2019年08月06日

2019 8月第1週新馬戦など レース回顧(土曜編)

 今日はロジャーバローズにトゥーダーンホットの故障と電撃引退のニュースが流れていましたね。
 まだまだ華麗な春秋を見込めた馬が早期にリタイアしていくのも切ない限りですが、どちらも血統的に価値を見込まれた部分は大きいのでしょうし、しっかりいい仔を輩出して欲しいですね。
 さて、去る馬あれば顕れる馬あり、次代のスター候補を2歳戦からしっかり見出していきましょう。




★8/3(土) 小倉2R 芝1800m未勝利戦

 このレースはディープ産駒のブルーミングスカイが、道中3番手追走から直線豪快に突き抜けて圧勝、天国に駆け上がった父にいち早く弔いの狼煙を挙げる形になりましたね。

 小倉の芝は土日通じて綺麗な良馬場だったものの、時計自体はやや高速、くらいに留まっていて、その中でこの時期の2歳戦で1,48,2はかなり優秀だと思います。
 ラップが35,9-36,3-36,0=1,48,2で綺麗な平均ペースですが、仕掛けどころは残り800mからで、後方から一気に捲っていった2着馬に逃げた3着馬が抵抗する形で、12,4-11,4-11,6-12,0-12,4とコーナー最速の持続力消耗戦になっています。

 その中で勝ったブルーミングスカイは、3コーナー入りの加速地点で少し反応に苦しみ、鞍上が押っ付けつつも中々差が縮まらない感じでしたが、前が減速してきた4コーナー出口から一気に前を捕まえて、後は後続を千切る一方の大楽勝、でしたね。
 血統的に母父ファルブラヴで、こういうワンペースに近い流れで結果が出たのはわかりやすい部分はありますし、またエンジンのかかりにやや微妙さがあったのもそれらしいところではありますが、どうあれ底力が試される展開では器が違ったのは間違いありません。
 この血統からの大成馬、となるとハープスターが思い出されますが、あの馬もキレキレだったとはいえエンジンの掛け方を間違えると難しさもあった馬で、この馬もそれに類するように仕掛けの意識が大切になってくるタイプかな、と感じますね。

 余談ではありますが、今の川田Jがハープスターに乗っていたら、もう少しレベルの高い戦績を残せていたのかな、なんて事も思うレースでした。
 ともあれ、距離は融通が利きそうですし、新馬からの前進もあって、上のクラスでも自分の形を作れればしっかり勝負できるレベルの馬ではあるのかなと思います。新馬はタフな馬場と、加速性能の差で負けた感もありましたし、良馬場の方が今のところは良さそうですね。


★8/3(土) 新潟3R 芝1800m未勝利戦

 ここは新馬戦の1200mから一気に距離を伸ばしてきた、アイルハヴアナザー産駒の牝馬・カイアワセが、好位追走から直線しぶとく抜け出して勝ち切りました。

 このレースも2歳戦としてはそこそこ流れていて、ただ35,2-37,9-35,7=1,48,8と中緩みは顕著であり、そこから後半は12,5-11,8-11,4-12,5とやや仕掛けの遅い総合力勝負になっています。
 馬場はかなりの高速状態ですので、時計としてはちょっと物足りないですが、ただ道中かなりラップの上げ下げがある中で、1200mから延長でそこに対応してきた競馬センスは感じましたし、血統通りある程度タフな展開の方がいいのかな、という感じです。
 牝馬なのでこの先が難しいですが、長い目で見るとミモザ賞とか、寒竹賞とか中山2000mあたりで強みを発揮しそうなイメージですね。


★8/3(土) 札幌5R 芝1200m

 このレースに勝利したのは、ゴールドアリュール産駒のヒルノマリブでした。

 札幌の芝は先週立て続けに2歳レコードが出たようにかなり軽めだったと思いますが、それでもこの時期の札幌の新馬で10秒を切ってくるのは珍しく、全体的に人気馬が総崩れに近い形になる中で、この馬だけが別の競馬をしてきた印象ですね。

 ラップは34,2-35,6=1,09,8となっていて、後半も11,6-11,9-12,1と一貫消耗戦ではありますが、勝ち馬は11,9地点で一気に押し上げてあっさり先頭に立っており、誤差程度でも加速ラップを踏めているかな?というイメージは持てます。
 スタートもかなり良くて、楽に外枠からいいポジションを取れましたし(最後入れの恩恵はあったでしょうが)、そこから壁を作らずともしっかり自分のリズムでスムーズに走れていて、中々の素材感があったなとは思います。

 血統的にゴールドアリュール×シアトルダンサーなので、正直ダート血統だなぁとは思いますし、より後半の切れ味が問われてどうかとは思いますが、洋芝を選んでいる限りは芝でも戦えそうで、すずらん賞あたりに出てくれば普通にチャンスはありそうです。まあいずれはダートだと思いますが。


★8/3(土) 小倉5R 芝1200m

 こちらは出足好調な新種牡馬・エピファネイア産駒のカーフライタークが、直線早々と先頭に立って後は突き放すだけという豪快な勝ちっぷりを披露しましたね。

 芝自体は前週と変わりない中で、同じく川田Jが乗っていたカイルアコナと同タイムの1,09,1を楽に叩き出してきましたし、こちらも素材感はかなりのものがありました。
 ラップ的には33,4-35,7=1,09,1で、超ハイペースからの一貫消耗戦ですが、勝ち馬はスタートからはそこまで速くなく、押して押して内目からポジションを取りに行く形ではあり、新馬ならともかく、多頭数の2歳Sあたりになると、外目の枠の方が競馬はしやすいタイプになるのかな、という印象は受けます。
 ただ加速がついてからの脚色はとても良く、コーナーでも少しふらつく若さを見せつつも一気に前を飲み込んで、要所の反応と迫力はかなりのものがあったのではないでしょうか。

 勿論2着以下があまり強くなかった、とは思いますが、まだ余裕のありそうな勝ちっぷりですし、追走面は確実に本番でも担保になりますから、これは楽しみな一頭ですね。
 しかしキズナといいエピファネイアといい、クラシックディスタンスで強かった馬の仔が1200m戦でバンバン走る、というのも中々に面白いですね。


★8/3(土) 新潟5R 芝1600m

 牝馬限定のこの一戦は、ハーツクライ産駒のウーマンズハートが道中中団から大外を豪快に、戦慄の上がり32,0で差し切り見事なデビュー勝ちを飾りましたね。

 このレースは新馬戦らしく超スローで、37,8-25,7-32,7=1,36,2という究極の上がり勝負になっています。
 後半1000mは13,3-12,4-11,1-10,7-10,9と、振れ幅の大きな段階加速からの瞬発力&持続力をかなり高いレベルで問われていて、やはりこういう展開ですとノーブレーキでスムーズな競馬が出来てこそ、というのは出てきますが、その辺りを差し引いても勝ち馬の爆発力はケタ違いでした。

 勝ち馬はスタートこそ五分だったものの二の足はあまり速くなく、道中はこのペースでも少し促しつつ中団外目と、いかにもこの時期のハーツ産駒らしい完成度の低さは見せていたものの、しかしそれを補って余りある後半要素を見せてきたと言えます。
 コーナーも外を通してスムーズに加速に乗せていくと、直線は600-400m地点で3馬身、400-200m地点で2馬身ほどあっさり詰めて一気に先頭、そのまま一切後続を寄せ付けずに突き放す文字通りの圧勝でした。
 ラップ的にも、この馬自身は10,7-10,4-10,9くらいで、ほぼ間違いなく3F連続して10秒台の脚を引き出せており、この瞬発力の質と持続力はかなりえげつないものがありましたね。

 上がり次位が逃げた2着馬の33,3、という時点で、あまり切れ味特化で強い馬がいなかったのも確かでしょうが、それでも絶対的な数字は間違いなく一線級であり、かつ全体時計も新馬の水準である36秒前半まで出してきていますので、総合力も最低限は持ち合わせているとは思えます。
 一昨年にウラヌスチャームが32,0の上がりで勝ったレースは、勝ち時計が38秒台と更にドスローでしたし、それでも今のウラヌスチャームの立ち位置を踏まえれば、新馬でこの競馬は間違いなく重賞級、とは言えるはずです。
 勿論追走が問われて甘くなる懸念はありますけれど、新潟2歳Sあたりなら、自分のリズムで後半特化に徹しても勝ち切れるだけの切れ味はあると思いますし、勿論距離は伸びてもいい、むしろ伸びた方が走りやすいと思うので、牝馬クラシック路線でかなり楽しめる一頭になると思います。

 2着馬も上手く勝ちパターンに持ち込んで、このレベルの高めなメンバーの中で3着には3馬身つけていますから、次走は普通に走れば、という感じでしょうか。
 ただ未勝利になって、全体でタイトに流れて良さが出てくる馬の巻き返し、特にシンハリングあたりは血統的にもそうだろうとは思うので、その辺りも含めて注目していきたいレースではあったと思います。


★8/3(土) 新潟9R ダリア賞(芝1400m)

 この世代で3レース目のOPクラスの一戦ですけれど、去年のアウィルアウェイほど注目できるメンバーやレース内容でもなかったので、最後にサラッと触れておきましょう。

 勝ったのは福島新馬デビューのアドマイヤムーン産駒・エレナアヴァンディでしたね。
 ラップが35,2-12,0-34,9=1,22,1と、全体では平均ペースから、後半が12,0-11,2-11,7と仕掛けの遅い前有利の展開の中で、やや出負けからリカバーしていって先団の外目に取りつき、直線も外目からじわじわと伸びてきての完勝ではありました。
 時計もこのレースの水準くらいは出ていますし悪くないですが、ラストの走りとしては、最速地点ではあまり差を詰められず、最後の持続力と距離適性の差で差し切った、という感じで、あまり加速性能や切れ味の質自体は高くないイメージは持ちました。

 勿論新馬のハイバランスから一転、こういう競馬にしっかり対応してきたセンスの良さは間違いないですが、結果的に2着馬が新馬戦で0,3秒差退けたテリオスヒメで、ここも全く同じ0,3秒差ですから、それだけ相手に恵まれた、というのも確かだと思います。
 中京2歳S同様に未勝利馬も多く参戦していましたし、現時点では文字通り完成度が違った、という感じなので、ここからの成長度、血統的な面からどこまで適性の幅や伸びしろがあるか、だとは感じます。
 まあ最終的には1200m路線っぽい馬ですけどね。アドマイヤムーン産駒ですと高速馬場の1200mでフラットな競馬とか強そうですし。


posted by clover at 19:39| Comment(4) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お疲れ様です。

ウーマンズハートの末脚は凄かったですね。ただ、個人的には新潟の上がり時計に何度も騙された記憶がありまして、今回もまだまだ半信半疑です(笑)

血統に疎いのが原因かなとも思いますが、今でも鮮明に覚えているのは8年前の新潟2歳ステークスのモンストールですねw

レース後はこの馬が次走であっさり負けるなんて想像もしてませんでしたし、ジャスタウェイの方があそこまでの馬になるとは全く思えませんでした。

父はハーツクライですが、兄弟がデザートストームで近親にティーハーフ、サドンストーム、ラッキーナインと見ると、スプリンターよりになっていくのでは?とか安易に考えてしまいますが、父の影響が強い血統なんですかね?
Posted by リュシュトゥ at 2019年08月07日 19:07
>リュシュトゥ様

 いつもコメントありがとうございますー。

 新潟の外回りは、ここ3~4年くらいでかなり顕著に、2歳戦であってもコーナー出口からペースアップする比重が高まってきている感はあるのですよね。
 それこそモンストールの頃はまだ完全に直線のヨーイドンで、最速10,2なんて瞬発力の質だけの特化勝負での上がり比べでしたから、それと比較して、やはり3Fで10秒台を重ねてきた点は信頼していいのかな、と思っています。
 勿論更に全体のペースと時計が速くなって、コーナーから11秒台に入るような流れで、同じような末脚が繰り出せるかは課題になりますけど、個人的にはそれくらいは楽にクリアしてきそうな感覚は持っていますね。

 血統的に言うと、単純にこの牝系にストーミングホームだと、ミスプロやレイズアネイティヴ、マキャベリアンなどの、スピード型血統のクロスがかなり強くなるので、その分だけスプリント特化に出ている感じはしますね。
 逆にハーツですとほとんどアウトブリードなので、父母の特色がフラットに出ている可能性もあり、少なくともこの新馬の内容だけなら典型的なハーツらしい後傾型、ではありますから、スプリント型に寄っていくイメージはあまり持っていないのですけどね。
 勿論レースを使うごとに前向きさが強くなっていく可能性もありますが、その辺りも含めて次走が本当に楽しみな一頭です。
Posted by clover at 2019年08月07日 19:26
clover様、

すぐネット競馬さんの血統を眺めて見ました。確かにクロスの本数と%が全然違いますね。

血統をほぼ予想に組み込んでいないとは言え、流石にもう少し勉強しないと競馬の奥深さには届かないっぽいですね(苦笑)

レベルの低い質問に対し親切な回答ありがとうございました。
Posted by リュシュトゥ at 2019年08月07日 22:22
>リュシュトゥ様

 いえいえ、私も血統は本当に齧った程度で、取っ掛かりがないと深掘りする機会もそんなにないですから、むしろ助かっていますよ。
 血統自体を予想ツールとして有効に活用するには、それなりにしっかり下地がないと、付け焼刃では厳しいイメージはありますが、後付けでも血統からあれこれ意識するのは、仰るように競馬の奥深さを楽しむ大きなファクターになりますし、コツコツでも勉強していきたいですよね。
Posted by clover at 2019年08月08日 18:14
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