2019年06月24日

2019 6月第4週海外GⅠなど レース回顧

 今日は先週触れられなかったロイヤルアスコットミーティングの残り2日、4~5日目のレースの回顧をやろうと思います。
 そして今更ですが、イギリスのレースなのにきちんとラップが出ている映像を発見して個人的にかなりテンションが上がりました。。。折角なのでチャンネル自体のリンクもつけておきます。


 先週の記事も差し替えたいくらいですが流石に面倒なのでこれで代替、とさせてください。
 ただやはりラップがあるとないとでは、レース内容に対する考察・分析の精度が全然違ってきますし、このチャンネル自体アスコットの公式に近いものっぽいのですけれど、明らかにラップ計測は今年からの試みに見えるので、今後も是非継続して欲しいですね。
 現状、まだ少し精度を欠く部分もありそうですけど、キングジョージがますます楽しみになりました。



★コモンウェルスC https://www.youtube.com/watch?v=bcto86NCxEI

 ここは、前走英1000ギニーの15着大敗で一気に人気を落としていたアドヴァ―タイズが、後方から鋭く足を伸ばして見事に巻き返しましたね。

 馬場は良発表で、ラップ的には36,6-35,3=1,11,88ですので、日本式に見ても平均ペースからの後半持続力勝負、という感じです。
 翌日のダイヤモンドジュビリーSが、堅良で35,5-35,9=1,11,42だった事を思うと、このレースはかなりレベルが高かった可能性はありますね。まだこのレースがGⅠになって5年目ですけれど、やはりダイヤモンドジュビリーSに肉薄、或いは凌駕する時計で勝利してきた馬は、後々でもかなり活躍している印象ですし、ラップ補正をすれば今年の勝ち馬もその可能性はありそうです。

 戦績的にも、2歳時に1200mのGⅠフェニックス賞を勝って、1400mのデューハーストSはトゥーダーンホットの2着、そしてマイルで惨敗ですから、明らかに特化的なスプリンターなのだろうなと思います。
 いずれ1000mと1200m、どちらにより高い適性が出て来るかはなんともですが、このレースを見る限り後半要素を問われてプラスに転じている感はあるので、1200mの方が合うのかなと思いますね。

 話は先走って、今年のダイヤモンドジュビリーSはブルーポイントがなんと中3日で、キングススタンドSとの連勝を決めたわけですけれど、今は1000mと1200mも結構路線分けが進んでいて、それはこの2レースのラップを見てもなんとなく感じるところはあります。
 その意味で、ブルーポイントが連勝できた、というのは、裏を返すと1200m路線の層が薄い、という事だとも思うので、今後のシーズンで、このコモンウェルスC上位の馬の台頭は普通にありそうですし、勝ち馬はその筆頭格になるのは確かだろうと思います。


★キングエドワードⅦ世S https://www.youtube.com/watch?v=C9TpxsSmePo

 このレースはGⅡですが、キングジョージにも繋がる12F戦ですし、英ダービー3着のジャパンがかなり強い勝ち方をしたのでピックアップしておきましょう。

 馬場は良まで戻っていますがまだ少しタフかな、と感じるレベルで、その中で48,0-50,6-50,7=2,29,29と、かなり強烈なハイペースからの持久力勝負になっています。
 勝ったジャパンは道中後方外目から直線半ばでインに切れ込みつつ突き抜け、ラストも12,9でまとめていますから、ここでは流石に底力が違った、という内容で、前走に引き続き無類のスタミナを見せつけた勘定になりますね。

 ペースが全然違うとはいえ、翌日のハードウィックSよりも遥かに速い時計での走破になっていますし、伸びしろ充分の3歳馬ですから、キングジョージ参戦の予定もあるようですし本当に楽しみです。
 しかしこの馬、血統的にはコテコテの欧州主流なのに、名前がジャパンってだけで、キングジョージで出走してきたら無駄に日本オッズで人気になりそうですね(笑)。


★コロネーションS https://www.youtube.com/watch?v=rJT3aai7sQw

 ここは英愛1000ギニー勝ち馬のハモサと、無敗で仏1000ギニーを制したキャッスルレディの激突に注目が集まりましたが、しかし勝ったのは、その仏1000ギニーで6着だった伏兵・ウォッチミーでしたね。

 ラップ的には50,4-49,2=1,39,61なので、日本式に見てほぼ平均ペース、後半は12,1-11,9-12,4と本仕掛け自体はそこまで速くなく、ある程度総合力と要所の切れを問われる展開だったように感じます。
 その中でウオッチミーは4番手、ハモサの直後にピタリとつけると、直線半ばで切れ味の差を見せてスパッと抜けて先頭に立ち、そのまま押し切る強い競馬を見せました。
 まあ仏1000ギニーも6着とはいえ着差は2馬身ちょっとで、かつスムーズさを欠いたレースだったので、この日のように完璧な立ち回りが出来れば違った、という所もあったでしょうが、それでもハモサを楽に差し切ったのはやはり評価していいと感じますね。

 ハモサはこの日は番手からの競馬になり、結果的に少しペースが緩かったのかな、というイメージですね。
 これまでの2戦も、最速地点の反応は鈍く、残り1Fでの持続が武器な馬なので、こんな風に最速地点で楽に交わされてしまうと、勿論ラストはバテずにじりじりきているのですけど、それを差し返す、というところまではいけないのが弱点と言えばそうなのでしょう。
 底力的にはやはり3歳マイル路線全般でもこの馬がトップクラスに感じるのですけど、レースメイクや馬場などに多少注文がつくのかもしれませんね。むしろこの馬にとっては、ここまで回復しない方が良かったのかもしれません。

 時計的にも、初日のセントジェームズパレスSが51,5-48,4=1,39,90なので、ペース補正すればやはり互角の競馬、とは思いますし、今年のアスコットは良でもそれなりに馬場がタフなイメージでしたから、3歳マイル路線のレベルは高いのかなと感じています。


★ハードヴィックS https://www.youtube.com/watch?v=yZ4ZQzDeuhg

 ここもGⅡ戦ですが、やはり12Fで、キングジョージにも直結するステップレースですのでみておきましょう。

 逃げたのはマーフィーJ騎乗のサルウィンで、スタート直後に1年1ヶ月ぶりの英ダービー馬・マサーが大きくよれて、隣のナガノゴールドに大きな不利を与えつつ後方から、になったのが印象に残るレースでもあります。

 ラップは51,3-51,9-47,5=2,31,11と、キングエドワードⅦ世Sと裏腹に超スローペースで、正直サルウィンのタイプとしてはこの溜め逃げはマッチしていないのでは?という感じですが、ともあれ後半が12,2-11,7-11,7-11,9と、この舞台にしてはかなり切れ味と持続力を高く問われる後半特化戦になったのは間違いないですね。

 勝ったデフォーは、前走のコロネーションCもしぶとく強かったですけど、後半特化のここでも中団外目でロスを作りつつしっかり抜け出してきて、それなりに瞬発力が問われても強い、というのを見せられたのは収穫ですね。
 今年は完全に本格化している感じですし、素直にキングジョージでも楽しみな一頭にはなりそうです。

 ただ色んな意味でこのレースの評価を難しくしているのが、2着のナガノゴールドですね。
 りんごの品種?みたいな名前の馬ですが、これがチェコ調教馬という変わり種で、それでいながらも最後の追い込みは鋭く、しかもスタートであれだけ落馬寸前の致命的な不利を受けて、ですから大したものです。
 実際にこの馬が強いのか、それとも得意でないヨーイドンでもデフォーが勝ててしまうくらいの相手だったのか、そこの見極めが、より高いレベルのメンバーが出揃うキングジョージでの上位勢の取捨のポイントになりそうです。

 マサーは最初の斜行は頂けず、かつ自分のポジションも悪くしてしまって、外々から勝負するも最後は息切れでしたが、格好はつけた、と言えるでしょうか。
 この内容なら普通に次走は巻き返しがあっていいですし、何処を使うにせよ楽しみですね。


★ダイヤモンドジュビリーS https://www.youtube.com/watch?v=M1q12yHv0Es

 こちらは上でも触れたように、ブルーポイントが中3日での出走で見事に勝ち切り、少なくとも21世紀では至上2頭目の同一年度スプリントダブルの大偉業を達成しました。
 ちなみにもう一頭の達成馬は2003年のショワジールですが、この馬はオーストラリアの馬で、この年のキングススタンドSがはじめての海外遠征でありながらの大快挙であり、しかし連闘が当たり前、というオーストラリアの馬だからこそこなせたローテーション、という見方も出来るので、その点でもこのブルーポイントの走りは、内容はどうあれ勝ち切った、という一点において偉大な成果だと言っていいでしょう。

 ただやはり中3日での疲れはなかったはずはなく、レースではスムーズに先行して残り1Fで抜け出すいつもの競馬ながら、ラスト50mで伏兵ドリームオブドリームズに肉薄されての薄氷の勝利ではありました。
 ラップ的には35,5-35,9=1,11,42と、堅良まで戻って地味に21世紀で最速の時計なのですが、日本式に補正すればかなりハイペースの一貫消耗戦でもあり、その中でやはり本質的には1F長いのか、と思わせるラストの止まり方ではありましたね。
 勿論それでも勝ち切ったのは凄いですし、実際ゴールして10mもしない地点ではもう2着馬に抜かされていますから、正に1200mを目一杯使って、死力を振り絞っての激走だったのかなと思います。

 ともあれ、大偉業なのは間違いないですが、その分反動も間違いなく出るとは思うので、この後のレース選択がどうなるかは慎重に見極めたいところですね。
 少なくとも、この2連勝でこの馬の種牡馬価値はかなり跳ね上がったのは間違いなく、新進気鋭のアップルビー調教師は勝負師だなと思わせる、素晴らしいチャレンジでもありました。 
 ただ上でも書いたように、今は1200m路線にあまり強い馬がいないのもあったとは思いますので、強い3歳勢が混入してきて勢力図がどう変わるかも含めて楽しみです。


posted by clover at 21:03| Comment(0) | レース回顧・海外競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください