2019年09月16日

2019 セントライト記念 レース回顧

 生憎の雨に祟られた今日のセントライト記念でしたが、勝ったのは青葉賞馬のリオンリオンでしたね。
 ダービー大敗後ながら、2列目ポケットからと落ち着いた競馬を展開、直線もしっかり伸び切って強い競馬でしたし、菊本番に向けてしっかりと楽しみな馬が調子を上げてきたかな、と思います。レースを振り返っていきましょう。


 まず今日の馬場なんですが、表記としては終日重馬場、ただし結果的に見ると精々稍重程度の悪化に留まっていたのかな、と思います。
 やっぱり土台がすごくいい馬場なので、公式では41mmもの降雨がありながら不良まで至りませんでしたし、午前中の未勝利でもマイル戦が1,36,2、2000m戦が2,02,8と、精々1~1,5秒くらい遅い程度に留まっていました。

 その上で9Rの白井特別が決定的で、1800m戦で勝ち時計は1,50,1と遅いのですが、ラスト3Fは11,8-11,0-11,1と、超スローバランスの中で前日までと比類ない高速ラップが踏めていて、かつみんな前目内目の馬でもありました。
 このあたりを総合的に見ると、このセントライト記念の時点では、この距離でも精々1秒程度重いくらいの馬場、と見做せますし、内もほとんど荒れていなかったので、結果的に総合力勝負の中でバランス良くスムーズに立ち回った馬が上位に来ているのかな、と思います。
 勿論1秒重い、と考えれば2,11,5は優秀な部類で、スピードとパワーのバランスを兼ね備えたリオンリオンにとってはベストのコンディションだった、と考えてもいいのかもしれませんね。

 レース展開は、まずリオンリオンがいいスタートからハナを窺いますが、外枠の伏兵、アトミックフォースにナイママと、武藤厩舎の2頭が主張していって、最終的にアトミックフォースがハナに立ちました。
 余談ではありますが、前走息子を乗せて、前々で壁を作れず惨敗したのをご立腹していたのに、大野Jに乗り換えても逃げてしまうってそれでいいのか?って感じでしたけどね。結果的に結構粘っていて、地力はある馬だけになんともって思います。

 ともかく、その中でリオンリオンが少し抑えるのに苦慮しつつ2列目ポケットに入っていき、外からランフォザローゼス、内からザダル、間からエングレーバーと先行して、オセアグレイトは先団の後ろ、サトノルークスもこの辺りまで入ってきました。
 その後ろ、中団付近にルヴォルグとサトノラディウスがいて、後方寄りにかけてタガノディアマンテ、メイショウテンゲン、ニシノデイジーと続き、最後方付近にミューチャリーと大きく出負けしたモズベッロ、という隊列になりました。

 ラップは35,6(11,87)-24,2(12,10)-35,8(11,93)-35,9(11,97)=2,11,5(11,96)という推移でした。
 馬場の割に先行勢の意識が緩まず、かなり淡々と流れていて、3F目からラスト11F目に至るまで、ずっと11,9~12,2の範囲での平均的な持久力ラップが続いています。

 テンの入りはちょっと速い、くらいで、誤差程度のハイ寄り平均ペースですけれど、少しは馬場も重かったとは思うので、前目についていくとそれなりに追走力は求められた、と言えるでしょう。
 その上で、1~4角の全てで緩んでいないので、そこでの外々のロスは結構大きかったと見ていますし、特に後ろから押し上げた後続にとっては3~4コーナーで結構速い脚を使わざるを得ず、そこからの持続も求められていると感じます。
 その辺りを総合的に見ると、まずポジショニングのセンスとその中での追走力は問われて、かつ出来れば内々でタイトに立ち回りつつしっかりラストで一足を繰り出せる馬、という感じで、概ね総合力の勝負になっていたと思います。

 勝ったリオンリオンは、2列目ポケットからの競馬でどうかと思いましたが、結果的にレース質にも適性がジャストフィットしていましたし、強かったですね。
 ある程度横山Jとしては、自分のペースで作っていって、行く馬がいるならそれで、というふわっとした入り方でしたし、実際に青葉賞も飛ばしているようでギリギリ平均のラインでしたから、その辺りの見極めは流石だなと思います。
 馬自身追走面はしっかりしていて、もっとギアの上げ下げが問われてもやれますが、こんな風に淡々と流れても強いのは大したものであり、ポケットで我慢できたのも次以降を考えればやはり収穫でしょう。少なくともダービーの暴走をしっかり修正してきた、という点で価値ある勝利だったと思います。

 ラストも自身12,0でまとめてほぼ後続を寄せ付けていませんし、多少なり後ろの馬の切れ味が問われる馬場になっての恩恵もあったでしょうが、やはり総合力勝負に持ち込めるなら強い馬ですね。
 菊花賞の場合は比較的テンはペースが上がって59秒台に入ってくる事も珍しくないですし、追走力とギアの上げ下げが上手いこの馬は適性的にはマッチしているはずで、相手はもっと強くなりますけど楽しみな事は間違いありません。
 出来れば超高速馬場よりは、今日くらいのやや高速程度から、少しタフ位のバランスがベストだと思いますし、それこそ本番では、横山Jのセイウンスカイのような思い切った逃げからの粘り込みが見たいな、と思わせてくれましたね。

 2着のサトノルークスも、内枠からかなり窮屈なところを捌いて、見せ場充分の内容でしたね。
 この馬も血統的に少しでもタフ寄りの馬場になったのはプラスだったと思いますし、内枠からいいスタート、二の足はさほどでもなかったですが、川田Jらしい積極的なポジショニングはしてくれたと思いますし、馬もそこでスムーズに走れていましたね。
 直線は一瞬前が壁になるシーンもありましたけど、リオンリオンが抜け出した後の1頭分のスペースに躊躇いなく突っ込んでいって、押しくら饅頭状態からでも力強く伸びてきていましたし、こういう一貫したパワー寄りの底力勝負がマッチしていたのだろうな、とは感じます。

 そこまでポジショニングが良くはない、というのが課題ですが、坂の下りで勢いをつけられる京都は苦手ではないはずで、内枠でやはり少しタフ寄りの馬場になってくれれば、チャンスは出て来るかなと思います。
 ただ川田Jはほぼ確実にヴェロックスでしょうし、ポジションに拘る乗り手を確保できるかはポイントでしょうかね。この時期なら短期の外人、というパターンもありそうですし、噛み合えばワンチャンスはある馬だと思います。

 3着のザダルもしぶとい競馬でしたね。
 結果的に前目内目が有利だったのはありますが、この流れに前目で乗っていって追走負けしませんでしたし、スパッと切れる感じではないですが、最後までしぶとく食らいついていて、地力を感じさせる内容ではあったと見ています。
 ただ流石に3000m、というタイプではないかなと思っていて、今日の内容からも同世代で内枠ならこなすレベルにはあるでしょうが、こちらは高速馬場になった時に見直したいかなと思います。
 総合力と反応の良さを生かして、淀で2列目ポケットから引き込み線を使って、みたいなレースが理想ですね。

 4着ルヴォルグは、春からの進境は感じさせるレースぶりになりましたね。
 結果的に上位3頭は春の時点で重賞・OP勝ちの実績のある馬ですし、その中で一歩足りなかったこの馬としては、外々の厳しいレースになった割には頑張ったのではないか、と感じています。
 位置取り的には、ある程度序盤ゆったり入って自身スローバランス、またコーナーでの仕掛けも急がずに、極端に外々のロスを作らないように丁寧なラインでルメールJがコントロールしていて、直線入り口の伸び脚はその分でしょうが、それでも坂で止まったあたりやっぱりいい脚が一瞬しかないな、という感じです。
 こういうタイプですとやっぱり本当はもっと前受したいのですけど、ただ追走力自体はそんなに高くないので、余程噛み合わないと難しいタイプではあり、健闘したとは思いますけど、といって自己条件に戻ってすぐ勝てるタイプか、というと、個人的にはまだちょっと疑問視していますかね。

 5着ニシノデイジーは、やっぱり勝浦Jで折り合い専念だとポジショニングのバランスが悪くなってしまうなぁ、というのは感じる内容でした。
 スタートはまずまずでしたけど、やっぱり少しでも出していくと掛かる、という意識が強いのかスーッと下げて後方3番手は、基本先行有利で、結果的に馬場コンディションも悪化しきっていなかった中山2200mでは苦しい、とは感じます。
 そこから進出でも特に工夫はなく、4コーナーで外に出して馬のポテンシャルに賭ける形で、実際上がり断然の35,0とこの馬自身はバテずに突っ込んできていますけど、それでも切れる脚が使えるタイプではないので、ポジション差を覆すほどには至らなかった、というレース内容でしょうか。

 確かに今日の内容でもスタミナ豊富な部分は改めて見せられたと思いますし、長く脚を使う競馬でそんなに崩れないのは魅力ですが、ただ菊花賞は基本ポジショニング競馬なんですよね。
 後方外々からでどうにかなるレースではないですし、その点を考えるのであれば、やっぱり勝浦Jのままでは本番もあまり狙いたくはないかな、というイメージを更新するレース内容でした。ここまで来るとやっぱり一度くらいは、前目でガチッと折り合わせられる外人ジョッキーで見てみたいところはあるのですけどね。

 6着タガノディアマンテも、序盤は最低限のポジショニングから、いい感じでコーナー進出してきて噛み合ったかな、と思ったのですが、思いの外直線で伸びませんでしたね。
 京都新聞杯やダービーの内容からしても、実はちょっと距離が長いのかな?という感じではあって、もう一度ワンターンの1800mを試してみて欲しいですかね。血統イメージ程長距離向きではないんだと思います。

 期待したオセアグレイトは、ずっと道中外々で、かつ3コーナーから勝ちにいく強気の競馬でしたけど、トータルで見ると前半の追走力が足りなかったのが致命傷だったと感じます。
 やっぱりゆったり入ってこその後半の持久力なのか、というところで、もう少し馬場が明快に渋ってくれれば良かったのかもしれません。
 菊本番もまだちょっと期待はしているのですが、あまり追いかけ過ぎずに前半じわっと入る意識は必要かもですね。しかしエングレーバーも含めて、意外とオルフェーヴル産駒って追走力で足りない馬が多いのかなぁ、とも思っちゃいますね。オセアグレイトはまだしも、エングレーバーはあの位置でザダルとの力関係を考えれば、あまりに負け過ぎですしね。

 モズベッロも、結果的に馬場自体がまだ軽かった中で、ミルコJらしくここ一番でスタートミスって最後方ではどうにもなりませんでしたね。
 もっともそこから一脚も使えなかった辺り、大久保先生の見立て通りちょっと太かったのもあるかなと感じますし、しかしミルコJ自身は最終も人気薄で突き抜けて、流石の道悪巧者ぶりを見せつけていただけに、このレースだけ全くダメ、というのもなんかなぁ、って感じです。。。


posted by clover at 16:53| Comment(4) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント


いやはや、今回は主人さんの馬券メゾットに乗っかってボックス買い変更にして良かったです。
軸と睨んだモズベッロは、ガッツリ来ませんでしたが。(苦笑)

更に、同じディープの倅でテンゲンorルークスで迷ったところで。(苦笑)
主人さんによる非根幹距離巧者の後押しがルークスを選択のきっかけとなり、ワイド馬券勝負だっただけに感謝の点数減しとなり助かりました。

ルークス、パワーと追走力があり先に仕掛けた同じイン突き狙いのザダルを力でねじ伏せた2着だったので池江陣営が誰を乗せるのか?謎ですが、菊花賞で鞍上不明のルメールやイン突き巧者の岩田タイプなジョッキーで内枠に入ったら折り合いに難がない馬なので連下に候補にしたいと思います。

また、川田に対しての評価も返す言葉はなく、青葉賞王者に対して外に出してのブン回しでは勝てないとチャレンジャーの立場から考えられたイン突きに賭けた決め打ち騎乗も川田はワンランク上のジョッキーへと化けた証左感があり、淀の舞台ではお手馬で挑む菊花賞も楽しみとなりました。
なので、今週末に迫った神戸新聞杯での評価も引き続きガッツリお願いします。

それと、ミルコに対しての評価、返す言葉も見つかりません。(猛省)
最終レースではミルコの引き続き不発が怖く勝負自体を見送ったら、そしたら仰る通り道悪巧者炸裂だもんなぁ。(苦笑)

そして、オルフェーブル産駒に対しての考察は今後も参考にさせて頂きます。
仰る通り、あのエングレーバーによる負けっぷりを目の当たりしまい追走力は案外なのか?と疑問符が湧いてしまっただけに。(因みにエングレーバーもボックス買いに入れてました)

あと、アトミックの制御不能な行きっぷりは想定外でした。
そこで、前走は武史の外枠から暴走エスコート撃沈があったから控えは?どうだろう?と俺も思い。
道中、典を中心にガン見してしまいました。(苦笑)
個人的には、逃げたい色気はあったはずだから逃げに執着し馬鹿みたいなレースプランから後続から追走するライバルたちの脚を削るラップを刻みに刻んで逃げるか?と思ったんですが。(苦笑)

しかし、勝利者インタビューでの「あんまり馬鹿みたいな競馬は?」通り。
低人気馬が逃げるならば端を譲り、そこで他馬と混み合う番手競馬でも気持ち切れさず折り合いも乱れず追走し垂れた馬を知り目に突き抜ける大人ぶりにはびっくりでした。
解説の吉沢さんによる熱弁が、今も耳に残るくらいに。(笑)

先団で折り合い競馬が出来たのは本当に収穫ですね、またオーナーにも騎乗停止だったダービーでの借りが一つ返せたエスコートぶりも流石であり。
更に仰る通り、5ハロン以降のラップが息が入らない12.0秒と11.9秒を刻み続ける競馬によって追走力が要るレースでした。
先日の紫苑S然り、末脚殺しの典ですね。(苦笑)
これで本番に向け、典のアドバイスを受けながら陣営によるメンイチ仕上げも楽しみであり。

そして、関東の手練れジョッキー参戦が確定となっただけに。
ジョッキーによるエスコートセンスも問われる淀の3000m、折り合いの問題なくレースの組み立ても上手いヴェロックスとポジショニングが巧みの川田コンビを中心に、はたまた好きにはさせんと誰が道中乱ペースの波乱を巻き起こすのか?も含め見応えあるレースを期待したいところです。
Posted by ギャロップ at 2019年09月17日 00:17
>ギャロップ様

 いつもコメントありがとうございますー。

 私の予想的には、ちょっとオルフェーヴル産駒に期待し過ぎたなー、って部分に悔いが残る感じでしたね。
 オセアグレイトは雰囲気がすごく好きな馬だけに頑張って欲しかったのですが、やはりまともに考えるなら軸はリオンリオンで良かったし、普通に馬連は拾えたレースでしたからね。
 横山Jも色々と惚けつつもしてやったり、という雰囲気でしたし、あんな風に出し入れを手中にして本番、となれば、下手に絡んでいきにくいのも相俟ってお得意の幻惑ラップが見られそうで今から楽しみでなりませんね。

 サトノルークスは姉のタッチングスピーチも1800mと2200mで強い馬でしたし、新馬からずっと非根幹を使ってきて、いざクラシック本番ではリズムを崩していた感もあったので、ここでの復活は期待通りでしたし、嬉しかったですね。
 川田Jのコメントだと距離延長は?でしたけど、菊も一応非根幹ではありますし、内枠ならワンチャンスはあってもいいと思うのですけどね。

 あと昨日は、珍しくちょっと早い段階でコメントお返しできたのですけど、その時点で実勢的な馬場を見ず、重、という表記だけで軽々に判断してしまったせいで、地味に申し訳ないところでした。
 結局モズベッロにはあの馬場では軽すぎたのはありそうですし、総合的に見てのミルコJ道悪上手は、虎石記者もピックアップしていたように間違いないのですけど、まさかこの日の芝レースで、ピンポイントにメインだけ来ないとか勘弁してー、って感じでした(笑)。

 今週のヴェロックスvsサートゥルナーリアは本当に楽しみです。
 阪神外回りの2400mならヴェロックスの持続力が上に来るのでは、と期待はしているのですが、雨予報などもありますし最終的にはまだなんともですね。
Posted by clover at 2019年09月17日 04:40
cloverさんこんにちは♪

オルフェ産駒ちょっと気ムラがあって
難しいですね~
確かマスコミでさえ近くで見学
出来ないみたいですね
いきなり蹴る可能性が有るために(笑)

とりあえずトライアルも
神戸新聞杯を残すだけになりましたが
ざっと感じたのが
牡・牝各トライアル
夏場の新興勢力馬が
春のクラシック組に完敗でした!!
これってやっぱり降級制度廃止が
影響してるんでしょうかね
上の階級に中々上がれない
古馬を負かしても
クラシックでしのぎを削った組には
敵わないって感じですね
でもサトノダムゼルが何処までの
器かは気になってます。



Posted by カズ at 2019年09月17日 15:40
>カズ様

 いつもコメントありがとうございますー。

 オルフェーヴル産駒はどうも、自身の成長力が上手く伝わらない感じはありますよね。気性の粗さは遺伝してしまうのが難儀なのですけど。
 結局OPレベルで走れているのは初年度のラララくらいで、エポカドーロも鳴かず飛ばずになりかかっていますし、あれだけ偉大な戦績を残した三冠馬としては物寂しいので、ここからなんとか育成でもコツをつかんでの逆襲はあって欲しいのですけれどね。

 やっぱりシンプルに、去年までは2勝クラス勝ちで通用していたけど、今年はもうひとつ上、3勝クラスあたりで勝ち負け出来ないと、休み明けで普通に成長してくる春の実績馬相手には厳しい、と見ておくべきですね。
 ただ賞金的に、2勝クラスを勝てばまず問題なくトライアルに出られるのに、敢えて夏にもう一戦、3勝クラスを使う意味は薄い、と考えると、今年以降は秋のトライアルのデータがガラッと変わってしまう可能性は意識しておいた方がいいと思います。

 サトノダムゼルは、昨日は馬場もペースも難しかったので微妙な内容ですけど、1勝クラスの新潟が相当に強かったんですよね。
 流石に堀厩舎でそのまま秋華賞、などはしないと思いますし、府中の自己条件あたりでしっかり積み上げていけば、いずれ重賞には手が届く素材だとは感じています。
Posted by clover at 2019年09月17日 18:16
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