 ただガーッと一気に行かせる時期でもない、というオーダーでもあったのか、結果的に少し仕掛けが遅かったのかなとは思います。
 新馬もタフ馬場で一気に抜ける脚を使えていましたけど、この日は最速地点で一気に加速する部分で、勝ち馬に少し見劣ってしまいました。

 やはりエピファネイア産駒で、もう少ししぶとさ、持久力を生かす方向にシフトした方がいい、というのはありそうです。
 新馬で手綱を取った松山Jからの乗り替わりもその辺微妙に影響しているかもですね。

 この馬は京都2歳S(阪神開催ですけど)に松山Jで、らしいので、改めて期待したいですね。
 やはり現状でエピファネイア産駒の一番馬に乗っている鞍上が、この産駒の気性やコントロールの仕方など、皮膚感覚で掴んでいるものは大きいと思います。
 ちゃんと統計は取ってないですけど、産駒傾向的にも合う騎手と合わない騎手の差は結構出やすい気はしていますしね。


 3着以下はかなり離されてしまったのですが、これは馬場の影響もあるのかな、と見ています。
 特にコートダルジャンはもう少しやれるか、と期待していたので、良馬場で改めて見直したいです。


★プラタナス賞 <10/17(土) 東京9R ダート1600m戦>

 近年はケンタッキーダービーの出走馬選定指定レースにもなっているプラタナス賞。
 その影響、とも言えませんが、ここ数年はルヴァンスレーヴを筆頭に、後々重賞戦線で活躍するような馬を続々輩出する出世レースになっています。

 今年この舞台から飛躍の一歩を踏み出したのは、パイロ産駒のタイセイアゲインでしたね。
 新馬戦とは一転のレースの中で、いかなる競馬を見せてくれたのでしょうか?


 土曜東京のダートは、雨の影響を受けて重馬場でした。
 マイル戦ですと、7Rの1勝クラスが47,6-49,1=1,36,7、最終の2勝クラスが47,4-48,3=1,35,7と、速い時計が出ています。

 このレースは47,2-49,9=1,37,1という数字になっています。
 字面だけ見ると古馬の1勝クラスにもちょっと足りない、となりますが、こちらは5F目に12,9と、大きな中緩みがあっての再加速戦です。
 その過程を補正すれば1勝クラスとは互角の内容と思いますが、流石に2勝クラスにははっきり見劣りますね。


 勝ったタイセイアゲインは、はじめての芝スタートでしたがしっかりダッシュを決めて、序盤は番手外を意識しながら入っていきます。
 ただペースも流れ、外からのプレッシャーも大きい中で、途中で一列下げて、2列目ポケットからの競馬を選択しました。

 その結果、前のブレーキに合わせる競馬になり、かつ直線の坂地点で前が壁になりかけていて、結構ロスの多い競馬ではあったと思います。
 しかし残り350mあたりで外目に誘導し、前がクリアになったところで、スパッといい切れ味を発揮して伸びてきました。

 後半のレースラップが12,5-12,1-12,4なので、坂地点最速となっています。
 その流れの中、かなり追走を問われた後一度ブレーキを踏んで、かつそこから踏み遅れているのに、これだけ鋭く、自身11秒台の脚を引き出しているのは素直に凄いです。

 この馬は新馬戦も超スローから、ラスト2Fの坂地点で一気に加速する競馬で勝ち切っています。
 その点で、坂加速が得意、という面はあるのかもですが、しかしこれだけペースも違い、プレッシャーも受け、砂を被る位置で競馬史ながらですから、一気に課題をいくつもクリアしてきました。

 抜け出してからもそんなに甘くなってしませんし、素材型の2着馬が最後は食い込んできましたけど、まだ余裕があったと思います。
 この追走が問われてからの一脚、道中の加減速の上手さは、府中マイルを走る上で最高の武器なので、これは来年まで楽しめる素材だなと感じました。

 JBC2歳優駿に登録しているようですが、間隔的にタイトなのと、地方の中でも屈指のタフ馬場の門別がどうか?ですね。
 ここ2戦は見ての通り、軽い質の加速性能が最大の武器になっている印象なので、それが相対的に機能しにくい馬場と展開になった時にどこまでやれるか?は試金石でしょう。

 でも個人的に素材はかなり好みと言うか、新馬の時点で面白いと感じて、このレースも勝てると思っていたので、その通りの走りをしてくれてかなり期待値が上がっています。
 門別の馬場をこなせば、そのまま全日本2歳優駿なども選択肢に入ってきますし、来年のダート戦線を担う一頭になって欲しいですね。


 2着のゴールドレガシーも強い競馬ではありました。
 新馬がああいう大味な競馬でしたけど、ここも内枠でスタートは今一歩、後方からの競馬になります。

 ただ渋馬場のマイルで、質的な追走を問われても問題なくやれたのは収穫ですね。
 この馬としては淀みがあって取り付きやすかったのもあるでしょうが、それでも最速地点はやや物足りず、ラスト1Fでじわじわと詰め寄っています。

 その点からも、瞬間的な切れや加速は勝ち馬には劣りますが、その分持久力面に秀でたタイプと言えるでしょう。
 こちらの方がパワー型の馬場や、距離延長にもフィットしそうですね。来年のJDDとか楽しみなタイプです。


 3着のシンヨモギネスも、外枠からスムーズな競馬が出来たとはいえ善戦しましたね。
 前走の2着馬との差を考えれば、そりゃあプライムデイには厳しいか?と普通は思ってしまいますし、相対的にそれが人気を落としていた面もあるでしょう。
 ただ逆に、軽い質のマイル戦で良さが出たのは明らかにこっちだった、というあたりが、2歳戦の難しさ・面白さだと思います。

 プライムデイはこの形で走れなかったのは微妙に気にはなりますね。
 未勝利も一気の加速自体は出来ていたので、コーナー加速は得意でも坂加速がダメなのか、左回りや質的な追走がダメなのか、敗因が絞りにくいです。

 単純に前走走り過ぎた反動、とも見られますが、こちらもJBCに登録があるので、さてどうなるでしょう?
 タイプ的には門別は合いそうなキャラですけどね。キズナ産駒のキメラヴェリテが去年勝っている事もイメージ的にはプラス要因になるかなとは思います。


★もみじS <10/18(日) 京都9R 芝1400m戦>

 去年はNHKマイルC覇者のラヴダシオンが制した当レース。
 他にも近年ダノンスマッシュやレッドアンシェルなど、後々スプリント路線で活躍する馬を結構出していて、こちらも地味な出世レースですね。

 今年このレースを制したのは、ドゥラメンテ産駒のアスコルターレでした。
 前走は追走に苦慮し、人気を裏切る形になっていましたが、こちらも松山Jに戻ってしっかり大人びたレースで勝ち切ってきましたね。


 日曜の京都の芝は、稍重までは回復していました。
 特に外回りの方が回復が速く、レイパパレが相当強かったとはいえ、直後の大原Sが1,46,3を出しています。

 それを踏まえて、35,2-11,7-35,9=1,22,8という時計はまずまず、という感覚ですね。
 決して素晴らしい、と絶賛できるラインではないでしょうが、淀みない流れの中で最後までしっかり走れた馬の素質の良さは感じる内容だったと思います。


 勝ったアスコルターレは、いいスタートからスッと好位に取りつき、リズムいい追走が出来ていました。
 前走とはコースやテンの入りが少し違うとはいえ、当たりの柔らかい鞍上との相性の良さも感じる部分でしたかね。

 直線も馬場のギリギリいいところに持ち出して追撃します。
 レースラップは11,6-11,9-12,4とそこそこ仕掛けの速い消耗ラップでしたが、2列目以降の馬は400-200m地点最速でしょう。
 この馬も推定11,6-11,5-12,1くらいだろうと思います。

 スイスイと飛ばしていくヒトヨギリを目標に、という仕掛けの地点では、外のジャカランダレーンの方がいい脚を見せていました。
 ただ残り100mからの持続、しぶとさはこの馬が上で、最後の最後に計ったように捕らえる見事なレースぶりでしたね。

 ドゥラメンテ産駒も気性面で難しさがありそうですし、その点を上手くコントロールしつつ、最後の爆発力に繋げてきているのかなと思います。
 これで特別勝ちも2頭目になり、秋シーズンになっても新種牡馬2頭の攻勢は続きますね。

 この馬の場合、新馬はかなりのスローからの3F戦で、やはりいい持続を見せていました。
 その点で距離延長はこなせるタイプと思いますが、それでも例年の傾向的に言えば、いきなり朝日杯だと敷居は高いかもですね。


 2着のヒトヨギリは、新馬からの距離延長でしたが、非常に良質なスプリンターらしい走りでしたね。
 ラップ的には少しコントロールしつつも、基本線としては一貫消耗ラップ、という刻み方はルメールJらしい構成です。

 馬自身その形で、しっかり坂の下りからじわっとペースアップしてリードを作っていけました。
 少しパワーを要する馬場も、欧州血統なので楽にこなせた感はあります。

 新馬はスローバランスから結構な加速と瞬発力を見せていますし、この馬もそこそこ好走の幅が広そうです。
 勿論最終的にはスプリント路線で、葵Sあたりが当面の最大目標になるタイプとは思いますが、同世代相手ならこの距離までは問題なくこなしそうですね。
 牝馬なので、ファンタジーSやフィリーズレビューなど、阪神1400mはフィットしそうです。


 3着ジャカランダレーンもいい競馬でしたが、最後甘くなったのは追走面なのか馬場なのか、それとも素材的なものかはまだ見極めにくいですね。
 少なくともある程度流れても、一足の鋭さはしっかり持っているタイプですし、ペースに依存せず走れるのは好印象です。
 こちらも距離は1400mが今のところはフィットしていそうなので、2着馬同様に1400mの牝馬路線で楽しみはありそうです。


 4着ウインスーリールは意欲の連闘でしたが、出負けは痛かったですね。
 後半型の競馬に徹してもそこそこ頑張れてはいますし、この馬も見た目より強いな、と思います。

 ただ渋った馬場が相対的に得意には感じないので、軽い馬場のこの距離で上手くレースを支配して何処までやれるか?
 この2~4着の牝馬3頭は、今後の1400m路線でそこそこ面白いと思いますね。


posted by clover at 17:17| Comment(0) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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