2020年08月05日

降級制度廃止の功罪と、クラス間の力関係の変化について考える

★はじめに

 降級制度が廃止されてから、はやくも一年余りが経過しています。
 その間に、この制度導入の是非や功罪などは、様々な切り口で語られてきたと思います。
 今日はその辺りを私なりにサラッとまとめつつ、その結果として各クラスのレースレベルや力関係はどのように変遷したのか?を、あくまでイメージ的に、ですが考えてみようと思います。

 珍しく真面目な雑談記事ですけど、なるべく簡潔にまとめる努力はするので、お付き合いいただけると幸いです。


★そもそも何のために、降級制度は廃止されたのか?

 JRAの建前論としては、より上級条件のレースを充実させ、魅力ある競争を提供する、という美辞麗句でまとめられています。
 が、本質的な目的は、下級条件の除外多発問題の緩和と、競走馬1頭あたりの出走機会の向上を図る事になるでしょう。

 この観点に関しては、こちらのブログで、非常に詳しく、論理的な説明がなされていますので、お時間ありましたら目を通してみると勉強になると思います。超長いですけど。。。


 今回の記事の為に必要な主意のみ抜粋しますと……

①そもそもJRAの競走馬資源は過剰である
②その原因の最たるものは、1999年の委託馬予備登録枠拡大である
③有限なレース資源に対し、登録頭数が増えすぎた事で目詰まりを起こし、除外ラッシュが深刻化した
④結果として、年間の延べ出走頭数は増加し、逆に1頭当たりの出走回数は減少した
⑤降級制度はクラス別在籍数を下振れさせるため、主に下級条件で出走できない問題が頻発するので、降級制度を配して除外を平準化しようと試みた⇐今ココ

 という感じでしょうか。

 もう少し説明を加えていきます。
 JRAの競馬開催の日数、レース数は競馬法できっちりと定められており、当然その枠を超過しての開催は認められません。
 その数字は年間288日、3456レースです。
 芝とダートのレースが半々、また一定ローカル開催もあると考えて、ざっくり1レースあたりの平均最大出走数を16頭と仮定します。
 その全てのレースがフルゲートで施行出来たとすれば、出走できる馬の延べ頭数は、3456×16で、55296頭になります。

 当然ですが、施行条件にも頭数が集まるものとそうでないものがあり、今の体系を維持するなら、実際的には50000頭前後が妥当なラインのようです。
 実際ここ3年の出走頭数は47000~49000の範囲で進捗しています。
 この動かしようのないパイに対して、どのくらいの馬が出走機会を奪い合うか、と言うと、現状は延べ11000頭前後で推移しているようです。
 つまり単純平均で、1頭あたり4.5走弱、基本一年で5回は使えない、という事になります。
 年間で走るレース数が少なくなっている問題は、決してエリートトップホースの特権ではなく、下級条件の馬の切実な悩みでもあるのですね。

 ちなみにこの数字が、1999年以前までは8000~9000頭で済んでいたために、平均出走も5.5走くらい、今のように除外問題も深刻になっていませんでした。
 その現状を変えたのが、委託馬予備登録枠の拡大と、その制度を上手く利用した外厩制度の発展になります。

 そもそも予備登録枠とはなんぞや?という点も詳しく見ていきましょう。
 調教師は開業すると一定の馬房を与えられ、そしてメリットシステムなどにより、厩舎の成績に合わせてその数も上下していきます。
 ただ、管理する全ての馬を馬房に置いておけるほど、トレセンの馬房数は潤沢ではありません。
 なので必要に応じて、馬房数を逸脱しないなら馬の入れ替えをしていいよ、というルールになっており、それを可能にするための予備登録枠、という解釈でいいと思います。

 そもそも1999年の時点では、まだメリットシステムもなく、開業から一定期間経てば必ず20馬房を一律で使えるという、競争原理の少ない横並びの環境でした。
 予備枠も一律14頭まで、だったようですが、それだと人気のある厩舎に預けたくても預けられない、という馬主さんも沢山出てきます。
 この時期は地方競馬が衰退の一途を辿っている時でもあり、賞金面で魅力の高い中央競馬に預けたい、という馬主さんが増えていたので、その需要に応えるための制度改革だったようです。

 ただ、その枠を一気に馬房数の3倍、最大60頭まで拡大した事で、その翌年から中央登録馬が急激に増えることになります。
 新規登録(つまり新馬)だけでも1000頭以上、馬の入れ替えや地方からの転入など含めると、延べで年間2000頭以上の馬が、中央の美味しい賞金が得られるレース、というパイに群がってきたわけです。

 それでも、馬房数が限られている中では、入れ替えられる手駒にも限界がある、という部分を崩したのが、メリットシステムと外厩制度の発展でした。
 メリットシステムによって、優秀な厩舎は最大28馬房まで拡大する事が可能になり、当然それに比例して予備枠も増えていきます。
 JRAも2013年あたりに、その予備枠の比率を2.5倍まで下げて対処しようとしましたが、それは焼け石に水程度の効果しかなかったようです。

 10日競馬、というセンテンスを現代の競馬ファンは聞き慣れていると思います。
 要するにこれは、トレセンに入厩してから10日経たないとレースには使っちゃダメだよ、というルールです。
 けれど裏を返せば、在厩10日で馬が仕上がれば、問題なく10日スパンでの入れ替えも可能になる、という事でもありました。
 それを上手く活用したのが、近年大流行の外厩制度であり、結果的に調教師は、馬房のマネジメントを上手く行えば、今までより更に多数の馬を抱え込み、破綻させずに経営する事が可能になったのですね。

 実際にJRA公式で、トップ厩舎の在籍馬数を見てみれば、ほとんどが60頭以上、場合によっては70頭を超える馬を管理しています。
 最大馬房数28×2,5で70がマックスにも思うので、それ以上はどういう絡繰りがあるのかよくわかりません。
 ただひとつ言えるのは、厩舎経営に競争原理を持ち込み、実際に格差がついても、全体的な馬の在籍数は減るどころか、むしろ増えてしまっている、というのが現状だという事です。

 少し話はズレますが、この現代的なレース出走システムに対しての提言を、矢作調教師がサンスポのコラム記事で語っていました。


 この記事を要約すれば、まず出走頭数が増えるのはお客様=馬主の意向もあるのでやむを得ない、としています。
 その上で、競走馬を使いたいレースに使うために、馬の入れ替えの検疫システムを拡大してくれ、そうすれば全体の出走数の上積みは可能だ、というのが、調教師の立場から考える改善策のひとつのようです。

 それは確かにもっともにも聞こえますが、でも現状、そもそもパイが足りない中で、出走可能な馬を増やすことは、シンプルに除外の拡大になりかねない、という懸念も出てきます。
 矢作調教師みたいに、敢えて頭数が少なそうなレースに、やや適性外でも出走させて、食い扶持だけでも稼いでこい!みたいな昔気質の選択をするならば、それはメリットであるかもしれません。

 けど逆に、出来るだけレース数を絞って、勝てるレースを確実に勝つ、という馬の使い方をする調教師も増えています。
 そういう調教師がターゲットにするレースが、全体でも馬の集まりやすい条件であれば……というのがネックにはなるでしょう。
 穿って見れば、敢えて検疫を調整弁にする事で、馬房の回転数を制限し、全体の出走数も抑え込む意図があって、その要望を聞き流している面はあるのかもですね。
 まるでPCR検査の拡大を積極的に実施せず、判明する陽性者数を抑え込みにかかる日本政府のようで、そこはやはり根っこがお役所仕事、という事でしょうか。。。

 ともあれ確実な事は、現在の延べ出走頭数が維持される限り、レース体系のどこかで除外は発生する、という身も蓋もない現実です。
 我々一般ファンは、新馬で除外ラッシュなら新馬を増やせだの、ダート路線を整備しろだの好き勝手言えますが、実際にひとつレースを増やせば、別の条件のレースが一つ削られるわけです。
 するとそこに歪が生まれて、除外となって露呈するわけですね。

 これを抜本的に解決するとすれば、ひとつは競馬法自体の改正ですけど、それが簡単に出来るわけがないのは小学生でもわかります。
 この危難の時に、特措法の改正すらフレキシブルに出来ない政治家に、完全に不要不急な競馬法の改正を、競馬資源の有効活用の為に実施してくれなんて、誰も聞く耳持たないでしょうからねぇ。。。

 もう一つは、レース体系の大きな改変になります。
 これは単純に、今フルゲートにならないレースを削って、除外多発するレースを増やせばいい、という単純な考え方です。
 ですがこれは結局のところ、芝中長距離路線が槍玉に上がる話でもあります。

 JRAとしても、なんだかんだで一番売れるのは芝中長距離のGⅠであり、その路線にスターホースがいる事が競馬人気にとって大きなメリットである事は重々承知ではあるでしょう。
 なので、その路線の削減は、それだけドル箱を手放す可能性を高めるリスクも内包しています。
 その意味でおそらく、なんやかやと言われようと、ここの抜本的な改革は最終手段、背に腹は代えられない、という状況に至るまではない、と思いたいですね。

 なので結局、今ある資源をいかに効率的に活用するか、という対症療法しかやりようがない、という帰結に至ります。
 その為の手段として近年次々に取り入れられているのが、未勝利馬の出走制限(スリーアウト制)や、再転入の敷居を上げる事、ローカル開催の縮減も、経費削減と合わせて出走枠の確保、という意味合いもあったと思います。
 そして今回の主題である降級制度の廃止に、先を見れば来年以降の新馬戦の早期廃止も、この文脈の中で理解できる話になります。
 畢竟、これらの政策は一貫して、少しでも一頭あたりの出走回数を増やし、出走期間も平準化させて、CS(顧客満足)を高めるためのものだと考えられます。

 それはまあ、馬主である以上、健康に問題のない愛馬には、例え実力的には振るわなくても、出来る限りレースで走って欲しいと考えるでしょう。
 ただ現状、下級条件には明確な出走制限があり(その点は後述します)、優先出走権を取れない弱い馬は、出走機会を得るのも難しくなってしまっています。
 それに輪をかけて、下級条件ばかりで除外が乱発すれば、ただでさえ少ない出走機会を更に減少させることになります。
 それは零細馬主にとっては面白くない話でしょうし、そういう裾野の顧客を逃さないためにも、除外問題のテコ入れは必要だったという事になるでしょうか。


★降級制度廃止で、除外問題はどう変化した?

 この答えも、最初のリンク先の記事でデータ付きで示されていますので、詳しくはそちらを見て頂ければ、と思います。
 結論だけ言うなら、1~3勝クラスでの除外は平均化され、1勝クラスに限って言えば状況が改善された、という事になるようです。
 裏を返せば、そのシワ寄せが上のクラス、特に3勝クラスに降りかかっているのが今現在、という事です。

 単純に総合バランスで言えば、それは狙い通りなのかもしれません。
 ただここに、各クラスごとに差異のある出走馬決定方法などの問題も絡み、結果としてクラス間格差を生み出している、と私は感じています。

 先に結論から言えば、2勝クラスと3勝クラスのレベル差が拡大し、3勝クラスとOP・リステッド・一部のGⅢあたりまでのレベル差は縮んだと見ています。
 同時に、GⅢレベルとGⅠレベルの格差も広がっている気がしますね。
 その理由がどのあたりにあるか、というのを、私なりの解釈で見ていきましょう。


★そもそも出走馬ってどうやって決まるの?

 毎週のように除外除外、と耳にしていても、実際にどういうルールがあり、どういう順序の中でそれが発生しているのか、というのを熟知している競馬ファンはそこまで多くないでしょう。
 ぶっちゃけ私も、今回の記事を書くのに少し勉強するまで、朧気にはわかっていても、実は知っているつもりでしかなかった、というのが身に沁みました。

 勿論原本はJRA公式ホームページで確認できるのですが、流石のお役所文書で分かりにくい事この上ないです。
 なので、またまた人様のブログで大変恐縮ですけど、とても綺麗にまとめて下さっている記事を引用させていただきます。


 物凄くざっくりと要旨をまとめますと……

①未勝利・1勝クラスはまず自ブロック馬(関東なら関東、関西なら関西)優先、その上で前のレースで5着以内に優先出走権。除外権利なし。
②2勝クラスは東西の垣根なく、前のレースで3着以内に優先出走権、やっぱり除外権利なし。
③新馬・3勝クラスはまず無作為抽選で5頭出走、そこからは除外権利持ち(前走非当選となった馬)が優先で出走。
④OP・重賞は獲得賞金順、レーティングなどもあり。
⑤ハンデ戦は、上から重い順に3頭は優先出走権あり。

 うん、まとめてもこれはこれでわかりにくいですね。。。
 もっと明快に言えば、未勝利から2勝クラスまでは、常に上位に入れる強い馬は安定してレースに使えるけれど、弱い馬は中々レースに出られない、という格差社会になっています。
 勿論OP・重賞も獲得賞金が主なので、基本的には稼いだもの勝ちの序列社会です。

 一方で、新馬と3勝クラスだけは、雇用機会均等的なルールが設けられていますね。
 除外権利は、一度抽選で外れると獲得できて、その除外から二カ月以内に次のレースに特別登録すれば、優先的に出走できるというシステムのようです。
 ただ、それを画一的に全ての馬に適応してしまうと、権利取りの為だけの登録が横行するため、最初に無作為抽選での5頭の出走枠が用意されています。
 新馬などで、とりあえず登録したら通ってしまったから、みたいなコメントをたまに見ますが、あれはこの制度の影響だったわけですね。

 新馬の場合は、単純に除外が多過ぎる問題はあるにせよ、システムそのものはこれでいいのでしょう。
 少なくとも競馬に行っての能力差は走らせてみないとわかりません。
 その機会をある程度均質になるように仕向けるのは、可能性を探る上では大切ですから、シンプルに除外さえ少なくなれば状況も改善はするでしょう。

 もっとも、その為の新設レース分をどこから引っこ抜いてくるかが大問題ではあります。
 今年は去年削減したスーパー未勝利枠の大半を1勝クラスに振り分けて、結果こっちがスカスカ、新馬は除外ラッシュだった事を踏まえてバランス取ってくるとは思いますが、それも秋口の一過性の話ですから、根本的な解決にはならないでしょうしね。


★それが組み合わさって、クラス毎のレベル差にどう影響している?

 それはそれとして、現状3勝クラスがこのルールのままでいいのか?という話にはなってきます。
 繰り返しますが、降級制度廃止は、所属馬のクラスカーストの下膨れを是正するための施策です。
 つまり能力の是非はともかく、以前より1勝クラスの所属馬は大幅に減り、それが2勝>3勝>OPの割合で振り分けられた、と考えていいわけです。要するに、3勝クラスも所属頭数は単純に増えているわけですね。

 無論出走頭数の増加を見越して、去年の時点で2~3勝クラス、OPクラスのレースの拡充は進められています。
 が、3勝クラスは割合として一番低く、現状一番目詰まりを起こしやすいクラスになっています。
 ここ最近のレース結果をザーッと見ても、明らかに除外馬が多いな、と感じるのは3勝クラスのレースが殆どです。

 2勝クラスは一番頭数自体は増えたのですけど、その分レース数も増えて、またこのクラスには優先出走権があります。
 つまり強い馬であればローテーションにはさほど困らず、勝ち抜けるのに以前より苦労する、というわけではないイメージです。
 当然1勝クラスはもっと簡単で、若い3歳世代が1~2勝クラスを席巻するのも、今のシステムからすればそれは当然の帰結となります。

 しかし3勝クラスに優先出走権はなく、除外権利しかありません。
 なので、前走僅差2着の馬も、タイムオーバーギリギリの馬も、次走同じレースにエントリーすれば、出走可能確率は同等になってしまうわけです。
 もしも権利持ちの馬が大挙して登録してくれば、それこそ最初の無作為抽選で拾われなければ出られない、なんて事も有り得ます。実際に新馬は去年そういう状況でした。
 つまり、3勝クラスで除外が増えるというのは、そのまま3勝クラス在籍馬の出走機会が少なくなる、と同義なのですね。

 どれだけ強い馬でも、適性というものがあります。
 中央の大箱1800mがベストの差し馬に、小回り1700mで勝ち切れというのも酷な話です。
 でも今の番組と、下手すると2回に1回しか望むレースに出られないような除外状況が合わされば、不本意でも適性外のレースに出るしかない状況も多発するでしょう。
 要するに今の3勝クラスは、強い馬なら順当に勝ち抜ける2勝クラスまでとは違い、勝ち抜くための戦略や運も必要になってくるイメージなのですよね。

 そうなると当然ですが、強い馬でもクラスにソコソコ長くとどまる事になり、クラス全体のレベルは高くなるでしょう。
 元々のOPからの降級馬がいないじゃないか、というかもですが、下級クラスと違い、3勝クラスへの降級馬って、特殊な条件で賞金を稼いだ馬がそこそこ多かったと思うのですよね。

 例えば2歳の早い時期に重賞を勝っていたり、或いは格上挑戦でハンデ重賞に出て、ひょっこり2着に入ってしまったり、実力とはまた少し違う要素でクラスアップしていた馬もかなり含まれていたわけです。
 勿論そうでない馬もいましたけど、単純に降級馬のアドバンテージ、という観点でも、2勝クラスまではともかく、3勝クラスではあまり武器になっていなかったのではないでしょうか。

 逆に言うと、今のOPクラスには、本来3勝クラスでも足りない、けど賞金だけは持っている馬もそれなりにいる、という事です。
 それはシンプルにOPクラス全体のレベルを押し下げる要因にはなっていると思います。
 実際に、例えばこの前の函館記念とか、とても重賞とは思えないメンバーでしたし、レース次第とはいえ、レベルの地盤沈下は避けられない状況ではあるでしょう。
 だからこそ、3勝クラスをしっかりした競馬で勝ち上がってきた馬は、以前よりも楽にOPやGⅢで通用するようになるかな、と感じています。新潟記念など典型的なレースでしたよね。

 同時に2勝クラスと3勝クラスのレベル差は広がっている筈で、なのでここをノーブレーキで突破できるような馬は、少なくともOPや、レベルの低いGⅢなら即通用すると判断していいはずです。
 けれど、最上位のGⅠクラスは特に大きくレベルが落ちている事もないでしょうから(古馬牡馬路線はかなり微妙ですが)、そういう相手と戦うとなると流石に簡単ではないでしょう。

 新潟記念勝ち馬のトーセンスーリヤも、宝塚で健闘はしましたけど、それでも太刀打ちできたとは言い難いです。
 後はロードレガリスにスワーヴアラミスあたりは、手薄なOP・GⅢなら楽に突破できましたが、GⅢでもGⅠクラスが出てきてしまった平安Sでは完敗でしたよね。
 このあたりのレースレベルの差の、今までの認識とのズレは、しっかり修正しておいた方がいいかな、と思います。
 同時に、3勝クラスの現状に対症的なメスが入れば、またレベルにも変化が訪れる可能性はあるので、その辺りは注視しておきたいですね。
 もっともこの項目に関しては、明確なエビデンスを用意した上での議論ではないので、あくまでも私見である事は留意しておいて下さい。

 私は基本的に、馬場判断やレースレベルの判定などに、このクラスでこの時計だから~という比較判断をしています。
 ただレースは生き物であり、クラスのレベルも生き物で、レース体系のちょっとした変化でも、その基準にズレが生じてしまうのは避けられません。

 細かく言えば、各クラスでも、最もレベルの高いシーズンにはズレがあるでしょう。
 今のシステムであれば、1勝クラスはほぼ確実に、新規参入が多々ある6月から、未勝利が終わる9月くらいまでが一番レベルが高いはずです。
 2勝クラスは、そこからの勝ち上がり組が揃ってくる時期、1~2ヶ月遅くピークが来て、3勝クラスは秋半ばからレベルアップ、かつ出口が狭いので、漸減しつつも長続きするイメージは必要かもしれません。

 今後の予想でも、この時期のこのクラス、という、一歩深掘りした解釈で臨めれば、と思いますし、それを意識できただけでも、珍しくしちめんどくさい記事を書いてみた甲斐はあったかな、と思います。
 面白みの薄い話でしたが、最後までお付き合いしてくださった方はどうもありがとうございました。


posted by clover at 16:00| Comment(4) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
長文記事お疲れ様です。
ちょうど今日JRAから番組変更で夏競馬の3勝クラスレース増のお知らせがありましたね。
暫くはこの方法で番組発表時とのズレを調整していくのかなと予想してます。

馬券的には目標レースとして調整する馬がいないので状態面が重要視されるのかなと思います。
あとは何となくですが荒れそうな予感もw
Posted by が茶 at 2020年08月05日 22:55
>が茶様

 いつもコメントありがとうございますー。

 我ながらやたらタイムリーなタイミングでの記事更新と問題提起になったなぁ、とは思いました。
 まあこういう部分においては、きちんとJRAも状況を注視して、フレキシブルに対応はしてくれているのですよね。

 札幌はやっぱり、函館滞在での調整不可の分、特に2歳馬がいないみたいですね。
 矢作調教師の懸念していた状況になってしまっているのでしょう。
 その意味で需要のない所からあるところへ移すのは、例え突貫工事でもやらないよりマシだと思います。

 少なくともまだ降級制度がなくなって1年ちょっとですからね。
 JRAとしても明快に、この時期にこのレースが足りない、というエビデンスはないのでしょう。
 パイが限られている以上、当面はこういう微調整で凌ぐしかないのでしょうね。

 仰る通り、このレースを元々目標に、という馬はいないわけですから、状態面の注視が必要ですね。
 この記事を書いてみて、3勝クラスの出馬の厄介さも見えてきました。
 除外権利を持っている馬がどれだけエントリーしてくるか、その馬に当該部隊の適性があるか?
 その辺りをしっかり見極められれば、美味しい馬券にありつけるかもしれませんね。
Posted by clover at 2020年08月06日 03:59
興味深い考察ありがとうございます。遅いコメントで失礼します。
3勝クラス混雑の現状に対して、8月16日(日曜)小倉の「10R:博多S 3勝クラス 芝2000m → 11R:小倉記念 GⅢ 芝2000m」の番組構成は、明らかにいまいちな気がしました。3勝クラス混雑の対処の一つとして積極的な格上挑戦を促すことがあると思うのに逆行しています。せめて博多Sが芝1800mなら理解できますが、全く距離も同じでして。
ちなみに今週末も北九州記念と同距離の3勝クラス 佐世保S 芝1200mが組まれていて、何か敢えての意図があるのかも知れませんね。
Posted by ken at 2020年08月17日 21:37
>Ken様

 いつもコメントありがとうございますー。

 今年の場合、まず小倉が4週に短縮されているのが大きいですよね。
 ただ博多Sと佐世保Sは、どちらも指定、もしくは特指競争なので、地方競馬との折衝もある中で、安易に条件そのものは変えられないのかもしれません。

 例年は佐世保Sが1週目で北九州記念が4週目なので、ここを勝っての上がり馬としての挑戦も可能でした。
 今年はそれが無理になっていますが、ただ登録数だけ見れば需要はあるようなので、こちらは良かったのではないでしょうか。

 博多Sは例年は小倉記念の1週後で、小倉記念に格上挑戦して跳ね返された馬でも連闘で、という形は取れたのですよね。
 まあこちらはハンデ戦なので、強い馬は確実に出られる担保はあるわけですけど、結局どちらもフルゲートにならなかったところからすると、同日開催はやや勿体なかったとは言えます。
 それでも他の開催場での3勝クラス中距離戦との兼ね合いもあったでしょうし、そこは苦渋の選択だったのかもしれません。

 個人的には佐世保Sと博多Sが逆でも良かったのかな、とは思いますが、どうあれ全てにおいて満足のいくスケジュール調整がいかに難しいか、を物語る一幕ではありました。
 ただ完全に馬場差のない状況で、同じ距離のレースを施行してくれた事は、3勝クラスと低レベル重賞の差が以前より縮まっている、という仮説の証左にもなってくれたので、その点は興味深かったですね。
Posted by clover at 2020年08月18日 16:05
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