2019年06月26日

2019 帝王賞 レース回顧

 最上位の2頭こそ欠いたものの、それでも中央勢だけでも豪華、地方勢も大半が中央転出馬とはいえ、中々に実績のあるメンバーが出揃い、非常に見所沢山な一戦となった今年の帝王賞は、道中後方2番手にどっしりと構えたオメガパフュームが、遺憾なく大井2000m巧者ぶりを発揮して直線で一気の差し切り、またまたレーンJの手綱が冴え渡る結果になりましたね。レースを振り返りましょう。


 今日の馬場状態ですが、思ったより回復せずに終日重馬場でのレースになりました。
 勿論表面は乾いていますから、走りにくい馬場ではなかったはずで、時計的にも昨日と同様か、むしろ少し時計は出ていたか、という感触でしょうか。
 Cクラスのマイル戦が1,42,7、1200m戦が1,14,0なので、ほぼ想定通りの馬場だと思いますし、その中でのハイバランスでの2,04,4は先ず先ず、というイメージではあります。

 レース展開は、まずスーパーステションとインティが好スタートを決め、どちらがハナに行くかと見ていたらインティが果敢に出ていき、スーパーステションは控えるレースを選択しました。
 それで隊列が決まるかと思いきや、更に外のシュテルングランツが、外枠を利して押して押してハナを主張、結局インティも譲って、シュテルングランツが単騎気味に飛ばしていく前半になりましたね。
 最内からいいスタートを決めたチュウワウィザードも、川田Jらしい積極的なポジショニングで単独の4番手、その後ろにモジアナフレイバー、ミツバ、リッカルドと続き、ノンコノユメもまずまずのスタートから中団外、アポロケンタッキーとオールブラッシュ、グレイトパールが中団よりやや後ろの追走となって、人気の一角のオメガパフュームは、スタートではっきり馬体一つ分は出負けし、そこで無理せず後方2番手から自分のリズムで進める形、最後方にサウンドトゥルー、という隊列でした。

 ラップは35,8(11,93)-50,6(12,65)-38,0(12,67)=2,04,4(12,44)という推移でした。
 やや離し気味だったとはいえ全体としてはかなりハイペースで、ハーフで取ると61,2-63,2と2秒の前傾戦になっています。
 おそらくチュウワウィザードの位置でもややハイ、ミツバあたりが平均で、オメガパフュームは完全に後傾バランスでのレースになっていますが、ただダート戦としては極端なペースでもないですし、基本的にはどの位置からでも勝負できる淡々とした流れではありました。

 ただちょっとトリッキーなのは後半で、大井らしく3~4コーナーで12,8-13,5とかなり淀んでから、直線は12,3-12,2と地味に加速ラップでフィニッシュする形になっています。
 正直なところ、いくら大井とはいえ、この4コーナーではインティが待ち過ぎていた感じはあり、勿論コーナーの機動性などの問題もあったかもですが、結果的に外目から勢いに乗せて入ってきた組の方が楽な競馬が出来ていたのかな、というイメージはあります。
 馬場もどちらかといえば外差し優位なイメージでしたし、その中で完全に自分の形に嵌め込んだ馬がしっかり上位に来たのかな、と感じています。

 勝ったオメガパフュームは、前半のポジショニングがあんまりだったので流石に心配しましたが、ペースにも助けられ、そしてやはりこの大井2000mの舞台が鬼のようにマッチしている馬だなぁと改めて感じました。
 スタートではっきり後手を踏んで、そこから無理せず後方、道中は内目でロスなく、という競馬自体は特に褒められる騎乗でもなかった、とは思いますが、ただ少なくとも前半のロスを最小限にとどめて、しっかりメリハリをつけて後半勝負に徹した胆力はやはり流石、というべきでしょうか。

 この馬自身は大体63,0-61,4くらいの走破だと思いますが、この馬の一番良いところは、右回りコースでのコーナーでの機動性にあるのかな、と思っています。
 前走の平安Sでも、59kgを背負って明らかにコーナーの勢いだけならチュウワウィザードより上でしたし、ただ中央のコースですとコーナーでも速いラップを踏むので外々のロスは大きくなって、その分最後甘くなったのはあると思います。
 反面、大井のように半強制的にコーナーで淀むコースですと、この馬自身は無理なくじわっとペースを引き上げていく、くらいの感覚でも、スーッとポジションを上げられますし、今日も4コーナーの600-400m地点は13,5ですから、それなら5~6頭分外からの競馬でもロスは少なく、むしろ勢いに乗せていく形が噛み合いやすいのでしょう。

 レース質としては13,5-12,3-12,2と、コーナー出口からの加速度がかなり高く、かつそこからの持久力が強く問われていますから、前半楽をした分を含めてがっちり噛み合っていますし、自身12,7-12,0-12,0くらいの走破で上がりダントツ、このメンバーでは完勝だったと言っていいでしょうか。
 敢えて言えば、やはりハイペースまで引き上がってくれたのがプラスだったのは間違いなく、それこそコパノリッキー的な、前々でコーナーのラップをソコソコ出せるタイプがいると苦労するかもしれませんが、それでもこの大井2000m、という舞台に限れば、現役最強レベル、と考えて問題ないパフォーマンスだったと思っています。

 2着のチュウワウィザードに関しては、逆に内枠からの発走でポジションを取らざるを得なかった、という部分が最後に響いたのかな、と感じています。
 この馬の場合、高いレベルで言うとスローバランスの方が強みが出る感じはあり、前走などは逆に後ろからになって良さが出た部分もあったので、もう少しポジショニングに自由度がある外目の枠だったなら、と1~2列後ろから、より後半要素を生かす競馬も可能だったかもしれません。
 結果的にこの馬の位置でもややハイバランスだと思うのと、あとこの馬は急コーナーでの機動性はさほどないので、実際にコーナーでもミツバに出し抜かれかけて、そこから直線で盛り返す、という、少し窮屈な競馬にはなっていました。

 トータルで見ると、どうしてもコーナーからの加速度が高くなる大井はベストコースとは言えない感じで、それでも底力と後半の持久力性能できっちり伸びてきましたが、最後はノンコにも詰められているように、前半やコーナーでやや無理をすると少しずつ削がれてしまう、という点は今後も課題になってくるのかなと感じます。
 川田Jとしては、この枠でやるべきことはやった、という形で、単独の4番手から外に持ち出すタイミングまで含めて全く文句はないのですけれど、それにしても本当に上半期は大レースでの勝ち運がなかったですね。
 馬自身は高いレベルでの総合力があり、どんな舞台でも崩れない強みはあるので、今後もこの路線では注目ですね。ただ勝ち切るなら基本的に取目の枠からの方がいいのかな、と思います。

 3着のノンコノユメは、拾うかギリギリまで悩んでいたのでまぁ痛恨でしたし、やはりこの舞台とこの枠なら力を出せるのか、と改めて感じました。
 元々この馬自身大井の2000mは比較的得意な方のコースで、それはこの馬が基本コーナーでの機動性がまるでなく、けれどレース全体としてペースが落ちる急コーナーの大井は、その後の直線が地方競馬では長い方、というのも含めて、弱点が致命的に露呈しにくいのですよね。
 また今回は大外枠で最後の枠入れ、かつ自分のリズムで前半入っていけるのもプラスでしたし、近走は短めの距離を主戦場にしていたのも含めて、思った以上にポジションを取れたのがこの好走の要因になるとは思います。

 ただレースを見てもわかるように、やっぱりコーナー地点ではここまで淀んでも行き脚は今一つで、直線を向いて残り200mからエンジンが掛かっている感じではあり、器用さで勝ち馬とは雲泥の差があったのは確かです。
 それでもラスト1Fは勝ち馬と同じくらいの脚を使っていて、多分この馬はラスト1F最速ラップを踏んでいると思うので、ペースを問わずしっかり後半の持久力を引き出せる、という意味では能力落ちはまだない、と感じた内容でした。
 勿論色々難しい馬ですし、今後伸びしろがあるかといえばそれは期待薄で、狙えるとしたらここだけだった可能性も高いので非常に残念ではありつつ、なんとかこのパフォーマンスを維持していってくれれば、と思います。移籍初戦は水物だけに難しかったですが、馬体減と発汗だけ見たら、やっぱり厳しいのかな、と思ったのを覆してきたのは、この馬の底力そのものなのでしょうね。

 4着のミツバは、全体として悪くない競馬でしたけど、ある程度噛み合ってこの結果ですから、上位3頭とは素直に力の差があったのかな、というイメージにはなってしまいますね。
 ちょっとスタートが良くなかった感じですけど、それでも周りの馬が前に行って楽にスペースを拾いつつ好位後ろくらいに入っていけましたし、自身平均くらいのバランスで後半要素を生かす形はベストに近かったと思っています。
 実際にコーナーの手応えではチュウワウィザードを上回るくらいで、これなら、と期待したのですけれど、直線加速度がちょっと高すぎたのか、切れ負けと持続負け、その両面が少しずつ出てしまってのこの差、という感覚です。
 やはりここまでメンバーが揃ってしまうと、勝ち負けまでは苦しいのかな、と思いますし、ただ自分の競馬が出来れば強いのは間違いないので、噛み合いそうな局面では圏内食い込みくらいは警戒し続けたいですね。

 5着のモジアナフレイバーは、タイトに立ち回って持ち味を生かす競馬が出来ていましたけど、やはり時計的な面も含めてもう一段上がってこないと圏内までは苦しい、という感じでしょうか。
 ただ今日の馬場は外目の方が走りやすかった感じもありますし、内枠だった分流れに合わせて、勝負所からもインティをマークして、という形の中で、少しインティの動き出しが遅れたのも、この馬としては後手を踏む一因にはなっているでしょうか。
 ただ南関生え抜きで、まだ4歳馬ですから今後の伸び代も期待出来ますし、メンバー次第ではこのレベルでも戦えそう、というのを示せたのは当然収穫で、秋もレベルの高いレースで才能をどんどん磨いていって欲しいですね。

 6着インティは、まずシンプルにタフな馬場の2000mは長い、という面はあるでしょうか。
 それに加えて展開的にも厳しく、ハナを取りに行ったのに取り切れなかったのも立ち回りとしては難しかったとは思います。
 ただ武Jにしてはコーナーで待ち過ぎていた感じはあって、抜けだすとソラを使う面はあるとはいえ、逃げてもあれだけ強い馬で、今日は結構捲りが決まっていましたから、3コーナー過ぎから動いていって後続の押し上げにダメージを与える戦法は取れなかったのかな?とは感じてしまいますね。
 まあ船橋のスパイラルカーブと大井ではまた違うとは思いますが、この馬自身はもう少しコーナーで動けてもいいイメージだったので、それだけ距離に不安があったのか、どちらにせよ中途半端な立ち回りではありましたね。

 結果的にコーナーで待ち過ぎた分、加速性能もピカイチの馬とは言え、13,5-12,3の地点で既に外に伸び負けていましたし、ラストも止まっている事を考えれば、軽い馬場での1800mまでがベストコースになるのかなとは改めて思います。
 勿論普通に中央の馬場なら強いでしょうし、今後経験を重ねれば地方でも、と思いますが、最大目標はチャンピオンズカップ、という形で仕方ないでしょうね。

 それで、普段はあまり自分の予想の結果に対しての直截的な感想は書かないのですが、今回はそれにしても酷い、というのもあり、上半期の軽い総括的な部分も含めてサラッと触れさせていただきます。

 まぁ率直なところ、本質的に私のメンタリティがギャンブルに向いてないというか、どうしてもローリスクローリターンを選択しがちになってしまうのが、結果的には足を引っ張っている場面の方が多いなと感じます。
 今日にしても、インティが危ない、と思っているなら、来たら仕方ない、くらいの割り切った買い目にすべきでしたし、印的にもはっきり消して、当落線上だったノンコとモジアナを引き上げておけ、という話なんですよね。
 それこそ本命対抗の馬連を重く買うか、三連複でもインティをすっぱり消して薄目に手を広げておけば簡単に当てられていたはずで、上半期全般的にそういうレースはかなりの頻度であったので、買い目の選択も改めて下手だなぁと痛感する次第です。

 これから夏競馬になって、どちらかといえば荒れる傾向はより強くなっていくと思いますし、下半期はもう少し大胆な印の打ち方と買い目の構築の工夫を、ひとつテーマとして、真剣に取り組んでいければ、と思っております。


posted by clover at 21:36| Comment(6) | レース回顧・地方競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
cloverさん、私もノンコを拾えず涙したクチです…インティ怪しいとは思ってましたが、なかなか切りづらいですよねぇ。こういうレースをしっかり仕留めるようになりたいです
Posted by チャッキー at 2019年06月26日 22:00
最後もレーン締めという事でよくも悪くも春はルメール、レーンに川田騎手の勝ち運がないなぁという結果でしたね。ただ抜群の安定感はほんとに信頼出来ますし、秋に鬱憤を晴らしてほしいですね。
これから難解な夏競馬ですが、一発でかいの取れるように頑張ります!
Posted by ブソン at 2019年06月26日 22:24
いつも馬券の参考にさせて頂いています!
馬券の買い目についてですが、自分にも同じことが当てはまります。
俺プロなどのシュミレーションでは高い回収率を維持できるものの、
実際に金銭が動くとなると弱気になり、「外したくない」が最優先になってしまい、巨極端に買い目が増え小さく勝ち大きく負けるに収束します。本当に馬券で勝てる人は「買い方」が上手ですよね。
Posted by けいすけ at 2019年06月27日 09:47
>チャッキー様

 いつもコメントありがとうございますー。

 特にこのレースは、適性判断を予想の主軸としている身としては、文字通りそれが綺麗に反映された結果になったレースだけにやらかした感は強いんですよねぇ。
 インティはレース後コメントでも、自分のリズムで逃げられないと脆い面が、という話ですし、そのあたりも雰囲気は掴めていたのですけど、中々一番人気をバッサリ、というのは勇気が要りますよね。
 もう少し自分の中で、そういう割り切りをすべきラインを明確にしておくべきだな、と痛感させられた一戦でした。
Posted by clover at 2019年06月27日 18:32
>ブソン様

 いつもコメントありがとうございますー。

 良くも悪くも、川田Jの取り口には意外性自体は薄いので、他の有力馬としてもそれを負かせば、的に目標にしていくのが楽なのはあるのでしょうね。
 逆に言えば一番強い馬に乗ればコンスタントに勝ち切ってくれる感じもするのですが、どうあれ下半期は更なる反骨で、大舞台でのより鮮烈な活躍を期待したいです。
 結果的にこの上半期は、馬の適性含めてやたら川田Jの騎乗馬を本命にする事が多かった私としても(笑)、下半期にリベンジのチャンスを、と思ってしまいますね。

 夏競馬も開幕週から全国的な大雨で、非常に難解なレースが予想されますけれど、しっかり攻めの予想で狙っていきましょう!
Posted by clover at 2019年06月27日 18:36
>けいすけ様

 コメントありがとうございますー。

 私の場合シミュレーション段階で小心者なので、もっと根が深いのですけれど、結局そのあたりも本当の意味で身銭を切り、痛みを伴ってはじめて真剣にスキルと感性を磨いていけるのかな、とも感じます。
 その意味で、どこまでもその視座ではぬるま湯な私の買い目が今後も参考になるかは微妙だと思いますが、少しでも進歩があるように下半期はしっかり取り組んでみたいですね。

 まずはもう少し、自分の予想そのものを信頼して、印通りの決着になった時に、人気に関わらず最大のリターンを得られるような組み立てを意識していきます。
Posted by clover at 2019年06月27日 18:40
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