2020年05月16日

2020 京王杯SC レース回顧

 今日の府中は、亜紗から断続的な雨だった割に馬場の悪化は遅く、結果的にほぼ高速状態のままでしたね。
 その中でメインはダノンスマッシュの見事な逃げ切り、ロードカナロア産駒のワンツースリーと、まとめて走ったのはそっちのミスプロかい、と嘆息するしかないのですけれど、ともあれ明日の為にも、レースをしっかり見ていきましょう。


 今日の馬場ですが、スタートは良で、午前中に稍重になったので一気に悪化するかな、と思いきや、画面上でも結構降っているように見えるのにそのまま稍重でラストまで持ってしまいましたね。
 時計的にも、雨を見越して散水をしなかった分もあるのか、土台が相当の高速馬場だったようで、3歳1勝クラスマイルが48,2-45,6=1,33,8、湘南Sが47,6-45,6=1,33,2と、スローバランスでありつつ全体時計もソコソコ、後半は11秒そこそこの速いラップも楽に踏める軽い馬場のままでした。

 また今日は、Bコース替わりと雨の影響が噛み合ったのか、極端なくらいに前目内目有利の馬場ではあったかなと思います。
 勿論スローのレースばかりだったのでそう目立っていた面はあるでしょうが、それでもほとんどのレースで、4コーナーから外を通した馬は最後に伸びあぐねる状況が連発していました。
 その中でのこのレースも、かなりのスローバランスでほぼほぼ前目内目競馬となっていましたし、それでも1,19,8は想定外の高速決着でしたね。上位勢の馬場適性も強く出ていたレースだと思います。

 レース展開は、大外から絶好のスタートを切ったダノンスマッシュが、そのまま躊躇なく逃げの手に出て、逃げると目されていたセイウンコウセイは無理に抵抗せず番手でじっくり、その内にグルーヴィットが続きます。
 ステルヴィオも五分のスタートから、川田Jが促して好位列の後ろに取りついていき、タワーオブロンドンも掛かり気味ながら先行策と、人気勢ががっちり前を固める競馬になりました。
 中団にレッドアンシェルとエントシャイデン、ストーミーシーは煽り気味のスタートで後方からとなり、ラヴィングアンサー、ライラックカラー、ドーヴァーあたりも後ろからの競馬でした。

 レースラップは、35,2(11,73)-11,5-33,1(11,03)=1,19,8(11,40)という推移でした。
 上り坂スタートでスローになりやすいコースではありますけれど、それにしても2F目の11,5は短距離区分のレースとしては滅法遅く、テン2Fが23,9、そこから5Fが55,9ですから、はっきりスローロンスパ、高速持久力特化戦という感じです。
 ラストは10,9-10,9-11,3と、しっかりコーナーから引き上げてある程度は分散させつつであり、レーンJは府中で前に行ける馬に乗った時は、基本的にコーナーで確実にペースを引き上げてきますね。それだけ今の馬場なら、あそこから動いても止まらない、という確信を持っているのでしょう。
 なのでレースとしては、最初の2Fのポジショニングがほぼ全て、という色合いは強いですし、改めて関東騎手のペースの読めなささ、先行意識の乏しさが浮き彫りになる情けないレースだったとも言えます。

 翻って、レーンJのレースコントロールの完璧さは目を瞠るものがありましたね。
 正直ダノンスマッシュが、こういう後半特化の競馬で強いとはあまり思っていなかったですし、左回りもどうかな?と懸念していたのですけど、まさかの逃げ、けれど実は2F目がかなりゆったりで、実質5Fのスプリント勝負に持ち込んでしまったのが鮮やか過ぎました。
 勿論馬のスタートが抜群だったのもあるのですけど、過去数走常にやや出負けしていた馬なのでそこも見事でしたし、昔から距離に不安がある馬は、前半を騙し騙し入って誤魔化す、というのは良く取られる戦法なのですけど、それを逃げ、というポジションで実行できるセンスがスバ抜けています。

 裏を返せば、いくら機先を制されたとはいえ、全く無抵抗で前を譲ったセイウンコウセイ内田Jのペース判断の甘さも目立つわけですが、どうあれこの形でラストも11,3、こういうパターンに強いステルヴィオほ最後突き放してきた、というのは正直予想外の強さでした。
 こういう競馬が出来るならマイルでもやれそうな気配はありますけど、流石に今回ほど序盤を楽に、というのは難しいですし、他のダノン勢との兼ね合いもあるので秋まで休養が濃厚でしょうか。
 競馬の幅を広げたのは確かですが、レーンマジックありきではあるので、その辺りはあまり過大評価しない方がいいレースでもあるとは思います。

 2着のステルヴィオも正攻法でいい競馬ではありましたね。
 外枠の分だけ前に楽に取りついていけたのは結果的に良かったですが、馬場的には内の方がいいので、前目とは言えコーナー外々で、というのはそれなりにロスもあったとは感じます。
 それでも坂地点では一番の足でグンと伸びてきましたし、この距離でも明らかにスローバランスで良さが出てきたので、やはり距離は最低でもマイルは欲しい馬ですね。

 むしろ安田記念の方が今日より前半忙しくなる可能性は十分あるのですが、それでも今日の内容から、やはり後半爆発的な切れと持続を求めるのは酷なので、ある程度の位置を狙っていく事がポイントにはなるでしょう。
 この天気で喉鳴りの影響も少なかったのはあるはずで、馬の適性としては延長はプラス、ただ状態的にはマイナス、というのが悩ましいところです。出来れば本番も、時計の出る馬場で小雨、くらいが有難い条件になるかもですね。誰が乗るか、もありますが、一先ずは最低限の復活劇を見せてくれたのでほっと一安心しています。

 3着のグルーヴィットは、悪くない競馬、というよりこの枠からだとベストに近いレースでしたし、やはり軸としての安定感を見込んだのは一定の正解でしたけど、上位2頭がかなり上手く乗ってきて、共に完璧だとまだ底力で捻じ伏せられるラインなのかな、というのも露呈してしまったレースですね。
 ただこの馬も左回りは本当に安定していますし、後半型の馬ですけどもう少しバランスを取りたい、自身1秒のスローくらいで総合力も活かしたい馬なので、ここまで特化戦になってしまうと、というのはあるでしょう。
 本番も内枠で似たようなポジショニングが出来れば圏内くらいはチャンスあると思いますが、もう少し地力はつけてこないと最上位相手には中々、でしょうね。

 4着ラヴィングアンサーは、ただ一頭だけ後方から差してきてインパクトはありましたけど、道中はほぼインベタでロスなく、でしたし、晩春sを見ても超高速馬場で後半特化の競馬が馬の適性に噛み合っていたのは確かなのでしょうね。
 こういう風にコーナー最速の競馬だと、そこで無理せず脚を溜める事で後ろからも伸びてこられる、というのはあるので、この上がりそのものはあまり過大評価しないでいいとは思いますね。
 ただ地力と安定感はかなり伴ってきたので、今後も噛み合えば一発警戒のタイプだろうと思っています。

 5着セイウンコウセイは、結果的に前半の入りが甘くて超スローに甘んじた事、かつコーナーでも自分から並びかけていく積極性がなかった事で、坂地点の加速で置かれてしまったのが勿体無いの一言でした。
 トータルで見て、最後じりじりきていたようにこの条件は結構マッチしていたはずで、せめてもう少し前半突っ張って、相手を逃がすにしても少し苦労させるくらいの戦略性があれば、なのですが、それが足りないから今の立場に甘んじているのも事実ですし、そこを期待するのはもはやお門違いではあるのでしょう。
 ただこの馬も左回りの安定感は流石ですし、まだまだ衰えは感じないですね。

 逆に8着タワーオブロンドンは、かなりスランプが深刻な気はします。
 前半の入り方もあまり良くはなかったですけど、今日の馬場を考えれば勝ちに行く競馬だったとは言えますしね。
 こういう軽い馬場で後半特化の競馬はお手のものではあるはずで、流石に上がりが早過ぎたのはあるかもですけど、それにしても坂地点でまるで反応出来ずにズルズル、というのは、去年の強さを思うと寂しい限りです。
 騎乗もべストとまでは言えないにせよ、出来る限りの事は出来てこれなので、ちょっとしばらくは様子見したいですね。

 券種的には、馬場を完全に読み違えた割にはある程度噛み合ったと言うか、どうあれ府中は基本ミスプロなんだな、というイメージなのですけど、結果論的に安定感を期待出来たなら、素直にグルーヴィット本命で良かった、という話ではあります。
 しかしここでストーミーシーはまさかの出負け、そこから半端にポジショニングリカバーした挙句にコーナー外々ぶん回しでガス欠とか、一つ前のニシノカツナリのどん詰まりが尾を引いたのもあるでしょうけど、それにしても本当に残念な騎乗ではありました。
 やっぱり大きいレースで、関東騎手に信頼を置くのはダメですね。馬の適性に不安があろうと、レーンJだから、の素人買いの方がよっぽど当たるのですから困った話です。


posted by clover at 16:54| Comment(2) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ダミアン、もうJRAジョッキーを目指し美浦所属騎手になって貰いたいくらいにテン乗りから機転の良さを炸裂させ土下座ものでした。(笑)
逃げて内進路確保策から、そこで最後まで馬を遊ばせないシゴきも良い上に勝負急がずに終い1ハロンから一気の追い出しは言う事なしであり。(笑)


今回、ダミアンによる騎乗ぶりを目の当たりすると先入観は駄目だと痛感。
センス溢れる外国人ジョッキー鞍上ならば、ジョッキーファクター重要視と。
これが川田継続鞍上ならば、あの一本気の気質から好位で馬二頭分を外に回してコウセイを捕まえダノンスマッシュの引き出しを開かせるエスコートはしないと思うので。
更に、川田の助言を聞く栗東の同僚や後輩ジョッキーにしても。
なので、陣営がトライアルレースに栗東ジョッキーでなく外国人トップジョッキーを乗せて来た場合は先入観無しに勝ちに行くエスコートをすると第一に考え信頼度も上げて軸まで考えて馬券健闘しようと思います。
令和の時代は、再生工場の主人公は外国人トップジョッキーになりそうであり円熟期に入ったラッキーライラック然りで。
キセキみたいに永遠の若大将な気性の難しい馬では、外国人トップジョッキーでも難儀なところですが。(笑)

今回、解説の虎石によるコメント通りミルコのラウダシオンagainを見るかのような。
今回は渋った馬場によって差し競馬は駄目、逃げて後傾ラップの展開を支配から内の進路を確保する先頭に立ってガッツリ脚を溜めてのダミアンによる柔軟性ある逃走劇。

やはり、最有力馬に跨がるルメールによる仕掛けをみんな警戒からダミアンによる逃走策は勝負師としても天晴れであり。
それもコーナーに入るまで直線が短い府中1400mで大外からガッツリと先頭に立つとは、、、母国豪州でのトリッキーなスタート地点となっているレーシング場での経験値も相まった好判断な騎乗ぶりでした。

こっちは、人気薄の逃げからコウセイがワンペース展開に持ち込み逃げ残りと推理し軸にするも。
ダミアンに機転の効いた逃げ残り逃走策までは推理出来ず撃沈(笑)、、、こんな逃げて脚を溜める競馬ではコウセイの脚質から見せ場も無しであり。
ちょっと、ベテラン内田や田辺のエスコートを目の当たりに美浦所属ジョッキーには果敢に積極策へと出来る哲学が騎手参考書から抜け落ちている様なので。
余計に、ダミアンの積極策は観てて気持ちの良いものです。
身銭を投げるならば、勝ちに行く積極性のあるジョッキーにと考えさせられます。

次走の安田記念、マイルの本職たちが満を持して集合してくるだけに難儀ですが。
今年は、マイネル軍団による逃走劇を企てる逃げ先行馬もいないメンバーなので。
ここはダノン軍団大集結から、前年覇者のインディチャンプを要警戒から包囲網プランによって積極策から先行や好位でガッツリと脚を溜める競馬を繰り広げ好勝負をして欲しいですね。
ダノンスマッシュにとっても、フィジカル面もダメージが少ない無い逃走勝ちとなるとメンタル面でも良いショックを与えたと思うので。


それと、令和の時代も雨の重賞レースで藤沢和厩舎管理馬は疑って買え件は鉄板で続くと思いながら馬券検討をしていきます。
管理馬の血統による偏りもあるとは思いますが、藤沢和厩舎管理で近走はレイエンダくらいしか雨の重賞レース好走勝ちは思いつかずであって。
Posted by ギャロップ at 2020年05月16日 18:17
>ギャロップ様

 いつもコメントありがとうございますー。

 スタートが決まったとはいえ、ダノンスマッシュで一切躊躇なく逃げを選択出来るのは、先入観のない外国人ジョッキーだからこそ、とは思わされましたよね。
 一方の美浦勢、特に今回セイウンの内田Jは、あの出足の差ではハナはともかくとして、2F目でガッツリ緩んだのにそこでつつきにいかないペース判断の悪さ、ボジショニングありきの型に嵌った競馬は残念でした。

 どうしても以前から、騎手は前に行ってバテて負けるより、後ろで溜めて脚を余す競馬の方を好む傾向はあるのですが、令和の常識としてはそれは完全に時代遅れで、けれど美浦勢は特にその時流に乗り切れていない感は強いですね。
 それでも昔よりはしっかり流れるレースは増えたと思いますが、とはいえただ前に行けばいいだけではない、という難しさは当然あって、その点レーンJやルメールJの逃げは格好の教本になる感じです。
 スマッシュはコメントの限り秋まで休養のようですけど、ダノン三本の矢で安田を勝ちに行くチームプレーとかちょっと見てみたかったですね。

 確か以前にもコメントで頂いたように、稍重以上の馬場ではほとんど藤沢馬は走らない、というのは、もはやスタイルですから、定年引退まで継続して頭に入れておいていいファクターになりそうですね。
Posted by clover at 2020年05月17日 03:58
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