2020年09月21日

2020 セントライト記念 レース回顧

 打倒コントレイル!を合言葉に、秋の飛躍を目指す馬が集った菊花賞トライアルのセントライト記念は、ナカヤマフェスタ産駒のバビットがマイペースからの二枚腰で後続を振り切り、見事に親子同一重賞制覇を成し遂げました。
 菊花賞に向けてどうなのか、しっかりとレースを振り返っていきましょう。


 今日の中山も、ほぼ雨は降らず良馬場、ただクッション値は9.7と、少し柔らかさが増していました。
 それもあってか、馬場は土日よりさらに少しタフかも?というくらいの時計の出方だったと思います。

 午前中の未勝利2000mが64,3-60,2=2,04,5、7R1勝クラスの1800mが、35,8-36,6-36,5=1,48,9というタイムです。
 直前10RのテイエムオペラオーMも、60,8-61,6=2,02,4と、ペースが上がっても時計にならず、上がりの掛かるパワー優先のタフ馬場だったと判断して良さそうです。
 馬場のバイアスはそこまでなかった感じですが、タフな分だけ簡単に前目から粘り込むのは難しい、というイメージでした。

 その条件の中で、かなりのスローバランスとはいえ2,15,0は、やはり相当に掛かったな、という感じはします。
 もう少し後半のラップ的に違いを見せて欲しかったのはあり、上位勢は安定してそこそこ強い、けれどコントレイル相手にどうこう出来るか?となると、やはり破壊力が足りない感は否めないですかね。

 レース展開は、まずバビットがしっかりとハナを取り切りました。
 番手にココロノトウダイ、ポケットにガロアクリークが入って、その後ろにラインハイト、サペラヴィが続きます。
 中団にサトノフラッグ、その内にダノンファストがいて、ヴァルコスがその後ろ、フィリオアレグロは流れに乗れず後方から、という隊列になっています。

 ラップは、37,2(12,40)-25,4(12,70)-35,4(11,80)-37,0(12,33)=2,15,0(12,27)という推移になっています。
 馬場がタフな中でも、全体のバランスとしては62,6-12,0-60,4とややスローで、注文通りに向こう正面でじわっと引き上げ、更に3~4コーナーからもう一段スパートしていく形になっています。

 見ての通りに第3ブロックとなる、1200-600m地点のラップが圧倒的に速く、12,0-11,8-11,6と、コーナー地点でしっかり加速しているのがわかります。
 ラストは11,9-12,4-12,7とはっきり消耗ラップで、しかし後続もコーナーで脚を削がれて苦しい、というのが見て取れます。ただ前の組も、残り400m地点からもうかなり減速基調なので、そこまで目立つ推移ではありません。

 仕掛け自体は速いのですが、それでも外から捲るのは厳しいラップと言えるでしょう。
 タフな展開ですけど基本前目内目の方が相対的には楽ではあり、プラスタフ馬場との適性、前半のポジショニング性能などの立ち回り・総合力が求められたのかな、と思います。

 勝ったバビットは、しっかりと自分の形に持ち込んで、しぶとさをしっかりと活かし切りましたね。
 コースとメンバー的に、楽にハナを取れる、という中でもしっかり意識的に出していきましたし、そこからペースをコントロールする中で、馬の操縦性の高さは改めて感じました。
 前半は62,6ですからかなりゆったり入れましたし、その分後続をあまり待たず、きっちり3~4コーナーで後続に脚を使わせる展開に持ち込んでいるのも、この馬の特性を考えればいい判断だったでしょう。

 この距離と最後の坂がどうか、と思いましたけど、逆に先に動いたダービー組をきっちり完封してきましたし、思った以上に距離適性の幅は広いな、と感じます。
 勿論さすがに3000mになって、逃げる形でどこまで、というのは出てきます。
 それでもこの馬がいれば、レース自体は締まった内容になりそうですし、坂の下りからのロンスパでしっかり持ち味を引き出せれば、コントレイルに冷や汗をかかせるような、ディープの時のアドマイヤジャパンの様な立ち回りが出来る可能性は感じますね。

 2着のサトノフラッグは、しっかり後半型の競馬の中で、自分から動いて強気に勝ちにいく競馬でしたね。
 ゲートは無難に決めて、中団のストレスが薄い位置でしっかり進められていましたし、3~4コーナーで動かしていく時の反応の良さは、中山適性の高さを感じます。
 ただしっかりと勢いに乗せて入って、ラストは逆に離されているかも?くらいの脚色なので、持久力ラインでも最上位レベルではない、というのは見せてしまっていますね。

 距離は伸びてもやれるタイプだと思いますし、馬群の中からの競馬が出来ないわけではないと思います。
 なので菊花賞では、内枠を引いてもう少し前半のポジショニングに拘りつつ、タイトに立ち回ってくれば、圏内に食い込むチャンスはある一頭かな、と感じます。
 ただ休み明けで結構仕上がっていましたし、マイナス体重でもあったので、ここから大きな上積みがあるか?とはなりますし、やはりコントレイル相手に真っ向勝負では……という感覚にはなってしまいますね。

 3着のガロアクリークも、積極的な競馬からしっかり自分の力は出しているとは思います。
 昨日のリアアメリアに引き続き、川田Jは予想以上に積極的な入りで、スッと2列目ポケットを確保してきましたし、バビットが3~4コーナーで動いていった分、進路取りもかなり楽だったなとは感じます。
 ただ、4コーナーで外から一気に来たサトノフラッグに直線入り口で少し前に出られ、そこから差し返せそうで差し返せない、ジリジリした脚になってしまったのは、やはりここまでタフ馬場になると適性的にはベストではない、というのが出てしまった感は強いです。

 ただ本当に、レースセンスの良さと、動きたいところで動ける機動性は確かなのですよね。
 今年の馬場の作り方の傾向を考えると、いきなり京都だけ超高速馬場、という可能性はあまり高くないでしょう。
 でも3000mでも、そこまでタフではない馬場なら立ち回り次第でこなせる感じはしますし、内枠を引けば侮れないと感じます。
 関東馬で、今回はまだ仕上がり切っていない感じもあったので、サトノフラッグよりは叩いての上積み、可能性の幅は感じるのですけどね。

 4着のラインハイトは、ガロアクリークに1コーナーまでに前に入られて、1列下げてしまったのが結果的に勿体なかったですね。
 この馬もしっかり前に馬を置いて折り合い、コースロスなく立ち回って、という競馬なので、目立った破壊力はありませんが、タフ馬場適性と、距離伸びての良さは感じるレースでした。

 賞金的に菊は厳しいでしょうけど、この着差ならもしも出られるなら、枠次第では、という気はしますね。
 基本菊花賞は枠の比重が大きく、例えコントレイルでも18番を引いたらわからんぞ、という面はあるので、立ち回りの上手な馬はマークしておいて損はしないでしょう。
 長い目で見ても、古馬になってステイヤーコースで走ってくる典型的なハーツだと思いますし、楽しみですね。

 5着のヴァルコスは、休み明けでも仕上がっているように感じましたけど、思った以上にポジションも取れず、道中も動けませんでしたね。
 ゲートもイマイチで最序盤は最後方列でしたし、そこから道中鞍上もかなり促しているようでしたが、反応が芳しくありません。
 青葉賞の時は向こう正面でスッと動けていたのですけど、この馬はダラッとコーナー地点が長いこういうコースで、小器用に機動力を引き出すのは思った以上に苦手だったのかもしれません。

 3~4コーナーでもペースが上がったのもあり、ついていくのがやっと、という感じでした。
 その分流石にラスト200m地点での伸びは一番でしたけど、時すでに遅しですし、そこでももう少し違いを見せられないか?という不満は残る内容でした。
 結局前半1000mまでにポジショニングをもう少し強気に摸索できなかったか?というところもありますが、中山2200mは外枠で出遅れるとそこが難しいのですよね。
 どうしても大味な競馬になってしまいがちなので、ちょっと菊花賞では余程タフ馬場でない限りは序列を下げた方がいいのかな、とは感じる内容でした。

 予想・券種的にも、色々やってしまった感が強すぎて立ち直れませんねこれ……。
 まあヴァルコス本命自体はそこまで後悔はしないのですが、ただ軸としての信頼度を強く置き過ぎたのは判断が甘かったです。

 というより、バビットが来るなら頭、と判断しての馬単で、なんでせめて△まで押さえなかったのか?が恥ずかしいですねこれ。
 ついでに三連複も、厚く狙うのをローズS同様に上位4頭BOXにしておけば、大勝ちとはいかずとも、普通に的中は出来ていました。
 典型的なあと1点、200~300円程度をケチって大損するパターンに嵌ってしまいましたね。
 昨日のローズSと違い、予想の全体像、この馬場での力関係と穴馬の選定まで、かなり見極められていたと思うだけに、これを当てられなかったのは大反省で、非常に勿体なかったなと感じます……。



posted by clover at 16:22| Comment(2) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この秋の中山の馬場は、ちょっとどうしちゃったんだというくらい時計掛かってますねぇ。春の東京から異変が感じられてはいましたが、この時期の中山の良でこれほどとは…。
2、3年前くらいから関東の馬場が異常に高速化したのは、造園課の課長が交代したからという話を聞いたことがありますが、また代わったんでしょうかね?。
秋の東京の馬場をどう作ってくるのか気になります。少なくとも秋天で1.56台とかJCで2.20台は出ない馬場になるんではないでしょうか?

バビットはなかなか面白い馬ですね。ナカヤマフェスタがこの繁殖の質でこれだけやれるなら、ステイゴールド系は何とか生き残れるかもしれませんね。
Posted by I.C.スタッド at 2020年09月22日 16:48
>I.C.スタッド様

 いつもコメントありがとうございますー。

 本当に野芝オンリーでこのタフさは想定外ですよね。
 クッション値公表の流れで、流石に去年ほどの異次元高速馬場はやらないのでは?と思っていましたけど、それにしても極端から極端に走り過ぎです。
 私はあまりデータは重視しないタイプですけど、今年の春の府中や、この秋の中山の、活躍馬の血統傾向が数字的にどうなっているか?は気になりますね。

 造園課の内情はわかりませんが、その流れですと、秋の府中もアーモンドアイ忖度馬場にはならない可能性が高そうです。
 それを克服して勝ってこそ、GⅠ8勝の価値も増すとは思うので、それはそれでいいのですけど、予想的には本当に色々難儀ですね。

 バビットは中々個性的な逃げ馬に育ちそうで楽しみですね。
 ステゴ系は比較的日本の馬場であれば、幅広く対応できるのが強みですし、今後パワー馬場が主流になっていくなら尚更に、血統価値は上がっていきそうです。
 なんだかんだで、オルフェーヴル産駒から凱旋門賞で走れるレベルの馬が出て、サイアーラインが繋がってくれるのがベストですかねぇ。
Posted by clover at 2020年09月22日 17:24
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