2020年10月03日

2020 シリウスS レース回顧

 今年は変則開催で、中京1900mでの実施となったシリウスSは、圧倒的人気に支持された3歳馬のカフェファラオが、中団外から捻じ伏せる王道競馬で見事に復活の狼煙を上げました。
 レースを振り返っていきましょう。


馬場・展開回顧

 今日の中京ダートは良馬場、含水率も2~4%台と、かなり乾いた状態だったと思います。
 ただ、その割にはダート戦は全体的に時計が出ていました。

 新馬の1800mでもレコードが出ましたし、1勝クラス1800mで1,52,3、2勝クラスの1900mが、ややハイペースで1,58,5となっています。
 この推移からも、やはり良馬場としては軽めだったのは確かですね。
 だとすると、そこまで流れ切らなかった、とはいえ、このレースでの1,57,8は、そこまでハイレベルではないか?というイメージにはなります。


 レース展開は、出していきたい馬が多い中で、まずキメラヴェリテが強引に外からハナを切ります。
 その後ろにランスオブプラーナ、ダイシンインディー、ダイメイコリーダが続き、その後ろにメイショウワザシ、エムオーグリッタなどがいました。

 注目のカフェファラオは丁度中団の外目、その内でサクラアリュールが早めにポジションを押し上げ、エイコーンなども中団やや後ろのインで進めています。
 アルドーレはスタートで安めを売って道中は後方から、ダノンスブレンダーやグレートタイムも後ろ寄りからの競馬でしたね。

ラップ分析

 レースラップは、42,2(12,07)-38,2(12,73)-37,4(12,47)=1,57,8(12,40)という推移になっています。
 キメラヴェリテが暴走気味にぶっ飛ばしていった事で、字面はハイペースバランスです。

 ただ番手以降はかなり離れていましたし、おそらく実質的には、メイショウワザシのあたりで平均ペースくらいでしょう。
 それ以降の馬はスローからの後半勝負の比重が強いと見ています。

 レース後半は13,0-12,7-12,3-12,4と、コーナーで緩んでいるように見えますが、後ろの馬はここで一気に押し上げています。
 となると、向こう正面から後続は後半ずっと12秒前半を長く踏み続ける競馬かな、と思いますね。

 その分コーナーでの立ち回りが地味に重要になっているレースで、上位勢の大半が内目を掬った馬、というのも、中京らしい結果ではあると言えるでしょうか。
 ただペースの割に、ラストで際立った違いを見せてきた感もないですし、ステイヤー型の競馬としてはやや凡戦だった、とは判定しています。

1着 カフェファラオ

 色々懸念材料はありましたが、一先ずスムーズな競馬で、きっちり力で捻じ伏せてきた、という感じですね。
 ただ正直な話、こういうステイヤー型の競馬がベストではない、というのもある程度は見て取れた内容だったと思います。

 スタートはまずまずで、そこから無理には出していかずにじわっと馬任せで、中団の外目できっちり折り合いをつけていたのは、本来のルメールJらしい立ち回りだったな、と思います。
 勿論砂を被っていい馬ではないので、そのまま外目を回す形になっていますし、それなりにロスはある競馬でした。

 けれど坂地点での加速度は中々でしたし、最後までしっかり足を維持してきた感じで、後半要素が問われてもそれなりには強い、という感じです。
 でも相手がサクラアリュールやエイコーンですし、時計的にも2勝クラスと比較して、正直物足りなさはあります。

 やっぱりこの馬はもっと、前半要素を生かす競馬の方がフィットするのは間違いないでしょう。
 その意味で、タイトな流れになりそうなチャンピオンズカップは悪くない、とは思います。

 でもクリソベリルを筆頭に、後半型の強敵がズラッと揃っていますから、その土俵に上がっては苦しいでしょう。
 今日はあの位置取りでしたが、高いレベルでは、やはり前々でつついて、全体のペースを引き上げる戦略はほしいところです。
 勿論来年のフェブラリーSに関しては非常に楽しみですし、しつかり復活してくれたのはなにより、ですね。

2着 サクラアリュール

 この馬もやっぱり、ステイヤーコースがフィットするんだなぁ、という走りでしたね。
 内枠からいいスタートを決めて、この馬なりにポジションを取ってきましたし、向こう正面でスムーズに押し上げているのを見て怖いな、と感じました。

 3~4コーナーでも内目からスイスイと馬群を縫って進出と、器用さも見せつつしっかり直線でもう一段ギアを上げてきたのは見事です。
 勿論カフェファラオと比較すればロスのないコース取りで、それでいて要所の反応で負けていますから、完敗、とは言える内容ですけどね。

 どうしてもこれまで、ポジションが取れずに大味な競馬しか出来ていなかったので、その点が少しでも改善されてきたのはいい要素でしょう。
 ペースが上がると物理的についていけない弱みはあるので、1800mまでは基本捨てて、1900m以上のステイヤーコース専門職で頑張っていけば面白いのではないでしょうか。

3着 エイコーン

 この馬もやはり復調気配はありましたし、枠なりに内でじっと我慢して、上手くスペースを突いてくる、鞍上の展開待ちが上手く噛み合った競馬だったと思います。
 ただかなり嵌った割にラストはジリっと甘くなっていますし、まだ完全復活ではないのか、坂加速が苦手なのか、というのは感じました。

 悪くない競馬でしたけど、2着馬以上に展開は噛み合っているので、あまり高く評価するのは危険でしょう。
 でもこの馬もステイヤーコースなら安定して差し脚は引き出せると思いますし、メンバー次第では重賞でも楽しみはありそうです。

4着 ダノンスブレンダー

 この馬は、坂スタートでもろに滑ってしまったのが誤算ではあったでしょうね。
 ただそれで腹を括って後ろからの競馬で、中京らしくインを掬って、というタイトな立ち回りに徹したのは、川田Jらしい冷静かつ強気な判断だったと思います。

 馬自身も思ったより走ったな、という感じで、この馬も本質的にはステイヤー寄りの競馬の方がいいのでしょうか。
 追走を問われて甘くなるシーンは多かったので、ここは流れると踏んで軽視したのですけど、実質スローになってしまった分力は発揮出来た、というイメージです。

 堅実な馬ですし、まだキャリアも浅いですから、今後多彩な経験を経て、もっと強くなってくる一頭だとは感じました。

5着 メイショウワザシ

 この馬も、前目でジグザグな流れに合わせつつ、4コーナーで外々から、とロスある競馬にはなっていて、その割には頑張りました。
 本当にこの馬はこういう、ペースの変化に強いと言うか、緩急を問われても崩れないのは魅力ですね。

 ただ流石に、実質的にスロー寄りになってしまうと、決め手の質で少し足りない、というのはあったと思います。
 もう少し早めに追いかけるかして、2~3番手から出し抜く競馬が出来ていれば、この条件でももうちょっと面白かった気はしますね。
 この馬はまたいずれ、重賞でも馬券になってくる馬だと思うので、走り頃をしっかり見極めたいところです。

その他の馬

 アルドーレは、やはりスタートで後手を踏んだのと、ペースが上がった3~4コーナーで大外、というコース取りが最後に響いた感じですね。
 最後までバテてはいないんですけど、流石にこのレベルで、器用に立ち回った馬を捻じ伏せるほどの絶対能力がなかった、というイメージです。
 もう少し位置を取れると思ったんですが、やはり坂スタートは難しいですね。

 ダイメイコリーダは、流石にこの時期の3歳馬が-21kgは、その時点で調整ミスと言われても仕方ないでしょう。
 レースでも自分の形を作るだけ、になってしまいましたし、流石にこの負け方だと、一度使ってすぐ次、と期待するのも酷に思えますね。

 追記、不利があったのを見落としていましたけど、その前の時点でもう勢いがなかったのも確かですからね。
 しかし今日は、松山Jは不利を受けてばかりの一日でしたね。

予想・券種回顧&反省会

 予想としては、まず字面はともかく、全体のペース判断を誤りましたね。
 まあカフェファラオがああいう落ち着いた競馬をすれば、それが核になって流れも、という見立ては出来たとは思います。
 でも今回の条件でそれを信じ切るのも難しく、実際飛ばす馬はいたので、そこの見極めは悩ましいところでした。

 後はシンプルに、スローバランスのステイヤー競馬でもカフェファラオがこのメンバーなら強かった、という点を信じられなかったのもありますね。
 ダイメイコリーダの馬体重までは想定外ですし、中々当てるのが難しいレースではあったと思います。

 まあエイコーンが強く拾えているだけに、なんとか出来なかったかなぁ、という想いはあるのですけどね。
 エイコーン本命も全く考えなかったわけではないのですけど、うーん、そこまでは思い切れませんでした。
 チャンスがあるとすればエイコーンの複勝か、そこからのワイドくらいだったかな、と思います。


posted by clover at 16:21| Comment(4) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ルメールもカフェファラオも中央競馬に移った途端、水を得た魚でしたね。
参りました。(笑)
今週はルメールに翻弄されっぱなしです。(笑)

又、テレ東にゲスト出演していた森泰斗も大井による馬場バイアスは中央と比較して凄い強目で内の砂厚に若駒は戸惑うみたいなコメントをして単勝勝負でしたが。

そこで、ルメールに対して堀トレーナーによるオーダーが競馬を教えて欲しいとの事だったので。
今回の結果から、今後陣営によるローテには注視したいですね。
国内ビックタイトル奪取に向けて1800m以上の距離も使ってくるのか?
尚且つレース後のルメールにコメントから、やはり米国血統の権化らしい自らのペースで走らせないと厳しそうであって。
更に、ルメールの言う通りパワーも付け持続力も上乗せしないと地方交流重賞勝ち馬達に太刀打ちするのも難儀であり。
チャンピオンズの様なインティが飛ばして道中12秒前半を刻むハロン時計から5ハロンロングスパート戦など、クリソベリルの後ろポジションで追走したら何処まで通用するのか?疑問符も付くので。
加えて、JDDの幸みたいに終始ストーキングされるプレッシャーを克服し突き抜ける精神力の伸び代は謎なだけに。
それを考えると、クリソベリルの精神力は頼もしい限りなので。
今回、大外枠からノンストレスな正攻法で賞金稼ぎに成功しただけに陣営が選んだ次走の走りには大いに注目したいところです。

Posted by ギャロップ at 2020年10月04日 01:33
>ギャロップ様

 いつもコメントありがとうございますー。

 パワー、と一口に言っても難しいですよね。
 まあダノンファラオを見ても、本質的にカフェファラオが地方のタフ馬場がフィットしない、という事はないのでしょう。
 森Jのコメント通り、特殊なバイアスと砂を被る競馬の組み合わせで脆さを出した、と見ておく方が良さそうです。

 今後一概に地方だから、で嫌う事はせず、きちんとこの馬にとって走りやすい枠と並び、メンバーと距離か?というのは精査しないとですね。
 やはりイメージとしても、2000m級の超距離向きには思えませんし、といって去年のチャンピオンズカップみたいなラップでもまだ厳しいでしょう。

 現状は前傾戦がやはりべスト、と言う中で、今後どういう成長を見せるか楽しみです。来年のフェブラリーSでは主役を張って欲しいですね。
Posted by clover at 2020年10月04日 04:06
 お疲れ様です!

お久しぶりです。今休憩中に先週のレース回顧をしていたのですが、白川郷のハギノアレグリアスの走破時計、1.56.3ってかなりビックリしたのですが。

そうなると、シリウスSは超凡戦になりませんか?3着以下は7馬身離れてますが、2着馬のキーフラッシュでも1.56.5ですから、馬場差が同じぐらいだと、3勝クラスと重賞で格が逆じゃね?という感じになりましたw

Posted by リュシュトゥ at 2020年10月08日 14:54
>リュシュトゥ様

 いつもコメントありがとうございますー。

 正直仰る通りだと思います。

 丁度今、2歳戦回顧を書くのに、改めて土日のダートの馬場差も検証していたんですよ。
 ただ含水率もさほど変わらず、下級条件戦での時計の出方も同じようなもの、なんですよね。

 土曜日の2勝クラスの1900mの1,58,5が、ほぼピッタリこのクラスレベル通り、の時計だと思うのです。
 そうするとやっぱり、シリウスSはレベル低すぎ、逆に白川郷Sはレベル高すぎ、という評価になります。

 シリウスSの方が実態的にはスロー、かつ淀みがあったという言い訳はあります。
 けどシンプルに、後半5Fで1地点たりとも白川郷Sより速いラップを踏んでいないとなると、流石に重賞レベルとは言えなくなりますね。

 向こうの上位2頭が、軽めの馬場のステイヤーコースがジャスト嵌った、という面もあります。
 それも踏まえて、今後のステイヤーコース路線では、シリウスSは下げて、白川郷Sの上位2頭を上に取るべきでしょう。

 ぶっちゃけ、ステイヤー的な競馬が得意ではないカフェファラオが、外ぶん回しでも勝ててしまった、という事でいいはずです。
 この馬自身も府中マイルならともかく、1800m以上の距離で最上位にははっきり足りないと思うので、次に長めの距離で人気するなら、もう一度逆らいたいかな、というイメージです。
Posted by clover at 2020年10月08日 15:36
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