2020年07月21日

2020 マーキュリーC レース回顧

 アフターコロナの時代で、久々に観客を入れての重賞となった今年のマーキュリーCは、ジャスタウェイ産駒のマスターフェンサーが好位外目からしっかりと伸びて、待望の初重賞制覇を飾りました。レースを振り返っていきましょう。


 今日の盛岡は結局雨は降らずに良馬場でしたが、時計的にはやはりそれなりに軽い状態を維持していましたね。
 C1クラスの1200mで1,12,8、マイルで1,39,5が出ていましたし、例年並みの時計水準の中で、ややペースが上がったとはいえ2,03,0まで持ってきたなら、上位2頭はやはりこのレースの水準レベルでは走破出来ている、というイメージでいいのかな、と思います。

 レース展開は、真ん中からポンとリンノレジェンドが飛び出してハナ、それを好スタートのアポロテネシーとヨシオが追いかけていきます。
 その後ろに、今日はまずまずのスタートから積極策のヒストリーメイカー、マスターフェンサーとデルマルーヴルはその後ろからで、ランガディアもこのグループの一番後ろ、そこから大きく離されることはなかったものの、地方勢が後ろを懸命についていく、という構図でしたね。

 ラップは、一先ず上がりだけで見ると、85,5(12,21)-37,5(12,50)=2,03,0(12,30)という推移で、全体としては少しハイペースバランス、のように感じられます。
 ただ、ハロン棒の通過から目算で見ると、ハーフで取ると61,5-61,5の平均くらいに見えて、そして残り1000mから、まずデルマルーヴルが動き、それに呼応してヒストリーメイカーも上がっていって、と、ペースの割には仕掛けどころが早い展開になっているかなと感じます。

 これも目視ですけど、後半のラップは12,5-11,5-12,0-12,5-13,0くらいのイメージで、1000-800m地点でデルマルーヴルとヒストリーメイカーが一気に3~4馬身詰めてきていますから、平均ペースからのロンスパ消耗戦、という見立てでいいのではないでしょうか。
 結果的にそこそこ追走も問われた上でのタフな競馬になっていますし、消耗戦に強い馬がしっかりと結果を出したのと、後は仕掛けの意識のポイントの差もあったのかな、というレースにはなっていますね。

 勝ったマスターフェンサーは、レースが動いた時の川田Jの落ち着いた手綱捌きが光るレースぶりになりましたね。
 スタートはイマイチで、内枠の分あまりクリアなところに入れなかったのですが、道中は前にスペースを置きつつ内目に潜り込んでロスを少なくし、そして向こう正面からの仕掛けに対しても、焦らずにしっかりワンテンポ置いてから、丁寧に外目に持ち出しつつ追いかけていく形になりました。
 結果的に見てもこの時計・ラップで向こう正面から動いていくのは中々シビアでしたし、最速の3コーナー入り口あたりまではまだ内目で立ち回って、減速基調のコーナーでじわっと外に、という立ち回りも噛み合いましたね。

 勿論この馬自身のロンスパ適性、早めに出し切る形でのラストの踏ん張りが素晴らしかったのはありますが、今日に関しては競馬の内容そのものはデルマルーヴルの方が強いイメージで、増して斤量も3kg差ありましたからね。
 どうしても地方の馬場、というイメージで、他の騎手が前掛かりになる中で、しっかりコースの特性、直線で差し脚を活かせる舞台である事を念頭に、自分のタイミングで仕掛けていけた事が勝利に繋がったと思いますし、そこまで器用な馬でもないので、このコースもマッチしたのだと思っています。
 流石にこの勝利で、さらに高いレベルで、と見るのはまだ難しいですけど、これからの成長も見込める馬ですし、世界を股に掛けた精神力で強い相手にも食らいついていって欲しいですね。

 2着のデルマルーヴルは、結果的にやはりこの馬の実績上位は確かで、ペースがそこそこ向いてくれたとはいえ堅実な走りだったなと思います。
 この馬自身はタフな競馬向きなので、スローだとどうかな?と思っていた中で、自分からあそこまで強気に動いて消耗戦に持ち込んできたのはある意味では正解、ただ流石にやり過ぎではあった、というイメージにもなります。
 この馬やヒストリーメイカーは、1000-400m地点までで35,5くらいの脚を使う形になっていると思いますし、ましてこの馬はずっと外々ですから、いくら消耗戦に強いと言っても最後甘くなってしまったのは仕方ない面はあるでしょう。

 その辺りは地方小回りの乗り方が身に沁みつき過ぎている岡部J故の功罪、という所で、勿論勝ちに行く競馬で清々しい結果でしたけど、もう1F我慢して、マスターフェンサーを内に閉じ込めつつの立ち回りが出来ていれば或いは?という見立ても出来ますね。
 とはいえ、休み明けでもしっかり走れて、改めて地方の馬場での適性の広さとそれなりの能力は見せていますし、このラインだと一線級にはちょっと足りないのは確かなのですが、相手次第、GⅡGⅢレベルでは今後もきちんと自分の走りはしてくれるのではないか、と思います。

 3着のランガディアは、馬場適性と立ち回りの良さが噛み合ったかな、というイメージですね。
 この馬としてはもう少しペースが落ち着いてくれた方が良かったかもですが、それでも中団のインで自身は平均くらいの走破、かつ勝ち馬と同じく、3~4コーナー途中までは内目でロスなく立ち回り、直線だけ伸びる外に持ち出す、という、地元騎手ならではの完璧なコース取りと仕掛けが、最後の最後で3着まで差し込めた要因になると思います。
 シンプルに水沢でよりもいい走りが出来ていると思いますし、単純に時計の出る軽いダートの方が向いていたのはやはり確かで、大箱寄りの盛岡で出し切る競馬になったのもフィットしたのだろうと感じます。
 これならしばらくはこの地区で大将格を張れるでしょうし、中央勢相手でもそこそこやれるのを見せたのは楽しみですね。

 4着のヒストリーメイカーは、うーん、地方交流でいつもより早め早め、の意識を持っていたのはあるのでしょうが、この馬の持ち味を生かす意味ではそれが正解だったか?というのはありますね。
 それでも1000mまでは前とそこそこ距離を取って悪くないと思ったのですが、デルマルーヴルの仕掛けに呼応する形で一緒に動いてしまったのはやはり早仕掛けなのは間違いなく、追走面とロンスパでの持久力面、その双方で少しずつ削られて最後一気に甘くなったのかな、という感覚です。

 このペースでならもう少しじっくり構えていれば、という感じではありますし、上位2頭は強かったのでそれでも3着だったかもですが、酷な事を言えば畑端Jの、勝ちたい、という意識が前のめりに出過ぎた分の4着かな、とはなりますかね。ただ、外から被されても一呼吸待って、という形で、馬自身がしっかり反応出来たか、というのもあるので、トータルで見るとデルマルーヴルの岡部Jの強気の仕掛けにやられた、という感じです。
 勿論盛岡でなければ、大抵の地方馬場ならあの仕掛けでも粘れたかもですけど、盛岡だけは普通に中央コースとさほど変わらない直線の長さとタフさがあるだけに、勿体無い部分はあったかなと思います。後シンプルに、この馬は左回りの方が得意ではない、というのもあるかもしれませんね。

 5着のアポロテネシーは、まあ位置取りとしてはあれが理想ではありますし、リンノレジェンドが思いのほか飛ばしていった事で、少し追走で苦労したかな、とは思います。
 しかもそれでいながら向こう正面で一気に後続が仕掛けてきて、この馬自身は1000-600mあたりで12,5-11,5と前で待っている形から一気のギアチェンジを求められたのも苦しかったでしょう。
 実際勢いをつけてきた外の2頭、特にヒストリーメイカーには3コーナーで頭一つ前に出られて、そこからしぶとく盛り返して直線、という形では、最後に足を残すのは中々難しかったでしょうし、今日は少し展開が噛み合わなかったイメージですね。
 それにやっぱりそこまで休み明けからバシッと走れる馬でもない、という面もあったかもで、総合的に見るとちょっと狙い過ぎたかな、と反省です。

 予想・券種的には、少し全体のレース像を見誤ったのはありますけど、先週の中央重賞に比べれば誤差の範囲でしたし、その中である程度序列そのものは見えていた、のですけど、本命だけ打ち間違えたせいでおじゃん、という所でしたね。
 ただこの人気でマスターフェンサーに本命を打ちたいレースだったか?と言われると微妙なところではあり、デルマルーヴルも同様で、決め手がない中で目を瞑って、といかずに、同じように決め手が一歩足りないラインでなら配当妙味のある方に、となるのが、不調期のダメな思考回路という事でしょう。
 ランガディアを拾えていただけに、トントン程度のラインでも三連複拾いたかった一戦ですが、まあ仕方ないですね。先週末よりは幾分かマシ、と慰めにならない事を考えつつ、次に向けて気を取り直していきましょう。


posted by clover at 18:15| Comment(0) | レース回顧・地方競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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