2020年10月11日

2020 京都大賞典 レース回顧

 思ったほど馬場の回復がなく、タフな稍重馬場での一戦となった今年の京都大賞典は、捲土重来を狙うグローリーヴェイズが、好位外目から堂々抜け出して快勝しました。
 ようやく実力馬が本来の姿を取り戻した一戦、如何なる内容だったのかしっかり見ていきましょう。

 また昨日の告知通り、毎日王冠の回顧は夜になります。
 南部杯の予想は先に予約投稿してあるので、このレースの後くらいに掲載されると思います。

馬場・展開回顧

 今日の京都の馬場は、稍重スタートでしたが、そこからあまり回復せず、最後まで稍重での開催でしたね。

 時計面も、昨日のメインのイメージから結構軽いか?と思いきや、普通にタフ寄りだったように思います。
 外回りですと、マイルの2勝クラスが48,0-47,0=1,35,0止まりでしたし、この感じだと路盤そのものが結構タフ寄りですね。

 その中で、全体のペースとしてはややハイ、というラインで2,25,6だと、まずGⅡとしての水準レベルにはあったかな、と思います。
 結果的にGⅠ馬のワンツーですし、馬場が回復しきらなかった事で、あまり展開利など関係ない力勝負になった印象です。


 逃げたのはダンビュライトでした。
 その直後に積極的にカセドラルベルが追いかけ、バイオスパーク、ステイフーリッシュがその後ろ、グローリーヴェイズも外枠からすんなり先団の後ろまで取りついていきました。

 ノーブルマーズにシルヴァンシャーなどが中団の内目、キングオブコージは中団外、そして注目のキセキは、少し煽り気味のスタートから、一切無理せず序盤は最後方から、という位置になりましたね。
 タフ馬場でそこそこ流れたので、縦長で淡々としたレースになった感じです。

ラップ分析

 レースラップは、35,5(11,83)-37,4(12,47)-37,7(12,57)-35,0(11,67)=2,25,6(12,13)という推移でした。
 全体としてはこのコースらしく、テンの入りはちょっと速くなって、そこから道中緩めにコントロールされての、坂の下りからの4F戦、という感じです。

 ハーフで見れば綺麗に平均ですが、テンで脚を問われているので、前に行った組としては少しハイバランス、位の感覚でしょうか。
 中盤も緩む、といっても12秒半ばが淡々と続いていて、馬場を考えれば楽に足を溜められる、と言う程ではなかったと思うので、全体としては中団くらいで、ややスローバランスで入った組が一番噛み合っているのかなと見ています。

 ラストも12,2-11,6-11,6-11,8なので、京都らしく分散して、最後までしぶとく脚を使えるか?という推移です。

 少なくともこのコースでのラップとしては、モデルケースと言ってもいいくらいにわかりやすく粗のないものなので、その分如実に底力が求められた感じですね。
 馬場がもう少し軽ければ、このクラスの流れで立ち回り勝負の度合いが高くなるのが淀なのですけど、回復が遅かった分レース質も少しズレた、というイメージです。

1着 グローリーヴェイズ

 実に川田Jらしい、正攻法で丁寧な立ち回りでしたね。

 折り合いでやや難しさがある馬ですけど、スッと外からポジションを取りつつ、上手く壁を作っての道中から、しっかり勝負所で動ける位置に持ち出してきました。
 元々京都の下りからの反応の良さがある馬ですし、スッと外のキセキの動きを牽制しつつ、しっかりと自分のタイミングで仕掛けられていたなと思います。

 日経新春杯もタフ馬場のハイペースで強かった馬ではあるので、全体でそこそこ流れてくれたのも良かったと思います。
 馬場の分持久力寄りの流れになりましたけど、ステイヤー的要素を強く持ちつつ、追走で殺がれない強みをしっかり活かした最高の競馬でした。

 今後の目標は、JCか香港、という事にはなると思います。
 去年の香港以来色々頓挫が続きましたが、ようやく軌道に乗れる勝利になったと思いますし、まだまだ大舞台での活躍が楽しみですね。

2着 キセキ

 浜中Jは難しいタイミングでの代打騎乗でしたけど、これなら充分合格点、と言えるでしょう。

 もうスタートは流石にどうにもならない感じで、あれが精一杯ではないか、と思います。
 少なくとも完全に置かれてしまうような感じはなく、自分のリズムで内枠の分最後方まで下げる形にはなりましたけど、その分気持ちよく走らせられていたとは感じますね。

 裏を返すと、もう少し外枠なら前半もうちょっと楽だったかもしれず、そのあたり宝塚に比べて少し不運だったとも言えます。
 道中最後方ですが、そこそこ流れていたのでこの馬の位置でも極端なスローではない、とは思いますし、そこからこの馬らしく長く長く脚を使ってきました。

 持久力ラインでも持続力ラインでも、基本ロンスパでこそ、という馬だけに、流れに合わせるより自分のリズム、という競馬がいいのは間違いないですね。
 勿論理想はすんなり逃げて、自力でロンスパに、というパターンでしょうけど、現状それが望めない以上はこれが次善の結果、内容だと思います。

 大味ではありますがやはり能力があるところは見せましたし、超高速馬場で強いので、秋の府中2戦は楽しみです。
 特にJCは、外枠からそこそこ位置を取れたら熱いと思いますし、例年よりは力のいる馬場にもなると思うので、もう一花、咲かせて欲しいですね。

3着 キングオブコージ

 この馬も上がり馬の勢いをしっかり感じさせる内容でしたね。

 流石にこの枠は厳しくて、先行力がある馬ですけど道中は中団まで、になってしまいました。
 ただそこでじっと我慢、キセキが来てもまだ我慢、という中から、最後はきっちり自分の脚は引き出せていますし、タフ馬場でこの斤量と考えれば善戦でしょう。

 この馬の武器は器用さでもあるので、完全な素材勝負ではちょっと足りなかったですけど、その辺りが上手く噛み合うと怖さはあります。
 タフ馬場も速い流れも一定こなしますし、有馬記念で内枠を引いたら穴目で狙ってみたいタイプですかね。

4着 シルヴァンシャー

 この馬も北村友Jらしいタイトな立ち回りの中で、少し動き出しでもさもさしたものの、最後はこの馬らしい持続を引き出してきましたね。

 休み明けで-10kgは、きっちり仕上げたのか、状態面でもう一歩だったのか難しいですけど、レースぶりそのものは良かったと思います。
 いいスタートから、中団のインで前にスペースを置いていく、スムーズな競馬が敵ていました。

 少し坂の下りから4コーナーで手を動かしつつも置かれる感じはあったものの、それでもグローリーヴェイズの後ろから、最後までしっかり伸びてきましたからね。
 ただ立ち回りを考えれば、最後にキングオブコージにも差されているのはやや物足りなく、やはりGⅠレベルの馬とは少し差がある、というのも感じました。

 どうあれ、まずは順調に使えないと、という馬ですし、ステイヤー寄りの適性なので、まずはアルゼンチン共和国杯あたりでしょうか。
 2200~2500mくらいがベストだと思うので、どこかでまずひとつ、タイトルを取りたいですね。素材としてはかなりいい馬なんですけどねぇ。

5着 ステイフーリッシュ

 バランスを意識したいい競馬、だったと思いますが、ここは純粋に素材差が出てしまった感じです。
 序盤は積極策を意識していましたが、カセドラルベルが強気に行ったので、少し下げて2列目から、というのは、ペースを考えてもいい判断だったと思います。

 そこから坂の下りでじわっと取りついて、この馬らしく長くしぶとく脚は使えているのですが、この条件で上位勢の決め手が完全に一枚上でした。
 中1週の影響もなかったとは言えないでしょうが、レースが綺麗な正攻法になってしまいましたし、その中で、基本GⅠでは足りない、というところを素直に露呈した一戦ですかね。

 裏を返すと、この馬にきっちり完勝出来る馬は、上の舞台でやれる最低限のパスポートを持っている、という評価も出来そうです。
 結果的に相手が強かった負け、と見做したいところです。展開利もあまりなかったですし、またメンバーレベルが落ちたところで積極的に狙いたいですね。

その他の馬

 パフォーマプロミスは、外枠がそこまで不利にならない流れになったとはいえ、ジリジリ頑張れてはいましたね。
 本当にこの年でも堅実ですし、長い距離でも折り合いに苦労せず走れそうなので、長距離路線の方が現状の実力では噛み合うかもですね。
 アルバートとともに、ステイヤーズSで見てみたいところです。

 カセドラルベルは、距離もあったでしょうけど、流石にこの相手にちょっと強気に入り過ぎましたね。
 ただそんなに大きくは負けていませんし、先行力があって、ハイペース自体はそこまで苦にしないタイプなので、もしもエリ女に出られるなら少し警戒したい馬になりますね。

予想・券種回顧&反省会

 予想としては、根拠の馬場状態と回復レベルの判断を間違えてしまいました。
 その分立ち回り勝負に全振りしてしまったので、その当てが外れてしまうと純粋に力負けしてしまう、という所ですね。

 まあ正直1~3番人気決着ですけど、この組み合わせって逆に中々買えないですよね。。。
 だから配当としても、狙いすまして取れるならそこそこ美味しい、というラインになってますけれど、これは取れたとしてもチップ、トリガミラインでしか無理だったかな、というイメージです。

 敢えて言えば、グローリーヴェイズ本命は状態さえ信じられれば打てたので、反省としては能力より展開に傾斜した事、に尽きるでしょう。
 そこまでダメージの大きい外し方ではないですし、強い馬が強い競馬をしてくれたのでその点は納得です。


posted by clover at 16:24| Comment(4) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こちらも毎日王冠サリオス程の派手さはありませんでしたが、地味に締まったいいレースで、改めて秋競馬への希望を持たせてくれるレースとなりましたね♪

勝ち馬のグローリーヴェイズは香港ヴァーズでのパフォーマンスがフロック出ない事を見事証明しましたね。そもそもあれから日本で走ったのが宝塚だけと、ドバイの中止も相まって非常に勿体ない感じでしたからね…笑 今回もトップハンデを背負って外から伸びてくるキセキをみてまた伸びると言った感じなので、日本のG1でも全然やれるんじゃない?と感じましたが、まぁ脇目を振らず香港でしょうか笑。

キセキも相変わらずのレース下手ながら、流石はキセキ!という所を見せてくれましたが、やっぱり2着か〜という感じで(๑•﹏•)
運が悪くても2着、上手く嵌っても2着と、中々この馬は能力があるだけに運に恵まれない印象です。気性的に前でも後ろでも馬ごみに置けないのもキツいですね…

後これを書いてる内にふと思いましたが、キセキは初めて重賞を勝った母父ディープインパクトなんだな、と。キセキ以降は母父ディープインパクトに正直そんな凄い印象も無かったのですが、一昨日のステラヴェローチェといい、今年の2歳は母父ディープインパクトがすごく目立つようになってきた思います。これも時代の流れを感じますね…。
Posted by Claire at 2020年10月12日 07:13
サリオスの方でもそういうコメントをシルクの代表が出していましたが、ノーザンは香港に遠征できる可能性はあるという想定をしているようですね。
そうなると、グローリーヴェイズは香港ヴァーズ、アーモンドアイが香港カップ、グランアレグリアとサリオスが香港マイルといったところになるのかな?。
サートゥルナーリアはJCに行くなら香港は難しそうですが、種牡馬ビジネスとして考えた時に、何としてもサートゥルナーリアにビッグタイトルを獲らせたい
と考える+アーモンドアイには綺麗に有終の美を飾らせたいというのがあると思うので、クロノジェネシスを有馬でも香港カップでもなく香港ヴァーズ
なんてこともあるのかな?、サートゥルがJCスキップで香港行ってクロノで有馬なのかな?、それがカップだったらアーモンドアイは天皇賞のみで引退もあるのか?
などなど妄想を繰り広げてしまいます…

キセキはゴールドシップのような馬になったというか、なってしまったというか、良くも悪くも面白い馬になったというか、なってしまったというか…
この後は秋天→JCなんでしょうかね。以前とは全く違う形で、この馬の動きがレースの展開を左右しそうで楽しみです。基本的には鞍上は武豊に
戻るんでしょうかね。今のこの馬には武か横山典に乗ってほしいです。
Posted by I.C.スタッド at 2020年10月12日 09:50
>Claire様

 いつもコメントありがとうございますー。

 グローリーヴェイズは普通に強かったですね。
 元々はかなり堅実な馬なので、前走が例外的、と言えばそうなんですけど、あまりに大敗だったのでここは様子見してしまったのが無念でした。
 
 実際香港ヴァーズのパフォーマンスは歴代トップクラスでしたし、まともなら強いですよねやっぱり。
 ふつうにJCでも勝負になると思いますけど、多分サートゥルナーリアをメイチで使ってくるでしょうから、それを避けて香港、が有力でしょうねえ。

 キセキは強いんですけど、結局前からでも後ろからでも、ワンペースでしか走れない、という注文はつくのですよね。
 その意味で、ライバルとしては、どのくらいの位置からなら凌げるか、なんて計算はしやすい馬だと思いますし、まして川田Jからすればキセキの脚は知り尽くしている、というところだったのではないでしょうか。

 2着ばっかりなのも、そういう目標にされやすい馬と言う証左ではあり、強いのは間違いないですけどやっぱり不運でもありますね。
 なんとかグローリーヴェイズもいない、手薄気味のJCでもう一花、期待したいところです。

 ディープ肌は大分飽和してきたでしょうし、それを全てキンカメ系だけで、というのも無理がありますものね。
 これからニックスを探っていく事に来なりそうで、流石にバゴは高齢でそこまで積極的な候補にならないでしょうが、ブリックスアンドモルタルあたりは楽しみです。
 エピファ×ディープも今後増えていきそうですし、サンデー同様、今後はブルードメアサイアーとしても一時代を築くのは間違いないでしょうね。
Posted by clover at 2020年10月12日 16:42
>I.C.スタッド様

 いつもコメントありがとうございますー。

 今年は短期の外国人Jが壊滅状態になりそうですから、ノーザンも騎手のやり繰りに苦心してそうですよね。
 そうなると余計に使い分けが顕著になりそうで、その中で優先するのはアーモンドアイとサートゥルナーリア、という事になりそうなのは確かです。

 香港ならある程度現地調達も視野に入れられますし、出走出来るなら大挙して連れていきそうですね。

 正直クロノジェネシスの路線が一番気になります。普通に秋天⇒有馬でいいとは思うのですが……。
 むしろこの馬を敢えて秋天に使うのは、この舞台ならアーモンドアイの8勝目に箔がつく相手、と見做されていそうなのがなんともで。
 個人的には思い切り渋ってしまわないかなぁ、なんて意地悪な事も考えますね。。。

 キセキはルーラーシップ同様に気難しいですよねぇ。
 ただそういう馬だから強い、というのも確かですし、なんとか種牡馬としての道を開くためにも、JCはメイチで強い競馬を見せて欲しいです。
 武Jなら出し切る競馬はしてくれるでしょうし、楽しみですね。
Posted by clover at 2020年10月12日 16:47
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