2020年09月24日

2020 9月第3週2歳戦 レース回顧(中京編)

 今日は中京の三日分のレースの中から、注目すべきレースをピックアップして回顧していきましょう。
 流石にこの開催の中京は素質馬が続々と出てくる印象で、改めて見ていてもワクワクするレースが多いですね。


★9/19(土) 中京3R 芝1600m未勝利戦

 このレースは、超ハイペースを番手追走したディープインパクト産駒のレッドベルオーブが、そのまま全く後続を寄せ付けず、圧倒的なレコードでの完勝劇を演じましたね。

 土曜の中京はクッション値も普通で、開幕週と同様レベルの馬場水準だったと思っています。
 その中で、34,0-23,2-35,9=1,33,1は相当に速い流れですけれど、それを差し引いても1,33,1は破格に優秀です。
 ましてそれを番手から追走し、直線も11,8-11,7-12,4と、若干なり坂加速してまとめているのですから、文句のない絶対能力の高さと総合力を見せたと感じますね。

 血統的にもニックスと呼んでいい、ディープインパクトとアンブライドルドソングの組み合わせですし、良質なスピードを持つマイラーなのは間違いないでしょう。
 新馬戦はやはりスローから一気の加速、という流れの中、馬群で置かれた面もあったとは思いますし、結果論的に追走が問われて一気に良さが出た、と言えそうです。

 無論後半型の競馬でもある程度はやれるでしょうし、距離も2000mまでは守備範囲には感じます。
 ただやはり本質はマイラーだと思いますし、現状は朝日杯の有力候補に一気に台頭した、という評価でいいのではないでしょうか。

 2着馬も外からしぶとく伸びてきていますし、こちらはモーリス産駒らしい持久力ですね。
 ただ上がりで勝ち馬に届いていないように、マイルではスケール負けですし、ポジショニングも微妙です。
 その点で、こちらは1800m~2000mに伸びた方が競馬はしやすそうです。積極的に位置を取る競馬ならすぐにチャンスはありそうですね。


★9/19(土) 中京4R ダート1800m

 このレースを勝ったのは、パイロ産駒のタイセイアゲインでした。
 が、それ以上に印象的なのは、やはり直線のロコポルティの落馬シーンですよね。
 初見の時はゾッとしましたし、あの後普通に次のレースから乗ってる川田J、素晴らしい運動神経と鉄人ぶりだなぁと尊敬してしまいました。

 レース自体は、超々スローからの2F特化戦になっています。
 ラップが40,0-40,5-36,9=1,57,4ですから、全体時計を是非するレベルではなく序盤中盤が遅いです。
 当然そこから一気にギアチェンジ、という競馬だったから、むしろ急激に速い動きを求められて斜行してしまったのでは?と思いたくなるくらいですね。

 ただ手応え的に、ロコポルティがまともなら勝ち馬と一騎打ちだったでしょう。
 そして、ラストが13,1-12,0-11,8という加速特化戦で、シュっと反応出来たのは、他のメンバーでは勝ち馬だけだった、という内容です。

 なので正直、勝ち馬がどこまで強いかはこれだけではわかりません。
 少なくとも最初の1200mはキャンター並みですし、ダートでの加速と切れを高いレベルで保持している、というのは確かですが、それが流れて繰り出せるかは別物でしょう。
 見た目のスケール感はありますけど、正直次にどう転ぶかは見てみないと、ですね。血統的に、きっちり流れてしまうと1800mが少し長い可能性も出てくるとは思いますし、難しいところです。

 3着以下は少なくとも、スローペースで決め手勝負では論外でしょうね。
 ハイペースについていけるかと、その時の追走力・持久力次第では、ですが、それもやってみないとわからないので、評価としては保留が乱発するレースになってしまうのは仕方ないでしょう。


★9/19(土) 中京5R 芝1200m

 このレースは、シャラー産駒のヒトヨギリが、番手からスッと抜け出す完成度の高い競馬で快勝しました。

 ラップは35,4-34,5=1,09,9とかなりのスローで、後半の決め手勝負の比重が高いです。
 ラストは11,5-11,2-11,8と、坂加速も一定問われていて、後半の総合力勝負の様相ですし、前半余力がある分だけ、スムーズに前を向けた馬が有利な流れだったでしょう。

 勝ったヒトヨギリは、いいスタートからハナに行けそうなくらいでしたけど、福永Jらしく番手で抑えて、教育しながらのレースでした。
 馬もそれにしっかり応えて落ち着いた競馬でしたし、坂地点でスッと抜け出してきたように、加速性能と決め手は一枚上でしたね。

 父のシャラーはインヴィジブルスピリット産駒で、自身はモルニ賞とミドルパークS、2歳の6FのGⅠを2勝しています。
 3歳時はほとんど走る事なく引退してしまっていますが、早熟のスプリンターなのは間違いなく、この馬の完成度の高さも父譲り、というところでしょうか。
 ここは前にいた馬に楽なペースだったので、より追走が問われてもポジショニングなどで苦労しないか、そのあたりがクリアできれば、良質のスプリンターに成長していきそうですね。


★9/19(土) 中京9R 野路菊S(芝1600m)

 例年は阪神1800mなので、クラシックを賑わせる馬も参戦してくるレースではあります。三年前の勝ち馬はワグネリアンですしね。
 ただ今年は中京に変更になって、2000mではなく1600mの施行なので、どちらかと言うとマイル色の強い馬が参戦してきた感じです。頭数も5頭と、かなり寂しいレースではありますね。

 その中で勝ったのは、キングカメハメハ産駒のホウオウアマゾンでした。
 最内から逃げて、まんまとスローに落としての粘り込みでしたね。

 ラップは36,5-24,8-34,1=1,35,4という推移です。
 全体のペースが全然違うとはいえ、同日にレッドベルオーブが1,33,1で走破していると考えれば、やはりこの時計は物足りません。

 後半も11,6-10,9-11,6と、加速と瞬発力の質の面が一番強く問われた感じの3F勝負ですが、正直このペースと馬場なら、上がりは33秒台に持ち込んで欲しかったところです。
 逃げた勝ち馬だけならともかく、後続も誰しもが33秒台を出せなかった辺り、後半の性能ではみんなある程度底を見せてしまった感は強いですね。

 勝ったホウオウアマゾンは、作戦勝ち、というコメントが出ていたように、上手くレースを支配していましたね。
 後続も全くつつきにいかない折り合い競馬なのでなんともですし、切れ勝負では分が悪いから、という意図の割にかなりの瞬発力戦なので、そこはまだ仕掛けが弱気だったんじゃないの?という気はします。
 ただそれでも馬はしっかり反応して、後続に対し坂地点の加速と切れで明らかに差をつけており、そこは評価していいと思っています。

 未勝利はある程度流れてもやれていた馬なので、本来はもう少し総合力を問われた方がいいのでしょう。
 スケール感としてレッドベルオーブと比較するとうーん、となってしまいますが、朝日杯路線で堅実に走る、物差し的な馬になれる素養は感じました。

 2着以下はうーん、ここまで決め手勝負で脆いとは、というのが正直な感想ですね。
 まあフラーズダルムやシティレインボーは、血統やこれまでのレースぶりからもそうだろう、とは思いますし、特にフラーズダルムの悠長な仕掛けは、わざわざここを使って勝ちに来た感はあったのに、正直不甲斐無く感じます。
 ダノンシュネラなんかもまるで坂加速がダメでしたし、流れと距離が変われば違うかもですが、この組は高い評価はしない方が無難な気はしますかね。


★9/20(日) 中京5R 芝2000m

 このレースは、ドゥラメンテ産駒のジュンブルースカイが、好位外から早め先頭で押し切りました。

 ラップは62,6-60,0=2,02,6となっています。
 ローズSが似たようなスローバランスで1,59,9なので、新馬としてはまずまずの時計と言えるでしょう。

 かつ仕掛けがかなり遅く、後半は12,5-11,8-11,1-11,5と、段階的加速を伴う3F勝負になっています。
 コーナーで外から押し上げるのはロスになりにくい展開ですし、勝ち馬と2~3着馬の差はそこかな、というレースですね。

 勝ち馬は悪くないスタートから、スッと4番手の外辺りに取りついていって、折り合いも悪くなくスムーズなレース運びでしたね。
 直線入り口でほぼ先頭列なので、この馬自身は11,6-11,0-11,5くらいの上がりで、加速と切れ、そこからの持続を平均的に高いレベルで示してきた格好ですね。
 展開的に枠の並び、立ち回りで優位性を作れたのはあれ、ラップ的にもいい競馬なので、これは素直に次が楽しみです。追走面が問われてどうか、後はより持続特化でどこまでやれるか見てみたい素材です。

 2着のサトノスカイターフ、3着のメイセキムもいい競馬でしたが、内枠の分ポジションは取れても、スムーズに動ける位置ではなかった、というのが結果的には苦しかったですね。
 どちらも勝ち馬の動き出しをワンテンポ遅れて追いかける形でしたし、流石に前が11,5でまとめるのを捻じ伏せられるほどのスケールの差は見せられませんでした。
 でもどちらもセンスのある良いレースをしているので、未勝利ならすぐにチャンスはありそうです。


★9/21(月) 中京3R 芝2000m未勝利戦

 このレースは、ゴールドシップ産駒のマカオンドールが、中団外目から早めのスパートで進出、ゴール前の競り合いを制してしぶとくレコード勝ちを収めました。

 ラップは61,4-59,8=2,01,2と、ややスロー、くらいの流れになっています。
 ただこのレースはそこまで中盤が緩くなく、後半は12,3-12,1-11,8-11,6-12,0と適度に分散する持久力寄りのレースになっています。
 このレベルで言うなら、どちらかと言えば前目内目で立ち回った方が楽な展開ではありますね。

 勝ち馬はスタートは今一歩、ただ流れにはスッと乗って、中団外目で進めていきます。
 3~4コーナーでじわっと外から進出、4コーナー出口で前に並びかける積極的な競馬で、最後は内から伸びてくるブレイブライオンを捻じ伏せるしぶとさを見せてきました。

 これはなんというか、いかにもゴールドシップ産駒らしい持久力面を強く押し出した内容で、それを引き出した松山Jの好騎乗でしたね。
 自身12,1-11,8の地点で動いているので、決してロスの少ない立ち回りではないのですが、それでもバテない、というのがこの血統の最大の強みです。

 一方、坂の最速地点での切れはやはり微妙で、おそらく自身は11,5-11,5-12,0くらいでしょう。
 坂地点だけで見れば、おそらくポケットでワンテンポ待っていたブレイブの方が明確に動けていて、けれどラスト1Fの持続性能で再逆転してきた、という感じです。
 こういうタイプなので、おそらく速いラップを踏む舞台や、そういうレベルになると苦労しそうには感じます。
 京都2歳SやホープフルSとかはフィットしそうですし、それなりに流れには乗れる馬なので、適性外かしやすいレースを選んでいけば楽しみですね。真骨頂は2400mになってからかもしれませんけれど。

 2着のブレイブライオンも、新馬以来の競馬で馬体も増えて、センスのいい競馬でしたけど、この距離のスタミナ勝負では少し分が悪かったですね。
 如何にも阪神1800mあたりがフィットしそうな馬ですし、性能的にも未勝利はすぐ勝てるでしょう。クラシック路線、という意味で言えば、勝ち馬よりも適性面では噛み合う可能性は高そうなので、後はどこまでスケール感を高めてこられるかですね。

 3着オリノコも、勝ち馬を追いかける形でしぶとく強い競馬でしたが、こちらもどっちかと言うと持久戦寄りには見えるので、むしろ未勝利で勝ち上がる方が苦戦するタイプかもです。


★9/21(月) 中京4R ダート1200m

 このレースは、最内枠から楽にハナを切ったパイロ産駒のクインズメリッサが、直線もほぼ持ったままで後続を圧倒、完璧なデビュー勝ちになりましたね。

 ラップは35,7-36,5=1,12,2となっています。
 良馬場ですが、土日よりは少し軽い感じで、1勝クラスが1,11,3を出しています。
 ただそことの比較でも、新馬としては優秀、というラインになりますし、なにより後半の、12,2-12,1-12,2という、全く減速のないラップ推移が破格です。

 前半楽に入れた分があるとはいえ、明らかに後半の絶対量が他の馬とは雲泥の差でした。
 このラップなら、距離は少なくともあと1Fは楽にこなすでしょう。
 前半の質が問われたり、番手競馬になって脆さを出す可能性もなくはないですが、素材がちょっと違いますし、操縦性も良さそうだったので、今後のダート短距離路線ではかなりの注目株になる一頭ではないか、と踏んでいます。


★9/21(月) 中京5R 芝1600m

このレースは、リオンディーズ産駒のナムラメーテルが、好発から番手追走、早め先頭で堂々押し切る強い競馬を見せてくれましたね。

 ラップは35,0-23,8-35,6=1,34,4となっています。
 新馬戦としては序盤も中盤も破格に流れていますし、それでいて後半、12,3-11,5-11,8とはっきり加速ラップ、ラストも11秒台でまとめているのは、相当に高い水準で総合力を見せている競馬になります。
 これを番手競馬でやってのけたのはかなりのインパクトですし、時計的にはレッドベルオーブにやや見劣るとはいえ、新馬、と考えれば楽しみしかないレース内容でしたね。

 細かく見ると、残り400mでほぼ先頭に並びかけていて、自身は12,1-11,4-11,8くらいの上がりでしょう。
 前半も35,0の流れに苦労なくついていけて、そこからこれだけの加速度と持続を引き出せるのは、絶対能力が高くなければ出来ない芸当です。
 文字通り総合力の塊、という感じですし、牝馬なので、JFから桜花賞戦線まで非常に楽しみな一頭になってくれるのではないでしょうか。

 2着のルークズネストも、モーリス産駒らしいしぶとい差し込みでした。
 こちらはゲートがはっきり悪く、かなり後ろからの競馬になっているので、そのロスがなければ勝ち馬と互角くらいの競馬が出来た可能性はあります。
 なのでそこを改善するのが第一ですが、質的にもやはり長く脚を使うパターンが噛み合いそうで、こちらも距離は少し伸ばした方が良さそうですね。

 3着のサヴァニャンも正攻法で悪くはないですが、全体的に少しずつ素材として足りなかった感はあります。
 まだ仕上がり途上、というコメントも見たので、使っての上積みはありそうですし、次は確勝級かもですが、勝ち馬に対してはしばらく分が悪そうですね。


posted by clover at 16:57| Comment(0) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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