2020年09月18日

2020 9月第2週海外GⅠ レース回顧(PartⅡ)

 では今日は予定通りに、月曜日に書き切れなかった海外GⅠをサクッと回顧していきましょう。



まずはオーストラリア、フレミントン競馬場でのマイルGⅠ・マカイビーディーヴァSです。
 勝ったのはケイアイノーテックの全兄でお馴染み、フィアースインパクトでしたね。これでGⅠ3勝目となり、海外ディープ産駒のGⅠ最多記録となったのではないでしょうか。

 レースラップはこんな感じです。
 良馬場の中で超スロー、大体バランスとして51,1-45,2=1,36,33ですから、GⅠとしては異色なくらいの後半特化戦ですね。
 上がり3Fは33秒前半というヨーイドンからの持続戦で、いかにもディープ産駒の勝ち馬にはフィットしそうな展開です。

 フィアースインパクトは道中は先団の中目、直線もインからスルッと抜けてくる競馬でした。
 2着のラシアンキャメロットがずっと外々だったのと比較すると楽な競馬だったかな、とは思います。
 勿論力はあるのですが、展開が噛み合ったのも間違いないので、現時点での総合力・底力という視座では、2着馬の方が上かも、とは思うレース内容でした。



 イギリスとは違い、古馬混合戦の愛セントレジャーですが、ここはサーチフォーアソングが中団外目から差し切って、見事に連覇を達成しました。
 3歳時の去年は、キューガーデンズなどの強豪を尻目にまんまの逃げ切りでしたが、今年は差す競馬で快勝と、この舞台に高い適性を見せていますね。

 キングジョージで2着したソヴリンが人気で、この馬が逃げてレースを作っていました。
 ただ馬群はずっとひと塊で、前にプレッシャーがかかる展開であり、その流れにうまく勝ち馬は乗っていたかな、と思います。
 勝ち時計の3,06,50は、この開催は良でも全体的に時計が掛かっていたようですし、長距離は振れ幅も大きいのでまあ評価は難しいところです。

 でも改めて長距離路線での安定感と強さは見せてきました。
 ストラディバリウスが凱旋門賞に駒を進めるなら、チャンピオンズディのロングディスタンスCなどを狙っても、いい勝負が出来そうですね。

 ソヴリンは逆に、楽に逃げていたように見えて最後は一気に失速と、やや距離の壁は感じる走りでした。
 この馬がこのレベルでイマイチ、となると、改めてキングジョージはどうだったのか?という事にもなりますね。
 まあエネイブルは今更に、他との比較でどうこう、という馬ではないとも言えますけれども、やっぱり少し気掛かりな材料にはなると思います。



 去年はラブが制した、2歳7FのGⅠですね。
 今更ながら私の眼は節穴だったというべきか、あの時点でラブがここまで強い馬とは露とも思わなかったものです。
 実際にナショナルSとの比較で、ピナトゥボが異次元のレースを披露したのに比べて地味、という回顧をしたと思いますが、今は完全に立場が逆転していますからねぇ。
 無論ピナトゥボもいい馬なんですけど、結果論的にラブは、この辺りの距離では絶対能力だけでなんとかしていた、という話になってくるのでしょう。

 ともあれ、なんだかんだとコンスタントに強い馬を輩出する出世レースでもあります。
 今年勝ったのはガリレオ産駒のシェールでした。
 この馬と2着のプリティゴージャスは、3戦続けて1400mの重賞でワンツーを決めており、今のところ英愛の2歳牝馬の中では頭一つ抜け出しているのかな、と感じます。

 レース自体は、先団から先に抜け出したシェールを、ピッタリマークしていたプリティゴージャスが追い詰めるも届かず、という内容でした。
 時計は良馬場で1,27,19なので、前年に比べてもかなり遅いです。
 ただ愛セントレジャーで触れたように、今年のカラの馬場は、良でもかなりタフな印象を受けます。
 そもそも同日の、この後に紹介するナショナルSが1,28,53ですから、そことの比較ではむしろ優秀です。
 まあ去年の轍もありますし、2歳戦は時計以上にスケール感をしっかり嗅ぎ取れるかどうか、となるのでしょうね。



このレースを制したのは、新馬上がりのゾファニー産駒・サンダームーンでしたね。
 時計的には上でも触れたように1,28,53とかなり遅く、より後半特化のレースだったろうと推察できます。

 道中も馬群がひと塊で、勝ち馬は2列目のインにいましたが、直線中々進路が見つけられません。
 でも残り300mでなんとか馬群を捌くと、そこから目の覚めるような瞬発力でインから抜け出してきました。
 2~3着馬が、外から早めに勢いに乗せて抜けてきた馬、と考えると、着差以上に強い内容だったと言えるでしょう。
 血統的にマイルまでかな、という感じはありますが、センスのいい勝ちっぷりだったので、来年のギニー戦線で楽しめそうな馬ですね。

 ラッキーヴェガあたりは、勝ち馬以上に前が詰まって厳しかったとはいえ、前走の鮮やかさを考えると最後の脚はちょっと物足りないですね。
 そのあたりは距離が伸びた影響もあるかもですし、もう少し頑張って欲しいところではありました。



 ドイツでの、凱旋門賞に向けての前哨戦ともなる伝統の一戦・バーデン大賞は、イギリスから遠征したゴドルフィンのバーニーロイが早め先頭から押し切りました。
 バーニーロイも最近はすっかりドサ回りが板についてしまいましたが、何気に2400mはキャリアで初めてで、それでいながら横綱相撲で勝ち切ってきたのは中々いい印象です。
 今まではむしろマイルから2000mまでに限定されていましたけど、折り合いになんら不安がなさそうなタイプですし、むしろ歳を取った今はこの位の距離の方が競馬がしやすいのかもしれませんね。

 まあ流石に、去年のガイヤースほどのインパクトはなかったのは確かです。
 バーニーロイもいい馬ですけど、流石にこの余勢を駆って凱旋門賞、となると敷居が高そうで、基本的にはBCターフあたりがターゲットになってくるのではないでしょうか。



 おまけで、日本人の福元Jが初挑戦・初勝利の偉業を達成した、カナダ版ダービーのクイーンズプレートも見てみましょう。
 ウッドバインはカナダの競馬場としては特に有名なコースだと思いますが、実は正直イマイチコース形態がわかってません。。。
 このレースはオールウェザーコースですけど、内にも外にも芝コースが見えて、とりあえずかなり広いコースなのは感じられますね。

 ともあれ勝ち馬はマイティハート、日本でも隻眼の競走馬として取り上げられていましたね。
 ラップ的には前半800mまでがそこそこ速く、そこから中盤緩めて、ラスト2Fは24,44と多少加速している、前傾型の総合力戦、という感じです。
 それを逃げて圧勝は、このメンバーの中では強いの一言ですし、思い切った競馬をした事で馬の力をきっちり発揮したバランスのいい騎乗だったように感じます。

 カナダで頑張る日本人騎手と言うと、木村Jの方が有名だったと思いますが、この勝利で一躍注目を浴びる事になりそうです。
 色々状況が絡んだとはいえ、鞭一本で海を渡って頑張っている日本人はやはりすごいな、と思いますし、いつか日本でも凱旋騎乗の機会があればいいな、と思います。
 というか、当該国での成績目標をクリアすれば、日本人でも短期免許って取れるんですかね?カナダですと流石に、リーディングトップにならないと条件を満たさなそうですけど。






posted by clover at 16:33| Comment(0) | レース回顧・海外競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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