2020年01月02日

私的名馬列伝 第二十六話 ハーツクライ

★はじめに

 2019年は、ディープインパクトにキングカメハメハと、2010年代の日本競馬を牽引してきた2頭の大種牡馬が鬼籍に入ってしまいました。
 本稿の主役となるハーツクライも、キングカメハメハと同期生なので、そろそろ種牡馬としては晩年に差し掛かる時期なのですが、しかし不思議と今年は2歳から続々とクラシックの主役候補が登場、そして特に下半期は、古馬GⅠでも大きな存在感を発揮してきました。

 まるでそれは、2頭のライバルが世を去った事に奮起したかのような……と語ると情緒的に過ぎるのですが、実際のところ、3歳時から圧倒的なスターダムを駆け抜けていったライバルたちに対し、いつもハーツクライは一歩後ろからジリジリと差を詰めていく、そんな立ち位置でもありました。
 種牡馬としても晩成の底力をこれから発揮してくれるのか、今後の活躍が大いに注目されますし、来春のクラシックにも大器がゾロゾロと控えている中で、この馬の現役時代の軌跡を振り返るには折り良いタイミングではないか、と思います。

 生涯通算成績は19戦5勝https://db.netkeiba.com/horse/2001103038/ですね。
 勝率は多くの名馬と比べてもかなり低いですけれど、やはり現役生活終盤のインパクトが非常に大きく、その圧倒的な成長力は産駒にも受け継がれています。
 きっちりと若駒時代から順を追って、この馬の成長過程と、その適性を見ていきましょう。


★生い立ち・血統

 ハーツクライは、父が不世出の大種牡馬サンデーサイレンス、母がアイリッシュダンスという良血馬で、2001年4月15日に生を受けました。
 この時点で父のサンデーサイレンスは、既に伝説的な記録を日本競馬史に打ち立てており、その産駒の価値は高騰する一方でした。

 一方母のアイリッシュダンスは、父トニービンの遅咲きの馬で、現役生活においては3歳時(現代の年齢表記に合わせて書いています)はほとんどまともに出走すらできず未勝利でした。
 しかし4歳シーズンに、いきなり500万下で勝利を飾ると、そこから7戦6勝の破竹の勢いで一気にオープンまで登り詰め、そして5歳シーズンも、流石に相手が強くなって常に勝ち負けとはいかなかったものの、重賞ふたつを制し、一気にトップクラスランナーに並びかけていきました。

 特に56kgを背負って、珍しく先行して直線強烈な瞬発力で後続をぶっちぎった新潟記念(当時は右回り)は非常に強く、続くオールカマーでもあのヒシアマゾンの2着に健闘、当時の武Jが、秋のGⅠの期待馬を問われて「(アイリッシュ)ダンス・ダンス(パートナー)・(フェア)ダンス」と答えた話は有名です。
 残念ながらGⅠでは歯が立たなかったものの、その素晴らしい成長力は、間違いなく本稿の主役・ハーツクライに引き継がれたと言えるでしょう。

 トニービンの血は、成長力とスタミナ、底力に富むものの、やや不器用なところがあり、直仔のほとんどが府中でしかGⅠを勝っていないのも有名な話です。
 ハーツクライもその不器用さはしっかり引き継いでおり、総合的に見て特に若駒の内は、サンデーとトニービンの長所と短所を併せ持っている馬でした。
 果たしてそれがどの時点で変わっていくのか、また最初から持っていた能力と、後天的に引き出されたものはなんなのか、そのあたりをしっかりと、一戦ずつ追い掛けながら見ていきたいと思います。


★新馬戦~若葉S <ステップバイステップ>

ハーツクライが所属したのは、栗東の橋口弘次郎厩舎でした。
 橋口厩舎と言えば栗東の名門のひとつで、サンデー産駒で言えばダンスインザダークを管理していましたが、この馬がダービーでフサイチコンコルドにまさかの急襲を受けて2着に敗れて以来、ダービーの制覇を厩舎の悲願として常に語っているのが印象的でしたね。

 そんな橋口厩舎で、入厩前からダービー候補として期待されていたハーツクライですが、どうにも晩成の血が強く出て、中々芯が入ってこなかったようで、デビューは年明けの正月開催にずれ込みます。
 そしてひとつ申し訳ないのですが、デビュー戦だけはレース映像を見つけられなかったので、ラップと枠から雰囲気で語るしかないのですけれど、武Jを鞍上にしての初戦は、外枠から道中3~4番手を追走、直線でジワリと抜け出しての勝利でした。

 それ以降のイメージからすると、案外ポジションが取れているな、と思うのですけど、これは前半3F38,9、1000m65,0という超スローペースで、しかも外枠から自分のリズムで進められた恩恵は強かったのだろうと推察できます。
 後半も新馬戦だとしてもなかなかペースアップせず、ラスト3Fが12,1-12,0-11,4と完全に最後のゴール前だけの競馬で、勝ち時計も2,06,3と平凡、後続を大きく突き放したわけでもないので、デビュー戦としてはかなり地味な内容ではあったと感じます。



 ただ、やはり陣営はこの馬の能力を高く評価していたのか、新馬勝ち直後の2戦目に、強気に重賞のきさらぎ賞にぶつけてきました。
 この1800mという距離は、実のところ生涯を通じて唯一ハーツクライが10F以下の距離に出走したレースでもありますが、この時の鞍上は、前年にスティルインラブで牝馬三冠を達成した、新進気鋭の幸Jにスイッチしていました。
 武Jはこのレースでは、大器と名高いブラックタイドを選択しており、この馬も競争成績としては大成できなかったものの、父としてキタサンブラックなどを輩出、ディープインパクトの兄として以上の存在感を残していますし、本当にこのハーツクライ世代はいい馬が揃っていたなと思いますね。

 ともあれ、少し時計の掛かる馬場での一戦となったきさらぎ賞で、ハーツクライは先ず先ずのスタートでしたが、流石に新馬とは流れが違い、二の足で見劣って道中は後方寄りの内目を進んでいきます。
 坂の下りから後続が押し上げていく、淀らしい展開の中で、コーナーでもある程度馬群の中目を選択したハーツクライは、直線で前がクリアになるとじわじわ脚を伸ばしてきますが、先にスパッと抜けていったマイネルブルックとブラックタイドの一騎打ちには大きく離され、3着でゴールとなりました。

 レースラップは35,7-37,1-35,2=1,48,0で、この時計は馬場を考えるとそこそこ優秀です。
 かつ後半は、11,8-11,7-11,7と、瞬間的な切れはそこまで問われていないものの、長くゴールまで脚を維持する持続力が求められていて、その流れで一瞬の切れ・加速性能では物足りなかったものの、ラスト1Fの脚色は上位2頭と遜色なく、流石にここでは前半部分のポジショニングも含め、少し距離が足りなかった、というイメージにはなりますね。
 また敢えて言うと、前の2頭は400-200m地点で11秒前半の脚は使ってきている筈で、この時点のハーツクライは加速性能がやはりまだ乏しい、イコールトモが成長しておらずに、推進力を一気に生み出すパワーが足りていなかったと推察する事は出来ます。

 ただそれでも、ある程度流れた中で一応レースには乗っかっていけましたし、強い相手に時計も詰めて、新馬勝ち直後と考えればしっかり走れている方で、陣営のこの馬の潜在能力に対する信頼はより強くなった一戦なのではないでしょうか。



 きさらぎ賞で力の一端は示したものの、賞金の上積みには失敗したハーツクライは、クラシック第一弾の皐月賞の出走権を掛けて、トライアルの若葉Sに駒を進めていきます。
 ここでの鞍上は、笠松から移籍してまだ間もない、けれど歴々たる存在感を既に積み上げていたベテランの安藤Jが配されて、新馬から2戦続けて馬体を絞ってきたあたりからも、必勝態勢だったのではないか、と思われます。

 レースでは、2番枠からスタートこそ良かったものの、安藤Jがある程度促しても中々前に取りついてはいけず、安藤Jも早々にそこは諦めて、後方内目から自分のリズムに徹していきます。
 全体で淡々と流れる中で、3コーナー手前から後続集団が前に取りついていき、その流れの中コーナー中間でうまく外目に持ち出したハーツクライは、4コーナーを大外で回り、ひとつ内にいたスズカマンボとの一騎打ちを辛くも制して、見事に皐月賞の権利を勝利と言う最高の形で手にする事が出来ました。

 レースラップは36,2-48,7-35,3=2,00,2で、ハーフでは60,6-59,6なのでややスローバランスでした。
 ただこの時期の3歳戦としてはそこそこ淡々と流れていましたし、その分仕掛けが遅れていて、後半は12,0-11,9-11,7-11,7と直線で最速ラップを踏む形になっています。
 ハーツクライの位置ですと、前半は61,5くらいにはなると思いますし、そこから緩みでじわっと取り付きつつ、コーナー外目でもまだ全体のラップが上がっていなかったのでそこまでロスが大きくなかったのが幸い、という所で、それでもこの馬自身はラスト1F少し落として、スズカマンボにも食らいつかれていますから、さほど強い競馬でもなかった、とは言えますかね。

 この日の阪神の芝はかなり高速寄りでもありましたし、コーナーでそこまで無理はしていないとしても、ある程度エンジンを早めに吹かしていくと、実はそこまで長く脚を使えるわけではないのでは?というのが、今改めてこのレースを見て率直に感じた部分ではあります。
 或いは、上でも書いたように、自力で一気に加速していく形がまだ苦手なのかもしれず、その不安は次の皐月賞で一気に露呈する事となります。


★皐月賞~ダービー <主役の陰で牙を研ぎ>


 若葉Sを制して、勇躍初東上、引き続き安藤Jで皐月賞に駒を進めたハーツクライに対し、ファンも未知の魅力を感じていたのか、単勝5番人気と先ず先ずの支持を得ての出走となります。

 しかしレースでは、大外に近い枠から痛恨の出遅れを喫し、道中はほぼ最後方列の、しかも馬群の外目をずっと追走するという苦しい形になってしまいます。
 向こう正面と3コーナー過ぎから、じわじわとポジションを上げていく意識を持って進めていく安藤Jですが、3~4コーナー中間あたりから一気にペースが加速したところでついていけなくなり、ずっと大外を通したまま、直線でもいいところなく伸びずバテずの14着大敗を喫してしまいました。

 レースラップは35,3-48,9-34,4=1,58,6と、この時代としてはかなりの高速決着になっていて、勝利したのは同じサンデーサイレンス産駒のダイワメジャーでした。
 昔このレースを見た時の感想としては、明らかにこの距離でスピード勝負になると足りない、というイメージでしたけど、いま改めて見ると、シンプルにペースが遅かった事と、後半の切れ味と加速力の両面で足りなかった事、そして延々外を通さざるを得なかった枠の不利などが複合的にあったのかな、と思えます。
 レース後半が12,0-11,5-11,3-11,6で、3コーナー過ぎの12,0地点ではまだ食らいつけていたのが、11,5-11,3と前が加速する中でスピード的についていけなくなり、またその分早い時点で一気にトップスピードにいれてしまったため、直線は持続力が足りずに伸び切れていない、というイメージになりますね。

 トラックバイアス的にも、展開的にも、この枠で出負けしてしまったらどうしようもない、というより、むしろ腹を括ってインベタポツンした方がまだマシだったろうとは思いますが、少なくともこの時期のハーツクライは、加速力がないのでスタートダッシュも鈍い=ポジションが取れない上に、後半要素にも瞬発力の質と持続性能がそこまでは高くない、という弱点があり、このレース内容ではどうしようもなかったでしょう。
 勿論血統的に見ても、器用さが問われやすい中山はこの時点では苦しかったのもあるでしょうね。またはじめての輸送で更にマイナス体重など、負の要因が色々積み重なっての大敗と考えられます。



 皐月賞でショッキングな大敗を喫してしまったハーツクライですが、若葉S勝ちだけでは厩舎悲願のダービー出走も心許ない、という中で、東上最終便の京都新聞杯に駒を進めていく事になります。
 というか、改めて振り返ると、年明けデビューでこのローテーション、結構えげつないですよね。。。
 橋口調教師は比較的昔気質と言うか、レースの中で馬を鍛えていく、またこれと見込んだ馬はどんどん強い相手にぶつけていくスタイルでしたけど、このレースで4戦続けてマイナス体重、それでいて結果を出してきたのですから、馬自身も中々にタフだなぁと思います。このあたりはトニービン血脈の良さでもありますね。

 レースではここも安藤Jが手綱を取り、外枠からスタートするも、前走の反省を活かしてか道中一切促す事はせずに、馬のリズムを守って後方内目を追走していきます。
 坂の下りからじんわりと取りついていって、コーナーも出来る限り内目を通し、直線入り口でようやく外に出す省エネ騎乗、そこからようやく全力で仕掛けられると、ここでは機敏に反応して一気に先団を飲み込み、そして再び先に抜け出していたスズカマンボとのデットヒートをギリギリ差し切っての、嬉しい重賞初制覇となりました。

 レースラップは47,3-50,1-34,5=2,11,9となっています。
 この日の京都はかなりの高速馬場で、下鴨Sでも1,45,6が出ていますし、かなり軽い馬場だったのは間違いないですが、ここでハーツクライが見せた切れ味は今までと一線を画したものではありましたね。
 レース質的にはテンが速くて、中盤緩み上がり勝負、後半は11,6-11,2-11,7と仕掛け自体は遅い展開ですが、基本的には前の流れに乗らず、序盤中盤をフラットに進めてきた組が有利だった印象で、その点ハーツクライの立ち回りはドンピシャ噛み合っているとは思います。

 かつ、コーナーでも無理に外には出さずにじわっと差を詰めてきて、強く仕掛けられたのは残り400mを切ってから、というあたり、安藤Jは意外ときちんと、この馬の使える脚の長さをわかって乗っていたのだろうな、とは感じる内容でした。
 また淀の場合は、坂の下りである程度加速しやすいシチュエーションでもあり、前の緩みに合わせてニュートラルにポジションをあげつつ、じわじわと段階的に加速、ブレーキも踏まずにスムーズに直線で進路確保する、という最高の騎乗のアシストがあって、はじめてあれだけの上がりを繰り出せた感はあります。

 ラスト1Fでまだ前と3馬身くらいあったので、この馬自身は多分11,2-11,0-11,2くらいで、軽い馬場で自身の切れ味の質はそこそこ高めていますけど、絶対的にはやはりスパッと切れるわけでなく、ただここでは最速地点を直線まで持ってきた事で、ラスト1Fまでしっかり足を残せていたイメージです。
 こんな感じで見ていくと、やっぱりどうにも、後半型の勝負になった時に、この馬が使える本当にいい脚は2Fまで、という感じはあるのですよね。
 加えてこのレースは比較的前半から流れていて、それを後ろで受けたとはいえ、一定の追走力がある事も見て取れて、それは次走のダービーでより顕著になるのですけれど、ポジションは取れない、けれど潜在的な追走力自体は持っていたのがこの時期のハーツクライと言えそうです。
 まあ要するに、典型的なハイペースの差し馬、前崩れで後半ラップが遅くなった時に相対的に台頭できるタイプの馬で、断じてスローから自身の爆発力や持続力で差し切る後傾型の差し馬ではなかったと思います。



 正に橋口調教師の執念、とも言えるローテーションでダービー出走に漕ぎ着けたハーツクライですが、ここまで主戦を務めた安藤Jは、NHKマイルCを圧勝した怪物・キングカメハメハの手綱を選び、ここではテン乗りとなる横山Jが騎乗する事となります。
 ダービーでの乗り替わりは勝てない、というジンクスは、結局平成時代に一度も覆される事がありませんでしたし、またこの時点では騎手も調教師もダービー2着はあるものの、という惜敗コンビで、戦前も無茶なローテーションも含め、きても2着だろ、なんて空気は流れていましたね。

 ただ馬自身はこのローテーションでもしっかり余力が残っていたのか、輸送もあったのにここではじめてプラス体重での出走となり、そしてレースでも、漁夫の利をこれ以上なく得たとはいえ中々に強い競馬を見せます。
 スタートもいつも通りイマイチで、最初から下げるつもりで横山Jもスタートしてすぐに後ろを振り返ってスペースを確認しているくらい、道中は後方2番手の、前にスペースを置いて進めていく横山Jらしいスタンスでの騎乗でした。
 幸いレース全体がシビアに流れ、しかも仕掛けまで速くなる極限の消耗戦の中で、大欅付近からじわっと進出を開始したハーツクライは、直線かなりコースロスがありつつ大外も大外、外ラチ近くまで持ち出していくと、そこからしぶとくゴール前までぐいぐいと伸びて、キングカメハメハは捕まえられなかったものの2着に食い込む大健闘を見せたのです。

 レースラップが34,4-35,0-38,0-35,9=2,23,3で、かなり馬場が荒れていた事を踏まえても相当に強烈な消耗戦、勿論この時点では圧倒的なダービーレコードで、それを中団から早めに前を追いかけて、そのまま押し切ってしまったキングカメハメハの戦慄する強さばかりが目立ったレースではあります。
 ハーツクライとしてもちょっと勿体なかったのは4コーナーのコース取りで、出し切りたい馬であるとはいえ、スズカマンボの外、一度画面から見切れてしまうくらい大外まで持ち出したコースロスは決して小さくなく、もしも仕掛けをワンテンポ待って、キングカメハメハの真後ろ辺り、馬群の真ん中を貫くコースを選択で来ていたら、もう少し際どかったかも、というイメージはあります。
 実際にきさらぎ賞あたりではそういう競馬も出来ていますし、やはりその辺テン乗りの難しさはあったのでしょうね。もしもこちらに安藤Jが乗っていたら、或いは……という可能性もあったやもしれません。

 ともあれ、レースの上がりが11,5-11,7-12,7とコーナー最速の持続力戦&消耗戦の中で、まだコーナー地点ではコース取りに専念して、全力で追われていなかったのも幸いだったのはあるでしょうし、後半のレースラップ自体が速くなかった事で、この馬なりに加速は問われても、それが限界点まではいかなかった事が、ラスト1Fまで伸びてこられた要因ではあると思います。
 流石にこれだけ離れていると分かりにくいですけど、ラストは4馬身ちょっと詰めてきていますので、大体11,4-11,1-11,9くらいかな、というイメージで、この馬自身は坂地点で最速ラップを踏みつつ、それなりにラストも維持してきた、という感覚です。

 また、この馬の位置でもややスロー、くらいのバランスではあるので、やはりこんな風に、レース全体で流れて追走が問われ、結果として道中でギアの上げ下げを求められない方がこの馬にとっては間違いなくプラスなのでしょう。
 無論トニービンの血で、左回りで良さが出た面もあるでしょうし、漁夫の利とは言えこの時計で走れたことは素材の証、更に秋に成長が見込めると思えば上々のレース、とは言えるのですけれど、しかしこのレースは実際にタフ過ぎて、死のレースでもあったのですよね。
 結果として、上位に入った組や先行した組は大半燃え尽き症候群に罹ってしまった一戦でもあり、比較的楽なレースをしてきたハーツクライもその例外ではありませんでした。


★神戸新聞杯~有馬記念 <才能の空転、雌伏の時>


 曲がりなりにもダービーの2着で、世代最上位の一頭、と目される事となったハーツクライは、夏場をじっくり充電に当て、菊花賞路線で最後の一冠を手にすべく、トライアルの神戸新聞杯にエントリーします。
 このレースからは、新馬戦で手綱を取った武Jが鞍上に戻り、春の無念を晴らすべく、ダンスインザダークと同じ布陣で臨む事になりました。
 ここはダービー馬のキングカメハメハもエントリーしてきましたが、この馬は早々に秋の路線を秋天⇒JCの古馬王道路線と明言していて、それぞれの思惑が交錯する中でのトライアルとなります。

 レースは、大外枠からスタートのハーツクライはまずまずのゲートでしたが、やはり序盤は無理せずほぼ最後方に近いポジションで、丁度目の前にキングカメハメハがいたため、お誂え向きとそれをピッタリマークする形で進めていきます。
 有力馬が後ろにいる中でレース自体はスローで流れ、後半から一気に加速していく展開の中で、先に動いたキングカメハメハをじわっと追いかけていくハーツクライですが、コーナー、そして直線の最速地点でもじわじわ引き離され、ラストはジリっと差を詰めてくるものの、伏兵のケイアイガードにも先着されての3着と、微妙な結果での秋の初戦となってしまいました。

 レースラップは36,9-47,6-34,5=1,59,0で、このレースはキングカメハメハの列伝を描いた時にも指摘したように、直前のビワハヤヒデMとのラップ差からしても、相当に上位は強い競馬をしていると判断しています。
 全体のバランスとしては61,2-57,8と相当なスローバランスで、その分仕掛けは速く向こう正面から11秒台に入り、後半11,4-11,4-11,2ー11,9と、コーナー地点でずっと速いラップを踏み続ける、基本的に前目内目圧倒的有利な展開でした。
 これを3コーナー中間から自分で動いて、しっかり捕まえたキングカメハメハが異次元に強いのは間違いなく、それよりはワンテンポ遅らせて、かつ誤差程度でも内目を通して進めていったハーツクライが、それでもコーナーや最速地点でジリジリ離されているのは、機動力と瞬発力の質の差が顕著に出ているところではあります。

 ただハーツ自身も、これだけ全体的に仕掛けが速い流れでも、一応最速地点は400-200mと、分散しつつもう一段、という形で最後までしぶとく脚を伸ばしてきていますし、春よりは多少なり機動性と持続面で上積みは見せてきたのかな、というイメージは持てる敗戦でした。
 流石にこの時点では、どう足掻いてもキングカメハメハに勝つのはまず無理、というレベルではあったと思いますが、菊花賞にはその最大のライバルはおらず、そしてこの時点では距離が伸びても不安のない馬、と思わせていたので、当然ながら菊花賞は鞍上の腕込みで人気になる事になります。



 春のクラシックでは僅かにタイトルに手が届かなかったハーツクライとコスモバルクが人気を分け合っての一戦となった菊花賞は、そのコスモバルクが1周目の下り坂で折り合いを欠き、自ら逃げを打つという波乱含みの展開で幕を開けます。
 10番枠からのスタートだったハーツクライは、当然のように1周目はそろ~っと折合いとリズム重視で進めていき、スタンド前では後方3~4番手のやや外目、というポジションから進出の機会を窺います。
 菊花賞らしく道中のペースのアップダウンが大きくなる中で、セオリー通りに坂の下りからじんわりと外目を通して差を詰めていくハーツクライですが、4コーナー出口でかなり外に振られ、そこで置かれる形になってしまい、そこからしぶとく脚を伸ばしてくるものの破壊力は感じられず、結局前の馬の争いを全く脅かす事なく、雪崩れ込んだだけの7着と言う残念な結果に終わってしまいました。

 レースラップは60,4-63,7-61,6=3,05,7で、馬場自体はそこそこタフ寄りでしたので時計自体はこんなものでしょうし、全体として言うなら実はハイバランスにはなっています。
 ただ後半5Fが遅いのは、2周目の坂の上りの13,5が大きく影響していて、そこから12,3-11,8-11,7-12,3と下りで一気に全体が加速していく構図なので、やはり機動力とそこまでの縦横のポジショニングは結構影響したレースになっていると感じます。
 結果的にも淀らしく、前目内目の馬がある程度上位を占める形になっていますし、ここはコーナーでもスムーズに動けていなくて、色々複合的な敗因を考えるべきではないかなと思いますね。

 まずひとつ言えるのは、春の激戦を経て、神戸新聞杯も後ろから差すのは非常に厳しいタフな流れではあり、そういうレースの後で馬が本調子に至っていなかった可能性は考えたいところです。
 あと、この馬の場合ハイペースバランスがいい、とは言いましたが、それは中距離戦なら、中盤の緩みに合わせずフラットに押し上げていけるメリットが大きいからで、でもこの距離になると、いくら前半流れても、中盤の緩みで押し上げていくのはタイミング的にリスキー過ぎるわけで、あの位置でも否応なくギアの上げ下げの性能は問われてしまうのはあるでしょう。
 個人的な観取としては、決してこの馬にとって距離が長すぎたわけではなく、まだこの時点で道中ギアの上げ下げを幾度も問われて、それでエネルギーロスなく走れる馬体が出来上がっていなかった故、というイメージを持っています。これは春天の負け方からも感じるところです。

 ただタフな馬場自体は、後々を考えてもこなして不思議なく、京都新聞杯を見ても、淀で無理なく入って4F戦、しかもこのラップならコーナーであそこまで置かれてしまうのは流石にちょっとパフォーマンス的に物足りないのですよね。
 なのでここの敗因は、状態とラップ構成で、道中の消耗が必要以上に応えた、という見立てにしておきたいです。そもそも論として、淀の長距離戦でポジションが取れないのは、普通以上に大きなハンデですから、その辺りも勘案するべきですし、それを覆せるほどの地力はまだこの時点ではなかった、とも言えるでしょう。


・ジャパンカップ映像 https://www.youtube.com/watch?v=La2_EowqtFE

 ダービー馬と皐月賞馬不在の中、勝たなければいけないレースとして臨んだ菊花賞でまさかの完敗を喫し、こんなはずではない、とばかりに陣営は、ダービーで好走した府中2400m、ジャパンカップの舞台に矛先を向けてきます。
 前走の敗因を太め残りと見たのかはわかりませんが、ここでは輸送もある中で意識的にシャープな馬体を作りに来ての-12kg、改めてその能力を見せつけるには絶好の条件……と思われましたが、レースでは厳しい現実が待ち構えていました。

 マグナーテンがゼンノロブロイのペースメーカー宜しく、淡々と速い流れを作っていった中で、スタートも悪く、また武Jも意識的に下げて溜める競馬を選択し、ハーツクライはかなり前と離れた最後方からレースを進めていきます。
 3~4コーナーで馬群が凝縮していく中で、この日はある程度外目から早めのスパートを仕掛けて、コーナー出口では後方列の一番外目、そこから坂下まではそこそこいい脚で伸びてきますが、坂の途中でバッタリと止まってしまい、最後は引き離される一方の10着と、またまた惨敗を喫してしまったのです。
 世代レベル的に言えば、コスモバルクが2着、菊花賞馬のデルタブルースが3着に頑張っているように、通用する素地はある中でのこの敗戦は、現時点でのこの馬の立ち位置を鮮明に映し出すレースになっていたとも思えます。
 しかし余談ですが、久し振りにペリエJの騎乗を見ましたけど、やっぱりめっちゃくちゃ上手いですねぇ。このレースと次の有馬記念は、見ていて本当に痺れます。

 それに引き換え、となってしまいますが、この日のハーツクライ武Jの騎乗はあんまりよくはなかった、というより、この馬の良さを殺す形に持ち込んでしまっている感もありました。
 ラップ的には35,9-35,5-37,8-35,0=2,24,2という流れで、ただ逃げ馬以外は大体平均ペースで、後ろから取り付けるタイミングもこのコースではあまりない展開ではあります。
 後半も11,7-11,4-11,9と坂地点最速なので、ある程度ポジショニング競馬でもあるのですけど……それにしても、なんですよね。

 そもそも内枠で、スタートが最悪、というほどでもないのに、一気に下げる選択をしてしまうのはどうかな?と思いますし、道中もやや外目からずっと進路取りの意識が強く出ています。
 確かにストライドは大きな馬で、ブレーキを踏みたくないのはわかりますけれど、それでも馬群の中からでも競馬出来る馬だけに、そのあたり力関係踏まえてもう少し柔軟でも、という感覚は持てますし、挙句にペースが上がってからの早仕掛け、大外ぶん回しでは、持続面でさほど秀でているわけではないこの馬では苦しいのは必定、という感覚ですね。

 無論正直なところ、このローテーションは本当に厳しいですし、馬自身の調子が良く感じなかったから、ああいう形だけ整えるレースしか出来なかった、とも言えるのかもしれません。
 橋口調教師の、強い馬はレベルの高いレースに出られるだけ出るべき、という信念は、それはそれで最後まで貫いたのですから大したものですけど、ただリーチザクラウンやワンアンドオンリーは、そのローテーションで終わってしまったイメージはどうしてもあって、むしろそれをクリアして古馬になってきちんと成長したこの馬が凄いというか、穿って見ればこのJCと、次の有馬で無理しなかったのが功を奏しているのもあるのかもしれません。



 菊とJCの大敗があろうと、信念を曲げずに有馬記念にハーツクライは出走してきたのですけれど、ここは更に馬体が8kg減って、デビュー以来最低体重でもありましたし、レース云々の前にもうここでは余力がなかったのではないかなとは感じています。
 この日はダービー以来の横山J鞍上でしたが、わかりやすいほどにスーパーポツンが発動していて、ムリさせない範囲で取れる限りの着順を、という競馬に徹していたのは見た目からも感じ取れる一戦ですね。

 レース自体は、凱旋門賞帰りのタップダンスシチーが逃げて、それを早め早めにゼンノロブロイが追いかけていき、高速馬場で淀みのないペースからの、今も残る有馬記念レコード決着と、それは素晴らしいものなのですけど、ここでのハーツクライは全く別のレースをしている、としか言いようがないですよね。
 一応ラップ的には60,3-29,9-59,3=2,29,5で、これでも一応はスロー寄りのバランス、ただし有馬記念で起こりがちな中盤の緩みが一切なく、立ち回りと底力が強烈に問われた一戦にはなっています。

 その中で、内目の枠を引きながらも最初からついていく選択肢を放棄して、ハーツクライは道中30馬身は離れた後方をインベタで淡々と追走、勝負所でもまだ前にスペースを残し、ずっと内目を通して直線、最後も最内を選択してじわじわと伸びてはきたものの、前半のポジション差は如何ともしがたく、という9着完敗でした。
 まあこのペースではある程度前を取れないとどうにもなりませんし、むしろまともに乗っていたらもっと惨敗していたとは思うので、これは後々の事を考えてもいいポツンだったのではないか、とは思いますね。
 一応形だけとはいえ上がり最速は出せているように、このローテーションでもそれだけの事は出来るタフさは大したもので、それでもこの時点での評価は、一介の嵌り待ちの差し馬、という域を逸脱するものではなかったのは、偽りない事実だろうと言わざるを得ませんね。



★産経大阪杯~宝塚記念 <貫く王道、覚醒の萌芽>


 3歳シーズンの後半は屈辱に塗れる結果に終わったものの、古馬になっての春シーズンも王道路線を歩む事に一片の迷いなし、とばかりに、オーバーホールを経てハーツクライは春天の前哨戦、今はGⅠに昇格している産経大阪杯で復帰します。
 ここはかなりメンバーが軽かったのですけど、それでも昨冬の大敗が尾を引いて4番人気、微妙な評価での出走となります。

 有馬から引き続き横山Jが跨っての一戦は、やはりこの馬のスタイル、とばかりに、大外枠から下げて道中は後方ポツン、道中の緩みでじわっと詰めていくも、出来る限り内目を通していたあたりが、この馬に対する信頼度を物語っているとも言えますね。
 ただそういう繊細なタクトのおかげもあり、残り400m過ぎからしっかり外目に進路確保して追い出されると、昨年の終盤は中々見せられなかった豪快なフットワークを発揮、最後一気に前との差を詰めてきますが、先に抜け出していたサンライズペガサスには届かずの2着という結果に終わりました。

 馬場やレース質としては神戸新聞杯とは少し違い、より後半特化の仕掛けの遅いレースになっています。
 ラップが35,1-48,7-35,2=1,59,0で、ハーフで取ると59,2-59,8なので、高いレベルで言えば、追走が問われて中緩みがある、ハーツクライにとっては得意な部類の展開になっていると思います。
 後半も12,0-11,5-11,7と仕掛けが遅れての2F勝負で、そこでコーナー外目で押し上げてもロスが小さかったですし、自身の仕掛けも残り400mまで我慢した事で、ラストは大体11,8-11,2-11,2くらいの弾け方はしていると見ています。

 横山Jはこの馬の使える脚と、それを引き出すまでの持って生き方をこのあたりでは完全に手の内に入れている感じで、それこそダービーの時にそれが観取出来ていれば、というのはありますけれど、それでもかなりうまく乗られて、古豪のサンライズペガサスに押し切られる辺り、まだまだ本格化は霧の中、という感じのシーズン初戦でした。



 一応無難に前哨戦で結果を出したハーツクライは、そのまま当然のように天皇賞・春にエントリーしますが、ファンからは菊花賞の敗戦で距離が長い、と思われており、また不利な外枠を引いてしまった事もあって、ここは8番人気と一気に評価を落としていました。

 そしてレースでも、やはり外枠スタートで後方からの競馬を余儀なくされ、最初のスタンド前や、向こう正面入り口辺りで動こうか?という気配は少し感じる挙動はあったのですけど、思い切って捲っていく形は作れません。
 結果的にスローの流れの中、コーナーで大外をぶん回す最悪の形を取らざるを得なくなり、それでも菊花賞よりはコーナーの立ち上がりでしっかり反応、最後までしぶとく食い込んでは来ますが、コーナーのロスは大きすぎて挽回できずの5着、という結果になりました。

 ラップ的には62,8-76,4-59,3=3,16,8で、雨が降っていた分全体の意識は下がり気味、ただそれでも道中で13秒台のラップは踏んでおらず、平均してスローで淡々と流れた一戦になっています。
 その分後半は淀らしく4F戦で、12,1-11,6-11,4-11,9という推移ですから、4コーナー出口から直線入り口での立ち回りは重要なレースだった、と言えるでしょう。

 実際に上位に来たのは、縦のポジションに関わらずインに拘ってスムーズに抜けてきた馬であり、それを鑑みると、大外ぶん回しでここまで詰めたのは、この馬なりにかなり頑張った、少なくとも菊花賞よりは内容が良くなっていて、少しずつでも成長してきているのかな、とは感じさせるところです。
 菊花賞より道中のペースの波が少なかったのもこの馬向きだったかもですし、ただ総じてスローではあったので、今の横山Jが乗っていたなら、この流れに甘んじずどこかで動いていたかもしれません。そうなった時にどういうレースになったかは……レースレベルそのものも高くない波乱の一戦でしたし、難しいところではありますね。

 少なくともこのレースでは、展開では全く噛み合っておらずに一番厳しいレースをして、それでも掲示板に食い込んできたのは一定の評価は出来ると思います。
 特にコーナー出口でかなり速いラップを問われても、以前よりは置かれなかったのは、このあたりからある程度後肢が完成してきて、ギアチェンジに対する適応力が上がってきていたのではないかな、というイメージは持てますね。



 天皇賞で不利な展開の中でもそこそこ頑張った事で、得意距離とコース、と見做される宝塚記念では3番人気と評価されるものの、ただここはタップダンスシチーとゼンノロブロイが圧倒的な2強オッズを形成していて、あくまでもまだ伏兵の筆頭、程度の評価ではあったと思います。

 ただこのレースでは、久し振りにスタートも五分に出て、横山Jは敢えて促すことはなかったのでポジションは後ろになったのですけど、大阪杯と比較してみても、テンからそこそこ流れている中で、ニュートラルに入ってのポジション差、という点では地味に改善されてきていたと思います。
 内枠だったので道中はやはりタイトに内目を通して虎視眈々、レース自体はタップダンスシチーが強気強気に動いていった事で前掛かりの仕掛けの速い展開になり、その中で巧く馬群の中のスペースを拾いながら、じわじわと外に持ち出していって直線、序盤から相対的に鋭く伸びてくると、ラスト1Fも一番いい脚を繰り出して、先に抜け出したスイープトウショウにクビ差まで迫ったところがゴールでした。

 レースラップは59,9-11,8-59,8=2,11,5なので、そこまで軽くはない馬場でかなりタイトに流れての好時計決着ですね。
 タップダンスシチーのおかげで道中ほぼ緩む事がなく、全体としても淡々と平均ペースで、後半速いラップを踏まなかったので、追走力があり速い流れからでもしっかり後半要素を引き出せるハーツクライにとってはやはり嵌ったレース、ではありますけれど、その中でも一段レベルを上げてきているのは間違いありません。
 シンプルにサンライズペガサスを楽に撃破している、というのもありますし、道中のポジショニングと追走に今までにない余裕があった事、レース自体は後半ロンスパ寄りでもある中で、分散してもしっかりラストまで脚を使えて、このメンバー相手にここまで肉薄できたのは、適性を加味しても成長と見ていいと思います。

 強いて言えば、勝ち切れなかったのはポジション差ではあり、でもこのレースの時点では、取れなかったのか、取らなかったのか、そこは判断の難しいところです。
 去年のリスグラシューを見てもそうですし、改装前でも意外と取ろうと思えば前目を狙いやすいレースではあり、内枠だったとはいえ最初から促す意識は薄かったので、この時点でもう一列でも前からの競馬を志向していたらどうなったかな?という想いは残る競馬だった、とは言えるでしょうか。

 確かに、これまでのハーツクライの既存のイメージの枠の中で言えば、このレースの横山Jも上手く乗っていると思います。
 けれど、この結果で秋からルメールJにスイッチとなった背景には、馬の完成度に対する自信と、それに合わせた積極的なレースを試みる乗り手を摸索していた、という部分もひょっとしたらあるのかもしれません。


★天皇賞・秋~有馬記念 <世紀のジャイアントキリング>


 ようやく3歳秋からの不振を脱し、古馬GⅠでも戦える目途をつけたハーツクライは、秋も目標を王道古馬路線に定め、そして鞍上には短期免許で来日したフランスの若き名手・ルメールJが配される事となります。
 まあこのレースでは、圧倒的人気のゼンノロブロイの鞍上が横山Jになっていますので、そのあたりどういう経緯があったのか今からでは記憶も定かでなくわかりませんけれど、結果としてルメールJとの出会いは、それこそリスグラシューのモレイラJ、レーンJとの出会い同様に、じわじわと蓄えた能力をもれなく発揮するための最上のマッチングだった事に疑いの余地はないでしょう。

 このレースでも、ハーツクライの変化はアリアリと見えていました。
 10番ゲートからのスタートでしたが、完璧なタイミングでゲートを出ると、鞍上も普通にある程度促して位置を取りにいき、今迄では考えにくい、中団外目という悪くないポジションからレースを運ぶ形になったのです。

 ただこのレースは、天皇陛下御来場の記念すべき一戦なのに、タップダンスシチーの佐藤Jがめっちゃヘタレたレースメイクをしてしまって、まさかの超ドスローからの瞬発力・持続力特化戦になってしまいます。
 道中はゼンノロブロイの後ろに入り込み、コーナーでも馬群の中目からじわっと動いていったハーツクライですが、流石に最速地点と坂地点の加速で少し置かれてしまい、ラスト1Fはまたじわじわと差を詰めてくるものの、切れ味に秀でた馬達には後れを取っての6着という結果ではありました。

 レースラップは37,0-49,5-33,6=2,00,1と、GⅠとはとても言えない、序盤も中盤も緩い凡戦ではあり、後半もそこまで仕掛けは速くなく、残り800mから11,8-11,0-11,2-11,4と、一応コーナー最速で持続力こそ問われているものの、ほぼ直線だけの競馬、と言っても過言ではありません。

 大半の馬が上がり33秒そこそこを繰り出せる特殊なレースの中で、成長したとはいえ、瞬発力の質というどちらかと言えば先天的な素質は保持していないハーツクライなので、これで中団から差せ、というのは酷な話でしょう。
 ただ、コーナーを馬群の中で我慢したとはいえ、持続力特化に近い形でラストまで伸びてきた事、また加速地点で置かれていない事はやはり目立っていて、この時点で潜在的にはもう覚醒していた、と個人的には判断します。


・ジャパンカップ映像 https://www.youtube.com/watch?v=Stho3tG5uP8

 天皇賞では不完全燃焼の競馬に終わったものの、今迄とモデルチェンジしたハーツクライを誰もが感じ取ったのか、続くジャパンカップでは、ゼンノロブロイに次ぐ2番人気と高い支持を受けます。
 馬自身も去年とは違い、叩き2戦目の絶好の条件、馬体も500kgに届かんとする充実ぶりを示して、正に4歳秋で完成形を示していたと思えます。

 しかしレースでは、やや不利になる外枠から痛恨の出負け、内目に潜りつつリカバーを仕掛けてはいきますが、全体の流れも速い中で、結局は後方3~4番手とあまりいいポジションを確保する事が出来ませんでした。
 けれどそこからがルメールJの真骨頂、前との差が詰まる中で内目をスルスルと上がっていくと、直線も狭いスペースのインをついて、ギリギリのラインで詰まる事なく馬群を縫って前に取りつくと、ラスト1Fで決定的に伸びて、先に抜けたアルカセットと馬体を並べたところがゴールでした。
 見た目にはどちらが勝ったかわからない大接戦でしたけど、写真判定の結果は無情の2着、またしてもGⅠのタイトルに僅か届かない、という悔しい悔しいレースになったのです。

 ラップは34,7-35,5-35,6-36,3=2,22,1という、ホーリックスのレコードを更新するスーパータイムで、これは一昨年にアーモンドアイが異次元の2,20,6を叩き出すまで、長くレコードとして君臨するタイムでもあました。
 背景には、秋天でダメダメなレースを作ってしまったタップダンスシチーの開き直りの大逃げがありましたけど、後続もそれにある程度は乗っかっていって、レース全体でタイトな、追走が重く問われる底力勝負になっており、やはりその中でロスを少なく立ち回ったほうがプラスになっていた、というのは、ゼンノロブロイの最後の止まり方など見ても明らかでしょう。

 ハーツクライとしては、出負けは本当に痛かったですけれど、まともにスタートして内目に潜り込めたか?というのも難しいところなので、結果的にはビハインドをプラスに転じてきたレース、とは言えそうです。
 こんな風に馬群の中を捌いてくるレースはこれまでほとんど見せていなかったのが、ルメールJに替わって先入観なくタイトな立ち回りを選択した事で良さが出た、のは確かです。
 でもそれも、馬自身にギアチェンジの性能がしっかり備わったからこそ、動きたいところで動くというシンプルな選択肢が出来た、とは言えますね。

 勿論ラップ的には、こんな風に淡々と流れて、出来るようになったとはいえ加速が問われない方がよりいいのは確かですから、噛み合った部分もあるのですけど、ただ枠とスタートの不利で出来てしまったポジション差を覆す地点はなかった、という意味で、まだここでは勝利の女神が微笑む番ではなかったとは見做せるでしょうか。



 ジャパンカップでは負けて強しの2着、GⅠ制覇も間近と思わせたハーツクライですが、小回り中山の舞台には去年を鑑みても、前走前に行けなかった事を踏まえても適性が低いと見做されたか、4番人気に評価を落としていました。
 かくいう私もこの当時はそう思っていたクチで、自信満々にハーツクライを消していた記憶があるのですが、しかしここで、今まで特殊な条件や不利に隠蔽されて、全貌が見えていなかったハーツクライの覚醒ぶりが、ものの見事に満天下に披瀝される事となります。

 レースはタップダンスシチーの前年同様逃げで始まり、コスモバルクが二番手まではみんながある程度想定する範囲でしたが、しかしそこから、10番枠と決して並びに恵まれていたわけでもないハーツクライが、鞍上の促しに応えてスッと前目に入ってきて、自分より外の馬を決して前に入らせず、道中3番手の外目という絶好のポジションを確保して見せます。
 道中は極端に緩む事なく、基本的な有馬記念らしい流れになって、向こう正面からはタップダンスシチーが早めに動き、淡々と12秒前後を刻む中で、4コーナー出口から進出を開始したハーツクライは、残り200mで一気に先頭に躍り出ると、外から襲い掛かってくる無敗の三冠馬・ディープインパクトの追撃を悠然と凌いで、見事に初GⅠを歴史的なジャイアントキリングとともに獲得したのです。

 ラップは61,6-30,5-59,8=2,31,9で、前の年に比べると明確に時計が掛かるタフな馬場の中で、ややスローではありますが、中盤の緩みも最低限で、立ち回りと底力が問われる一戦だったのは間違いありません。
 残り7F地点から、前は11,8-12,0とペースを上げていますし、基本的に後ろから捲るのは相当難しいラップ推移にはなっていて、前目にいたとしても一定の追走と、そこから段階加速の中でもう一脚を求められるタフなレースであったことは間違いないでしょう。
 後半は12,0-11,4-12,1という推移で、この馬は残り400mで2馬身差を、残り200mでは詰め切っていますから、大体11,8-11,1-12,1という上がりになると思います。

 ここではっきり見て取れるのは、力のいる馬場での相対的な瞬発力の質において、このレースでは一番、と呼べるものを披露している事と、そこに至るまでの加速性能が以前とは段違いに優れている、という点です。
 基本的にスタートから位置が取れるというのは、加速性能がなければ無理な芸当ですから、あのポジションが取れた時点で後半もう一段階の脚が使えるのは当然の帰結であり、かつそれを出来る限り前目で受けて、ギリギリまで溜めて弾けさせたことで、今までにないレベルで引き出せたと考えられます。
 馬場的にもタフ寄りだったので、絶対的な切れ味の質が求められなかったのもプラスだったはずで、その部分はおそらく覚醒後もそこまで身についていなかったはずなので、やはり中山の、有馬記念という舞台で、乾坤一擲の立ち回りが出来た事が全て噛み合った故、と見ていいでしょう。

 以前にディープインパクトの列伝でも書いたように、このレースではハーツクライとディープインパクトは別の競馬をしていて、ディープインパクトはあの位置から、ラップが緩まない向こう正面でじわじわ押し上げており、そこらから11秒半ばの脚を使っての超ロンスパ、それに対してこちらはある程度前受しての3F戦くらいの立ち回りなので、最後余力の差が出てしまうのは当然です。
 ディープインパクト自身が三冠達成の後で、少なからず余力が足りていなかった可能性も含めて、この結果が二頭の優劣を決定づけることはないですが、ただ少なくとも、断じて力のない馬ではこの勝ち方は出来ない、という、王者的な強いレースだった事だけは疑いの余地はないですね。


★ドバイシーマクラシック~ジャパンカップ <夢無限、希望は後世に>

・ドバイシーマクラシック映像 https://www.youtube.com/watch?v=JCQRTnvNYjI

 有馬記念でディープインパクトを下し、一躍現役最強クラスに躍り出たハーツクライに対し、橋口調教師は更なる見果てぬ夢を追いかけて、世界転戦のキャンペーンを打ち出します。
 その初戦に選ばれたのがドバイシーマクラシックでしたが、ここでハーツクライは、外枠からいいスタートを決めると、あっと驚く逃げの手に出ます。
 道中代わる代わる絡まれる、比較的嫌な展開でしたが、鞍上との息はピッタリで、直線入り口で軽く促すだけでスッと後続を突き放すと、後はゴールまで独壇場、欧州の強豪を全く寄せ付けずに4馬身以上の大差をつけての圧勝劇を演じて見せたのです。

 流石にこの時代のドバイのラップまでは調べられないので推定するしかないんですが、まあ勝ち時計が2,31,89とかなり遅いですし、舞台設定を考えてもハイペースだった可能性はまずない、多分超スローからの直線加速力戦だろうな、とは思います。
 ハーツクライ自身、後続に絡まれつつも無理に動いてはいかずに我慢して、直線で一気に弾けさせた形で、おそらく有馬記念と似たようなスローロンスパからの二段階加速で、ここの瞬発力の質で違いを見せつけてきた感じです。
 このあたりからも、力のいる馬場で相対的に引き出せる瞬発力が非常に高いのは伺えて、そのあたりは完成形の産駒にも見えてくる部分ですね。

 相手関係的にも、この年に欧州年度代表馬になり、JCでも3着に食い込むウィジャボードを全く問題にせず、2着のコリア―ヒルも超晩成で、この後にカナダや香港で12FのGⅠを制する馬ですから、決して弱かったわけではなく、正に有馬記念の勝利で馬に自信がつき、より進化した走りを見せた一戦、と考えていいのではないでしょうか。


・キングジョージ6世&クイーンエリザベスS映像 https://www.youtube.com/watch?v=pLLexFDnnks

 そして、陣営が次走に選んだのは、ゴール前で日本中が熱狂し、ゴールの瞬間血涙を流した(大袈裟)キングジョージでした。
 レースでは、いいスタートから道中3~4番手を追走、最後のコーナーから直線に入って、外から一番の脚色でグンと抜け出してきた時は本当に興奮を覚えたものの、そこからが欧州本場の一流馬の底力、内から前年凱旋門賞馬のハリケーンランと、ドバイワールドカップの覇者・エレクトロキューショニストの猛追に遭い、ゴール前で力尽きて僅差の3着と、本当に惜しい、惜しすぎる競馬を見せてくれました。

 レース内容的に言うと、ペースは当然わからないのですけど、アスコットの12Fなので最初の4Fは下りで、ある程度追走は問われつつの後半持続力勝負、という確率は相当に高いと思います。
 その中で、力のいる馬場で追走が問われ、そこから直線で加速が問われるところまでは対応できたのですけど、強いて言えば少し仕掛けが早かった感じです。

 若駒の頃から、後半要素で本当にいい脚を使えるのは2F、というのはあって、本格化したこの状況でも、質的に高めてきたものはあれど、持続面でそれ以上の飛躍的な進化までは遂げていなかった、だから最後の最後で甘くなってしまった、というのが、レース傾向から考える私の見立てにはなります。
 もっとも、本格化以降、まともな走りは宝塚JC有馬くらいなので、まだまだ見せていない部分があったかもしれず、その意味では出走数が多い割に、未知の魅力を残したまま引退してしまった、という想いもありますね。

 またこのキングジョージ参戦にあたって、一度日本に戻してから再度輸送する形になったのですが、その二度目の輸送が上手くいかず、状態としては万全で送り出せなかった、という話もあります。
 或いはこの当時でも、エルコンドルパサーのように長期滞在を覚悟して、ドバイから直接欧州に運んでいれば、そしてキングジョージの前に前哨戦を使えていれば……様々なタラレバを思わせつつ、それでもまだこれから、というところで、しかしハーツクライの身には、静かに病魔が忍び寄っていたのです。


・ジャパンカップ映像 https://www.youtube.com/watch?v=jAtT1NkE6s8

 このレースに関しては、ハーツクライの列伝で語るべきことは多くありません。
 レースに出走する前の時点で、陣営から喘鳴症と発表され、その雰囲気からも、ここで好走する事は難しいのは感じ取れました。

 けれども、一縷の望みを掛けて出走し、内枠から果敢に先行して、そして直線、外からディープインパクトが飛んでいくのを見届けるように下がっていきました。
 線香花火が燃え尽きるように、微かな輝きの残滓をターフに刻んで、静かにその現役生活に幕を閉じましたーーーー。


★終わりに

 たった3戦限りの5歳時の競争生活でしたが、そこには非常に多くの示唆があったと思います。
 競走馬の可能性は無限であり、どこまでも強くなる奇跡を秘めている事、しかしながら、その最高の煌きを長く維持する事はどうあっても難しい、諸行無常の理が、その走りにはありありと映し出されていました。
 ハーツクライの血脈が秘める、無尽蔵の成長力と可能性は、この馬自身の競争生活を非常に劇的なものに彩り、そしてそれは産駒にも受け継がれています。

 橋口調教師は、ハーツクライ産駒のワンアンドオンリーで、定年ギリギリで悲願のダービー制覇を成し遂げました。
 ジャスタウェイはその驚異的な成長力で、父同様のスターダムを駆け上がり、そしてリスグラシューは、現役最後にGⅠ3連勝という離れ業を、日本最強のパフォーマンスと共にやってのけました。

 ハーツクライの追い込みは、もしかするとまだまだこれからなのかもしれません。
 本来は中々活躍が難しい2歳世代が躍動している去年の成績が、その最後の追い込みの序章、なのかもしれません。

 この馬より実績に勝る馬や、絶対能力・総合力で勝る馬は、日本競馬の中でもそれなりにいたでしょう。
 けれど、高い目標に挑み続ければ、いつかはそれを達成できるという、弱者や敗者に勇気を与えるチャンピオンという意味では、この馬の右に出るものは数少ないと思います。

 負けても負けても屈しない姿は、日本人の情緒を擽るものではあり、どこまでもトップランナーであり続けたディープインパクトに対して、ハーツクライは数十年後の歴史的評価で戦いを挑んでいく事でしょう。
 この晩成の血から、或いは完全無欠のチャンピオンが生まれるかもしれない、父が成し遂げられなかった欧州制圧をやってのける産駒が出てくるかもしれない、そんな希望を残りの世代に託しつつ、しっかりと長生きして、どこまでも日本競馬の発展を見守っていてくれれば、と思います。


posted by clover at 01:00| Comment(4) | 名馬列伝 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
年明け最初にふさわしい列伝ですね。
ハーツの現役時代はスターホースに囲まれていてその中でGI2勝と一見地味ですけど、4歳有馬記念からキングジョージまでの3戦はほんと素晴らしいものがありましたよね。
当時はディープ中心に回っていた競馬界の裏番みたいなイメージでしたけど、改めてみるとエグいレースばかりでした。
リスグラ見ても、あの成長力はハーツ最大の魅力ですよね。こうまで変わるかと。現役時代も種牡馬でも最強クラスになり、最強クラスを送り出すわけですからね。
なんかハーツは種牡馬終盤に入ってきたとは思いますが、これからが真骨頂になりそうな気がしますね。ディープを負かして歴史を作ったみたいに種牡馬でも終盤に日本競馬の歴史を変える名馬を送り出してくれる、そんな風に思わせてくれる希有な名馬ハーツクライの更なる活躍に期待です。
Posted by ブソン at 2020年01月02日 10:33
>ブソン様

 いつもコメントありがとうございますー。
 今年もよろしくお願いします。

 改めて振り返っても、この00年代半ばってすごくいい馬が揃ってましたよね。
 特にハーツ世代は種牡馬として大成した馬もすごく多くて、その中ではいつも2~3番手、って立ち位置でしたけど、そこで諦めずにコツコツ積み上げて、最終的にトップに躍り出る、そのドラマ性が心を掴む名馬だったと思います。
 ラップ分析派としては、一番強かったはずの時期が海外で、そこが正確にわからないのが残念ですけどね。

 ヘイロー以降のサンデーサイレンス系は、世代の交代がゆっくり出やすい、なんて指摘もありますし、惜しくも亡くなってしまったディープ共々、ハーツもまだこれから真打が出てくる可能性は充分あると思います。
 まずはサリオスとコントレイルが、その先鋒となって今年のクラシックを大いに盛り上げてくれることを期待しましょう。
Posted by clover at 2020年01月02日 20:01
素晴らしい内容の名馬列伝有難う御座います!!

、、そして無理矢理書かせてしまう事になってしまったかもしれない張本人が言うのもなんなんですが、ハーツクライって戦績だけみるとほんと超一流はおろか一流にも微妙になりきれない一流半って感じの成績ですよね笑笑
(ジャスタウェイ・リスグラシューも勝率だけでみちゃうと3割、4割そこそこの成績ですし、、、)

現役時代、ダービーの豪脚からファンになり、勝ちきれずシルバーコレクターに甘んじる馬に期待をする事をやめようかと思ったら有馬記念でのまさかのジャイアントキリング。(3連単だったので当時大学生だった私には豪華過ぎるお年玉に。。)

ドバイシーマクラシックでは歓喜の涙を、キングジョージではもちろん血涙を流しました笑笑

自分でもなんでこんなにハーツクライ産駒を応援してるのかたまに分からなくなる時もありますが、ハーツクライ産駒の応援を通じてこの10年ちょい、競馬に深く関わって愛着をを持って馬達を追い続けることが出来て幸せだと感じております。

ハーツももう種牡馬生活の晩年に差し掛かっておりますし、カナロア、キズナ、そして今後さらにしたの世代の種牡馬も出てきて、1位はおろか2位の座を維持するのも難しくなってくるかとは思いますが、まだまだダイワメジャー共々04世代の生き残りとして頑張って貰いたいものです!
Posted by ハーツファン at 2020年01月03日 14:51
>ハーツファン様

 いつもコメントありがとうございますー。

 むしろ長々とお待たせしてしまって申し訳ない限りでしたが、正月休みをフルに生かして、じっくり腰を据えて個人的にも納得いくものは仕上げられたので、楽しんでいただけたなら幸いです。
 確かに純粋な実績だけなら、とはなりますけれど、やはりそれだけでは測れないドラマ性と判官贔屓したくなるなにかを、ハーツクライとその産駒は共通して持っている気はしますよね。

 名馬必ずしも名種牡馬に非ず、というのは、近代競馬ですと昔ほど当てはまらなくなってきているとは思いますけど、現役時代から好きだった馬が、種牡馬になっても息長く活躍してくれるのは、ファンとしては最大の贈り物ですよね。
 今年の2歳成績や、2代巨頭の死で、否応なくハーツの来春の繁殖の質量は上がってくると思いますので、ここから更に凄い馬を出してくれると期待しましょう。
Posted by clover at 2020年01月03日 18:16
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