2020年07月01日

2020 6月第4週2歳戦 レース回顧(日曜編)

 昨日に引き続きの日曜の2歳戦回顧です。
 この日は未勝利1鞍に、新馬戦4鞍ですね。最後にサラッと6月の新馬戦全体のイメージ総括もやりたいと思います。


★6/28(日) 函館1R 芝1200m未勝利戦

 ここはトゥザワールド産駒のニシノエルサが、新馬戦からの変わり身を見せて人気薄ながら正攻法での勝利、でしたね。

 馬場はこの日も稍重表記でしたが、一日タフ馬場開催した事と、更に雨が降った事で、土曜日よりは一段階重い馬場になっていたと感じます。
 とはいえ、新馬で1,10,5まで出ているので、一貫消耗戦で1,10,7を高く評価できるか?となると微妙なところですし、また馬場や展開で削がれた馬もいた感じで、やや低調な一戦、という箔付けにはなってしまうでしょうか。

 勝ったニシノエルサは、新馬では加速地点でついていけずにズルズル下がるだけでしたが、この日はタフ馬場での追走力が問われてしぶとく踏ん張ります。
 コーナーの手応えではダメか?という感じだったんですが、直線はラストの12,9の減速地点でしっかり伸びてきて、相対的に他の馬よりパワー寄りの追走性能が高かった、辛抱合戦で強かった、という評価で良さそうです。
 ただ前述のように時計面で評価できる内容ではなく、馬場と相手に恵まれた、と見做すべきなのかなとは思いますし、上に上がっても厳しそうですね。強いて言えばタフ馬場なら、でしょうか。

 2着のラビカズマも、モンファボリ戦で人気を分け合う評判馬ながらの不甲斐ない走りが気に入らなかったか、連闘策で馬の前向きさ、スイッチは入れてきたのかなとは思います。
 ただそれでもタフ馬場の消耗戦が、番井からのスムーズな競馬で伏兵に差されるようでは……ですし、現時点で全兄モンドキャンノのような素材性は感じられない内容ではありますね。

 あと個人的に、リンゴアメ戦の1000m組は結構強いかな、と思っていたんですけど、クムシラコは差しに回ってイマイチ、逆にトーセンは逃げてしまって玉砕と、乗り方も良くはなかったですが、適性の幅を見せられなかったのが残念です。
 特にトーセンは、距離を伸ばすにしても差す競馬に徹した方が当面は、というイメージですかね。今回追走特化で戦ったのが糧になればいいのですが。


★6/28(日) 函館5R 芝1200m

このレースは、クリーンエコロジー産駒のディープエコロジーが、外国産馬ストーンフェンスとの一騎打ちを制して逃げ切り勝ちとなりました。
 ラップは34,3-36,2=1,10,5で、一応残り400mから地味に再加速してますけど誤差程度、基本的には一貫消耗戦と見てよく、ラストは12,7と消耗しています。

 外目の枠から絶好のスタートでハナを奪い切ると、内からじわっと追撃する2着馬に対し、来れば来るだけ踏ん張る、という感じでしぶとく抵抗し、最後はクビ差だけ残しての勝利でしたね。
 それにしてもクリーンエコロジー産駒とは渋いと言うべきか、いくら道営で重賞二つ勝ったとはいえ、中央ではOPすら勝てなかった馬が、中央の新馬戦でサクッと勝ち切る馬を出してくるのが競馬の面白いところでもあります。
 勿論父キンカメで、母系も中々重厚かつ良血なので、そういう素地はあったのかもしれませんし、今後も産駒が出てきたら注目はしたいですかね。

 もっともこのレースのレベル自体は、上記の未勝利にはギリギリ勝っているものの、やはりさほどハイレベルとは言えないでしょう。
 ただ新馬で渋った馬場をこなしたことと、最初に追走面の良さを見せた事で、次に良馬場になって、より総合的な良さが積み立てられれば、という視座での上積みは期待出来る内容ではあったと言えます。
 とはいえ流石に函館2歳レベルでは、ですし、いずれはダートかも?という感覚でもありますかね。

 2着のストーンフェイスも、このメンバーではセンスの良さと追走面、総合力がちょっと違った感じですが、横の比較でじゃあ未勝利なら楽勝か?となるとそこまで簡単ではないのかなとは感じます。
 勿論こちらも綺麗な馬場でプラスアルファがあればですし、1Rの未勝利組よりは楽しみはありそうですけどね。


★6/28(日) 阪神5R 芝1800m

このレースは、ジャスタウェイ産駒のダノンザキッドが、中団の外目から直線殆ど持ったままで楽々突き抜け、好時計での新馬勝ちを果たしましたね。

 土曜の阪神は宝塚当日で、正直イメージが難しい馬場ではあったと思います。
 宝塚を念頭に置いてしまうとかなりタフ、に思えるのですが、これは直前のスコールの影響が大きく、その前には良に戻っていたように、そこまでタフ馬場ではなかったと時計推移的にも推察できます。

 特に外回りは、内回りよりも渇きが速かったのか全体的に時計は出ていました。
 ハイバランスの未勝利マイルで1,34,3、8Rの城崎特別がスローバランスで1,47,1(ただし勝ち馬ぶっちぎり)なので、高速馬場では断じてないものの、標準かちょとだけタフか、くらいのラインでのタイムにはなっていたように考えています。
 もっともそれでも、まだこの新馬の時点では稍重で、そこでスローバランスからの1,48,3は新馬戦としてはかなり強烈であり、最後にもチラッと触れますけど、この6月の新馬の中で、クラシックに向けて、という視座では最大級のインパクトがあるレースでしたね。

 ラップは35,8-37,4-35,1=1,48,3で、スローとはいえこの馬場の新馬としてはかなり流れており、少なくとも勝ち馬が強すぎたせいで全体としてはスローバランスになった、と理解しておいていいレースでしょう。
 テンも物理的に36秒を切っていますし、そこからの中緩みも最低限、そして後半は11,7-11,4-12,0と坂の下りからの3F持続戦で、かなり高いレベルで総合力が求められた一戦だと解釈していいと思います。

 その中で勝ち馬は、まずかなりいいスタートを決めますが、内の馬の出方を見ながら最終的には先団後ろの外目まで下げていきます。
 道中もさほど折り合いに苦労する感じではなく、スムーズに追走していき、4コーナー手前から一気に反応して前との差を詰め、4コーナー出口で少し勢い余って内に斜行するシーンがありましたけど、そのままあっという間に突き抜け、ラスト200mはほぼ追うところなしの大楽勝でしたね。
 ちなみに余談ですけど、このレースで逃げていて、直線の引き込み線のところで内に大きくよれてラチにぶつかってしまったダンツテリオス、これ何回見ても、ダノンザキッドが内に斜行したタイミングで、その挙動にビックリして避けているようにしか見えないですよね。。。
 それだけ敏感で周りが見えている馬、とも言える感じで、なのにそれで調教再審査、ってのも不憫な感じですが、立て直して出てきた時の走りがちょっと楽しみな一頭になりました。

 ともあれ勝ち馬としては、自身は11,6-11,2-12,0くらいと、最速地点で更に切れる脚を楽に引き出してきていますし、ラストも追えばいくらでも、くらいの雰囲気で12,0でまとめていますから、これはちょっとモノが違う強さだったのは間違いありません。
 ややムラ駆けの傾向もあるジャスタウェイ産駒なので、もう一戦見てみないと本当に本物か、とは断定しにくいですけど、少なくとも6月の新馬戦勝ち馬の中では、スプリント特化のモンファボリは別にして、クラシック路線を考える上では相当に楽しみ、という勝ちっぷりでしたね。
 この感じなら焦って夏に使う必要もないと思いますし、まともに育っていけばダノンの呪いと戦えるレベルの馬になるのではないでしょうか。

 2着のワンダフルタウンは、かなり出負けして最後方付近からの競馬でしたが、勝ち馬と同じ上がりでしぶとく伸びてきて、素材面での面白さは見せる内容だったと思います。
 この馬も48秒台走破ですから新馬としては充分過ぎる内容ですし、もう少しスタートなど改善されて走れれば、というところでしょうか。ただ血統通り、ゆったり入って良さが出ているとは思うので、マイルだと少し忙しい気はしますかね。

 3着テンバガーはルメールJらしい正攻法ですが、要所で反応しきれなかったり、まだ若さと素材的な粗さを感じさせる内容ではありました。
 まあ人気していたように、いずれ走ってくるだろう、という雰囲気はある馬ですが、現時点では未勝利は勝てるけど、くらいの評価に落ち着くのではないかと思います。
 4着以下はややこの条件での壁は見せてしまった感じなので、違う距離や適性で良さが出てくれ馬ですかね。


★6/28(日) 東京5R 芝1600m

 ここは不良馬場をものともせず、ディープインパクト産駒のロードマックスが逃げ切っての勝利となりました。

 本当に安田記念週以降の府中はやたらタフ馬場ばかりで新馬泣かせでしたが、この日も降り続く雨の影響で不良馬場、もはやどこが伸びるかもさっぱりわからないカオスな状況になっていましたね。
 その中で49,0-50,9=1,39,9と、地方交流のダートマイル戦みたいなラップ推移で、中盤緩んでから12,4-11,9-13,5と一定の加速は見せるものの最後は劇的に消耗、という、若駒にトラウマを植え付けそうな馬場と展開にはなっています。

 その中でいいスタートからしっかりハナを主張、そのままハイバランスで押し切ってみせたロードマックスは素質はあるのでしょうし、ディープインパクト産駒らしい前向きさが、このもはや適性の程度問題を超えているような馬場で生きた、とも言えますが、次に向けて競馬が苦しいもの、という記憶になってそうなのは嫌なところですかねぇ。
 正直ここは勝った事だけが収穫で、適性の方向性を論ずるのは難しい一戦だと思いますし、しっかり一度休養させて、心身ともにリフレッシュしての再出発でどこまでやれるか期待しましょう。

 2~3着馬もいいスタートから内目に潜り込んでしぶとく、という感じですし、競馬のセンスそのものは見せてきましたので、改めてまともな馬場でどこまでやれるか、ですね。


★6/28(日) 東京6R ダート1400m

 ここはシニスターミニスター産駒のニーヨルが、好位外目からスムーズに抜け出してのデビュー勝ちとなりました。

 ダートも当然のようにドがつく不良で、時計も全体的に出やすくなっており、最終の1勝クラスが1,23,5なので、ほぼ消耗戦、とい形での1,25,6は、新馬としてはまずまず、というラインではないでしょうか。
 細かく見ると36,0-12,5-37,1=1,25,6なので、そこまで流れ切ってはおらず、ただその割に後半そこまでガツンとレース自体のギアは上がっていないな、というイメージです。
 後半12,3-12,3-12,5なので、ほぼ加速してないレース質、の中で、勝ち馬が相対的に坂地点で鋭く動けた、という見立てでいいでしょう。

 ニーヨルとしては悪くないスタートからスムーズなコース取りで、コーナー外目から勢いに乗せてと言う理想的な競馬が出来ていますし、枠も外目のいいところだったので、そのあたりが綺麗に噛み合ったのはあるのかなと思います。
 相対的にはそれなりにいい走りに見えますけど、全体レベルとしては微妙な気もしますし、もう少しスパッと切れるなり、持続で違いを見せつけるなりがあれば良かったのですけど、という感じで、正直内容としては地味です。
 でもセンスの良さは感じられましたし、距離延長もこなしそうなので、マイル位までで楽しみはありそうですね。

 2~4着馬までは新馬として水準ラインの時計かなと思いますし、こちらも馬場が特殊だったので次への繋がりが見えにくいのはありますが、特に逃げた4着馬あたりは距離短縮で良さが出てくれば、という感覚を持っています。


★6月新馬ざっくり総括

 ダービーからダービーへ、のスケジュール変更で、6月頭からの新馬戦が数多く施行されるようになって以来、この時期のデビュー馬から続々とクラシック勝ち馬・好走馬が出ているわけで、やはりシンプルに、特に中央の根幹距離コースで新馬デビューするメリットの大きさは感じるところです。
 なので今年も、と思ったのですが、正直に言うと今年の6月デビュー新馬で、これはえげつない、というイメージを持ったのはそこまで多くなかったですね。

 おそらくそれは、安田記念週以降でより顕著でしたが、もっと言えばオークス週あたりから、府中の馬場が時計が出る割には例年より明らかにタフ馬場だった事が一つの理由になるでしょう。
 元々軽い馬場でスピードを活かすダービー馬候補を続々輩出するノーザンが、育成のアドバンテージを活かして早期デビューの舞台を席巻するのが恒例だったのに、今年はそのノーザンの評判馬がどうにもイマイチでしたし、特に府中では馬場の影響が大きかったと思います。
 加えて言えば、期待の新種牡馬であるモーリスとドゥラメンテもやや不発で、その相乗効果でこういう結果になっているのかな、と感じました。

 それでも関西圏では、2週前のフラーズダルム、先週のシュヴァリエローズにブレイブライオンと、それらしい走りを見せる素質馬が出てきて、そして真打という感じでのこの週のダノンザキッド、この辺りは素直にクラシックや年末の2歳GⅠで有力候補に挙がってくるのだろうと思います。
 後はやはり、短いところ限定となってしまうかもですが、モンファボリは楽しみですね。無理に距離を伸ばしてミスエルテコースにならない事は祈っておきましょう。


  
posted by clover at 17:35| Comment(4) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
3歳世代のノーザンの不振が一過性なのか、JRAの目指す方向性との乖離からなのか、2歳世代の今後もどうなっていくのか楽しみですね。

ここまでではやはりモンファボリが抜けてますかね。血統見たら三代母ローミンレイチェルだから距離持つんじゃないかと一瞬思いましたが、
一族の中にロックディスタウンとかキャットコインとか…そして父はフランケル。もはやこれはいつまで正気を保てるのか、自分自身との戦いだなぁ
Posted by I.C.スタッド at 2020年07月01日 23:40
>I.C.スタッド様

 いつもコメントありがとうございますー。

 やはりJRAにも、去年のJC来日馬ゼロ、というあたりからの危機感はあるのかもしれませんね。
 思い切って舞台設定を弄る、というのが難しいのであれば、やはり馬場自体のガラパゴス化を緩和・是正するのが一番簡単な改善策になるのでしょうし、それがそこそこ表面化したのがオークス以降の府中、とも考えられます。

 けど馬場改善はある程度シームレスに出来ても、その馬場に対しての生産・育成のベクトルを変えるのは、それこそ数年単位でないと無理ですから、意外とここしばらくのノーザン不振は一過性では終わらないかもしれませんね。
 勿論すぐに調整してくるでしょうけど、特に府中は、秋開催の馬場やノーザンの活躍度など注視していくべき舞台になりそうです。

 モンファボリは今後、どこまでコントロールが効くか、ですよねぇ。
 少なくとも函館2歳に出るなら、そこでコントロールを覚えさせるというのはレス質的にもリスキーですし、けれど2度スピード特化の競馬をしてしまった後に、改めて距離延長に対応できる心身を作っていけるか……厩舎力が試されますね。
 フランケル産駒だけに一度崩れると、というイメージはどうしても付き纏いますし、素質は間違いないですから、なんとかうまく育てて欲しいものです。
Posted by clover at 2020年07月02日 06:02
cloverさんこんにちは♪

今年の3歳馬達や2歳新馬戦を見たら
ノーザン王朝1強の陰りが見えた気がしますね。

ノーザン1強に押し上げた
英雄ディープと大王キンカメが令和最初に失うと共に勢いが落ちた気がします。

ドゥラメンテはまだ走る仔を出しそうですが
何処か記事を見たんですが
ちょっと気性が勝ってる仔が多いのと
あと母型の配合は難しそうですね

モーリスはPOG本を見てたら
どの産駒も馬っぷり良いですよね
でももしかして切れが無い一本調子の
タイプばっかりな産む種牡馬かも…

ロードカナロアも高速府中なら
距離の限界を超えれますが
馬場が荒れはじめたり他の競馬場なら
二千まででしょうし
どの種牡馬が覇権を握るのかが
ノーザンの勢いを取り戻す鍵でしょうね

意外にコントレイルが種牡馬入りするまで
この状態は続くのかもですし
もしくは府中の馬場を常識くらいのタイムに
落としてどの種牡馬でも勝てる馬場に
する方が良いのかも
その方が予想する身は楽しいですし。
Posted by カズ at 2020年07月02日 16:18
>カズ様

 いつもコメントありがとうございますー。

 やはりあらゆるカテゴリーでチャンピオンレベルの馬を続々と輩出してきたその2頭の偉大さは図抜けていますし、平成後半のノーザンの躍進の屋台骨だったのは間違いないですよね。
 流石にそれに比べてしまうと、後継種牡馬たちはスケール感がやや物足りない、となってしまうのは仕方ないですし、ある程度傾向は色濃く出てきたロードカナロアはともかく、ドゥラメンテはまだ走りだして一月ですから、しっかりこれからの傾向を見極めていきたいですね。

 府中も改装前はまともなチャンピオンコースでしたし、ある程度はタフな芝でもいいとは思うのですよね。
 技術の進歩でそういう芝でも怪我無く、時計も出やすいレースは提供できるはずですし、その中での人馬の工夫が生きる状況があれば、仰るように予想の幅は広がって面白いかもですね。
 もっとも、余計に当たりにくくなるとも言えますが。。。安田記念週以降の府中は本当に混沌としていましたからねぇ……。
Posted by clover at 2020年07月02日 17:22
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