2020年07月22日

2020 7月第3週海外GⅠ レース回顧

 今週は火曜日に交流重賞がある変則日程でしたので、少しスケジュールがズレていますが、いつも通り海外GⅠもしっかりと振り返っていきましょう。
 もっともこの週は、そこまで目立ったレースもなかったので、サラっと進めていきます。来週は逆に、週末に大一番のキングジョージがあり、週中にディアドラ出走予定のナッソーSをはじめとしたグッドウッド開催があるので非常に楽しみですし、それに合わせてスケジュールも調整しようかなと思っています。



 ニューヨーク牝馬三冠の第二戦となるCCAオークスですが、今年は目玉となるべきエイコーンSの勝ち馬・ガミーンがおらず、それ以外にも差したる実績馬がいない、正直かなり寂しい顔ぶれになってしまいましたね。
 勝ったのは、未勝利・一般戦と連勝で駒を進めてきたカーリン産駒のパリライツで、番手から直線逃げた馬とのマッチレースになり、最後はかなりの消耗ラップの中で根性で捻じ伏せた、というイメージです。

 サラトガはアメリカのダートの中ではかなりタフな方、というイメージで、このレースも実際に47,82-62,99=1,50,81と後半一気に消耗するアメリカらしいレースになっています。
 正直物差しに出来るそこそこの実績馬も4着のトナリスツシェイプくらいで、このレースのレベルがどうか?はとても読みにくいですけど、歴代の時計やラップ等からの比較で言えばやはり一線級にはちょっと足りない内容には感じますね。
 勝ち馬の勢いと勝負根性、レースセンスの良さは武器になるでしょうし、どうあれ今年はケンタッキーオークスあたりで未対決の有力馬が激突、という変則的な形になりそうなのは楽しみです。



 コロナ禍で海外の大レースは軒並み賞金減額での実施が相次いでいますが、ここはきちんとほぼ例年通りの賞金でのレースになっており、ただその割に有力馬が集まっていないのが今の時世の難しさをつくづく感じさせます。
 その中では図抜けて実績上位となる、サンタアニタダービー2着馬のイントゥミスチーフ産駒・オーセンティックが、新たにスミスJを鞍上に迎えて逃げ切ったのですが、内容はかなり薄氷、でしたね。

 ラップ的には47,52-49,70-13,23=1,50,45で、やはり前傾型のレース、4コーナーから直線入り口で一度は一気に後続を突き放して楽勝か、と思わせておきつつ、最後の1Fで2着馬の猛追に遭い、最後の最後ハナだけ残しての勝利は、やはり素材そのものにそこまでの氷河が出来るのか?という疑問を突き付ける内容に見えます。
 モンマスパークは年によって時計の出方が全然違うので何とも言えない所はあるのですけど、去年のマキシマムセキュリティや、ちょっと古いところではアメリカンファラオなど、やはり歴史的名馬は超ハイペースからでも47秒台の素晴らしい勝ち時計で駆け抜けており、このラップで最後失速、50秒台の勝ち時計は平凡に感じてしまうのは仕方ないでしょう。
 勿論勝ち切った事は評価出来ますけど、相手が弱かったろう事も確かですし、前走後塵を拝したオナーエーピーに対しても、それ以外の有力馬に対してもアドバンテージを感じさせる強さではないかな、と見ています。

 むしろ2着のナイトラフィックの持久性能は中々で、距離延長を踏まえて考えると、こういうタイプはケンタッキーダービーで結構面白いかもしれませんね。



 このレースはキャメロット産駒のイーブンソーが、人気のカイエンペッパーを道中ピッタリとマーク、直線外から競り落としての勝利となりました。
 愛1000ギニーはやや距離不足で脚を余す感じの負け方でしたし、ここで真価を発揮したというところでしょうか。カイエンペッパーは前走、かなり離されたとはいえマジカルの2着に入った馬ですからそれなりに実力はありますし、それを正攻法で、は良い競馬だと思います。

 鞍上のキーンJとライオンズ調教師は、愛2000ギニーを無敗で制し、来週半ばのサセックスSでも本命視されているシスキンも擁する絶好調コンビで、今年は変則開催というのもありますけれど、例年よりもオブライエン勢の無双ぶりが控えめだなぁと言うのは感じますね。
 この馬も派手さはないですが12F路線でかなり楽しみですし、ヨークシャーオークスあたりでまずはラヴと対決して欲しいですね。



 フランスは未だパリ近郊での競馬が差し止められているようで、このレースも例年はロンシャンの1850mという変則距離での開催ですが、今年はシャンティイの1800m戦に変更になっています。シャンティイ1800mでのイスパーン賞と言うと、エイシンヒカリの不良馬場での圧勝が鮮明に思い出されますね。

 それはともかく、ややメンバーとしては物淋しい中で、断然の実績を誇るキングマン産駒のペルシアンキングが、番手追走から直線も堂々止め抜け出しで押し切り、デビューからの連対記録を10に伸ばしてのGⅠ2勝目を飾りました。
 ラップは47,45-24,67-11,65-11,45-11,99=1,47,21という推移で、前半はハイペース寄り、中盤でかなり緩んでからまたラスト3Fで加速しての総合力勝負、というイメージです。
 このラップの中で楽に序盤番手外を確保し、緩みに合わせつつも直線の加速でしっかり違いを見せてきたあたりは、やはり地力が二枚は上、という競馬だったかなと感じますし、マイルから1800m位の距離では適性の幅も広く、相当に強い馬なのは間違いないですね。
 仏ダービーの感じからも2000mまでいくとどうか?とはなりますけれど、一先ずフランスのマイル路線はこの馬中心で今年は動いていくのではないかと思います。復帰までに一年かかりましたけど、まだまだこれからも本領発揮の舞台はありそうでとても楽しみですね。


posted by clover at 17:10| Comment(2) | レース回顧・海外競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お疲れ様です。

愛オークスを勝ったイーブンソーは若手騎手が勝ったり、Camelot産駒が勝ったりと、色々と時代の移り変わりを見れて面白いですね。CamelotはMonjteuの血を残すためにも、頑張って欲しいです。

後、個人的にはFancy Blueが出れていれば更に面白かったと思いますが笑 ハイシャパラルの近親でドナカも更に距離が伸びても良さそうなと言っていたので… 来週のナッソーSは頑張って欲しいです。

後、どうでもいいですが愛オークスを勝ったイーブンソー、オブライエン一族厩舎の馬じゃないのに馬主は結局クールモアなんかい!と驚きました笑

Posted by kid at 2020年07月23日 10:26
>kid様

 いつもコメントありがとうございますー。

 モンジュー血脈はどうしても12Fベストの鈍重さがあるので、中々サイアーラインとして繋がっていく雰囲気がないのが辛いところですよね。
 キャメロットも今のところ愛ダービーのラトローブくらいしか出していませんし、イーブンソーも距離伸びて良さを発揮、というのはあるので痛し痒しではありますが、それでも活躍馬が出て後々に繋がってくれれば、ですよね。
 クールモアも極端な一極化が競争原理を削ぐ、という意識はあるのかもですし、この騎手と調教師のコンビは今後注目しておくべきですね。シスキンといい、私が見た範囲では腹の据わったいい騎乗をする乗り手だなと思ってます。

 仰るようにファンシーブルーが12Fのタフな競馬でどこまでやれたか、は見てみたかったですよね。
 ナッソーSでディアドラと対決、というのも面白い話ですけど、その後ヨークシャーオークスを使ってくれたら、同世代オークス馬対決にもなりそうですしとても楽しみなんですが。
Posted by clover at 2020年07月23日 18:46
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