2020年06月19日

2020 ロイヤルアスコットミーティング前半戦 レース回顧

 例年ならば王族主催で非常に華やかな社交の場となるロイヤルアスコット開催ですが、今年は無観客開催、文字通り純粋な競走馬としてのステータスを追い求めての熱戦が日々続いています。
 やはりその中でも注目度の高いGⅠを、三日目開催までの分、振り返っていきましょう。




 この開催初日の恒例となっている、古馬マイルのGⅠ・クイーンアンSは、古馬になって初戦のサーカスマキシマスが、テレベルムとの熾烈な一騎打ちを制してGⅠ3勝目を飾りました。

 去年もそうだったんですが、このレースはどこを探してもラップ計時がある画像がなく、イメージだけの話になってしまいます。
 馬場は稍重で、全体的にアスコットらしくかなりタフ寄りだとは思うのですが、その中での1,40,05という時計はそこまで目立つものではない、現状の古馬マイル路線のレベルをある程度示している一戦なのではないか、とは感じます。
 レースはスッと先行したサーカスマキシマスに、ニューマーケットでGⅡを制し、勢いを駆って連闘で臨んできたテレベルムが残り400mで一気に襲い掛かります。
 一旦は明らかに脚勢有利に見えたテレベルムですが、そこからサーカスマキシマスが渾身の抵抗を見せ、ジリジリと差し返すと、ゴール前で鮮やかに逆転して見せました。まあこの画像だとかなり際どく見えますが、公式では頭差だったようです。

 サーカスマキシマスはこういうマイルでタフな流れと馬場がやはりフィットしている感じで、高速マイルのBCでもそこそこやれたものの、古馬になってよりしぶとさを身に着け、初戦から本領発揮のいいレースだったと思います。
 常に安定した先行力があるのもいいですし、今年のマイル路線の軸となる一頭なのは間違いないですね。

 2着のテレベルムも、敗れはしたものの鋭い脚で一旦は先頭に立ついいレース内容でしたし、上がり馬の牝馬としてはやはり今後がかなり楽しみになる内容ですね。
 マイルもこなしてきた事で選択の幅は広がりますし、牝馬路線に行くにせよ、マイル路線で牡馬とも戦っていくにせよ、今シーズン目が離せない一頭にはなりそうです。


★キングズスタンドS https://www.youtube.com/watch?v=jyBS0Qvd8oE

 ここは5F巧者のバターシュが、過去2年ブルーポイントの2着に甘んじた雪辱を晴らす、三度目の正直での快勝を見せてきましたね。
 抜群のスタートを決めて最初の100mでほぼ先頭に立ったバターシュは、そのまま速いラップを踏み続けて全く後続を寄せ付けずの完勝、今年もこの路線での健在ぶりをアピールする鮮やかな勝利だったと思います。
 ラップ的にも2F目から10秒台後半を踏み続けて、しっかりスピード特化の形で良さを引き出してきましたし、馬場が軽ければもっと強い競馬を見せてくれただろうと思います。
 クイーンアンSと比較した時に、馬場差を考えれば58,64の時計は悪くないと思いますし、今年も基本的には5F専門職でしょうけど、スペシャリストとしていぶし銀の活躍を見せてくれることは間違いないと思いますね。ただ5Fでも負ける時はコロッと負けるので、その辺りは色々注意が必要なタイプです。


★プリンスオブウェールズS https://www.youtube.com/watch?v=8UjQKBTCujQ

 去年はディアドラが参戦し、悪馬場の中クリスタルオーシャンとマジカルの激闘に沸いたこのレースですが、今年は上がり馬のロードノースが、既存勢力をまとめて撫で切る素晴らしい末脚を披露して初GⅠ制覇となりました。

 この日のアスコットは前日より馬場が回復したようで、表記も良に戻りましたし、時計的にも64,06-61,57=2,05,63と、去年より相当に速い時計での決着になっています。
 全体的には淡々と流れてややスローくらい、後半はその分仕掛けは速く、直線入り口で最速11,92を踏んでの持続力勝負、という感じですね。
 800-600m地点が12,78とまだ緩かったので、そこからの加速度も結構高いですし、意外と末脚の絶対量がある馬ならば、後ろから勢いに乗せて、という競馬の方がマッチしたのかも、と感じる圧勝劇でした。

 ロードノースは実際、前走ブリガディアジェラードSが初重賞挑戦で初制覇、そこから中10日でのここなので、文字通りいきなり台頭してきた新星、という形にはなります。
 ドバウィ産駒のセン馬なので、種牡馬の道が絶たれているのは残念ですけれど、それで気性面が安定している面もあるのか、成績を見てもまだ生涯で連対を外したのは一度だけ、という堅実さも見せていた馬です。
 とはいえ中々のメンバーが揃ったここで、流れも噛み合ったとはいえ文字通りなで斬りにしてきたのは驚きですし、これは今年の10F路線でかなり楽しみな馬が出てきたな、という印象ですね。
 流石にエクリプスSはローテーションが厳しいかもですけど、インターナショナルSや愛チャンピオンSなどで見たい馬です。

 2着のアデイブは、オージー遠征からの初戦できっちり結果を出してくる、こちらも非常に堅実な馬ですけれど、ここは勝ち馬の決め手があまりにも上でしたね。
 元々高いレベルでは切れ味が足りない馬なので、最速地点でちょっと甘かった分もありそうですし、ただこの馬も当然今年はまだまだ意気軒昂、10F路線でしっかり活躍してきそうな走りでした。

 3着のバーニーロイも悪くはないのですが、この馬の場合マイルだと少し短い、2000mだと長い、という感じで、1800mがベストに感じるので、その点ドバイターフが中止になってしまったのは勿体なかったですね。アーモンドアイとの激突は見てみたかったです。
 それでもタフなアスコットでこれだけ頑張れるなら、インターナショナルSあたりなら、とも思いますし、まだもう一花咲かせることが出来るとは思うのですけどね。

 4着ジャパンは、高いレベルで言うと10Fはちと短いのと、基本去年のキングエドワードもそうですけど、全体で流れる中での一脚が武器の馬なので、スローバランスからの一気の加速、後半の持続特化、というのも微妙にマッチしなかったのだろうと思っています。
 去年のインターナショナルSもクリスタルオーシャンのレースメイクでかなり厳しい流れになっていましたし、そういう面での恩恵がないと10Fでは難しいのかな、と思わせる負け方でした。
 まあキングジョージ辺りは普通に楽しみですね。エネイブルが出てくると流石に分が悪いでしょうが。


★アスコットゴールドC https://www.youtube.com/watch?v=j6JatWI8OqI

 伝統の超長距離戦であるゴールドCは、コロネーションCで一叩きしての参戦となった長距離の絶対王者・ストラディバリウスが、直線悠然と抜け出して後続を突き放し、圧巻の強さで見事に史上3頭目の当レース3連覇を達成しましたね。

 この日はまた雨が降ったようで、馬場は重まで悪化しています。
 その分このレースはかなりゆったりした入りで、それでも相当に消耗するタフなレースになっていて、大体5Fごとで見ると、72-67,5-65,5-67,5くらい、勝ち時計も4,32,60と、近年ではかなり遅いレベルでの決着となりました。
 レース的には超スローから中盤、9~11Fあたりでいきなり前がペースアップして12秒そこそこの最速ラップを踏んでおり、見ようによってはそのあたりからの超々ロンスパともいう感じで、最後は延々13秒半ばのマラソンレース、それでも後続はどんどん脱落していって、勝ち馬だけバテなかった、というイメージです。

 前走2400mで速い流れを追走していながら、このスローペースになんなく対応してスムーズに折り合い進められるのがこの馬の長距離王たる所以で、本当に道中一切無駄なく淡々と5番手追走、勝負所からは馬が自分で上がっていくような感じでもあり、本当に強い馬です。
 これまでも勝つには勝ったものの、さほど着差をつけて、というのはなかったのですが、今回はキューガーデンズの回避などもありメンバーレベルが微妙となって、かつこの馬場でこの馬以上に他の馬に適性が足りなかった、という格好でしょう。
 この後はグッドウッドSの4連覇がまず大目標で、ただ秋は凱旋門賞も視野に入れている、とうコメントがあったので、もしも実現するならば楽しみですね。ただしその場合、デットーリJはエネイブルに乗るでしょうから、鞍上問題は出てきてしまうのが痛し痒しですが。


posted by clover at 17:17| Comment(0) | レース回顧・海外競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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