2020年10月12日

2020 南部杯 レース回顧

 例年は三連休の祝日開催、のはずが、今年は幻となった五輪シフトの影響で、平日月曜の開催となった南部杯。
 そういう社会的事情とは無関係に、マイルを得意とする馬がズラッと揃って超豪華メンバーでの一戦となりましたが、勝ったのは好位外でレースを進めたアルクトスでした。

 去年の当レース2着からはやや不振が続いていましたが、ここで起死回生の走り、悲願のGⅠタイトルを掌中に収めましたね。
 時計的にも1,32,7と、芝かよ!と突っ込みたくなる超高速ダートでの一戦、きっちりと回顧していきましょう。


馬場・展開回顧

 今日の盛岡は、思いの外雨の降り始めが速かったようで、早い段階で稍重まで悪化していました。
 それに伴い馬場も高速化、という感じで、Cクラスマイルが1,38,4、直前のAクラスが1,37,8を出しています。

 去年の同日は、直前のB2クラスでも1,40,4でしたから、それと比較しても、例年より2秒近く時計の出る、最高に軽い馬場だったのではないでしょうか。
 その上でバッチリハイペースバランスになってしまえば、1,32,7というえげつない時計も納得できます。
 それにしても、クロフネの国内ダートマイルレコードが遂に破られる日がやってきてしまいましたね。


 レース展開は、まず内からインティがハナを取り切りますが、それを積極的に追いかけていったのがなんとモズアスコットでした。
 外からアルクトスもじわつと先行するものの無理にはいかず、その後ろにモジアナフレイバー、ゴールドドリーム、ワイドファラオが続きます。
 サンライズノヴァもある程度は促して中団くらい、ワンダーリーデルが中央勢の中では一番後ろから、というレースになりましたね。

ラップ分析

 盛岡は上がり3Fしかわからないのですが、バランスは57,3(11,46)-35,4(11,80)=1,32,7(11,59)という推移になっています。

 正直ここまでハイバランスを想定していなかったのですが、モズアスコットの横山武Jが積極果敢に、結果的にも上手く乗りましたね。
 序盤からインティをつついてつついて、ほぼ息の入らない淡々としたハイペース戦に持ち込んでいますし、かなり高いレベルで質的な追走力が問われています。

 盛岡なのでコーナーで少し緩んで、その上で追走面で余裕のあった前の2頭は少し加速、という推移を踏んでいそうです。
 ともあれかなりの前傾戦&総合スピード勝負で、1400m寄りの適性が強く求められた一戦、と考えておけば間違いはないかな、と思います。

1着 アルクトス

 結果論的に言うと、モズアスコットがあれだけ強気に入ってくれたことでのごっちゃんゴール、という感はそこそこありますね。
 勿論馬場が軽くなった事、あくまでここ目標で仕上げてきた事、外枠でリズムよく入れた事などもあるでしょうが、やはり最大の要因はハイペースで追走面の強みをしっかり活かせたことだと思います。

 プロキオンSあたりでも、超前傾戦ではっきり要所の加速で良さを見せている馬で、高いレベルではこのパターンがベストですし、それ以外では少し物足りない、スポット自体がやや狭いタイプなんですよね。
 個人的に今回の並びで、アルクトスが自分からつついてはいかないだろう、そうなるとそこまでペースは上がらない、と踏んで嫌ったのですが、見事にド裏目を引く形になってしまいました。

 だから、これがもし自分で競りかけて、早め先頭で勝ち切った、とかなら絶賛していいのですけど、半分モズアスコットのおかげですからね。。。
 それでもしっかり噛み合う舞台なら強い競馬が出来るのは証明しましたし、改めて来年のフェブラリーステークスでは侮れない一頭になると思います。

2着 モズアスコット

 こちらは正直驚きの快走でしたね……。いくら地方交流戦とはいえ、この馬があのポジショニングははっきり想定外でした。
 ある程度外の2頭が来て、被せられて窮屈な競馬になりそう、という中でこちらも嫌ったので、それに関しては大反省の一言です。
 矢作厩舎の立て直す力も流石でしたね。本当に今は厩舎全体の好循環が続いていますね。

 ともあれ、確かにこの馬自身、軽い馬場でハイペースがベスト、なのは間違いなかったので、戦法としてあの位置が取れるなら正解だったと思います。
 実際アルクトス以外は追走で殺いで凌ぎ切っていますし、この形と軽い馬場の中で、アルクトスが予想以上に強かった、というべきでしょう。

 横山武Jは本当に強気の騎乗が心地いいですし、しっかり勝ちに行くスタイルが定着しているので、近い将来関東を背負う騎手になるのは間違いなさそうですね。
 今週もウインマリリンが控えていますし、大舞台での飛躍は楽しみです。

 モズアスコットもまだまだ適性条件ならやれるのは見せつけましたし、こちらも来年のフェブラリーステークスを楽しみにしましょう。

3着 モジアナフレイバー

 去年よりも時計がかなり速かった中で、内目を上手く立ち回ったとはいえ、しっかりスピード負けせず食らいついてくるのは素晴らしい底力ですね。
 スタートも良く、楽にこのハイペースについていけましたし、追走面と要所の切れのバランスが地方馬としては卓越しています。

 流石に前の2頭の追走面の強みを崩すところまではいきませんでしたが、並み居るGⅠ馬を蹴散らしていますし、本質的には軽い馬場の方がフィットするタイプなのでしょう。
 今年は痛恨の出負けでしたけど、もう一度フェブラリーステークスに挑戦して欲しい馬ですね。今は2000mは逆にちょっと長いと思います。

4着 サンライズノヴァ

 悪いレースではなかったですけど、やはり去年に比べるとコーナーでの立ち回りに不器用さは出てしまったかな、とは思います。
 あとシンプルに、前のラップがほとんど落ちてこない中で、取り付く隙がなかったとも言えて、この条件。展開では上位勢が素直に強かった、と見ても間違いではないと感じます。

 この馬はこの馬なりの脚を使っていますし、ただやはり直線の短いコースで上手くエンジンを吹かしていくのは難しい、という事でしょうね。
 決して松若Jが下手に乗ったという感じではなく、つくづく去年の吉原Jが神騎乗過ぎた、と考えておくべきかなと見ています。

5着 ワンダーリーデル

 この馬も全体のペースと時計が少し早過ぎた感じですね。
 追走力自体はあるのですけど、質的にポジショニングの問題と付随して、少しずつ足りない面はあったのかな、という走りでした。

 上がり自体は断然で最後まで来ていますが、コーナーではそれを引き出せない弱みもありますし、やはり一発を狙うなら府中マイルしかない、という事でしょうかね。
 それにしても、当たり前ですが、上位勢はみんな、来年のフェブラリーステークスが楽しみ、というコメントになってしまいます。今年は特に、あまりチャンピオンズカップには直結しないレース質になっている気はしますね。

その他の馬

 ゴールドドリームは流石に衰えたかな、というのもありますし、純然たるスピード負けの感じはしました。
 元々は追走が問われても強い馬でしたけど、やはり歳を取ってズブく、硬くなってしまってきているという事なのでしょう。
 やはり素直に去年で引退させておけば……という感じではありますが、最後にチャンピオンズカップでの乾坤一擲があるかもなので、好きな馬ですし期待はしておきます。

 インティは、前傾型の逃げ馬ではないので、あそこまで徹底的にマークされ、つつかれてしまえば、誰が乗っていても無理だったでしょうね。
 アルクトス番手想定ならその辺温いかな、と思っていたのですけど、これも逃げ馬の宿命で、この馬もチャンピオンズカップの方が条件はいいので、巻き返しには警戒しておきましょう。

予想・券種回顧&反省会

 今日は馬場もペースも展開も、なにもかも読み違えたので大懺悔です。
 ただ流石にこの時計は想定できませんし、かなり1400m色が強い競馬になりましたからね。

 その点で決め打ちが出来れば逆に獲りやすいレースでもあったと思うのですが、私にはその割り切りが出来ませんでした。
 純粋に想定の甘さが招いた結果なので甘んじて受け止め、改めて週末に向けて精進します。
 あ、一応エーデルワイス賞も仄かに参加はしますけど。


posted by clover at 18:28| Comment(2) | レース回顧・地方競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
山のレーシングである盛岡の天候変化と武史によるレースメイクには参りました。

素人の自分から見て、前走モズアスコットはサンライズノヴァと一緒に船橋のパサパサ馬場での深い砂に脚を捕らえスタートから己のリズムで追走出来ずノーカウントだったので。
この雨降りから軽くなる馬場バイアスはモズアスコットには追風到来、ゴールドドリームを標的に溜めた脚力は充分と思いアルクトスを外し戸崎によるロングスパートの逃げ残りで勝負するも。
なんだか武史が、昨年ノボバカラ鞍上の阿部と被ってしまい参りました。

ただ今後、モズ軍団はルメール戻しせず武史を継続で良いと思ってしまい。
もしくは、矢作トレーナーの弟子である坂井でも良いですが。
府中ワンターンダートで雨降りとなったら、強きで突っ張り自在性を試すのも面白く。
フェブラリーで、ワンペースから押し通せる強い方のファラオも参戦して来た馬場には更に盛り上がるだけに。

そしてモジアナフレーバー、繁田が手中に入れたロスの無いコース取りも天晴れでしたが。
モジアナフレーバーによる正かの追走力も天晴れでした。
これで芝スタート好発が出来ればと思います。
しかし、田辺の迷走騎乗ぶり過程を目の当たりにしているので尚且つアルクトスによるストライクゾーンの狭い脚質によって取捨選択が難しいコンビで本当に参りました。
今年のフェブラリーでは対抗で馬券を買っていた自分にとっては。(笑)

余談、アンカツと細江女史も中継動画でゴールドドリームの馬体を思った以上に良いと取り上げるも。
馬自身が馬体を大きく見せる等、そこまで見抜けぬ自分にとっては。
馬柱の縦によるラインと走破時計とハロン時計を軸に、全盛期との比較が良いのかな?と思ってしまい。
今回は通過ハロン時計がゴールドドリームに合わなかったにせよ、今年一杯で種牡馬入りで良いと思ってしまうところであり。
Posted by ギャロップ at 2020年10月12日 20:11
>ギャロップ様

 いつもコメントありがとうございますー。

 思った以上に豪雨になって、一気に時計の出る馬場になったみたいですね。
 そういう背景もあっての超積極策だったでしょうし、横山武Jは素晴らしかったですけど、本当はあれ、アルクトスがやるべき競馬ですよね。
 結果勝てたとはいえ、どうにもフェブラリーSでの突っ張り惨敗から、バランスを欠いた騎乗が目立っていたので、これを切っ掛けに積極性を取り戻してほしいものです。

 カフェファラオも含めて、ハイペース耐性の高い馬が締まったレースを作ってくれる方が、ダート戦は迫力がありますからね。
 本当にフェブラリーSは楽しみです。

 モジアナフレイバーもダートスタートだと出足が違いますよね。
 去年も外枠で追走自体は出来ていましたし、このメンバーでも3着くらいは、と思っていたらきっちり走ってきて、この馬もまだまだ今後活躍出来そうです。

 ゴールドドリームはもう現状、マイルのスピード特化は忙しいですね。
 1800mになっても、もう去年ほどのパフォーマンスは望めないでしょうし、クリソベリルは強いので厳しそうですが、最後にもう一度、この馬らしい走りは見たいものです。
Posted by clover at 2020年10月13日 15:01
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