2020年09月20日

2020 ローズS レース回顧

 大型連休の中日開催となった今年のローズSは、リアアメリアが番手からスッと抜け出して完勝、春のイメージを完全に覆す成長ぶりを見せてきましたね。
 レースを振り返っていきましょう。


 今日の中京は、心配された雨の影響はほぼ皆無、クッション値も10,6と、前日に引き続き時計の出る良馬場でした。

 7Rの1勝クラスマイル戦が46,8-46,7=1,33,5、9Rの小牧特別が60,7-12,3-58,9=2,11,9と、やはり全体的に好時計は出ています。
 10Rの納屋橋特別も、46,0-46,8とハイペースとはいえ1,32,8なので、普通に高速馬場と判断していいでしょう。

 ただ、今日の芝レースは、後半になるにつれて、内の馬場の痛みが目に付くようになっていました。
 午前中はまだ前目内目、というイメージだったのですけど、9Rあたりからは馬場の真ん中を選んだ馬が上位に来る感じになっていて、少しバイアスに偏りがあったかもしれません。ただこのレースはインから2頭なので、何とも言い難いですね。
 そういう馬場条件の中で、1,59,9という時計は、スローバランスとはいえちょっと物足りない感はありますかね。ラップ的には明確に小牧特別のほうが上かなぁ、という印象です。

 レース展開は、まずエレナアヴァンティがスピードの違いでハナにいきます。
 番手につけたのがビックリのリアアメリアで、その後ろにアブレイズ、シャムロックヒル、ウーマンズハートが続き、クラヴァシュドールが中団外目、フィオリキアリ、オーマイダーリンは中団イン、という位置で追走していきます。
 リリーピュアハートはやや後方外目、ムジカは後方寄りのやや内目にいて、フアナは少しスタートが悪く後方内目、デゼルもやはりゲートで出負けして更に後方から、というレースでした。

 ラップは35,7(11,90)-49,7(12,43)-34,5(11,50)=1,59,9(11,99)という推移になっています。
 ハーフでは60,9-59,0と2秒近いスローで、後半ある程度分散しているとはいえ、馬場に対してはさほど引き上がっておらず、結果的に坂加速地点での反応が相当に高く問われるレースになりました。

 ラスト4Fは12,1-11,6-11,3-11,6なので、コーナー外のロスもそこまで大きくないとは思います。
 ただやはり後ろから、外からとなると、レースラップ以上の加速と切れは問われているわけで、その点ではやはり内目でじっくり、そこから加速が出来た馬が、という面は強そうです。
 正直このラップなら、もう少し外からでも肉薄できる馬がいると思えるのですけど、やはり愛知杯もそうですが、中京2000mは牝馬にとってタフなコース、ではあるのでしょうね。

 勝ったリアアメリアは、それにしてもこの競馬は、春の暴れっぷりからは中々想像できない、実に大人びた内容でしたね。
 最内でコースロスなく立ち回りたい、というのは当然ですが、それでもこの馬でいいスタートを決めて、あんなに楽に前を取ってきたのは、馬の成長と、それをしっかり感じ取っていた鞍上のコンタクトの良さを感じます。
 春に比べて、前にはっきり馬を置かずとも折り合いをつけられていましたし、動きたいところでスッと動けていたのは印象的でした。

 元々坂地点から一気に、というのはそこまで得意ではないと思っていたのですが、その点も上手くクリアしてきました。
 4コーナーから早めに進出して一気に先頭、勢いに乗せて坂を一気に超えていく、という組み立ても、強気な川田Jらしい正攻法でしたね。
 馬も春よりはっきり要所の反応が良くなっていますし、このコースと展開の中でははっきり強かったなと思います。ただやはり持ち味としては、加速地点よりも、ラストの11,6の持続にある、というのは、この馬らしい勝ち方とは言えるでしょう。

 スローバランスではありますが、一応テンの3Fはそこまで遅くない中で、前目の競馬が出来たのも収穫とは言えます。
 ただ元々春は追走面でも課題はあった馬なので、ポジションが取れるから、と、本番も前目に入って、オーバーペースにならないか?は気になるところです。

 後はやはり、前哨戦の中内田厩舎だけに、このテンションと状態をどこまで維持・コントロールできるか、ですね。
 馬場も渋ってしまうと怪しいですし、強さは見せましたが嵌った面も強いので、本番抜けた2番人気になるなら個人的にはあまり重用はしたくないかも?という感覚ではあります。

 2着のムジカは、流石にエピファ産駒贔屓の私でも押さえられませんでしたね……。
 コースは合うと思っていたので、雨が降ってタフな馬場になれば印を打つことも検討していたのですが、良馬場の上がり勝負でここまでやれるとは思っていませんでした。

 道中は秋山Jらしく、出来る限りロスなくタイトに立ち回って、4コーナーも中目から、上手くまっすぐ前に進路を見出せていました。
 この段階加速の中で、あの位置からノーブレーキで進路確保出来たのは幸運とは言え、それでも最後の持続面で一番、と言ってもいいレベルの走りを見せてきたのは、いくら堅実な馬とは言え驚きです。

 小牧特別もエピファ産駒のアリストテレスがしぶとく坂上で差し返して、でしたし、タフ寄りの中京コースで、スタミナと最後の踏ん張りが求められる競馬は、血統的にもフィットしていたのかもしれません。
 流石に本番は、まともな馬場なら57~8秒決着で、総合スピードで足りないとは思います。
 ただ馬場が渋ったり、例年以上にタフだったりしたら、追走面は意外と持っている馬ですし、あながち馬鹿に出来ないかもしれませんね。

 3着のオーマイダーリンも、連闘でしたが最後は鋭く伸びてきましたね。
 元々なんでマイルに拘っているのか?という感じはあった馬でしたし、距離延長は好感を持って見ていましたけど、それでもいきなりここで、ここまで走れたのは、馬の充実と、リアアメリア以外の実績馬のだらしなさがセットになっているかな、と思います。

 スタートははっきり悪かったですけど、その分開き直ってすぐインに潜り込み、コーナーワークで中団まで取り切ってきたのは好判断でした。
 そのままコーナーもずっと最内で我慢し、潰れた逃げ馬を避けてからもきっちりインを通して、スパッと坂での鋭い加速を見せてきたのは、和田Jらしい思い切りの良さだったと思います。
 ただ馬場もあったかもですけど、最後の持続では少し甘くなっていて、この距離は悪くないけと1800mがベスト、という印象でもあります。

 総合スピードはある馬なので、高速京都で淡々と流れて、インでタイトに立ち回って、という競馬で、再度の着拾いはあっても、とは思います。
 でも連闘明けになりますし、流石に現実的には苦しいでしょうね。

 4着のデゼルも、この馬の競馬は出来ていますが、いかんせんペースと展開が噛み合わなかったですね。
 ラップ的にはほぼ3F戦と言ってよく、この形で出負けして後ろから、道中も外々で、コーナーでもロスは大きい競馬は、流石に大味すぎたとは感じます。
 それでも坂地点の反応や、最後の持続面は流石、というものを見せましたけど、うーん、この時計ならせめて2着には届いてくれないと、という感触にはなります。

 賞金的に出られるのかはともかく、京都の2000mはより総合力やポジショニングが問われるので、この馬のスタイルではまず厳しいでしょう。
 素直に回避して、適性のある舞台でコツコツと、来年に向けて積み上げていって欲しいタイプですね。

 5着のクラヴァシュドールも、馬体は回復していましたけど、正直春からの成長をあまり感じませんでしたね。
 枠なりに中団外目で、直線もスムーズに追い出せていますし、坂地点での反応はそこまで悪くありませんでした。
 けれどそこからの持続面ではっきり見劣っていますし、この少しパワー寄りの馬場では、2000mも少し長かった感はあります。

 どうしても3歳秋のハーツ産駒って伸び悩む傾向も強いですし、本番もそこそこは走るけれど……というイメージにはなってしまいます。
 むしろ今は、馬場が少し渋って追走が問われて、かつ仕掛けが遅い、トリッキーな競馬の方が出番はあるかもしれません。
 内枠を引ければ少し考えたいですが、現状本番での序列は下げざるを得ませんね。

 リリーピュアハートは、ゲートこそ出ましたけど、やっぱり単純に2000mは短い印象ですね。
 フアナも、一戦使った反動もあったのか、今日はゲートから活力が薄かったですし、ルメールJの立ち回りも後手後手だったなと思います。
 直線も進路を作れないまま不完全燃焼という感じで、まだこの馬も素質に体力が追い付いていなかったのかな、と感じました。

 予想・券種的には、うん、これは取れません。。。
 実際のところ、そこまで馬場やペース読みがズレていたわけではないのですが、全体のポジション予想や立ち回り、そして潜在的な適性の予想がかなり見込みと違ってしまいました。

 それは反省材料なのですけど、同時に中京2000mの特殊さも感じさせるところで、その意味では例年よりこのレース、本番にはつながらないかも、という感覚はあります。
 正直時計的にも微妙ですし、改めてリアアメリアって、予想以上にステイヤー寄りの適性っぽいのですよね。そう考えるとやっぱり、前半を質的に問われた時の秋華賞は少し怖いな、と思う次第です。



posted by clover at 16:23| Comment(2) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
春の実績馬重視でクラヴァシュドールに注目していましたが、リアアメリアの方でしたか~。ただ、そこまでのパフォーマンスではないし、この厩舎でこの流れは本番は危険。

そう思っていたんですが、もしかしたら小牧特別の上位3頭がかなり強かったかもと思い始めました。そうであれば前哨戦使った組では抜けて強いパフォーマンスだし、
位置を取りに行けることが証明されたこと、スマイルカナが本番に出ないことを考えるとこれが本命で良いんじゃないかと今日は考えたりしています。

でも本番でパフォーマンス下げそうなんだよなぁ…
Posted by I.C.スタッド at 2020年09月22日 16:10
>I.C.スタッド様

 いつもコメントありがとうございますー。

 確かに小牧特別の評価は、難しい面があるのですよね。

 単純にダブルフラットを物差しにするなら、あのクラスのレベルではない、と受け取る事も出来ます。
 ただ、ダブルフラットがこの馬本来の先行策を取れていない事、長期休養明けで激走後の二走ボケがなかったか?という懸念もあるのですよね。

 その上で、明らかに上位3頭は、ステイヤー型の競馬で良さが増したのは確かです。
 元々その傾向は強くて、春シーズンは実際にクラシック路線で権利を取れないレベルの馬でしたから、適性面で噛み合った分は見込んでおきたいところです。

 そのあたりを踏まえて言うなら、結局リアアメリア自身も、ステイヤー型の適性面を求められてパフォーマンスを上げてきた、というイメージは強いんですよね。
 これが例年通り、阪神1800mであの競馬をして、ならいいのですが、難しいところです。

 少なくとも秋華賞が、ステイヤー適性が問われるレースになりやすいか?と言われれば、私は違うとは思っています。
 前哨戦向けの厩舎、というのも含めて、やっぱり私はこのレースだけで本番信じたくないんですけどねぇ……。

 春までに、追走面で良さを見せていないのもネックになるとは思います。
 60-58くらいのスローになってしまえばわかりませんが、メンバー構成と枠の並びを見てしっかり考えたいですね。
Posted by clover at 2020年09月22日 16:45
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