2019年10月15日

2019 菊花賞 プレビュー

★はじめに

 今週は今日まで競馬開催があって忙しなかったですが、また週末は直ぐにやってきてしまいますし、まずはしっかり、クラシック最終戦の菊花賞を展望していきましょう。
 個人的な話になってしまいますが、来年の今頃このレースにエピファネイア産駒が沢山出てきてくれないかなー、とは期待していて、ロールオブサンダーなんかとても適性がありそうで大変楽しみです。。。

 閑話休題、今年は春のクラシックホース不在と、秋華賞と同じ構図の混戦模様ですが、しかし秋華賞も蓋を開ければ上位を独占したのは春の実績馬達でした。
 今回のメンバーでどこまでが春の実績、と見做していいかの線引きも難しいところはありますが、やはり基本遅い時期にやっと2勝クラス勝ち上がり、程度では通用しない確率が去年までより高いのは頭に入れておかないとですね。


★レース傾向分析

 過去2年のプレビューはこちらです。


 すごく過去の自分におんぶにだっこな言い分にはなるのですが、正直傾向分析としては去年に引き続き、2年前のものを見てくれればそれで、という感じです。
 というのも、一昨年は台風襲来で歴史的な超不良馬場、去年は馬場は普通だったのに、歴史的スローペースからの2F瞬発特化戦と、いずれも平均的な菊花賞のレースパターンの範疇に収まらない、色んな意味でなんじゃそら、ってレースでしたからね。
 今年もリオンリオンが回避してしまって、確実にちゃんとした流れを作ってくれる先行馬がいるか?となるとその辺は判断が難しい面もありますけれど、流石にそろそろ妥当な流れの菊花賞に戻ってくれると思いたいです。

 ただ、今週も金・土あたりは雨予報なんですよね。
 降雨量にもよりますし、日曜は晴れるようなので極端な重馬場ではないかもですが、昨日のレースを見ていても京都は大分タフ寄りにシフトしてきている感はありますので、それこそ一昨年のハービンジャー馬場アゲイン、みたいな事は考えておきたいところでもあります。


★有力馬所感

・ヴェロックス

 皐月賞・ダービーともにしぶとい走りで馬券圏内はきっちり確保、このメンバーに入れば実績断然のヴェロックスですが、実は未だに重賞は未勝利、それをGⅠで飾る事が出来るか、人馬ともに注目の一戦です。

 まあ個人的には皐月・ダービーともに本命にしているわけで、ここでは断然人気になろうと本命にしなくてはいけない馬、くらいの感覚ではあります。。。
 勿論適性的な裏付けも高く、前走を見ても瞬発力勝負では分が悪いものの、持続力や持久力面は相当に秀でていて、長く脚を使える舞台ならば最後の踏ん張りがとても目立っています。
 菊花賞の場合は早ければ向こう正面、遅くとも坂の下りからはペースが上がりやすく、有る程度分散される傾向にありますから、その点でもこの馬向きですし、ポジショニングセンスもいいので、極端な枠でなければ4~5番手の、いつでも動ける位置からの競馬は出来るかなと見ています。

 母系のモンズンが強く出ている分か、スタミナ面にはあまり不安を感じさせないここまでの走りですし、タフな馬場にも追走にもほぼ不安なし、いかにも川田Jの先行馬、という感じで、自分から捻じ伏せに行く形も作れますので、最内か大外でもない限りはほぼほぼ本命にすると思います。
 正直一番勝って欲しい馬でもありますし、ただタイプ的に脚元を掬われる可能性は結構あるので、この馬を負かすとしたら、その辺りを中心に今後の馬を見ていきたいですね。


・ワールドプレミア

 このメンバーになるとこの馬でも押し出されて人気する感じですが、過去の戦績を見てもヴェロックスには分が悪く、それを覆すウルトラCを、淀長距離の達人武Jが見せてくれるかが見物になりますね。

 勝ち鞍はどちらも淀のように、坂の下りである程度勢いに乗せつつ、分散しやすいこの条件は悪くはないと思います。
 ただヴェロックスほど、距離が伸びて更に良さが出る、というイメージは持ちにくいのと、基本スタートが曖昧で、つばき賞みたいにある程度先行出来るならばともかく、後ろから行って決め手比べでヴェロックスに勝つのは至難、だとは感じています。
 去年のユーキャンスマイルくらいのポジショニングは最低限欲しいですし、加えて展開の淀みに噛み合わせる形になれば、でしょうか。去年ほど極端でないにしても、コーナーで一気にペースアップすると置かれてしまう懸念が強いので、そこをどうケアしていくか、運も絡みますし少なくとも重い印を打ちたい条件ではない、でしょうか。


・ニシノデイジー

 春は期待されつつも大きなところでは一線級に歯が立たず、前走も微妙な結果でしたが、しかし遂にこの最後の大一番で勝浦J⇒ルメールJの超鞍上強化を決断、俄然楽しみな一頭にはなってきたなと思います。

 勿論ルメールJでも無理なものは無理、というパターンもあるのでなんともですが、少なくとも中団くらいにはいないと勝ち負けは難しい菊花賞というレースで、きっちり出していきつつも折り合いをつけられるルメールJというチョイスは絶妙だと思います。
 またこの馬もあまり切れ味はなく、長く分散していい脚を使える持久力タイプなのと、意外と瞬間的な加速も持っていますので、馬群の中からタイトに立ち回ってもそこそこやれそうなのは楽しみな要素です。

 馬場的にハービンジャー産駒向きのタフ寄りなコンディションになる公算も高く、勿論勝ち切るところまで考えれば内枠は欲しいですが、どうあれ印は回さないといけない馬ではあるのかな、と思っています。


・レッドジェニアル

 父がキンカメなのでそこは微妙ですが、母父が非根幹の鬼のマンカフェ、自身も淀の2200mでベストパフォーマンスを見せているように、この舞台に対する適性の期待値はかなり高い方だと見ています。
 この馬もゲートがやや安定しないのでそこは鍵ですが、前走くらいスムーズにでて好位集団で競馬が出来るなら楽しみはありますし、少しならタフな馬場になってもこなしてくると思います。

 どちらかと言えば淡々と流れて上がりがそこそこ掛かる方がいいので(というか、多くの有力馬がそっちよりの適性ですけれど)、出来れば上手く先行して、自身でペースを左右できる形に持ち込みたいところですね。
 酒井Jもトーホウジャッカル再び、という感じで、乾坤一擲の騎乗を期待したいです。


・ヒシゲッコウ

 今回はこの馬の取捨が一番悩ましいところですね。
 単に2勝クラスを勝った馬ならともかく、一応2戦目でプリンシパルS3着はそこそこの実績ですし、勝ち馬のザダルがセントライト記念で通用した事を鑑みても、一概に切り捨てるのは早計、とはなるでしょう。
 ただこの馬の場合、基本ポジショニングは良くなくて、いつも後方からの競馬になりますので、その点は菊花賞、という譜代にフィットしにくいかもしれません。

 またスミヨンJ、という事で無駄に人気しちゃうのですが、果たしてトリッキーな淀の3000mで、しかも差し馬でスミヨンJの良さが生きるか、となると疑問符の方が多かったりもして、難しいラインですが、今のところ消してしまいたい気持ちの方が強いです。
 血統的にも、父が違うとはいえステルヴィオの下にはなりますし、ファルブラヴも基本フィリーサイアーで、あまり本格的な長距離向きではないとは思っていますので、総合的にちょっとすつ足りない気はしているのですけどね。


・ザダル

 こちらは前走で無敗は途切れたものの、窮屈なところから要所できっちり脚を使えていて、レースセンスの良さと根性は武器になるかなと思います。
 また父親が、現役時代マイルから3200mまで、淀外回りならなんでもござれ、のトーセンラーですから、その父の血が上手く噛み合う可能性もある舞台ではありますね。
 ただ関東馬で初めての輸送にもなりますし、関東圏の騎手はこの舞台と相性は滅法悪いのですよね。
 内枠を引ければ前走に引き続き圏内くらいは、とは思いますが、まだ今の時点では総合力的にも一歩足りないと思いますし、馬場を味方に出来るかも難しいところなので、評価に迷う一頭にはなりますね。


・ホウオウサーベル

 夏の新潟で阿賀野川Sを圧勝、そこからぶっつけでのローテーションは去年のユーキャンスマイルと同じで、鞍上も淀長距離マイスター、試験に落ちた鬱憤は馬の上で晴らすしかない蛯名Jなので、やはり多少の怖さはある一頭です。

 ただ同時に、この馬は春の時点では実績馬に歯が立たなかったのも事実で、遅まきながらの成長は確かでしょうけど、今年のトレンドからしても基本的には嫌って妙味、の一頭だとは思います。
 ハーツクライ産駒も基本淀は苦手にしている方ですし、この組み合わせの中ではスムーズにいいポジションを取れるかも楽観は許しません。
 上のように書けば格好いいですが、蛯名Jもかなり休んでいての勝負勘が不安でもありますし、基本は消しのスタンスで見ています。


・サトノルークス

 前走はインからしぶとく脚を伸ばして賞金加算に成功、また手薄なメンバーのここで、上手く立ち回っての逆転劇はあるのか注目です。
 福永Jに替わる今回ですが、基本的にテンから出足が速い馬ではないので、そこを上手くフォローしつついいポジションを取れるかはひとつ鍵になるでしょう。
 距離自体は平気だと思いますし、タフな馬場になるのもむしろプラスに思える母系の重厚感、敢えて言えば先週の開催全般的に、タフな馬場になると顕著にディープ産駒の好走率が下がるので、そこはより母が強く出てくれていれば、という感じでしょうか。

 能力的にはこの相手でも圏内くらいは、と思いますが、枠の並びやスタートなどクリアすべき課題も多く、この馬まで印が回るか、ボーダーラインの一頭というイメージですね。


・タガノディアマンテ

 テンから出していくと京都新聞杯のように甘くなりやすいオルフェーヴル産駒ですし、基本後ろから捲りのスタイルなので、この菊花賞というレースにマッチするタイプではないと思っています。
 ただタフな馬場のきさらぎ賞で見せた、相対的な切れ味の質はかなりのものはありますし、みんなが前掛かりで外目を捲っていくのを敢えて待つ、くらいの肝の据わった一発勝負が出来ればワンチャンスくらいはあるかもしれません。

 素材的にはここに入ればヴェロックス以下とはほとんど差はないと思いますし、距離もこなせるとは思うので、意外と上がり馬辺りが早めに動いて脚が上がったところでズドン、というパターンは警戒しておきたい一頭ですね。


・ユニコーンライオン

 前走は上がり馬の勢いで神戸新聞杯に出たものの5着、ただ本来のこの馬らしい立ち回りが出来なかったですし、スムーズで上りの掛かりやすい今の馬場なら、というところはあります。
 ただ母系はともかく、父がノーネイネヴァーで3000mはうーん、という感じですし、どちらにせよ上位に来るためには前目内目は必須のタイプでしょう。
 雨が沢山降れば浮上してくるコテコテの欧州血統ですし、そのあたりに活路を見出したいですね。


・シフルマン

 この馬も若葉S3着を春の実績、として数えていいのか微妙なんですけれど、ただかなり早い時期に2勝クラスは卒業、そこからじっくり待って神戸新聞杯、というローテーション自体はベストに近いとは思うのですよね。
 前走はあまりにもスロー逃げにし過ぎて明快に切れ負けなので参考外でもいいですし、この馬もハービンジャー産駒ですから、馬場の恩恵を活かしつつ淡々と速い流れで逃げを打つ事が出来れば、ちょっと面白い一頭かも、と思って見ています。


・メイショウテンゲン

 実績はありますけど、やはりタフな馬場で、となると例外的ですし、良馬場ではどんな距離でも大抵切れ負けしちゃうので簡単ではないでしょう。
 ディープ産駒ではありますが、こちらも母の色が強いので距離は持つと思うのですが、勝ち負けまで考えるとなるとかなり渋った馬場になってくれないと、と、逆さテルテル坊主を干すべき一頭ではありますね。


・アドマイヤジャスタ

 こちらも実績はあるものの、流石にダービーからこっち、まるっきり見せ場も良さもないレースが続いてしまっていますので、この短期間で叩き2戦目、ガラッと変わり身があるか、と言われると流石に厳しい気はします。
 この馬も長く脚を使うタイプではあり、上位と適性が似ているのも余りプラスとは言えず、ちょっと食指は伸びないですね。


・ヴァンケドミンゴ

 トライアルでも2勝クラス勝ちでは通用しないのが概ねの見解ではありましたが、じゃあ3勝クラスで勝ち負けの競馬が出来ていればどうか?という視座で、出てきて欲しい一頭ではあります。
 サンリヴァルの全弟なのに適性的には反対、って感じで、このあたり難しさを感じさせますが、こちらもエンジンが掛かってしまうとかなり長くいい脚を使えますので、立ち回りひとつでノーチャンスではないかな、というラインにいるとは思います。
 今のところ回避濃厚っぽいですが、出てきたらこっそり穴目で拾いたい一頭にはなりますね。


・カウディーリョ

 こちらも2勝クラスはいい勝ち方でしたが、春の実績的には足りず、やはり厳しい戦いになりそうです。
 戦績的にも○×が続く感じで、今回は……ですし、血統的には雨が少し残って渇きかけ、くらいなら一番良さそう、ある程度レースを先導するスタンスも選べる可能性がある一頭なので、そのあたり藤岡佑Jがどう乗ってくるのかは注目したいところです。


・カリボール

 この馬も成績は安定していて、末脚も非凡なのですが、どう見てもワンターン向きなので、この舞台は距離や後半要素諸々含めてちょっと厳しい立場になるかな、とは思っています。
 むしろ神戸新聞杯に出て欲しかったんですけどねぇ。あの展開から多分ワールドプレミアあたりとはいい勝負出来ていた気がするのですけどね。
 距離も母系の軽さから中々難しく、脚質含めて狙いにくい馬にはなりますかね。


・メロディーレーン

 評判のすごく小さいのに距離が伸びるほどに強い、典型的なマラソンランナーの牝馬メロディーレーンですが、流石にこちらも常識的に1勝クラスを勝っただけでは厳しいでしょう。
 斤量も一気に6kg増で、330kg台のこの馬にとってはシビアでしょうし、それで今までの様な長くバテない脚を使えるか、試金石的な舞台であるとは言えますね。
 この馬もある程度渋って消耗戦になったほうがまだ、と思いますし、それでも話題性はありますから、なんとか出走枠に潜り込めるといいですね。



posted by clover at 20:14| Comment(4) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつもお疲れ様です。

競馬ニュースサイト等で調べたところアドマイヤジャスタは回避らしく、
ヴァンケドミンゴは藤岡佑Jで出走予定、
カウディーリョはデムーロJですがギリギリまで出走検討中のようです。
後はディバインフォースが横山典J、ヒッチコックが秋山Jだとか。

ヴェロックスは最有力と私も思うんですが、ハーツの孫なところが引っかかったりします。
京都2000mで勝っては居ますが、仰るように惜しいところで勝ちきれず、ってのもありそうで。
ただ相手探しも並び立つような印象受ける馬が居らず悩ましく思います。

個人的には関東馬ですがザダルが気になるんですよね。
父が得意だったのもありますが石橋Jも京都長距離であっと言わせたことありますし…だいぶ前ですが。
色々考えるとやはりリオンリオンを見たかったなぁと思ってしまったり…。
Posted by OT at 2019年10月15日 21:54
こんばんは★

いやあ、リオンリオン回避で予想するのが難儀なレースになってしまいましたねえ。

クラシック勝ち馬がいないのも残念ですけど、東西両トライアルホースが不在なのは何とも...です。

2010年代の菊の勝ち馬は正に強い馬が勝つ!と言った錚々たる面子なので、そこまで嫌わなくても...と思ってしまいますね(笑)

取っ掛かりが難しいレースですが、福永Jの俺は変わったんだぜ!というところを注目してみようかなあと思ってます。

まだまだ甘いんでしょうが、秋華賞の騎乗は、天晴でした。
Posted by J.N at 2019年10月16日 02:55
>OT様

 いつもコメントありがとうございますー。

 ジャスタはやはりあの競馬の後ではちょっと使えないですかね。
 カウディーリョも堀厩舎で、ヒシゲッコウもいる中で無理はしてこないかなと感じますし、本当にメロディーレーンにまで出番が回ってくるかもですね。

 ハーツクライ産駒は、自身も含めて菊の成績悪いですもんね。
 ただジャスタウェイまでそうか、となるとそこはやってみないとですし、血統的に左回りの方が強そうなので、来年のドバイシーマクラシックに出る為にもここは勝ち切って欲しい舞台なのですが……悩ましいですよね。

 石橋Jはビートフラッグですか、懐かしいですよね。
 ザダルも先行力があるので、誰が逃げるのかわからなくなったところで思い切って、という手もありそうですし、出し切る競馬を試みてくれれば、でしょうか。

 リオンリオンは屈腱炎らしいですね。個性的でいい馬なだけに本当に残念です。横山J渾身の幻惑逃げ、見たかったんですけどねぇ。
Posted by clover at 2019年10月16日 19:13
>J,N様

 いつもコメントありがとうございますー。

 まぁ結局菊花賞は、枠と馬場が出てみないと元々予想しにくいレースですから、今はあまり考えすぎないようにしています。。。
 でも確かに仰る通り、ここまで主要レースの勝ち馬が揃わない菊も久しぶりかもしれませんね。その中で、となると、やはり素直にヴェロックスが威厳を見せてくれないと、とは思ってしまいます。
 ただ、リオンリオンがいれば展開も引き締まってくれたはずなんですけど、みんなが色気を持つ中で、またカオスレース再びも有り得そうで、ヴェロックスが最内とか引いたら凄く困ってしまうと思います(笑)。

 福永Jもなんだかんだで、常識人的な枠の中でもちょっとずつ進歩と進化を希求する姿勢は薄れないのがいいですよね。
 派手さはないですけどいつの間にか積み重ねて体得している、みたいなところが結構ありますし、それを敢えて大舞台で発露する気迫と胆力まで備わってくれば、より楽しみな乗り手になってくれそうです。
 でもサトノルークスの出足ですと、あまり気を衒った事が出来るかはなんともですけどね。まさかのポツンかもしれませんが。。。
Posted by clover at 2019年10月16日 19:20
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