2019年12月02日

2019 阪神JF プレビュー

★はじめに

 今週は2歳牝馬の大一番・阪神JFですね。
 朝日杯と違って、ここでの結果がクラシックに直結する可能性も高いレースであり、今年は前評判の高い馬が3頭いて、それぞれに例年の勝ち馬並の実力を秘めている感は間違いなくあるので、今年も当然、来春を占う重要な一戦になるでしょう。
 同日に香港開催があるために、WASJ状態は一旦小休止ですが、その中で、キャリアの浅い若い乙女を駆っての騎手の駆け引きなども注目したいところで、楽しみな一戦になりそうです。


★レース傾向分析

 去年までのプレビューはこちらです。


 まあ全体の傾向としては大きくブレる事のないレースで、短距離型も出てくるのである程度は流れやすい、けれど全体で見ると末脚の絶対量で圧倒出来る馬が最後には上位に来る、という事にはなります。
 その辺データ的に見ても、結構厳然としたものはあって、少なくとも改装後の2006年以降で考えた時に、勝ち馬は全て中央場所のマイル以上の距離で勝ち鞍がある、という事になります。
 延長短縮で見ても、基本的には延長組は不利で、前走が1400mで勝ち切ったのはショウナンアデラとダノンファンタジーの2頭だけ、ただ勿論この2頭は中央コースマイルでの勝ち星がありました。

 マイル未経験の馬は、今のところ勝ち切ったことはなく、2~3着にはたまに食い込んできますけどやはり分が悪い感じで、中央コースの経験がない馬も苦戦傾向にあります。
 まあジンクスは破られるためにある、というのは、昨日のクリソベリルを見ていても一理ある意見ですけれど、実際に打破するためには非常識なレベルで図抜けたパフォーマンスを見せていないと厳しい、という事も言えるでしょう。
 特にキャリアの浅い2歳馬の場合、場慣れ・距離慣れ・コース&ペース慣れはあるに越したことはないと思いますし、そのあたりはシビアに振り分けていくべきなのかな、とは思っています。

 あと今開催の阪神は、エアレーションもシャタリングもしていないので、今のところ超高速とみていいと思います。
 2012年以降は、勝ちタイムがほぼほぼ34秒台前半に収束しているのですけれど、今年は今の馬場のままなら33秒台には入ってくるだろうと見ていますし、より絶対能力が問われやすいのと、前半型が後続の脚を削ぐのが難しい、という点は意識しておきたいところですね。


★有力馬所感

・リアアメリア

 近年流行りの早期デビューから間隔を空けての出走の中で、しっかり2戦2勝、どちらも圧巻のレースぶりを披露しているディープ産駒のリアアメリアは、ようやく長いトンネルを抜けた川田Jとのコンビで、GⅠタイトルまで一気に獲得する事が出来るでしょうか?

 とりあえず純粋な勝ち馬傾向としても合致する馬ですし、2戦ともに内容は見事なもので、血統的に見ても早仕上がりで2歳戦向きの面も強いとは思うので、当然ここは力の入る一戦になるでしょう。
 ただ今のところ、レースにあたっての燃える気性というか、前進気勢が強すぎるところはあって、新馬はわざと出負けさせて後ろから、前走も外枠で壁を作れずに序盤は相当折り合いに苦労していました。
 スローバランスの中でなら、多少噛むところはあっても後半要素にそこまで影響はない、とは思うのですが、ただ多頭数である程度そこを意識しつつ入っていくとかなり後ろからになる可能性はありますし、当然内枠で包まれる競馬になってどうか、というのもあります。

 まあ力があれば後ろからでも届くレースなので、圏内を外す可能性はかなり低いと思いますが、勝ち切れないパターンは普通にありそうで、どちらか言えば今回も外枠の方が競馬の組み立ては楽でしょう。
 ただある程度内目から壁を作って前目に入っていく競馬でも強さは見せられそうなタイプなので、一概に内だからと嫌うのも難しく、人気と相談しつつバランスを取っていきたいところではありますね。
 前走にしても、強かったのは確かですが、ビッククインバイオを物差しにするなら当然ウーマンズハートは強敵になるはずで、例えば1倍台で本命を打ちたいか、と言われると、そこまでの信頼度はないかな、というイメージです。


・ウーマンズハート

 こちらは新潟で2戦2勝、どちらもある程度の流れから32秒台の豪脚を繰り出して完勝と、まだ底を見せていない所が不気味であり、ゴドルフィンの主戦・ビュイックJを鞍上に迎えて、ノーザンのGⅠ連勝を食い止める事が出来るか注目です。

 単純にデータ的に見た場合は、あまりここで勝ち切れるイメージを持てない馬にはなります。
 やはり新潟2歳Sからの直行、というのは難しいローテーションですし、一度も坂のあるコースを経験していない事、スローペースの経験しかなく、全体時計の裏づけは薄い事はネックになってくるでしょう。
 このローテーションですとハープスターですら取りこぼしていますし、またあの馬は一応、第5の中央場所とも呼べる中京デビューで、坂の経験は持っていたので、その辺りも含めてコロッと負けてしまうシーンも考えないといけない馬ではあります。
 ハーツクライ産駒ですから、左回りの方がベター、というのもあるでしょうしね。

 ただそれらを差し引いても、特に新馬戦で見せた、3F続けての10秒台の切れ味と持続性能は破格、と言っていいです。
 0,6秒差をつけたマルターズディオサがその後なんなく2連勝して、ここでも伏兵人気の一角を占めるわけですし、末脚の絶対量と、それを引き出す上での加速性能の高さも素晴らしく、ビュイックJもしっかりポジションを取って、脚を出し切る競馬はしてくれますから、ここでどこまでやれるかは本当に楽しみでもあります。
 3強の他の2頭に対しては、既に多頭数の競馬を経験している事と、それなりにポジショニングは出来て、折り合い面にも不安はないのがストロングポイントになりそうで、それでもある程度出し切る形は楽に作りたいので、真ん中からやや外、くらいの枠には入れればべストですね。
 内枠なら少し評価を下げようかな、と思っていますが、今回勝ち切るチャンスがある数少ない候補の一頭、だとは考えています。


・クラヴァシュドール

 前走は同じハーツ産駒の大器・サリオスに後れを取ったものの、それでも牡馬相手に揉まれてきた経験は随一、無傷の2頭に対してその敗戦の経験をアドバンテージに、この舞台で一気に花開く事が出来るか注目です。

 中内田厩舎は有力馬2頭出しで、川田Jを配してくる以上絶対能力的な評価はあちらなのでしょうが、個人的にレースで見せているものだけで言えばこの馬の方がよりここで信頼は置けるな、というのはあります。
 新馬戦で阪神マイルを経験しているのは当然プラスですし、その時もある程度の流れからの3F戦で、最後の坂地点で加速ラップを踏んで突き抜けてきたのは圧巻の一言でした。
 前走もはじめての輸送などありつつ、サリオスの外から真っ向勝負を挑んで惜敗、それでもこの馬も上がり33,1で1,32,9という破格の時計を叩き出していますし、内容だけで言えばリアアメリアのアルテミスSより強かったと思います。

 阪神マイルの適性はディープ産駒の方が高い、というのはありますけど、この馬の場合は阪神でも強い競馬が出来ていて、また超高速馬場適性が高く、ある程度ポジションも取れて折り合いやゲートにもさほど不安がないのですよね。
 その点でこちらも大きく崩れる不安は少ないですし、正直どういう人気になるかですけど、血統や鞍上で人気差が出るなら、この馬頭で勝負したい気持ちは今のところ強いですね。
 藤岡佑Jも、躍進の昨年に比較するとやや物足りない成績になっていますが、時折きらりと光る騎乗は見せていますし、GⅠも一つ勝ったあと、早めに二つ目を勝てるかどうかがその後に大きく影響していくと思うので、このチャンスは活かして欲しいなと思っています。


・レシステンシア

 後半の素材型が上位にズラリと揃う中で、ダイワメジャー産駒らしい総合力型のこの馬がどこまでやれるかは注目になります。
 前走のファンタジーSは驚くほど強く、すんなり好スタートから番手外をキープ、かなりのハイペースからでもしっかり一足で抜け出し、今年の秋の京都の馬場水準を考えると、相当にレベルの高い時計で勝ち切ってきました。
 なので、競走馬としてのポテンシャル自体は3強に引けを取らない、とも思いますが、ただやはりそれを十全に引き出せる舞台はスプリント寄りではあって、後半要素がどうしても強く問われてしまう阪神マイル向きではないのは間違いないとは見ています。

 勿論まだそういうレースをしていないので、やってみたら思いのほか、の道の可能性に賭ける手もあるのですが、上でも触れたようにマイル未経験の馬はまず勝ち切れない舞台で、一番肉薄したのがアストンマーチャンですけど、あの馬並のパフォーマンスをファンタジーSで見せたと考えるかどうかはポイントですね。
 後は当然レースメイクも問題で、前走のように飛ばしてくれる馬がいてそれについていくだけなら楽ですけど、今回は逃げ馬が少なくて、流石にエレナも鞍上変わって、距離も伸びて、あそこまでの暴走ペースは踏まないはずで、そうなった時にしっかり前をつついて怖がらずに総合スピード勝負に持ち込めるかどうか?でしょう。

 その点で待ちのタイプの北村友Jはどうかな?というのはあり、ここは少なくとも46-47,5くらいで入るつもりでないと勝ち負けは難しいと思うので、ポケットに入ってしまうような枠だと逆にダメかな、と思います。
 逃げ馬の外からプレッシャーをかけていける真ん中くらいの枠に入って、その上でこの馬らしい競馬が出来るかどうかですが、それでもこの舞台ですと強い馬は無理についていかずに末脚勝負に徹してしまうため、追走面で削ぎ切るのも難しいわけで、やはり印としては打って連下、人気はどうしてもそこそこになるでしょうから、敢えて消す選択も視野には入れたいです。
 ローテーション的にもかなりタイトですしねー。


・ヤマカツマーメイド

 ここ数戦は非常に安定して走れていますし、ある意味物差し的な立ち位置としても面白い一頭にはなりますね。最低限この馬を差せないようでは、的な観点で将来性を占うのは面白いかなとも思います。
 ただこの馬もマイル未経験はネックになりますし、血統的にスローで入って後半勝負で全くダメとは思いませんけど、それでも前走はともかく、2走前を見てもそこまで後半要素に際立ったものはない総合力タイプなので、前々から一瞬は脚を使って見せ場はあるけど、終わってみると4~5着ってタイプかなぁとは思います。
 流れた場合は当然レシステンシアに対してのアドバンテージがないですし、圏内まで考えるならスローで内枠、淀みがありつつ仕掛けが遅い加速戦で、最内から出し抜くくらいの恵まれはないと厳しいとは思いますかね。


・クリスティ

 アイビーSは重馬場表記でしたけど、実質はほぼ良に近い馬場でしたし、そこでの後半特化勝負で、ワーケア相手とはいえまるっきり素材の違いを見せられてしまっているのは、このレースにおいてはあまり評価できない負け方、とは言えます。
 ただこのレースは1800m経験が生きるパターンも結構あり、それなりにポジションは取れるので、前目からしぶとさを生かす形で粘り込み、3強の1頭くらい不発があれば食い込める余地も僅かにあるかな?というイメージですね。
 競馬の上手な馬ですけど、勝ち切る為の武器はここでは持っていないかなと思いますし、福永Jなので丁寧に立ち回って掲示板はあっても、というところです。


・マルターズディオサ

 前走は外目から正攻法でマジックキャッスルを差し切れていますし、そのマジックキャッスルがファンタジーSでもそこそこ、また脚質転換でより後半要素に味が出ている事を考えると、ここでもある程度上手くポジションが取れれば面白さはあると思います。
 未勝利は最内から馬群を捌いてこられているように、器用さも持っていますが、末脚の絶対量そのものでは3強には足りないのは確かなので、出来れば内枠を引いて中団より前、極端な決め手比べにならないくらいのペースに乗っていけるといいかな、と考えます。
 このレースは比較的関東馬でも頑張れる感はありますし、まあ関西の田辺Jはやや割引材料ですけど、印は回していい馬じゃないかなと思っています。


・ロータスランド

 新馬戦は超スローからの2F加速&瞬発力勝負で勝ちきり、前走は真逆のタフな馬場の消耗戦で粘り込んでと、多彩な経験を活かしてここでどこまで通用するかは楽しみな一頭です。
 勿論血統的に後半キレキレ、という可能性は低いですけど、新馬の瞬間的な爆発力そのものは良かったですし、前走で追走面があるのも見えたので、レシステンシアあたりが引き上げていく流れについていって、直線入り口でその鋭さを引き出せれば、3強に冷や汗をかかせるくらいの走りは出来る可能性はあると踏んでいます。
 実際の人気がどうなるかですし、血統からすればタイプとしては長い距離向きでない可能性の方が高いですけど、この時期の2歳戦なら完成度と器用さで意外と頑張れるパターンもなくはなく、内枠を引ければ単穴候補としてひっそり考えておきたいですかね。まあ今回、素直に3強が強いとは思うので、単穴を打たない確率もそれなりに高いのですけどね。


・ルーチェデラヴィタ

 新馬戦や前走を見ても、軽い馬場での後半勝負だといい脚は一瞬タイプで、絶対量が問われやすい阪神外回りで最上位相手に、となると、前走同様に切れ負けする公算はかなり高いだろうなとは思います。
 距離経験を活かして前目に入って、強気に動いていく形を取れればそれなりにはやれるかもですが、全体的にマイルではスピード不足というか、牝馬ですけど2000mくらいの方がマッチしていそうな雰囲気ですので、ここまで印は打てないかな、というイメージです。


・オータムレッド

 こちらもやはり切れ味勝負で前走底を見せてしまった感は強いですし、少しタフな馬場になるとかそういう恩恵は必要かなと思います。
 競馬自体は上手なので、前目である程度追走が問われる形に乗っかっていってどこまでか、それでもレシステンシアあたりに比べて明確に前半に武器があるとも言い難いですし、やはりちょっと難しいかなと見ています。


・ジェラペッシュ

 まあ正直、二桁人気になりそうな馬の大半はマイル未経験ですし、十把一絡げに無理だろう、で済ませちゃうしかないんですけど(まあそれで来てしまったら土下座ものですけどね)、下位人気で唯一激走があるとすればこの馬くらいかな、という感じです。
 まず単純にここ2走は鞍上の進路取りが非常に拙く、サウジ戦は坂手前のブレーキが痛かった、前走は外に持ち出すまでに手間取り、完全に脚を余す形で、それでも2走ともに最後まで諦めず食い下がってはいます。
 勿論サウジ戦のクラヴァシュドールにはどうやっても、という感はありますけれど、本来ある程度はポジションも取れて、加速地点での反応にもいいものがあって、末脚の絶対量も前走を見ればそこそこはあるのですよね。
 今回は幸Jに替わって、内枠でじっと我慢からの間を縫う形を上手く作れるなら、3強以外のメンバーになら能力的には通用してもいいとは思っています。その上で、もしも3強のどれかに危うさがありそうな並びになっていれば、少し狙ってみたいかな、という感覚ですね。





posted by clover at 20:06| Comment(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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