2019年06月20日

2019 6月第3週2歳新馬戦 レース回顧(日曜編)

 プリンスオブウェールズSは、ディアドラにとってはかなりタフな馬場になってしまいましたねぇ。
 回顧自体は明日の夜に、他の海外GⅠとセットでやるつもりですが、やっぱりアスコットの10Fは、日本でなら2400mやそれ以上の距離が得意な馬を連れていった方が合うのかな、とも感じます。
 過去3回の挑戦が全部6着と、掲示板が高い壁になっていますけど、今日みたいなレースだったらカフジプリンスとか、それこそシュヴァルグランあたりが走ればしれっと4着くらいに入ってきそうなイメージはあり、やはり適性のあるなし、経験の有無は大切だなと強く感じさせる一戦でした。

 ともあれ今日は国内新馬戦日曜編です。ここから将来、海外に雄飛する馬が出てきてくれればいいのですけどね。


★6/16(日) 函館5R 芝1200m

 このレースはゴール前新種牡馬産駒同士の一騎打ちになり、勝ったのは外から鋭く伸びたワールドエース産駒のオータムレッドでしたね。

 日曜の函館は天気予報が大外れでほとんど雨が降らず、馬場も稍重ですがほぼ良に近い水準で、函館SSも34,4-34,0=1,08,4でしたから、せいぜい例年より1秒掛かるかどうか、くらいではあったと思います。
 その中での35,7-35,2=1,10,9は、この時期としては水準並みのレベルにはあると思いますし、新馬戦らしい淀みのある展開から、上位2頭はそこそこ面白い競馬が出来ているかなと思いました。

 レースはスタートから先団がごった返して、内目の枠だったオータムレッド、2着のビアンフェともに結構窮屈な競馬でしたけど、そこを上手く我慢してしっかり走れていたのは新馬としては収穫だったでしょう。
 ラップも後半12,2-11,4-11,6と一度息が入ってからコーナー出口で一気に加速していくトリッキーな流れで、その地点で勝ち馬は外々を通していたので結構ロスはあり、残り200mでまだ2馬身差くらいあったのをスパッと差し切っていますから、しっかり加速ラップで終えていると勘定できるかなと思います。
 直線入り口での反応はいまひとつでしたけど、ピッチが上がってからの切れ味はかなりいいものがあって、距離自体ももう少し長くてもやれる、むしろこの距離ですと前傾になると追走・ポジショニングで苦労しそうな雰囲気はありましたね。
 最後の追い比べでの伸びは、いかにもレーンJらしい力強さでしたし、次のローテーションや鞍上の難しさは出てくると思いますが、素質はしっかり感じさせる走りでした。

 2着のビアンフェもまずまず強い競馬で、勝ち馬に対してはより内枠で2列目ポケットから、直線も前を行く馬の間を割って伸びており、その大人びたレースぶりは評価できる一方、勝ち馬よりはロスが少ない立ち回りで最後差し込まれているので、スケール感では一歩劣るかもしれません。
 この馬もキズナ産駒で母がルシュクルですから、最終的に短いところで、となるのは確かですけど、それでも1200mは少し忙しい面はありそうですし、若い内はマイルくらいまではこなせそうな雰囲気です。
 要所の反応の良さも武器になりそうですし、血統的にも上はコンスタントに走っていますから、この馬も伸びしろはありそうで楽しみですね。


★6/16(日) 阪神5R 芝1600m

 ここはタートルボウル産駒のエールヴィオレが、中団外目から力強く伸びて差し切りデビュー勝ちを収めました。

 阪神の日曜芝は土曜と変わらずタフ寄りで稍重表記、時計も全体的にかかっていたと思います。
 メインの米子Sが48,4-46,3=1,34,7と、スローバランスではあるもののそれでもラスト12,6とかなり消耗するレースでこの時計ですから、マイルでも1,5秒くらいはタフ、という感覚で、それを割り引くと1,37,7の勝ち時計も新馬として極端に遅い、という程ではないでしょうか。

 ラップ的には49,1-48,6のほぼ平均ペース、三分割でも36,6-24,6-36,5なので全体的に淡々と流れていて、これは2着に逃げ粘ったベッラヴォルタ中井Jの好騎乗だったかな、と思います。
 また後半は仕掛けも早く、11,6-12,2-12,7の持続力消耗ラップなので、馬場がタフだったにせよ新馬らしからぬレースにはなっている感覚ですね。

 その中で勝ったエールヴィオレは中々に強かったですし、コーナー外目でロスを作りつつラストの1Fでしっかり差し込んできたのは、このメンバーでは底力とスタミナで一枚上だったのかな、というイメージです。
 瞬発力はほぼ問われていないレースと馬場なので、その点で力を出し切れなかった人気馬も多そうですが、少なくとも勝ち馬の能力自体は確かだと思いますし、ただ高いレベルではもう少し距離があって、かつ分散されるタフな競馬向き、というイメージにはなりますね。

 2着のベッラヴォルタも人気薄ながら天晴れの逃げ粘りでしたが、こういうタイプは逆に未勝利でより楽に逃げると、意外と切れ味がなくてコロッと負ける事もあるのでそこは注意が必要ですかね。
 時計の出る馬場でもしっかり平均ペースに持ち込んでいければそこまで崩れないとは思いますし、勿論スローでも強い可能性はあるので何とも言えないですが、このレースを見る限りは鞍上のペースメイクが今後も大切になってきそうな雰囲気はあります。

 3着のチェルヴィーノは内枠でスタートは悪くなかったのに、二の足がイマイチで下げて下げての窮屈な競馬になっていますし、直線もラスト1Fはしっかり伸びてきていますから、全体的に脚を余したレースにはなっているかなと思います。
 血統的にタフな馬場向きとも言いづらいですし、中京マイルくらいで外目からスムーズに入っていけるなら、普通に勝ち負けしてくる能力はありそうに感じましたね。


★6/16(日) 東京5R 芝1600m

 このレースは、クルーガーの全弟になるキングカメハメハ産駒のサクセッションが、好位外目からしっかりと抜け出して、圧倒的人気に応えての新馬勝ちになりました。

 日曜の府中芝は、この新馬の時点ではまだ重馬場、そこから稍重に回復していく過程でのレースでしたが、実際的にはそこまでタフではなく、そこそこ時計の出る馬場だったとは思います。
 勿論良に比べれば重かったとはいえ、7Rの1400m戦も1,22,0まで出ていますし、マイルで1秒くらい重いかな、というイメージでいいと考えています。
 そして、その補正を加えてみると、1,36,4という勝ち時計は新馬としてはかなり優秀で、上位2頭は底力が問われる展開の中で強い競馬が出来ていると思いますね。

 逃げたのが2着に粘ったグレイトホーンで、ラップが49,0-47,4のややスロー、ただし3分割で見ると37,0-24,1-35,3という推移になっていて、遅いのはテンだけ、中盤は意外と淡々と流れていてロンスパ気味になっています。
 かつ後半も11,5-11,7-12,1とコーナー最速からの持続力戦になっていて、このレースメイク自体は新馬戦らしくないタフなものではあり、藤田菜Jとしてはかなり果敢にいいペースを作っていけたのではないかな、と感じていますね。
 結果的に底力勝負に持ち込んで、勝ち馬には完敗も3着以下はラスト1Fで再び突き放す競馬が出来ていますし、勿論馬場適性なども出てくる条件だったので一概には言いづらいですが、上位2頭は先が楽しみなレースぶりでした。

 勝ったサクセッションはその中で、福永Jらしく好位で上手く競馬を教えながら、直線もゆとりをもって外に持ち出し、ラスト1Fできっちり捕まえる優等生的な競馬を披露してくれたと思います。
 キングカメハメハ産駒なので渇きかけのやや力の要る馬場もフィットしたと思いますし、持続力勝負の中、コーナーである程度外を通してもラストまで脚色を残していましたから、素材的にもここでは完勝だったと言えるでしょう。
 クルーガーの全弟ですから、やはり舞台として極端な時計勝負や切れ味勝負より、こういうレース全体を使った形の方が噛み合った面はあるでしょうが、それでも時計的には優秀で、この馬場で自身ラスト11秒台でまとめてきたのは、距離延長に対しても不安の少ない、実りのある内容だったと感じています。
 多分反面瞬発力特化戦ではちょっと弱そうなので、鞍上がそのあたりを上手くフォローしていく意識があれば、より高いレベルでも良い競馬は出来るのではないかと見ています。

 2着のグレイトホーンも、斤量が軽かったのはあるにせよ、この競馬でしっかりラストまで踏んばれているのは中々の素材だなと感じます。
 こちらもより楽なペースに持ち込んで良さが出るかは未知数で、その点阪神のベッラヴォルタと同様、次に軽い馬場になった時に怖がらずにペースを作っていけるかは課題になるでしょうか。
 ただ少なくともこのレースでのペースメイクは、新馬としては異質ですがある意味で馬の力を信じた強気なものではあり、次のこの人馬の内容は注視したいな、と思わせるものでしたね。

 3着以下は少し離されたものの、レースレベルは高かったと思うので、掲示板組くらいまでは適性面で巻き返しがあれば、普通に未勝利で勝ち負け出来るのではないかな、と感じています。


★6/16(日) 東京6R 芝1400m

 このレースでも新種牡馬、リアルインパクト産駒のトライフォーリアルが、好位から外目を通して豪快に差し切り初戦を勝利で飾りました。

 ここもペースは比較的引き締まっていて、36,2-12,0-36,2=1,24,4と、中盤の緩みがほぼないタイトな流れで、しかも後半11,4-12,1-12,7と、コーナー最速の持続力戦になっています。
 ここで逃げたのは野中Jで、最後甘くなって6着と潰れたものの、それでも残り200mまで粘り込む果敢な内容ではあり、最近の根本一門の積極的なレースぶりは中々に印象に残りますね。

 ともあれそういう底力勝負の中で、一頭だけノーザンの馬ともなるとやっぱり素質が違ってくるのか、好位からスムーズに外を通して、ラストの12,7地点でグンと減速をとどめて突き抜けてきたのは良い競馬だったと思います。
 時計的にも馬場を考えれば極端に遅いとは思いませんが、それでもひとつ前に比べると全体のレベルがやや低かったのは確かで、その中では一頭格が違う競馬を披露出来ていますし、1400mという距離もマッチしていそうですね。
 血統的にもリアルインパクトの仔ですから最終的には短いところで、となりそうですし、この日は坂地点の反応が今一歩だったのが気掛かりですが、よりポジショニングに拘る形でレースが出来れば、上のクラスでもそこそこ頑張れる馬ではないかと感じました。

 2着のルドラクシャは積極的な競馬からしぶとく粘っていて、底力は感じさせる内容でしたけど、タイプ的に軽い馬場でスローになると甘そうな走りと血統ではあり、次は果敢に逃げる、くらいの思い切りがないと勝ち上がるまでは、と思いますね。
 3着のロードファビュラスのほうが内容的にはまだ見どころはあるのですが、この馬は血統的にダート向きっぽくて、少し上がりの掛かる馬場だったから相対的に突っ込んでこられたのかな、というイメージではあります。


posted by clover at 19:27| Comment(0) | レース回顧・中央競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください