2020年01月29日

2020 川崎記念 レース回顧

 昨日とは一転、好天&温暖な気候の中での開催となった今年の川崎記念は、圧倒的人気のチュウワウィザードが、モノの違いを誇示するような圧勝で交流GⅠ2勝目、改めてより強敵との戦いに向けていい弾みをつけましたね。レースを振り返っていきましょう。


 今日の川崎の馬場は終日不良で、流石に昨日のように水が浮く状態ではなかったものの、かなり粘りが強そうなタフな馬場、だったと思います。
 C1の1400mでも31秒台まで、3歳限定のマイル戦が51,0-52,5=1,43,5でしたが、ここはドイテーの圧勝であり、この馬は個人的にかなり強いと思っているので、それを踏まえてもやはり相当に時計は掛かっていたと思います。
 その中で、ハイペース寄りだったとはいえ2,14,1はちょっと凄いな、って時計ですし、勿論勝ち馬だけ次元が違ったわけですけれど、2着以下もそんなに悪い競馬はしていないはずです。やっぱり今は、地味に南関の中距離路線レベルが高いんですよねぇ。

 レース展開は、まず良いスタートだったのがチュウワウィザードとアナザートゥルース、そしてアナザートゥルースがハナに立ちそうになって、内外から行ってくれる馬を待つ格好になったところで、内からケイティブレイブが出していってハナに立ち、外からミューチャリーとチュウワウィザードが進出して2~3番手につけます。
 好位のポケットにはミツバが上がっていき、アナザートゥルースが馬群の中、その外にデルマルーヴルが上がっていって外からプレッシャーをかけ、中団付近に出遅れたヒカリオーソとオールブラッシュ、メイプルブラザーあたりが続く隊列でした。

 ラップは29,7(11,88)-26,3(13,15)-39,1(13,03)-39,0(13,00)=2,14,1(12,77)という推移でした。
 とにかくテンだけ速くて、後は大体淡々と13秒平均、ではありますが、当然川崎なので道中もラップの波はそこそこありました。
 ただ総じて極端な緩みまではなく、そして向こう正面から11,8-12,6-13,4-13,0と一気にペースアップしての4F戦、ラストも一応再加速していて、ギアチェンジの器用さは強く問われています。
 その中では前半ポジションを取るとかなり追走は問われたのと、内目からだとその上げ下げに後手後手で対処するのが難しい、という所で、やはり少し外目で自分のリズムを出来る限り維持していった馬が上位に来たな、というイメージにはなりますね。

 勝ったチュウワウィザードは、競馬の形としてもバイアス的にも完璧に近い形ですし、そもそも論としてまともなら絶対能力が違うのも確かなので、あれだけスムーズに走れれば妥当な結果だと見ていいでしょう。
 本当に器用で総合力の塊でありつつ、しっかり底力も兼備していて、このタフな馬場と流れの中で、遊び遊びでも唯一加速出来ていたのがこの馬だけ、という時点で格が違い過ぎた感じです。
 キンカメ産駒らしく、5歳になって更にパワーアップしていると思いますし、取り口の安定感も含めて、本当にホッコータルマエを彷彿とさせますね。

 中央でも強いですが、この馬の場合はタフな馬場の方がより強い可能性はあり、比較的何処でも強いのでベスト条件が今だよくわからないところもありますけれど、長い距離で崩れる公算は低いでしょう。
 選ばれればドバイに行く、というコメントも出ていますし、川田Jとしてはクリソベリルに乗れない中でも、この馬で一発を狙っていくのは面白いかな、と感じます。
 個人的に今のダート路線で一番の御贔屓馬でもありますし、ワールドワイドな活躍を期待したいですね。

 2着のヒカリオーソは、出負けした時点で終わったかなと思っていたのですがなんのなんの、最後の直線はしぶとく伸びてきましたね。
 個人的にもっと前目にいる馬だと思っていたので、そうなるとやはり早めにチュウワウィザードに潰されて苦しいかな、と見て拾わなかったのですけど、正直ミューチャリーとヒカリオーソの立ち回りが想定の真逆でしたね。。。
 元々スローからの一脚が武器の馬ではあり、ただそれでも基本逃げか番手の競馬で結果を出していたので、今回あの位置からでもスムーズなら力を出せる、という所を見せたのは収穫になると思います。
 正直今の南関中距離路線はかなり高いレベルで拮抗していると思うので、流石に最上位クラスには歯が立たないにしても、GⅡ・GⅢレベルの相手なら充分やれるはずで、今後の交流重賞も楽しみになりますね。

 3着デルマルーヴルは、ポジショニングと枠のバイアスのバランスを取りつつ、相手はチュウワ、と絞った競馬だったと思いますけど、流石にまだ現状では手も足も出ませんでしたね。
 ただこの馬もコーナーでは動けなかったものの、直線では外目からジリジリと食い下がってはいますし、やはり出し切る形で良さは出てくるので、血統イメージとは裏腹ですが距離はあればあるだけいい、というタイプに感じます。
 マーフィーJも浦和記念の反省から、しっかりロスがあっても出し切る形を作ってくれたのは良かったですし、今回も内に拘っていたらきっとアナザートゥルースの二の舞でしたでしょうからね。

 4着のミューチャリーは、確かに元々先行力もある馬ですが、近走は差しで結果を出していたので、この距離と外目の枠とは言え、あそこまで積極的にポジションを取っていったのは驚きました。
 しかも3コーナーで、自分からケイティブレイブを潰しに行く超強気の騎乗で、でもチュウワウィザードにしてみれば丁度いいガイド役、くらいの扱いをされてしまいましたし、ラストも流石に甘くなっていました。
 距離はこの位でも平気でしょうが、やはりここまで追走が問われる流れに諸に乗っかっていくのはシビアだったはずで、能力は見せた一戦ですけれど、もう少しバランスを意識して欲しかったなぁ、という本音は出てしまいますね(笑)。

 5着アナザートゥルースは、色んな意味で中途半端なんですよねぇ。
 ぶっちゃけあのスタートなら、ケイティブレイブに蓋して自分で逃げてしまっても良かったのに、と思いますし、わざわざ手綱絞って下げて、一番窮屈なところに入っていくとか、想定よりも更にうーん、な騎乗ではありました。
 ここ数走を見ても、どうしてもここまでギアの上げ下げが顕著に出るパターンは向いてない感じで、スタミナはあるので離されないけれど、食い込むだけの決め手も引き出せていない、とは言えますね。

 6着ケイティブレイブは、やっぱりこの枠で逃げるしかなくなりオーバーペース、という見立てでいいでしょう。
 ある程度スローで入った方がいい馬になっていますし、こちらも本当はある程度下げて外から、で良かったとは思うのですよね。でも既存のイメージやテン乗り、この枠ではそれも難しかったはずで、まあ仕方ない負け方ではあるかなと思います。
 馬自身の能力落ちも多少は考えるべきですけど、ここ2走は騎乗とペースが噛み合っていないのも事実なので、条件が良くなれば、具体的には外枠引けて平均くらいの流れを楽についていく形なら、当然まだまだやれるとは思うのですけどね。

 7着ミツバは、去年は何故か上手くいったけれども、やっぱり基本内で砂を被る競馬は良くないはずで、なのにあの動くに動けないポジションをし自分から取りに行ったのはうーん、ではありますね。
 序盤はじっくり入って、向こう正面から外を意識してくれればと思ったのですけど、アナザーから3頭、内のダメダメ三銃士になってしまってなんとももどかしさは残るレースでした。

 券種的には難しいというか、正直予想の方向性としては今回はそんなに間違っていなかったと思うのですよね。
 ヒカリオーソがあの競馬が出来た、というのは流石に想定し辛いですし、デルマルーヴルも重く狙うにはちょっとファクターが弱かった中で、地味に当てられそうで当てるチャンスが少なかったレース、という感覚ではあります。
 敢えて言えば配当妙味で、ケイティブレイブも危ないとは思っていたのだから蹴っ飛ばして、能力はミューチャリーともそんなに遜色ないと判断していたヒカリオーソを入れられれば……でしょうか。
 実際問題、ケイティブレイブが来ていると大概の三連複だけではガミる、というのはあって、それなら買わずに妙味を追う、という割り切りはした方が良かったですね。予想として半端に置きに行ってしまった感じはして、ちょっと悔しいところです。




posted by clover at 18:06| Comment(4) | レース回顧・地方競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

どうもです!
チュウワの横綱相撲、ポジション取りの川田による一本気な競馬と相まって参りましたね。
チュウワは、スタート出から果敢なポジション取りによってひと息入れのロングスパート策で良いと思うんですよね。
出に失敗しても後方から相手を飲み込む36秒台の脚を使える脚力もあるけど、川田みたいに果敢なポジション取りから出て行っても掛からんし競馬の組み立てが出来る馬だから。
その長所を出し切り今回みたいに、展開に依存する競馬ではない貫禄勝ちには笑って称えるしかないです本当。(笑)
スタートの出が不味くない上に、父親キングマンボウ系で母親はヘイルトゥリーズンのクロスなので。
今回みたいに地方ジョッキーによる突っ張り合いからテンが速くなっても、途中でガツンとひと息の入るステイヤーレースならば両親から受け継いだパワーと持久力で地方の深い砂も苦にせずだから。
親の血筋から、まだまだ完成形の過程と見て良いですかね?
大久保トレーナーも、どこまで強くなるかは?謎とコメントしているだけに。
ここで今シーズン、追走力もガツンと増して来ると。
巨漢馬であるベルリと違って中型のチュウワならではの反応の良さと機動力によってベルリたちなどと良い勝負が見れると思うので、今シーズンは東京大賞典まで楽しみな一頭となります。
またゴールドドリームとの世代交代で、こうした馬が台頭してくれないとダート界も盛り上がらんですね本当。(笑)


しかし本当、競馬を当てに行くのは難しいですね。
個人的には、ポジションはヒカリとミーチャーリーは逆の妄想で予想してたのですが。
蓋を開けたら、ヒカリが出遅れとは。。。。でした。(苦笑)
お陰でミーチャーリーを馬券に入れたことで、ミーチャーリーも買ったしと前のめりに楽しめました。(笑)

また仰る通り、東京大賞典のモジアナ然り。
今回、川崎記念でのヒカリやミーチャーリー然り。
今の南関東勢は、4歳5歳馬による中距離層の馬は侮れない自力がありますね。
山崎のレース後コメントで、ヒカリは馬混みの中を経験してないからとの言葉通り不安は過ぎり。
出遅れ、「やっちまったなぁ」と思ったんですが。。。。
もう、ヒカリオーソ天晴れ!と称えるしかないですね全く。
今後、この自在性は侮れんですね。
また、御神本による本気度MAXは地方ジョッキーとしての矜恃は良いねと分かるところですが。
ちょっと、今回はアクセル踏みすぎ感から残念であり。(苦笑)
それでも、今後も中小の生産ファームも侮れなく中央に食い下がる馬を生産する良い兆候となったら良いですよね。
こうして、交流戦で南関東勢力が馬券に絡むことで業界もモチベーションが上がると思うので。

それと、オールブラッシュは今回スタート出もイマイチからノーカウントと見て良いですかね?
今野の継続鞍上だから、果敢策でポジションを主張していくだろうと思ったんですが。
おいおいおーい、、、と、殿3番手スタートには参りました。(笑)
とにかく、オールブラッシュみたいにムラっ気がある馬は取捨選択が難しく悩むところです。(苦笑)

そして、馬券メゾットでは。
今年は、ちょっと南関東馬も地力が上がりつつあるので更に地方ジョッキーの手腕もリスペクトから小回りコースの南関東ではジョッキーファクターも強めに考えようと思います。

>内のダメダメ三銃士になってしまってなんとももどかしさは残るレースでした。
これは、悔いの残るエスコートばかりと思うところです。
大野は、スタート出が抜群でも1角から謎の控える競馬から。
★5着アナザートゥルース(JRA・4番人気)=大野騎手「向正面でペースが速くなった時に置かれた」
このレース後コメントも不味く、とりあえずズッコケるしかない継続鞍上ジョッキーとしての心許ないコメントぶりであり。
もう、川崎初心者でないジョッキーだけに地方ジョッキーたちや川田の心理も読み込み。
更に、少しはルーヴルよりも終いの脚も鋭く使えない加速力もないくらいは前走でも分かっているのだろうと。
それを理解し、腹を括る勝負勘もガツンと磨き上げてくれんと良い馬も廻って来ないと思うところであり。

そして昨年勝ってから継続鞍上の和田も、どうせ大野がスタート出が良かったからオイシンと併せ馬になる形で外に出しミツバの闘争心を失わないエスコートが出来たら見せ場も作れたと思い。
あの追走途中で押して押してからステッキを入れるタイミングは、もうミツバは終了だろうと思うくらいに不味い和田であり。
中央の中堅ジョッキーも、少しは中央で調教が終わった後に地方ナイターのドサ回りで腕を磨いた方が良いと思うくらいにガックリとなってしまうので。(苦笑)
ここはオイシンやミカエルの爪の垢を煎じ、もっとハングリーな環境に身を置いて腕と勝負勘を磨いて欲しい思うところであり。
それを求めても無理な話ですが。(苦笑)

それにしても、オイシンは根岸ステークスも注目ですね。
キッキングを乗りたいとラヴコールし、鞍上が叶った経緯みたいなので。
今年、いきなり小回りの中山でリーディングトップなだけに府中攻略済みのオイシンは要警戒したいです。
更に、ディアドラとのコンビ継続も注目したいですね。
だから今の立場だと、母国でトップリーディング争える状況だからJRA通年免許のモチベーションは難しいところですが。
驕らず好青年で修正力あるジョッキーだから、今後も短期常連となって日本語も片言で喋れるくらいになったら考えて欲しいと思うところです本当。(笑)

Posted by ギャロップ at 2020年01月30日 03:38
こんばんは★

いやあ、チュウワやっぱり強いですねえ。

私も好きなので、走る度に強くなっていく姿は見ていて嬉しいです。

血統だけだとマイルもやれそうな気がするんですけど、ドバイで1発かまして欲しいですね(笑)

前にダート路線で牝馬が〜って話ししたんですけど、牡馬ダート上位陣は相当レベル高いですね。

前目外目で、あの勝ちっぷりですからね。

凄いなあ。 

毎年のことですが暮れが楽しみです(笑)

ケイティはシュウジじゃないですけど、スタートからスピードに乗っていけるのが相変わらず弱点になっちゃってますね...

今回も厳しい展開だったと思うので、どこかで福永J渾身の差しからの出し切る競馬を見たいとこです。
Posted by J.N at 2020年01月30日 03:49
>ギャロップ様

 いつもコメントありがとうございますー。

 チュウワは本当に自在性が高いですし、総合力もあって基本的に隙がないですよね。強い馬に力負けする場合はあっても、弱い相手にまず取りこぼさないあたりも凄味だと思います。

 ヒカリオーソとミューチャリーはレースを盛り上げてくれましたし、仰るように地元でいい馬を任せられたなら、中央の騎手にも外国人Jにも負けない、という気概が感じられるのはいいですよね。
 でもやっぱりあのポジショニングは逆だと思いますよねぇ。うーん、ヒカリオーソも当然能力は高いと思っていただけに、展開に目を瞑って押さえられなかったものか、と未だにモヤモヤしてます(笑)。
 どちらもレースに幅を広げたという意味では価値がありますし、今後が楽しみですね。

 対しての中央勢の騎手の不甲斐なさは目立っていましたし、なかんずくアナザートゥルース大野Jは、継続騎乗のメリットを全く生かせない騎乗になっていてガッカリでしたね。
 その点少しずつでも着実に修正していって、馬にとってより良い競馬を試行錯誤してくれるマーフィーJは信頼出来るよなぁと思ってしまいますし、この秋冬の常連として毎年のように来てほしいです。
 キッキングも改めてどう乗ってくるか楽しみですし、ディアドラでもまた世界を驚かす快走を見せて欲しいですねー。
Posted by clover at 2020年01月30日 18:49
>J,N様

 いつもコメントありがとうございますー。

 チュウワの成長力と安定感の噛み合い方は、見ていて本当にワクワクさせられますよね。
 川田Jのコメントからは、まだそれでも伸びしろはある、と感じているようですし、ドバイでもこの馬みたいなタイプの方がサラッと適応できてしまうのでは?という期待は持てますよね。
 本当に牡馬の上位は歴史的に見ても一番層が厚いんじゃないかと思いますし、ルヴァンスレーヴもようやく復帰の目途が立ったようで、本当に楽しみな路線です。

 ケイティブレイブはその中で完全に一歩後退、という立ち位置になっちゃいましたね。
 ただこの2走はやはり展開的に苦しい面もあったので、より気楽な立場になって、タフな馬場条件の時に、後ろからロンスパでどこまでやれるかは試して欲しいです。
 少なくとも、あの帝王賞の勝ち方は尋常ではなかったですからね。この馬がモデルチェンジして、また最上位に挑戦していく姿が見られたら本当に嬉しいのですけどね。
Posted by clover at 2020年01月30日 18:53
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