2019年11月07日

2019 11月第1週海外GⅠ レース回顧

 さて、今日は予告通り、海外GⅠの回顧をキビキビと進めていきましょう。
 BCだけでも膨大な量ですし、プラスしてオージーのレースなど紹介したいレースもそれなりにあるので、昨日同様に出来る限り密度のバランスを上手く取って執筆していきたいですね。




 まずはメールドグラース出走で馬券発売もあり、注目度も高かったメルボルンCから回顧していきましょう。
 馬場状態は重から回復していってレースの時点ではSOFT5なので丁度稍重くらい、時計的にも3,24,76ですから、大体想定のど真ん中くらいだったのかなとは思います。

 レース展開は、先行したのが外のヴァウアンドディクレア、内から少し出負けしつつ盛り返していったマスターオブリアリティの2頭で、そこに1コーナー手前で外からトライライトペイメントが一気に交わしていってハナ、という並びでしたね。
 プリンスオブアランが4~5番手、フィンシュも前目で、メールドグラースは内枠から外目を意識するも出してもらえずに首を上げるシーンなどありつつ道中は中団、サプライズベイビーやイルパラディ―ソは最後方に近い位置取りでした。

 ラップ的にはざっくりですが、50,73-54,06-53,11-46,86=3,24,76くらいになると思います。
 馬場もあってレース全体がスローの意識に支配されていて、中盤の1600mはハロン平均13秒を大きく超えるスローペースであり、残り1000m地点から12,73と漸く加速、そこからは11秒半ば~後半を4F踏んでくる、スローロンスパ勝負になっていますね。
 ある程度はコーナー地点でペースアップしていますので、ここで上手く立ち回るか、しっかり加速を踏み切っていけるかは大切で、当然基本的には前目内目が有利な展開でした。

 勝ったヴァウアンドディクレアは、ウィリアムズJらしい積極策で逃げてもいい、という形でしたが、更に一頭外から行ってくれたので絶好の2列目ポケットで、ずっとインを通す理想的な形で直線に入れましたし、要所の勢いではマスターオブリアリティに見劣ったものの、ラスト1Fでしぶとく持続力を発揮してきた感じですね。
 前走はやや直線でブレーキを掛けるシーンがあるなど、スムーズさを欠いた中での2着でしたし、そこから斤量も減って、距離を怖がらずに思い切ったレースをした好騎乗だったと思います。

 2着入線で4着降着になったマスターオブリアリティですが、レースメイクとしてはデットーリJらしい、強引さもありつつ的確なものではあったと思います。
 最内枠で出負けし掛けましたが、メールドグラースが最初から外目を意識していたのもあって頑張ってリカバー、上手く番手外まで持ち出す事に成功しましたし、残り1000mからスタミナに物を言わせてロングスパート、強い競馬は見せていると思います。
 最後の斜行は、確かに縦カメラで見ると一気に寄っていて、イルパラディ―ソの進路は狭くなっていますけれど、本当にゴール寸前だったので、あれがなければ着順が代わっていたか?は難しい判断だったかなと思いますけど、悪質なのは確かで仕方ないでしょうか。
 そのせいもあるのか、デットーリJの来日延期、少なくともマイルCS週まではキャンセル、などと波紋が広がっていますし、超個人的にも、もしあの斜行がなくてイルパラ2着まで届いていたら…………というこすっからい憾みがなくはないのですけど(笑)、まあともあれ馬の持ち味、スタミナは存分に生かしたレースだったと思います。

 3着入線で2着繰り上がりのプリンスオブアランも、スムーズに先行してこの馬のレースは出来ていますし、やはりこの血統、リピーターはしっかり走るな、と思わせました。
 3着に繰り上がったイルパラディ―ソは、ほぼ最後方から直線インを狙って、ものの見事にノーブレーキで馬群をすり抜けてきましたし、展開として嵌った、噛み合ったのは間違いないですが、それでも最後の勢いは断然で強い競馬だったと思います。
 5着のサプライズベイビーは逆に大外からロスを作りつつも、こちらもノーブレーキでしっかり出し切った事が最後までの長い脚に繋がっているのかなと思いますし、色々紙一重の非常に白熱したレースでした。

 その中でのメールドグラースの6着は、頑張った、とも言えますし、勿体無かったとも言えますね。
 どうも最初からインで我慢するプランはなかったようで、確かに馬自身序盤は馬群の中で首を上げたり、揉まれる形に慣れていない所は見せていたんですけど、ただ結局外目を意識しても、道中も直線もずーっと外の馬に張り付かれて、一瞬たりとも外目のストレスのないポジションに持ち出す隙がなかったですし、スタートは良くて出足もソコソコだったのだから、個人的にはやっぱり3列目ポケットで勝負して欲しかったなぁ、という感覚はあります。

 勝負所の4コーナーでも、外へ外へ持っていくものの中々進路はクリアにならず、しっかりと追えたのは残り250m過ぎくらいからだったと思いますし、外からサプライズベイビーにも差された分距離が、という論者も出て来るでしょうけど、ここまでスローのヨーイドンだと、むしろ勢いにきちんと乗せられたか否かの方が大切だったと思っていて、多分この馬としては出し切り切っていない競馬になってしまったと考えています。
 ただはじめての3200m、タフ寄りの馬場でもしっかり頑張って最後まであきらめず走れていましたし、苦手なポジショニングでも辛抱する馬の精神力と底力には改めて驚かされたところもあり、まだ4歳ですし来年の飛躍がとても楽しみになりますね。

 7着クロスカウンターはやはり斤量の分動き切れず、という感じもあり、10着マジックワンドもこの距離は長すぎたイメージです。
 しかしマジックワンド、中3日でマッキノンSに出るとか、相変わらずオブライエン勢のドサ回り担当は使われ方がえげつないですね。そのせいでムーアJの来日も延期になって、まあこの辺は仕方ない面もあるでしょうけど、そういうしがらみがない乗り手の方がやっぱり素直に応援できる、とうのはあったりします。


★エンパイアローズS https://www.youtube.com/watch?v=uUChMthHB0I


 先にオージー繋がりであと1レースだけ、この2日にフレミントンで行われた牝馬限定のマイルGⅠを取り上げておこうと思います。
 このレースを勝ったのは、今まで紹介するタイミングがなかったのですけど、ニュージーランドの歴史的名牝と言っていいメロディベルで、道中後方4番手くらいから豪快な追い込みを決めて、なんとこれでGⅠ10勝目となりました。
 丁度オレンジのメンコ、西園厩舎の馬みたいな外見をしているので判別はしやすいと思います。

 馬場状態はSOFT7で重馬場、レースラップは48,40-49.38=1,37,78で、ペース自体も速いし仕掛けもそこそこ早いタフな展開の中で、堂々外を回して最後まで長く脚を維持しての差し切りでしたね。
 ちなみに同日の8レースで、こちらは牡馬混合ハンデ戦のマイルGⅠがあり、こちらは以前に紹介したケイアイノーテックの全兄になるフィアースインパクトが接戦を制して見事にGⅠ2連勝を決めていますけど、勝ちタイムが1,38,43なので、その比較からも、定量戦でこの勝ち方をしたメロディベルの強さが際立ちますね。

 まだ5歳牝馬なのでもうしばらくは活躍してくれそうですし、なによりマッキノンSに連闘でエントリーしています。
 クルーガーとスズカデヴィアスも参戦するこの10F戦の主役の一頭と言えるので、是非注目してみて貰えれば、と思いますね。


★フューチュリティTS https://www.youtube.com/watch?v=YI9yTTOiEWY

欧州からは、前の週から延期となったこのレースを拾っておきましょう。
 今年から冠名が替わってややこしいのですが、去年はマグナグレーシア、一昨年はサクソンウォリアーとロアリングライオンの大接戦と、2年続けて2000ギニーの勝ち馬や、後の年度代表馬を輩出した出世レース、なんですけど、今年は雨の影響が引かずに、結局ニューカッスルのAWコースに変更となって開催されました。

 勝ったのはマーフィーJ騎乗のカメコで、馬場適性もあったのか圧勝、ジャパンの全弟で人気になっていたモーグルは4着と言う結果でした。
 イギリスにしては珍しくラップが出ているのですけど、正直公式の決着タイムと乖離があり過ぎてあんまり信用できず、まあイメージとしては多分47,5-48,7=1,36,26くらいになるんじゃないかな、と思います。
 全体としてはややハイペースの中、5番手から残り400mで楽に抜け出して快勝とすごくいい競馬でしたし、AWなので次に繋がるかは例年ほど信頼を置けませんけど、マーフィーJも今年はリーディングを獲って、ますます落ち着きのあるバランスの良い騎乗が出来ており、今週から日本でどういう手綱さばきを見せてくれるか本当に楽しみですね。


★BCジュヴェナイル https://www.youtube.com/watch?v=dukfZvUylo4&t=31s

 さて、ここからは土日に開催されたアメリカ競馬最大の祭典・BCの回顧に進んでいきますが、流石にほとんどメンバーもわからない2歳戦を全部回顧するのはしんどいのと、内容的にもさほどインパクトはなかったので、フルフラット参戦があったこのジュヴェナイルだけにさせてもらいます。

 ここは元々3強、という人気で、その内1頭が回避してチャンスが拡大、なんて戦前に書きましたけど、結果的には残りの2強も圏外にぶっ飛んで、勝ったのは超伏兵ブービー人気のストームザコード、というか、最低人気だったフルフラットを除き、人気で下から3頭が上位3着まで独占と、荒れるBCの前触れを告げるようなえげつない結果でしたね。
 まあフルフラットもしっかり5着には食い込んでいて、最内から出遅れた1番人気の馬はともかく、前走サンタアニタで勝っていて、スムーズに番手から競馬出来た2番人気の馬の失速はなんなんだ、って感じでしたけどね。

 ラップもいかにもアメリカンな、23,47-23,60-23,99-26,93-6,96=1,44,93とかなり遅い時計で、でもジュヴェナイルフィリーズなんか同じくらいハイペースで47秒台まで落としている事を考えれば頑張った方なのかもしれません。
 戦前にも触れたように、サンタアニタは今年初頭の死亡事故多発で開催中止に追い込まれ、その改善として時計の出にくい馬場になっていて、おそらく今のアメリカダートでも特殊な適性を問われる条件になっている筈であり、基本的には追い込みはまず効かない、ドバイみたいなダートになっている感じですね。
 そのせいで翌日の古馬戦も、断然人気の馬がコロコロ負ける波乱の一日であり、まあ正直見ていてえぇぇ…………ってレースが多かったです。


★BCフィリーメアスプリント https://www.youtube.com/watch?v=QjJwQcBnMac

 ここは比較的順当に、1番人気のコヴフェフェが、テストSからのGⅠ3連勝で牝馬スプリント路線の頂点に立ちました。
 ラップは22,13-22,65-24,80-12,82=1,22,40なのでやっぱり強烈な消耗戦で、その中で早め抜け出しで外からベラフィナの追撃を悠々退けていますから強い競馬でしたね。


★BCターフスプリント https://www.youtube.com/watch?v=6iVdGwJveC8

 ここを勝ったのは6歳牝馬の伏兵ベルボアベイで、2着も7歳の伏兵オムと、行った行った決着で中々の波乱でした。
 このレース3連覇を目指したストーミーリベラルですが、ぶっつけも影響したのか大敗でしたし、スプリントはスタートひとつで変わってしまう、しかも1000mのワンターンとなればなおさらですね。
 ペースは21,47-20,96-11,50=54,83で、速いですけど馬場も軽かったので極端なハイペースという感じでもなく、スタートでレースを支配した勝ち馬が見事でしたね。


★BCダートマイル https://www.youtube.com/watch?v=jlx3Xzea9z8

 ここも逃げたスパントゥランがハイペースでも粘り込んで快勝、圧倒的人気のオマハビーチはやや出負けして、後方から良く追い込むも2着まで、3着には韓国の新星ブルーチッパーが良く粘り込みました。

 ラップが23,05-23,48-23,99-26,08=1,36,58なのでやはりかなりの消耗戦ですが、それでも行ったもの勝ちに近い感じもあり、パワーを強く問われる馬場なのでしょうね。
 勝ち馬は序盤からマイペースでスムーズでしたし強かったです。
 オマハビーチもあの位置から差してきたのは地力と堅実さの証ですけど、難しいレースになってしまいました。
 ブルーチッパーは韓国スプリントを勝ったアメリカ産馬で、確かまだ1度しか負けていなかった馬でもあり、その勢いで本場に殴り込みと言うのは果敢でいいですね。しかもマイルでここまでしぶといレースが出来たのは面白いところで、徐々に韓国もこういう馬が出てくる中で全体のレベルが底上げされていけば、と思います。


★BCフィリ―メアターフ https://www.youtube.com/watch?v=Z0navZYUEwc

 芝2000mのこのレースは、マジカルが回避して地元勢に分があるか、特に破竹の連勝を続けるシスターチャーリーに死角なし、と思われていたのですが、しかし勝ったのは欧州からの遠征馬イリデッサで、他の芝レースではイマイチだった分、ここで唯一面目を果たす形になりましたね。

 ラップは23,45-23,20-23,21-24,47-23,62=1,57,77とかなりのハイペースからの高速決着になっています。
 ただこれは単騎逃げの馬のもので、2番手の馬は中間点で6~7馬身は後ろだったので、後続は24,47の3~4コーナー地点でペースアップしての4Fロンスパ気味の勝負になっている筈です。
 その中でイリデッサは番手集団を引っ張ったヴァリシカのすぐ後ろでじっと我慢、直線入り口で一頭分だけ外に出すと、力強く伸びて粘り込むヴァリシカを競り落としました。
 この馬の場合欧州の2000mだと少し長い?というところがあるので、高速馬場の2000mがフィットしたのと、ある程度分散されて極端な切れが問われなかったのも良かった感じで、あんまり安定感は感じないのですけどなんだかんだでこれでGⅠ4勝目、面白い馬ですね。

 2着のヴァリシカも非常に堅実な馬ですが、マイルGⅠではこの後マイルを制するユニに歯が立たず、2000mに矛先を向けてもう少しで金星でしたけど、この勝ち切れないあたりもこの馬らしいキャラですね。
 3着シスターチャーリーは、結果的にコーナーでずっと外、というのがこのラップ推移の中でロスになったとは思うのですけど、それでもここまでのレースを考えると物足りない伸び脚で、大一番にベストを持ってくる難しさを感じさせる内容でもありました。



 ここはインペリアルヒントが直前回避してのレースでしたが、不安視していたミトルが上手な競馬で、快足を飛ばして逃げるシャンスロットを最後に捕まえる、今年のBCの中では屈指の堅い決着になりましたね。

 ラップは21,47-22,57-24,96=1,09,00ですので、やっぱり相当に時計が掛かっている馬場だなとこれだけでもわかりますね。
 それでもアメリカの馬は前半からペースを落とすなんて丸で考えないので超々ハイペース、それでも前が止まらないのだから恐れ入る、という感じです。

 勝ったミトルは、内目の枠から外主導の流れになる中で、序盤から外目に誘導し、砂を被らない位置でスムーズな競馬を心がけたのが勝因でしょうし、本来もう少し長い距離向き、というスタミナ面も、この馬場でかみ合った気はします。
 これで本格化以降は非常に安定した成績ですし、来年も短距離路線ではかなりの活躍が見込める馬ですね。
 2着のシャンスロットも、まだ3歳ながら本当に素晴らしいスプリント力の持ち主であり、いかにもアメリカのスプリンターという感じで、もっと強くなるでしょうからこちらも来年が楽しみです。

 マテラスカイは完璧なスタートでポジショニングとしてはこれ以上ない、という感じでしたし、これでコーナーからズルズル、では、体調面か、追走力がシンプルに足りなかったか、にはなるでしょうね。
 例年の8秒そこそこの時計が出る軽めのダートの方が良かったとも思いますし、この馬も今のサンタアニタが仇になった方だとは思いますけどね流石にここまで勝負にならなかったのは無念でした。



 ここは地元の人気の牝馬2頭の一騎打ちになり、ユニが最後外から抜け出しての快勝でしたね。

 ラップは22,78-22,54-23,95-23,18=1,32,45という推移で、全体として馬群が凝縮する中でハイペース寄り、コーナーで少し緩んで直線再加速、という感じで、結果的にやや後ろからコーナー外目を押し上げた2頭が噛み合う展開でもありますね。
 それでもユニはスタートは良かった中で道中はかなり後方、でもコーナーで一気にライバルのゴットストーミーの外まで取りついて、直線はしぶとく競り落とす強い競馬だったと思います。フォスターデイヴHでは2ポンド差もあり苦杯を喫したのを、大一番できっちり返しましたね。

 2着のゴットストーミーも序盤から外目を通して強気の立ち回り、良い競馬でしたけど、ここは相手が一枚上でした。
 3着ウィズアウトパロールはアメリカ移籍初戦でしたけど、やっぱりフランケル産駒って超高速馬場向きなのかなぁ、と感じさせる走りで、4着サーカスマキシマスも頑張っていましたけど、コーナーで淀みに巻き込まれた事、あとやはりこの時計はちょっとこの馬には速かったのかなと感じます。



 ここは今シーズン、GⅠ4勝を含む破竹の7連勝中、ここを勝てばゼニヤッタ以来の牝馬での年度代表馬も視野に入るミッドナイトビズー断然のレースでしたが、しかし内枠からポジショニングが悪くなり進出が遅れたところ、早めに動いた6歳牝馬のブループライズが直線早め先頭から押し切る大金星を挙げました。

 ラップは22,98-23,70-24,15-26,31-13,36=1,50,50と、まあ当然ながら強烈な前傾ラップの消耗戦ですね。
 その中でミッドナイトビズーが道中厳しいマークを受ける中、その少し前でスムーズに進めていたブループライズの手応えがよく、一気にコーナーで先団を飲み込む強い競馬を見せてきました。
 ミッドナイトビズーもその後ろを捌いて、直線では差し切るか、という雰囲気はあったのですけど、ラスト100mで脚色が一緒になってしまいジエンド、こういうタフな馬場があまりマッチしていなかったのか、とにかく残念な敗戦になりましたね。



 ここは、特殊な馬場や展開で圧倒的な人気馬が次々と敗れる中、こちらも今年無敗の快進撃を続けていたブリックスアンドモルタルが、道中凄まじく厳しいマークに合いながらも最後はなんとか外に出し、しぶとく差し切って今シーズンを6戦無敗と素晴らしい成績で締めくくりました。

 ラップが24,81-24,03-24,82-24,65-23,44-23,38=2,24,73と、時計的にはややスローからの4F勝負という感じになっていますね。
 勝ったブリックスアンドモルタルは、中目の枠から先ず先ずのスタートですが、内外の馬から熾烈なマークに合い、上からのカメラで見るとビックリするくらい狭いところを走らされていましたね。
 2着に粘ったユナイテッドが番手外、3着のアンソニーヴァンダイクが2列目ポケットと、凝縮する馬群の中では比較的楽な位置にいたのに対してはかなりのビハインドだと思いますし、4コーナーでも中々進路がなく、結果的に少し下げつつ外に出す形になっていて、ラップ的にもそこは苦しい点だったと思います。
 それでも直線半ばで鋭い切れ味を繰り出すと、最後はギリギリながらもしっかり2着馬を捉えて圧巻の勝利、初の12F戦だった事も含めて、本当に今年1年の成長と安定した強さには頭が下がります。

 来年から日本で種牡馬入りするのですが、レースから見る適性としてはポジショニング良く、前進気勢がある中でもしっかり気性はコントロールされていて、かつ要所でスパっと切れる脚を使えるのが印象的でした。
 血統的にもジャイアンツコーズウェイの直仔で、ストームバードの3×3という強いインブリードを持っており、父の欧州的なしぶとさを、母系のストームバードのクロスなどでよりスピードに寄せてバランスを取っている感じです。
 日本でもストームバード、ストームキャットの血統はニックスも多く、比較的安定して走る印象ですし、ディープ・キンカメがいなくなった日本の種牡馬界の救世主になれる可能性を秘めた一頭なのは間違いないと思いますね。

 3着アンソニーヴァンダイクは、まあこの馬らしいポジショニングと堅実な高速適性を見せていますけど、どこでもワンパンチ足りないのはありますね。
 雰囲気的にこの馬、ジャパンCに来る可能性もありそうで(基本ムーアJを日本の強い馬には乗せんぞ、という、クールモアの囲い込み戦略は絶対にあると思うので)、瞬間的な切れ味はともかく、長く脚は使えるタイプなのでちょっと楽しみはありますけどね。



 また今日もこまで辿り着くのが長かった…………って感じですが、大トリのBCクラシックは、4番手の外からレースを進めたヴィーノロッソが、直線力強く抜け出しての圧勝でしたね。しかしこの実況、ヴィー、のところで巻き舌にし過ぎだと思うのですが。。。

 ラップが23,09-24,07-23,55-25,64-26,45=2,02,80ですので、ちょっと紛れはあるもののやっぱり超絶ハイペースの消耗戦、しかもタフな馬場で余計に適性が問われる中で、思った以上に大差のついた淡泊なレースでもありました。
 勝ったヴィィィィィ―――ノロッソは、外枠からスムーズなレースが出来ていましたし、こういうパワー寄りのレースと馬場がマッチしていたのでしょうね。
 直線早々にマッキンジーを競り落として後は独走、勿論この馬でもかなりラップを落としているのですけど、後続がそれ以上にばてていた、という感じで、強かったですけどこれで大手を振ってこの路線最強と言えるか?となるとやっぱり疑問符はつくところはありますかね。

 2着のマッキンジーも、コース取りをタイトにしてギリギリまで我慢する、距離を意識した良い競馬だったと思いますし、去年大敗したレースでもしっかり2着と持ち前の堅実さは見せていますけど、後続が走らなかったのもありますし、やっぱりあまり強いとは思えないんですよねぇこの馬。
 イレートもわざわざこっちに回ってきて4着は頑張ったのかどうなのか判断に困るラインで、コードオブオナーは馬群で揉まれたのも影響して全く力を出し切れないレースになってしまいましたね。
 ヨシダももうちょっと頑張れるかと思いましたが、これで種牡馬入りらしいですし、サンデー血脈の再輸入が為されたのはやはり嬉しい事ですし、活躍する馬を出して欲しいものです。



posted by clover at 17:51| Comment(2) | レース回顧・海外競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

主人さんによる、当日馬場コンディションの読みが的確で助かりました。
グリーンチャンネルの無料開放によって録画した番組で、合田氏や特別ゲストの矢作トレーナーまでが「水捌けの良いコースだから、もっと回復すると思っていた」とコメントしてただけに。
結果、ソフト5で重馬場コンディションとのことでホッとしました。
もし?回復しペースも上がり差し追い込み有利では、ワイド点数増やしておけばになってました。(苦笑)
とりあえず結果ニュースも見ずに、じっくりテレビで観戦したので。
兎にも角にも海外G1レース馬券を買って観戦料を払ってだけに(苦笑)、結果情報を遮断してテレビ画面で観たくなってしまいます。

しかし今回、改めて思ってしまったのが、あのオブライエン親子が鍛えた馬たちと日本生産馬がオージーの舞台で競い合うのは良いものですね。
馬券買う側も、真剣に熱くなりました。
メードルグラースへの寄せ合い押し合いのマークも厳しく、見入ってしまいましたね。
なので今後も、ノーザンファームをはじめ毎年世界のせり市場に駆け回る矢作トレーナー及び日本人オーナーたちの挑戦には期待したいところです。

それにしても、腹を据えたウイリアムズは天晴れでした。
まさか、大外から押して出し先頭から最内に潜る競馬をするとは見応えある騎乗でした。
矢作トレーナーも解説で「あれだけ出して馬が行きたらず抑えが効くと、ウイリアムズも折り合いには自信があったのでしょう」とコメントし納得してしまいました。
テンから押して先頭に立って、最内ポジション確保から控える走りには本当にびっくりであり。
更にレース前、主人さんのオージー陣営による巻き返しは侮れないとの見解が見事に的中し。
積極的に前目の最内を取って残って勝たれはと、これはお見事と称えたい優勝でした。

また指摘通り、メードルグラースは道中も押し合いのマークに遭遇し下げる展開から勝負どころでも馬の壁そして馬の壁で終い直線で追い出しからガッツリ出し切った競馬をしてないので距離云々とかでなく勿体ないさを感じたレースだったので、仰る通り来シーズンも楽しみしたい一頭ですね。

余談、入線線後に審議となってフランキーをマークに道中無駄のないポジション通りと無駄のない運びをしたウォーカーには非はないだろう?と冷や冷やものでした。(苦笑)
加えて、フレミント名物である長々の3コーナーで殿ポジションで追走するイルパラディーソは、馬群捌くにも手間取って届かんだろう?と諦めてたらイン突きでまさか審議対象までもってくるとは驚いてしまい。(苦笑)
その終い直線2ハロン、4頭による壮絶な競り合いには口から心臓が飛び出そうになりました。(苦笑)
とにかく、いいぞ!いいぞ!良いエスコートだウォーカー!頑張れ頑張れと、やっぱり縦目を嫌って3頭ボックスワイドにしとけば良かったかなと?(苦笑)

そして、ブリックスアンドモルタル。
米国競馬も最有力馬に対してのマークがエグいですね。
これは、、、参ったと思いました。(苦笑)
1コーナーまでのポジション取りから、馬体併せなおしくら饅頭とは厳しく。
更に、内回りの合流線でもマークはガッツリ継続、更に更にその後も継続されていて。
これ、他馬を気にする馬だったら首を上げて嫌がって戦意喪失になりますね。
これで、4コーナー抜けて外に出しからの競り合い大丈夫か?と思っていたら。
残り1ハロンに迫ったところからも切れ味を見せてびっくりしましたね、それで引退レースを日本国内でして欲しいと思ってしまいました。(笑)
更に、主人さんの見解通り最後まで出し切るしぶとさも魅力を感じる新種牡馬ですね。
妄想として、どの牝馬と合わせたら良いですかね?と、思わず考えてしまいます。(笑)
それと照哉総裁の手腕で、先ずはブリックスアンドモルタルを育てたアシスタントスタッフも社台に迎え入れて世界で勝てる馬を育て上げて貰いと思ってしまうところであり。(笑)
今後、マスコミも期待の新馬として大きく取り上げると思いますが。
ブリックスアンドモルタルの仔たちによるデビュー戦、今から楽しみに待ちたいと思います。

あと何気に、アンソニーヴァンダイク。
今回、女王不在で混戦模様となったジャパンCに出走して欲しいところです。
本当、アンソニーヴァンダイクの持ち味であるロングスパート、切れ味で勝負したい他の差し馬が嫌がる展開になりそうで馬券を買う側としても更に面白みが増す気配に貢献しそうな一頭になるだけに。
Posted by ギャロップ at 2019年11月08日 00:15
>ギャロップ様

 いつもコメントありがとうございますー。

 実際、馬場の回復に手間取った分前の意識が低くなっての4F戦なので、ギリギリのタイミングだったのは間違いないですよね。ここまで頭数がいて、それぞれの思惑があると、ちょっとした事でガラッと結果は変わっていたでしょうしねぇ。
 それに、やはり第3の舞台で日本勢と欧州勢の激突は面白いですよね。どうしてもどちらかのホームではアドバンテージが大きすぎますし、そしてその能力上位の海外勢に対し、地元の馬と陣営の、ただの馬場貸しにはならん!という意欲も含めて、すごく熱量のあるレースでした。
 きっと多くの人が、そっちのオブライエンかい!と思った事でしょうし(笑)。

 ゴール前も大激戦で本当に最後までどう転ぶかわかりませんでしたし、あれは確かに心臓に悪いですよねぇ。
 プリンスのジョッキーは終始冷静でしたし、デットーリJも最初敵はこっちだ!と思ったら、思いの外インでヴァウが粘っていて焦ったのもあるのかな?と感じましたね。
 イルのローダンJの腹を括ったイン差しも素晴らしかったですし、これでメールドグラースがもうちょっと出し切れて、この激戦の中に食い込んできていたら日本の競馬ファンとしては一切の文句なし、だったんですけど、そこは仕方ないですね。
 メールドグラースにはまた来年、世界を股にかけての活躍を期待しましょう。

 ブリックスアンドモルタルは、正にアイアンホースと呼ばれた父譲りの勝負根性、って感じで、この負けん気の強さは種牡馬として大成できる可能性を強く感じさせますよね。
 個人的にはラキシスとか、ディープ牝馬で母系ストキャ持ちにつけて、ストームバードのクロスをより強く出したら、どのくらいの爆発力に繋がるかは見てみたいですねぇ。

 オブライエン勢はムーアJを日本馬に乗せないために、なにか一頭は連れてくると思うのですけどね。
 アンソニーヴァンダイクは、英ダービー馬の割に高速馬場向きの不思議な馬ですし、今のトレンド通りの高速持久戦になるのであれば侮れない一頭になりそうですから、是非来日して欲しいんですけどねぇ。
Posted by clover at 2019年11月08日 03:47
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