2019年11月28日

2019 浦和記念 レース回顧

 本日の浦和記念は生憎の悪天候の中での開催でしたが、ドバイでの疝痛取り消しから、大手術を経ての復帰となったケイティブレイブが、早め3コーナー先頭から堂々押し切る、文字通り格の違う競馬で圧勝、改めての健在ぶりをアピールしましたね。レースを振り返りましょう。


 今日も関東圏は一日スッキリしないお天気で、その中で浦和のダートも重、時計的にはC1クラスの1400mで1,29,4まで出ているように、流石に良馬場よりは一段軽い条件になっていたと思います。
 それでも2,05,4は、近年の浦和記念では昨年に引き続きかなりの好時計、JBCクラシックが2,06,0だった事を踏まえても、改めてまだまだケイティブレイブが一線級で戦える能力を示したレースにはなっていたのかなと思いますね。

 レース展開は、まず好スタートのアイファーイチオーがハナを主張、それを外からマイネルバサラが積極的に追いかけていきます。
 デルマル―ヴルも好スタートから先行策、バサラを行かせて内目に潜り込んで2列目ポケットを取り、それとは逆にケイティブレイブも二の足はついて先行策、ただスタートからじわじわと外に持ち出して、スタンド前ではバサラの外の3番手を取り切る形になりました。
 センチュリオンがそのケイティブレイブの内目を掬いつつ前目に入っていき、ロードゴラッソはややスタートで煽って中団の外目、アナザートゥルースもゲートが悪く後ろからスタンド前でじわっと進出していく形になり、オールブラッシュあたりも中団より後ろからの競馬になりましたね。

 ラップは36,8(12,27)-51,0(12,75)-37,6(12,53)=2,05,4(12,54)という推移でした。
 ハーフで見ると61,9-63,5なのでそこそこのハイペース、中盤緩みはあったものの、13秒台は1Fだけと最低限な感じで、ある程度全体で淡々と流れてからの4F戦、後半は12,7-12,0-12,6-13,0と、浦和らしく600-400m地点がはっきり最速になっています。
 全体像としてはある程度追走面は問われた上で、そこからの機動力を要所で引き出せたか、というより引き出すための形をちゃんとそこまでに作れていたかが明暗を分けた部分は大きかった、浦和らしい一戦だったと思います。

 勝ったケイティブレイブは、大きな頓挫の後の長い休み明け、しかも急遽テン乗りの御神本Jとなったのですけど、正直乗り替わりに関しては、浦和の乗り方には流石に精通していないだろうスミヨンJよりプラスになったかもしれません。
 1番枠だったのでどういう競馬をするか、と思っていたのですが、最初から馬の力を信じて一番走りやすいコースを、という意識が明確で、スタートは先ず先ず、二の足で先団に取りついていく中で、じわじわと外目に進路を切り替えていき、スタンド前ではマイネルバサラの外と、いつでも動ける絶好位を確保していました。
 正直外枠からわざわざ内に入っていったデルマル―ヴルマーフィーJとのコントラストが非常に面白い事になっていますし、実際浦和では間違いなく、力がある馬であればこっちの方が正解なんですよね。

 元々馬自身追走面ではそこまで苦労しない馬ですし、向こう正面でバサラが先に動いてくれて、それに呼応する形で進出しもうコーナー中間ではあっさり先頭、直線も全く追撃を許さず、終わってみれば格が全然違う競馬を見せてくれました。
 まあ実際リスクの大きい条件ではあったと思いますし、馬自身完調とは言えなかった中でもこれですから、鞍上の好サポートもあったとはいえ、まずは馬の精神力に敬意を表したいですね。
 これだけの競馬が出来るなら、当然年末の大賞典は視野に入ってきますし、まだまだトップレベルでやれる馬だなと再確認できたので、ますますダート路線が楽しみになりましたね。
 しかしこの、単勝しか売れてなかった感満載の配当凄いですね。。。ここまで枠連と馬連で大幅な逆転現象が起きているのは、交流重賞レベルではなかなかお目にかかれないと思うのですが。

 2着のアナザートゥルースも無難に浦和をこなしてきましたし、勝った馬は強かったですがこの馬の持ち味は出せたと思います
 最近の中ではスタートが良くなかったのですが、慌てずにスタンド前までは後方寄り、外目に位置してスタンド前からじわっと捲って差を詰めていく形になって、結果的にここから動けた事が2着を死守できた要因でもあるのかな、と思います。
 基本的に長く脚を使えるタイプですし、3コーナーの入り方もスムーズで良かったですが、最速地点では少し置いていかれる感はやはりあって、勝ち馬とはこのあたりの器用さと底力、両面で少しずつ足りなかったイメージにはなります。
 それでもハイペースの中でこの距離をこなせたのは収穫ですし、来年の川崎記念辺りでも楽しみはありそうですね。

 3着のロードゴラッソも、前走よりはきちんと走りやすいレースが出来ていたし、その中で馬は現状の力は出せているのかなと思いました。
 スタートは前走に引き続きちょっと良くなかったですが、そこから閉じ込められる位置には入らずにしっかり縦横のスペースを意識しながらの組み立てになっていて、アナザートゥルースに先に動かれてちょっとついていけなかったのが勿体無かったとはいえ、向こう正面からのスパートでもじわじわと食らいつき、最後もデルマル―ヴルとの叩き合いを凌ぎ切っていますので、一定の評価は出来る内容かなと思います。
 浦和の場合はちゃんと出し切る形を作れるかが距離ロス以上に大切、というのを、この2走の内容で改めて見せてくれているとは思いますし、ミルコJも昨日の勝利に今日もこの騎乗、ちょっと復調の兆しが見えてきた気はしなくもないのですけどね。

 4着デルマル―ヴルは、うーんまぁ、浦和が完全に初めてのマーフィーJで、基本的には距離ロスを抑える競馬を好む傾向は確かでしたから、このリスクはもう少し強く考えておかないといけなかったのかなぁ、という反省にはなります。
 しかし流石に外枠から、この馬でしっかりあそこまで出していって、内ポケットを確保してしまう立ち回りそのものは流石のハンドリングではあるのですけど、ただし浦和というコースではそれはプラスにならない立ち回りなんですよねぇ…………。
 なまじゲートからのダッシュが良かった分、枠なりではない競馬を選択出来る余地も出てきてしまった感じですし、今回は浦和のセオリーをレクチャーしてくれる人もいなかったのかな?という感じの徹底的なインベタ、やっぱりそうなると向こう正面からの加速、コーナー入りのペースアップでついていけませんよねぇ。

 馬自身はかなり器用さがあるので、それでも最後まで食らいついて悪くない競馬でしたし、それでこの着差ですから、普通に外を回ってくれば2着だったろうなぁ、とは思うので、馬自身の評価を落とす必要はないでしょうが、どちらにせよケイティブレイブとの差を考えれば、まだ一線級では難しいですね。
 マーフィーJもすごくいい乗り手ですけれど、現時点ではまだ中山・府中を中心に狙うべきかな、というのは改めて考えておきたいところです。

 5着センチュリオンも、元々少し揉まれ弱さのある馬ですし、ケイティブレイブの動きに対してややゲートで後手を踏んだ分、縦のポジショニングを意識するならああいう入り方しかなかった、というのはありそうですが、やはり外枠の方がいい馬なのは確かだと思います。
 前走の反動もそれなりにあったでしょうし、元々中山専用機的なところも強かったように、難しい馬ではあるのですよねぇ。

 8着オールブラッシュは、去年と似たようなペースとポジションから全く動けずなので、出来や能力落ちの面が大きそうですかね。
 9着アイファーイチオーは、バサラにそれなりに絡まれてハイペースになってしまったとはいえ、流石に失速が速すぎたように、地方のタフな馬場はあまりマッチしていなかったようです。マーキュリーCくらいならワンチャンスあるかもですが。



posted by clover at 16:59| Comment(4) | レース回顧・地方競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
浦和に、ステイヤーの勇者が帰って来たぞオイッ!
そんな勝ちっぷりで、お見事でした。
仰る通り、結果的に御神本がガッツリ空きで良かったかもしれない良いエスコートでした。
小回りの内は包まれ加速が出来ずに詰まるから、番手で突っつき競馬のマイネルよりも外を選んで横綱相撲の正攻法で外ブン回しの馬なりでマイネルも捕まえての突き抜けぶりは勇者の帰還であり。
それと比較し、先だってのJBC浦和開催でインを選択した藤岡兄と松山みたいになってしまったオイシンとなりましたね。
交流戦、地方トップジョッキーと欧州トップジョッキーとの腕比べも面白いだけに。
再び、来シーズン浦和に参戦し浦和小回り攻略をして貰いたいところであり。
そして、杉山陣営もレース後経過観察で様子見から東京大賞典に向かうのか?注目ですね。

更に今年はカレンダーも日曜日となってフジTVが競馬中継するから、大井に豪華なメンバーが集って欲しいところであり。
昨年覇者であるパヒュームも昨年と同じローテから連覇を狙い大賞典参戦とかだと、盛り上がり方が違ってきますからね。

それにしても、転厩だとしてもブラッシュの衰退ぶりには驚きましたね。
地方ジョッキーの矜持!吉原いいんじゃない?と、動画を見ていたら本当に動きがなく今後は買い難しくなってしまった一頭です。
更に、イチオーの早くも3角前で失速には想定外でした。
タフな馬場も無難にこなせれば、来シーズンは積極的に交流重賞戦プランを企てて良いかと思っただけに。
あのマイネルの果敢な突っつきに遭遇したにしても、3角のから失速は南関東によるタフな馬場が合わんと見た方が無難ですかね。

それと余談、今年の有馬記念はファイナル引退レースと極東オールスターズとなるメンバーが集いそうですね。
こうなると、ルメールは引退するレイデオロでなく来シーズンも現役のあの馬か?など鞍上メンバー含め、今から公開枠順抽選会が楽しみなグランプリレースになりそうですね。

Posted by ギャロップ at 2019年11月28日 23:54
こんばんは★

ケイティブレイブ復活!

いやあ、久々に心踊りました(笑)

これは勇気貰えますねえ。

レース後の厩務員さんの馬を労う姿が印象的でした。

ホント、年末が楽しみです。

チャンピオンズの方はワザシは出てこなかったですね。

ゴリゴリに流れるレースを期待してたんですけどね(笑)
Posted by J.N at 2019年11月29日 03:22
>ギャロップ様

 いつもコメントありがとうございますー。

 ケイティブレイブの頑張りには本当に頭が下がりますし、テン乗りで完璧に、ダメージも少なそうな競馬でしっかり導いてきた御神本Jも流石でしたね。
 一応経過観察はしつつ、大賞典目標という事で、少なくともオメガパフュームとクリソベリルは次に大賞典狙いを明言していますし、チュウワあたりも出てきたら充分に豪華な、ダートの有馬記念と呼べるレースにはなりそうですよね。

 どうしても衰えや適性のなさを見極めるのも難しいですけど、オールブラッシュのあの見せ場なしの走りは流石に残念でしたね。
 キタサンミカヅキのように、地方でさらに伸びる馬もいるとはいえ、基本的にはやはり都落ち、という所は意識しつつ見ていかないと、というのはどうしてもあるでしょうし、大賞典に出てくるだろうサウンドトゥルーやノンコノユメあたりも、その辺はシビアに考えないとですかねぇ。

 有馬もいいレースになりそうですよね。
 ただレイデオロは回避の可能性もあって、ルメールJは既にフィエールマンらしいですが、こちらも凱旋門賞のダメージはかなりありそうなのでなんとも取捨に困る感じです。
 ヴェロックスも参戦表明しましたし、3歳勢もそこそこ出てくる中で、引退レースのリスグラシューが楽に勝ってしまいそうなのが地味に不安です(笑)。せめて来年を盛り上げるラインでの走りは見たいところなんですが…………。
Posted by clover at 2019年11月29日 17:46
>J,N様

 いつもコメントありがとうございますー。

 元々ケイティブレイブって、近代競馬では異色のキャラ・使われ方をしてますし、目野厩舎時代はまともに放牧にも出ずに走りっぱなしの、モーレツサラリーマンみたいなところがありますから、やはり精神力がタフなんでしょうね。
 色々周りが邪推するのをあざ笑うような、全くこれまでと変わらない素晴らしいパフォーマンスを披露してくれましたし、今は各世代ごとに強いダート馬がごろごろいて、中々大レースで勝ち切るのは難しいところですけど、大章典、この馬の突き抜けに期待したくなってしまいますよね。

 ワザシは出られませんでしたねぇ。やっぱりGⅠとなると、中々回避する馬もいないというべきか、正直ここでも、と思えるラインにきていただけに残念です。
 展開的にも、インティが内で、前に行きそうな馬が大抵外に追いやられる忖度枠(というのが邪推ではありますけど。。。)になっていますし、インティの取捨に最後まで悩む事になりそうです。
Posted by clover at 2019年11月29日 17:51
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