2019年09月24日

2019 スプリンターズS プレビュー

★はじめに

 今年も早々と秋のGⅠ戦線が到来しますね。
 余談ですが、今年の秋冬は例年以上に短期免許で来日する外国人ジョッキーの顔ぶれがえぐく、確実にわかっているだけでもデットーリJ、スミヨンJ、ビュイックJ、マーフィーJ、シュタルケJと、正直余程WASJより豪華じゃないか、って話にはなります。。。
 そうなりますと、当然GⅠでも有力馬にテン乗りの外国人ジョッキー、というパターンは例年以上に増えると思いますし、またローテーション的にも本番ぶっつけ、という傾向は強くなっていきますので、これまで以上に個々の潜在能力的な分析は緻密に進めると共に、乗り役との相性や伸びしろも先読みしつつ、となりそうで、予想的にはより悩ましいシーズンになりそうです。

 だから、というわけでもないですが、まだジョッキーの顔ぶれが大人しい今の内にビシッと的中させて、幸先のいいスタートを切りたいものです(笑)。
 グランアレグリアとステルヴィオの回避は残念ですけれど、別路線組が少なくなったことで、より力関係の比較はしやすくなったとは思いますしね。


★レース傾向分析

 去年までのプレビューはこちらになります。


 とりあえず2年分の蓄積がありますので、それも踏まえての過去10年の平均値は、33,3-34,3=1,07,6となっています。
 数字的に見て、もっとハイペースに触れていても良さそうなのに意外と流れていない、という感覚ではあり、去年のように馬場が渋れば2秒超の前傾、ともなりやすいですが、少なくとも今年の超高速馬場をベースに考えると、やはりある程度のハイバランス、中団以降は後傾バランスで走破出来るくらいのラインが妥当な想定になるのかなと思います。

 また過去を5年ずつに区分けて見ると、前半5年が33,1-34,3=1,07,4で、後半5年が33,5-34,3=1,07,8になっています。
 つまり路盤改修以降の後半の方が、実はテンからのペースは上がりにくくなっていて、その分だけ追走特化でなく、レッドファルクスやストレイトガールなど、決め手のある馬が台頭する余地も増えてきている、とは考えられるでしょう。
 それでも勿論、余程強い馬、後半の持続力、高速ラップの持続能力が高い馬でないと差し込んで勝ち切るのは至難ですし、やはり本質的には中団よりは前で競馬が出来て、追走力と後半の決め手をバランス良く保持している事が勝利への近道とは言えそうです。
 更に、ペースに関わらず逃げ粘りもそれなりにはあるので、なんだかんだでスプリントGⅠらしく、スムーズにスピードで押し切る形を作れた方がいい場合もある、とは踏まえておきましょう。

 今年の場合は、先週までの傾向を見ても相当な高速馬場で、またCコースに替わって前目内目の有利度がぐんと増したように感じました。
 今週末も今のところ微妙な傘マークになっていて、そのあたりの影響は読みにくいですが、今の路盤であれば多少降ったくらいではびくともしないのはセントライト記念週でも顕著ですので、やはりイメージとして33,0-34,0=1,07,0くらいの決着は想定しておくべきでしょう。
 ちょっとの後手や立ち回りの不利が致命傷になるレースでもありますから、枠の並びも重要になってきますし、基本的には逃げ馬以外はやや外目くらいの方が安定する、というのは頭の片隅に置いておいていいのかな、とは思っています。


★有力馬所感

・ダノンスマッシュ

 春はGⅠの壁に跳ね返され、夏も函館SSの除外などありつつ、しっかりキーンランドCで勝ち切り、父ロードカナロア同様に4歳秋での初戴冠を目指すダノンスマッシュが、目下リーディングの川田Jとのコンビで登場します。

 まあここまでの成長曲線と実績、レースぶりに加え、川田Jとのコンビという事で、軸的に信頼しやすい一頭なのは間違いないと思います。
 京阪杯以来のレース選択と実績は本当にロードカナロアに酷似しており、レース適性、という意味でも、少しずつハイバランスに対する態勢を身に着けてきているあたりなど、確かに父を彷彿とさせるものはありますね。

 ただ厳密に言えば、函館の除外の煽りでキーンランドCからになり、セントウルSは使っていないので、スプリント路線での最後に坂のあるコースはこれがほぼはじめて、とはなります。
 阪神は未勝利を加速ラップで勝っていますし、マイル路線でもそこそこはやれていたので、決してマイナスになるとまでは思いませんが、最後に底力のある馬にやられるパターンは有り得るかも、というイメージは持てます。

 レースぶり自体は不安要素は薄く、内枠を引いてもスッと好位につけて、前が開いたところで一気に加速できるセンスの良さがありますし、前走のように外々からになってもうまくバランスを取って入れば極端に削がれない、という感じなので、基本的にはこの馬を負かすとしたら、という観点で、物差し的に考えると丁度いい馬ではありますね。
 勿論まだ能力的に抜けているとは言えませんし、重い印を打つかどうかはまず枠の並びと、後は馬場次第でしょうか。
 ある程度好走パターンの幅を広げているとはいえ、高速馬場でフラットに、大体33,5-33,5くらいの走破が出来る条件が一番噛み合うとは見ています。
 果たしてここで、今年のダノンの呪いを人馬ともに解く事が出来るかは注目ですね。


・タワーオブロンドン

 スプリント路線に転向しての3戦目、超高速馬場のセントウルSで圧巻の末脚を見せたタワーオブロンドンは、強行軍をものともせずにここで一気の戴冠となるのでしょうか?

 馬のタイプとしては、前走を見てもやはり高速馬場の方が絶対的に強い、というのはもう明白だと思います。
 前走は自身33,5-33,2とやや後傾のバランスで入って、ラスト1Fまでほぼ落とさない圧巻の競馬でしたし、前半の追走と全体の時計面で目途を立ててきたのはやはり高く評価しないといけないだろうなと感じています。
 少なくとも高速馬場で足を出し切れる形ならまず凡走はしないでしょうし、そのあたりが上手く噛み合えば、それこそレッドファルクスやストレイトガールのような豪快な差し切りも充分あり得るでしょう。

 ただやはり懸念材料も少なくありません。
 まず当然ながら、前走ですら危惧されたローテーションのタイトさはポイントで、中1週であれだけの激走を見せた後の中2週、果たしてパフォーマンスを維持できているのかは気掛かりになります。
 バリバリの欧州血統だけに、使うべき時に集中して、というパターンの方が馬にとってプラスだったりする可能性もあるので、そこは直前の気配なども含めて慎重に見極めたいところです。

 後はやはりフルゲートの競馬ですね。
 前走は比較的頭数も少なく、序盤で馬群の中目から上手く押し上げるスペースもあって、かつ4コーナーでスムーズに外に出せてと、全てが噛み合った部分もありました。
 ただどうしても一歩目が遅いのは変わりなく、二の足はそれなりにあるのですけど、フルゲートでよりシビアなレースになるGⅠですと、内目の枠を引いてしまうとポジショニングで後手の可能性はそれなりに高くなってくると思います。
 その意味でこの馬はある程度外枠の方がいいと思いますね。多少ロスがあろうと、スムーズにスピードに乗せていく競馬が出来る方が信頼度は上がるでしょう。

 グランアレグリアの回避でルメールJ続戦なのは、少なくとも馬にとっては間違いなくプラスの条件ですし、馬場が極端に悪化しない限り評価を下げるのは難しそうではありますね。
 まあ個人的に、過去2走逆らっておいてここで重い印、っていうのも節操がないうえ、そのパターンは大概外れるので悩ましいですが(笑)、外枠を引けてしまったなら流石に、という感じでしょうか。内枠なら連下以下に留めると思います。


・モズスーパーフレア

 名うての快速・中山巧者のモズスーパーフレアが、狙いすました必勝のローテーションで初のGⅠ取りを狙いますが、果たして見事な逃げ切りを見せる事が出来るでしょうか?

 前走に関しては、あの枠だったとはいえ行き切れなかったのはちょっと意外で、+26kgも含めてまだ調整途上だった可能性は否めません。
 その中で慣れない好位からの競馬でも、ハイペースならしっかり直線で一脚を使って粘りこめてはいましたし、あのレースを叩いてのここでメイチ、と考えれば、やはり狙い目としては浮上してくると思います。
 今回もセイウンコウセイやラブカンプーなど、出足でうるさい馬はそれなりに揃っていますが、オーシャンSの32,3-34,8という強烈なラップからしても、多少無理に飛ばしていっても止まらないのがこの馬の特質なだけに、松若Jには腹を括っての騎乗が求められますね。

 その意味で武JやルメールJを確保できなかった分はマイナスにも思えますが、ただある程度内目の枠を引けるならよりスムーズに先手を取る事は出来るでしょうし、高速馬場にはめっぽう強いので、そうなれば思い切った印を打つことも視野に入れたいところです。
 逆に外目で、内にラブカンプーやセイウンコウセイが入ってくるなら少し厳しい前半になるでしょうし、鞍上の胆力含めて信頼度は少し下がってきそうで、出し切れば時計的には足りるものはある馬なので判断にギリギリまで悩みそうです。


・ミスターメロディ

 セントウルSはだらしない競馬になったものの、春秋スプリント王者の座を狙えるのはこの馬だけ、果たしてここで藤原厩舎お得意の一変を見せての復権はなるのでしょうか?

 純粋な見立てとして、完全に脚を出し切った時の絶対能力としては、この馬は上に書いた3頭には及ばない、とは思っています。
 高松宮記念当日は極端に内有利の馬場で、それを内枠からスムーズに先行、追い出しも待たされる事なく、自身綺麗な平均バランスで抜けてきて、この馬の総合力と器用さが磐石に生きる競馬になりました。
 このレースに限らず、基本外目から自分で動く競馬だと最後甘くなる感じで、後半の持続性能はイマイチなので、どこまで内で我慢して、最後の一脚をギリギリまで残せるか、そういう競馬でないと上位に食い込むのは難しいタイプだと思っています。

 勿論ある程度時計的には目途を立てていますし、おそらくこのレベルだと追走が問われた方がいいので、内枠を引ければ侮れません。
 藤原厩舎も基本前哨戦と本番でガラッと作りを変えてくるイメージで、それこそストレイトガールなど顕著でしたし、この馬も叩き良化型の傾向はあるので、その点でも怖さはあるでしょう。
 ただそれでも、レース内容的に外枠を引くなら軽視していいかな、と思っていますし、まずは内枠、次いで逃げ馬勢の並び次第かなと思います。それでも重い印までは考えていないですね。


・ディアンドル

 未だ全連対中、売り出し中の3歳馬のディアンドルが、ここに入ってどれだけのレースを見せられるかは大注目ですね。

 前走は地味にインが伸びにくい馬場ながら、やや離れた好位から追走、上手く内に潜り込んでしぶとく伸びてきましたし、相変らずレースセンスは抜群だなと感じさせました。
 ただまだ時計的に超高速決着に目途を立てておらず、前走も52kgだったのはあるので、流石に一気に相手が強化されるここでは簡単ではないでしょう。

 ただ基本的にハイバランスからでも一脚は各自に使える馬なので、中山1200mというロケーションにはマッチするはずです。
 この馬も一歩目だけは微妙に遅い感じはあるので、上手くポジショニングできるかもポイントにはなりますが、ここまでの相手になるとやはり出来れば2列目ポケットあたりでじっと我慢して、という形に持ち込みたいでしょうか。
 馬場的にも内有利が残るとは思いますし、まともに前が展開した時、モズが一度直線入り口で出し抜いて、そのあたりでラブカンプーが垂れて、と考えれば、スムーズに進路確保できる確率は結構高いと思うので、そういう競馬が出来そうならば勝ち負けに加わってきても、と思います。

 この馬は血統的には異色で、ルーラーシップ×スペシャルウィークでこれだけスプリントで強いのも不思議ではあるのですが、ルーラーシップ産駒は高速馬場でスピードを維持する競馬は得意にしている感はありますし、超高速馬場でプラスアルファの伸びしろがあれば楽しみです。
 藤岡佑Jも今年はあまり目立つところがないので、このあたりで一発大きな花火を狙って欲しいところですね。


・ファンタジスト

 スプリントに戻しての2戦目の前走でガラリと一変、見事な走りを見せたファンタジストが、改めて武Jとのコンビで上位進出を狙います。

 基本的に競馬センスの良い馬だったので、北九州記念の負け方は意外でしたが、前走でそれをきっちり修正してきたあたりは陣営も馬も流石、という感じでしたね。
 ただ前走は、とにかく1200m向きのスイッチを入れる、という部分を最大目的として強きに出していった感はあり、自身33,2-34,0とハイバランスで一定の結果を出せたのは収穫ながら、勝ち馬に完敗だったのも町外ありません。

 結局この馬もロードカナロア産駒ではありますし、スプリントは走れても本質的には後傾向きなのではないかな、というイメージはあって、その意味で前走はカンフル剤だったとはいえ、少し前に入っていき過ぎた可能性も考えています。
 もう少し前半で脚を残して、33,7-33,3くらいのバランスで入れるならば、もしかするともっと最後に鋭い脚を使える可能性は感じさせる内容ではありました。

 その意味で、今回武Jに替わってのポジショニングがどうなるかは注目でしょう。
 器用さもある馬なので、ある程度内目で立ち回りたいでしょうが、そこで前々まで押し上げるよりは、中団のインくらいでじっと我慢して、前が開くのに賭ける競馬をした方が、勝ち切るチャンス、と言う意味では大きくなると思います。
 前目で流れに乗る競馬ですと最後甘くなりそうで、中山はスプリングSでも坂地点で伸びているように、余力があれば持続力はそこそこ引き出せる筈なので、その意味では腹を括って少し下げていける外枠でもアリかもしれません。
 絶対能力的にはちょっと足りないかもですが、前走を見る限り今回でいきなり凡走はしないと思いますし、紐候補としては考えないとですね。


・リナーテ

 近走ではしっかりした差し脚で重賞でも健闘を続けているリナーテはどうでしょうか?

 まあ正直、ここ2走はそこそこ時計のかかる北海道でしたし、超高速馬場の1200mは少し忙しい印象を受けます。
 溜めれば32秒台の上がりを繰り出せる馬だけに、上手くバランスを取れれば或いは、とも思いますが、前走もかなりスムーズな展開の中でダノンには完敗でしたし、逆転するには展開の恩恵は必要かなと思います。
 脚質的にも前々には入っていけませんし、外枠を引いて中団やや後ろ、そこで前がヘタレて少し緩んだところを上手く押し上げて、くらいの噛み合わせがないと、基本内目有利っぽい馬場を踏まえても届かない可能性が高いとは思いますね。

 三浦Jも今年は勝ち鞍は稼いでいますが、大レースではあまり存在感はなく、正直戦略眼的な部分であまり良さを感じない乗り手でもありますので、未だ勝利のないGⅠの舞台で、このくらいの馬をしっかり持ってくるイメージはちょっとなく、基本的にはここまで印は回らないかな、というイメージです。


・イベリス

 3歳牝馬からはもう一頭、堅実な走りで上位を狙うイベリスが出走しますね。

 こちらも前走は少し窮屈な位置で待たされるところもあり、もう少しスムーズに捌けていれば2着は、という競馬でしたから、ここに入っても全くのノーチャンスではないと思います。
 ただ基本的に今まで強い競馬をしている時は、明快に直線で出し抜きの加速を踏めている場合がほとんどで、単調な流れになってしまうと一定はやれるけど決定打もない、という感じです。
 やはり内枠から2列目に入ってスムーズに捌ければ、という限定条件付きでなら狙う余地もありそうですが、多くの馬がその立ち回りを狙ってきますし、流石にここでは楽な競馬にはならないと感じますかね。


・レッツゴードンキ

 まだまだ走る7歳牝馬の桜花賞馬・レッツゴードンキは、悲願たるスプリントGⅠ制覇に手が届くのでしょうか?

 ローテーション的に、ぶっつけは特に苦にしないタイプだと思いますし、やはりまずは内枠を引けるかどうかでしょう。
 ただ近年は、1200mの高速馬場ですと前半のポジショニングで苦労する場面が増えていて、高松宮記念も折角の内よりの枠をあまり上手く活かせていませんでしたし、7秒そこそこの決着になってしまうと厳しいのかなと思います。
 一昨年の2着の時のように、明確にスローバランスで入れて、それでもポジショニングで中団くらいを取れている、という形が作れれば侮れないとは思いますが、流石に狙い目として食指が伸びるか、というと、余程枠の並びに恵まれないと厳しいかなというイメージです。


・セイウンコウセイ

 今年の春は中京で見事な復活を見せたセイウンコウセイですが、あまり得意でない中山の1200mでどうか、ですね。
 前走は半端な枠から半端なポジショニングになり、それでも超ハイペースの中そこそこの競馬は出来ていて、状態面がそこそこ戻ってきているのは確かだろうと思います。
 でも基本的に中山の坂と右回りはあまり得意にしていない感じで、今回もより出足が鋭いモズスーパーフレアとラブカンプーがいる以上(更にはアポジーも)、スムーズなマイペース、というのは難しいはずです。

 この馬も宮記念みたいにポケットで少しスペースを作っていくのが、この相手だと理想になるかなと思いますが、印を打つとしてやはり枠の並び次第、にはなってしまいますね。


・ダイメイプリンセス

 結構期待していたセントウルSがまるで動けていなかったですし、去年4着とはいえ渋った馬場、本来超高速馬場でもやれていい馬なのですが、オーシャンSの負け方など見ても、中山など坂のあるコースの高速決着は微妙なのかな、とも思います。
 手の合う秋山Jに戻るのはプラスになるかもですが、基本前々には行けない馬であり、スムーズに立ち回っても掲示板くらいまでかな、という見立てにはなってしまいますね。


・アレスバローズ

 超高速馬場ならちょっと狙ってみたい気持ちはある一頭です。
 去年と同じローテーションでの参戦ですが、今年の方が余力はあるかなと思いますし、前走が大きく出負けしての不完全燃焼な競馬だっただけに、巻き返しを期待したいのもあります。
 最近はそれなりにポジショニングが良くなっていますが、それでも中団くらいまで、ただ自身フラットくらいではいれれば後半の決め手はしっかりしていて、時計的にも裏付けのある馬、中山もそれなりに走れた実績もありますので、こちらも枠次第で、というところでしょうか。


posted by clover at 05:12| Comment(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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