2019年12月10日

2019 朝日杯フューチュリティステークス プレビュー

★はじめに

 一日遅れになってしまいましたが、朝日杯フューチュリティステークスのプレビューを進めていきましょう。
 ホープフルSがGⅠに昇格して3年目、年々距離適性も踏まえた選択はなされるようになってきて、先週の阪神JFほど素質馬集結、とは言えないメンバーですけど、それでも将来性豊かな馬が沢山いて楽しみな一戦になりそうです。
 先週のJFが、これまでの2歳マイル戦の常識を突き崩すような内容だっただけに、スピード色が強いメンバーが出揃った此方でもどうなるのか、その辺りの騎手の意識なども含めて楽しみですね。


★レース傾向分析

 去年までのプレビューもご参照ください。


 去年のレースは35,3-24,2-34,4=1,33,9という推移で、朝日杯が阪神マイルになって過去5年、やはり前後半のバランスの差はあれ、ある程度中緩みからの後半勝負、という傾向は揺るぎないように思えます。
 が、縦の比較ならそうですけれど、横の比較になると、やはり騎手や調教師の頭の中にも先週のレシステンシアの圧倒的な逃亡劇は脳裏に焼き付いている筈で、特に短距離路線でスピードを武器に勝ち上がってきた陣営が、二匹目のどじょうを狙ってくる可能性も出てきた、とは言えるでしょう。

 元々このレース・舞台は勝ち続けてきた馬が強く、かつマイル以上の距離に拘ってきた馬の独擅場、という所はあり、レシステンシアは別格的だとしても、2~4着馬はきちんとマイルの高いレベルのレースで結果を出してきていた馬なので、そのあたりのバランスはしっかり考えたいところではあります。
 ただ例年のように、距離短縮組が嵌りやすいレースになるか、となると未知数で、全体的にジャストマイラー、という馬が一番いい、というイメージにはなってくるかもしれません。
 加えてある程度追走力も担保があればべストですし、今後の2歳マイルGⅠの傾向を占う意味でも注目の一戦になるかなと思います。

 馬場的には今週までAコースなのですが、特に雨にも祟られず綺麗な馬場を維持できていると思いますので、少なくとも馬場で内外の明確な有利不利はなく、展開面でどういうバイアスが掛かるか、だけをしっかり見極めていければいいのかな、と考えています。
 難解なメンバーではありますが、特に今回は先週を意識して、速い流れならどうか?という観点を含めて個々の分析をしていきたいですかね。


★有力馬所感

・サリオス

 近年トレンドの早期デビュー組で、サウジアラビアロイヤルCではクラヴァシュドールを一蹴してのレコード勝ち、堂々の成績で無敗のGⅠ制覇を狙います。

 血統的にハーツクライ産駒なので、完全に流れ切った時のマイルスピード勝負がベスト、ではないとは思います。
 ただサウジアラビアロイヤルCは、自身59,6-33,1と最低限の追走力を見せた中での後半の凄味がありましたし、そこで破ったクラヴァシュドールも、先週あの厳しい流れとコース取りの中でもしぶとく3着には食い込んできたように、流れても一定の対応は出来る、という意味での信頼度はかなり高いんじゃないかな、とは見ています。
 まあ関東馬なので輸送などもネックにはなりますし、まだ包まれる競馬の経験はないので内枠を引いた時にどうするか、先週のウーマンズハートではないですが、ムーアJもポジショニングで妥協するタイプではないので、内なら前目内目からというパターンもありそうで、絶対の信頼を置いていい物かは当然この時期の2歳馬ですし難しいものはあるでしょう。

 ただ見せている能力そのものは、やはりこのメンバーに入れば一枚上手ですし、むしろあまり極端に前を追いかけずに、自分のバランスで走ってくれば結果はついてくる、という見立ても出来るので、個人的にはこの馬はやや外枠、それこそクラヴァシュドールみたいな競馬をしてくれれば圏内は外さないのではないかと考えています。
 枠の並びなどでより魅力的な馬がいれば色々考えますけど、基本的には人気でも本命候補にはなってしまいますね。少なくとも同じ一本被りでも、リアアメリアよりは不安要素は少ない気はするのですけどねぇ。


・レッドベルジュール

 こちらはディープ産駒で2戦2勝、デビューから騎手が変わり続けていますが、ここは世界の名手スミヨンJを背に、成長力としぶとい差し脚を武器に無敗の戴冠となるでしょうか?

 サリオス同様に早期デビュー組で、ローテーションとしても申し分ないですし、ここ一番でしっかり勝負仕上げをしてくる藤原厩舎ですから、やはり怖い存在なのは間違いないです。
 ただデイリー杯はかなり嵌っているのも事実で、スタート悪く後方から、中緩みで取りつきつつスペースを残してコーナーに入り、そこから最内強襲と綺麗に噛み合わせてきた武Jの素晴らしい騎乗のアシストは大きかったと思います。
 後半要素ではここでもサリオスにそこまで引けは取らないと思うのですが、やはりネックになるのは前半で、まずスタートで後手を踏んでポジショニングを悪くしないか、またペースが流れた時の対応力があるかも未知数ではあります。
 血統的にはこなせる、とは思うのですが、同じ様に考えていたリアアメリアがあの体たらくでしたし、そこは難しいところですね。

 少なくとも後半型の競馬になって、例年通り長い距離を使ってきた組が有利なレースである限りは、サリオス以外の馬がこの馬を負かすのは簡単ではない、とも思うので展開次第の面は強く、流れる、と決め打つなら評価を下げてみる手もある一頭かなと踏んでいます。


・タイセイビジョン

 前走は強烈な末脚を引き出してレコード勝ち、未だ朝日杯のタイトルを持たない武Jに手綱が変わって、前走同様の爆発力をマイルでも引き出せるのか注目の一頭です。

 少なくとも新馬の時点で、走りの感じから距離は持つタイプかな、と思ってはいましたし、前走はそれをはっきり証明する形にはなっていて、シンプルにマイルの距離そのものはこなしてくれると思っています。
 ただ勿論マイルがはじめて、というのはマイナス材料になりますし、前走も長くいい脚を仕えてはいましたが、それでもサリオス比較で見ればやはり持続面ではまだ足りないと思うので、マイルならもう少し総合力を生かしつつの勝負がしたいところですね。

 具体的にはある程度極端でないくらい、平均ペースくらいで流れてくれて、その上で内枠からニュートラルに中団くらい、折り合いをしっかりつけつつ直線でスムーズに進路を取る、くらいの噛み合いは勝ちきるには欲しいところです。
 外枠からでも一定の脚は使ってしぶとく伸びてくるでしょうが、勝ちきるのであればこの相手なら追走面も武器にしたいですし、差しに決め打って欲しくはないですね。そのあたりの武Jの意識やコメント、枠の並び次第では重い印も視野に入れています。
 少なくともスピード色が強い競馬になった時に、上位3頭の中では一番減点が少ないとも思いますしね。


・ペールエール

 血統的にもこのコースと2歳戦に強いダイワメジャー産駒で、マイル重賞でも堅実な競馬を続けているこの馬はどうでしょうか?

 とりあえず血統的に見て、レシステンシアと違い母系はアメリカンなスピード血統であり、この馬自身実はハイペースの経験はないので、やってみないと分からない面は当然あります。
 ただ前半のレースセンス・ポジショニングの良さは当然大きな武器になりますし、切れ味勝負でもウーマンズハート相手にそこそこやれているのはいい材料ではありますね。

 前走はトリッキーな流れの中で、サクセッションの動き出しに合わせて外目から早仕掛けせざるを得なかった面はありますし、展開が噛み合えば1~2着馬は逆転できる範疇だとは思っていて、ある程度軸候補としては信頼しやすい一頭なのは間違いないですね。
 ただマーフィーJに乗り替わりで、こちらが阪神はじめてであり、京都よりは乗りやすいコースだとは思いますが、初物だとあまり結果を出してこないのはこの秋幾度も見ているのでそこは不安材料です。というか、あのレースでミルコJ下ろされてしまうのは流石に不憫なんですけどね、むしろサクセッションのマーフィーJが掟破りの早仕掛けしたのに巻き込まれたのに、ですし。。。

 ともあれ、流石に本命は打ちにくいですが、対抗か連下か、そのあたりはよほど極端な枠でもない限りは視野に入れたい馬にはなります。


・ビアンフェ

 今回の展開の鍵を握る一頭かな、とは思います。

 前走は後半型の競馬でそこまで悪くはないですが、タイセイビジョン相手でも末脚の絶対量で明確に差を見せられましたし、更に距離が伸びるここで、後半型の競馬をしてしまっては足りないのは流石に明白でしょう。
 この馬の場合、1200m戦とはいえ、ペースを引き上げるごとにパフォーマンスを上げていった経緯もあり、本質的にはスプリント寄りの血統だけに、流石にレシステンシアみたいな競馬が出来るとは思っていませんが、それでも同じように前半45秒台で入っていく、くらいの果敢さがあれば、後続の脚を削げてワンチャンス粘り切る、という可能性は見出せるでしょう。

 他にもそこそこ行きたい馬はいますが、今のところ逃げに拘ったほうが良さそうですし、藤岡佑Jとしてもクラヴァシュドールでやられた事を、今度は人気馬にやり返す絶好のチャンスとは言えるわけで、特に内枠を引けたなら果敢な逃げを期待したいところですね。
 枠と馬場傾向を見つつ、チャンスがありそうなら単穴まで考えてもいいですが、流石に外枠だと難しい面も出てきそうですかね。


・ウイングレイテスト

 この馬の場合も、前走は外枠だったとはいえ結構噛み合っていますので、それをどこまで鵜呑みに出来るか難しいラインです。
 やはり馬の走りや血統的に見ても、マイルの高速決着向きという感じではなく、いきなり追走が問われてしぶとく雪崩れ込めるのもロベルト系の特色ではあるので怖さはありますが、少なくとも後半型の競馬では切れ味の質と持続でちょっと足りなさそうとは思います。

 どういう展開であれ、ある程度前には入って勝負して欲しいかな、と思いますし、その点スタートから速い馬でもないので、外過ぎない外くらいがベストでしょうか。
 松岡Jも騎乗停止は次の週からっぽいので、この馬には乗れそうですし、ウインブライトで見せた勝利への執念とポジショニングをこの馬でも見せて欲しいところです。
 ある程度流れた時に、追走の潜在力とスタミナで粘り込めるパターンは警戒しつつ、それでも重い印までは打たないかな、という感覚です。


・ラヴダシオン

 ルメールJで穴人気しそうですけど、ここまでの相手関係やレース内容は目立つほどではなく、また前半型の競馬が多くて、距離経験もないのは当然弱味になります。
 例年通りならルメールJでも迷いなく切り飛ばす馬なのですけど、レシステンシアにそれをしてああなった次の週だけに迷いは出てくるのですよね。ただ戦ってきた相手を踏まえても、ラップ的な観点からも強調できる部分は少ないですし、前傾型の競馬になってどこまでか、ただスタートも余り安定せず、前に行ける馬でもないので、この馬を狙うならもっと狙いたい馬はいる、という感覚で見ています。


・トリプルエース

 この馬の場合、前走でマイルに一定の目途は立てていますし、また前走は直線の進路取りが拙い勿体ない競馬だったので、こちらもスムーズならもう少しやれて良いと思っています。
 勿論まだ後半型の競馬で凄味を見せているわけではないので、軽い馬場のヨーイドンでは足りないと思いますが、追走面は確かなものがあるので、淡々と流れた時に、ビュイックJが先週同様強気のポジションで進めてくれれば、要所から一足を繰り出しての粘り込み、というのはあながちなくはない、と感じています。
 やはり勝負するなら内枠が欲しいところで、全体で流れると踏むならこの馬も単穴候補の一頭に入れていいのではないかなと見ています。


・ジュンライトボルト

 常に堅実な末脚を繰り出してきますが、やはり基本的にマイルはちょっと短いイメージですし、後半型の競馬でも絶対的な決め手があるわけではありません。
 例年的な傾向ですと、これだけ短距離色が強い馬が揃っていると、それがばててきたのを拾って、という形で穴目に狙っても、とは思うのですが、馬場も含めて極端なスローはなさそうな気はしますし、そう考えると追走で苦労して最後にちょっとだけ伸びてくるも7着くらい、というイメージの馬です。
 前目で面白い馬もそれなりにいて、このメンバーでこの馬がどこまでポジションを取れるかも不透明ですし、流石に今回は狙いにくいかな、と見ています。


・プリンスリターン

 前走で後半型の競馬にも対応できたのは収穫ですが、流石に初距離、あの時の馬場で全体時計・上がり共に非凡とは言い難く、レースセンスの上手さでどこまで食らいつけるか、というラインにはなってくるでしょう。
 ある意味この馬の場合、どんな展開でも大きく崩れはしないけど、どんな展開でも精一杯で掲示板くらいの、先週のヤマカツマーメイド的なイメージにはなりますね。


・マイネルグリット

 ハイペースで決め打つならば、この馬の巻き返しはなくはないと踏んでいます。
 元々タフな馬場の新馬戦でマイル経験があるのがおもしろいところで、前走などは完全な切れ負けでしたが、タフな流れから一足、というパターンは持っているので、ハイペースをポケット追走、という形に持っていければ見せ場は作れると思います。
 ただそれでも前走は負け過ぎで、この馬場ですと前傾の流れでもそれなりに切れ味は問われますし、理想を言えば少し渋った上でハイペースでしょうかね。狙えないことはないですが条件はかなり限定的だと見ています。


・タガノビューティー

 前走の末脚は異次元でしたが、流石に芝ではなぁ、という感じです。
 特にこの馬の場合、前半のポジショニングが致命的で、芝スタートの前走もほとんどついていけていなかったので、流石にここではいくら末脚をソコソコ使えても、最初のポジション差で苦しい、という確率がかなり高くなると思いますし、中山ならまだしも阪神ですから消していいと思うのですけどね。


エグレムニ

 レースセンスのいい馬ですが、距離経験のなさと絶対的な武器のなさ、総合力タイプなのは明白なので、ここではどんな展開でも足りないだろうな、とは思います。


・メイショウチタン

 血統通り高速馬場で前走良さが出たので、引き続きハイペース戦を追いかける形なら意外としぶとさを見せるかもですが、距離延長がプラスかは微妙ですし、流石にこの馬を狙うならビアンフェでいいかな、とは思うのですよね。


・グランレイ

 この馬も前傾型の競馬でしぶといですけど、距離短縮で良さが出ているあたりからも、マイルの高速馬場向きではないと思います。




posted by clover at 18:02| Comment(2) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
枠順が発表になりましたね!
いよいよビアンフェの動向がこのレースのキモになりそうな感じです。。

仰るようにサリオスはリアアメリアとは違うんじゃないかと思ってますが、
おもいっきり追走が問われて変に前目につけてしまうようだと、、
ちょっと分からなくなりますよね・・ムーアJなら大丈夫でしょうかね。

個人的には武豊Jに獲ってもらいたい!
なんとなくサリオスの後ろで脚を溜めてそうですけど。。

Posted by チャッキー at 2019年12月13日 15:23
>チャッキー様

 いつもコメントありがとうございますー。

 2番枠で、つついてきそうな馬も大体外目に入る形ですから、ここはすんなりとビアンフェがハナ、という想定にはなっちゃいますね。
 その中で藤岡佑Jがどこまで引き上げる意識を持てるかは読みにくいですし、基本的にはある程度追走に幅があって、好位~中団くらいを現実的に狙える馬をピックアップしていけばいいのかなぁと考えています。
 Aコースも3週目なので、明日の馬場のバイアスもしっかりと確認したいですね。
 
 サリオスはムーアJなので、前半のポジショニングで妥協はしないでしょうし、多分はじめてある程度包まれる競馬にはなると思うのですよね。
 初輸送、初の右回りと阪神、追走面でもう一段上を問われる可能性、包まれて馬群を割る競馬が出来るのか?など、潜在リスクは細かいながらもそこそこありますし、おそらくリアアメリアと同等の人気になる中で、何処まで人馬を信頼するか、でしょう。
 枠そのものは悪くないですし、包まれて問題がなければ、流石にこのメンバーで圏内は外さないとは思うのですけどね。総合的に見て、阪神JFの方が明らかにいいメンバーだったとは思っていますし。

 タイセイビジョンは折り合いが鍵ですし、そこを上手く宥めつつサリオスマークは現実的な路線でしょうね。
 ただその場合、サリオスが普通に出し切れるようですと末脚比べでは勝てないはずで、ある程度全体で流れてサリオスが削がれる、という恩恵はないと厳しいかもです。こちらは追走に不安がないのはプラスですし、その点でもビアンフェ次第、の色合いは強いですかねぇ。
Posted by clover at 2019年12月13日 16:37
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