2019年03月25日

2019 大阪杯 プレビュー

★はじめに

 今年はGⅠに昇格して3年目の大阪杯ですね。
 初年度はまだ、GⅠとしての存在意義など疑問視されたところもありますが、実際に運用されていくとローテーションやコースなども踏まえての重要度はいや増し、ドバイミーティングと丸被りになる日程ながら、今年は去年以上に豪華なメンバーが出揃いました。
 ここにダノンプレミアムがいれば最高、と言って差し支えなかったのですが、それでも今の中距離路線の層の厚さを感じさせる素晴らしいメンバーですし、現時点でフルゲート割れは残念ですけれど、それでも白熱した高い次元の一戦が期待出来そうです。


★レース傾向分析

 過去2年の記事はこちらのプレビューアーカイブから参照ください。


 レース傾向としては、やはりスタート直後に坂があって、1コーナーまでもそこそこは距離がある中で、余程逃げ馬が出揃わないとハイペースバランスにはなりにくいイメージです。
 また春先の阪神は一気に芝が成長して馬場が軽くなっていく途上にあり、そこに加えてこの週からBコース替わりとなるので、基本的には高速馬場になる可能性がかなり高いです。
 先週の阪神も想定外に一気に高速化した、と思っていますし、ましてAコースの段階でもペース如何とはいえ前目内目がしぶとく残るレースはそこそこ多かったですから、Bコース替わりでそれに拍車がかかる蓋然性は高いでしょう。そのあたりは土曜の馬場を注視したいところです。

 今年のメンバーですと、明確に逃げそうなのはキセキしかいない雰囲気ではあるのですよね。
 正直な話、枠次第ではあれ、アルアインやエポカドーロ、ダンビュライトあたりは、自分が逃げてもいい、くらいの強気なポジショニングとペースメイクをして欲しいのですけれど、それぞれ鞍上がそういう強気な競馬を組み立てられるタイプか?となると悩ましく、キセキの逃げになれば前半は60秒前後、そこから向こう正面でペースアップしてのロンスパ、という形が濃厚にはなってくると思います。
 去年が61,1-57,1で、スワーヴリチャードが驚異の大捲りから圧勝して見せましたけど、基本的に今年はあそこまで大味なレースを後ろから組み立てる余裕は川田Jが許さないだろう、とは考えていますし、後半がある程度分散されていくのは確かだと思うので、一瞬の切れよりは持続力面で強みがある馬、そして立ち回りが上手な馬を素直にピックアップしていきたいレースにはなるでしょうね。


★有力馬所感

・キセキ

 去年の秋古馬王道路線を皆勤し、全てのレースで外連味のない逃げを打って大いに盛り上げてくれたキセキが、その立役者でもある川田Jとのコンビ継続で春の仁川に登場します。
 秋に驚異的なパフォーマンスを連発した中での勤続疲労がしっかり回復出来ているのか、そしてどちらかと言えば血統的にも叩き良化の雰囲気はある中で、この5歳シーズン初戦をどのようなレースにしてくるのか、非常に注目の始動戦ですね。

 タイプ的には超高速馬場がとにかく向いていて、前後半のバランスで言うと基本的にはスローバランスがベストですが、それでも高速馬場なら、2000mを59秒で入っても後傾で走破出来る、というのが最大の強みになるとは思います。
 この馬を崩すためには基本的にテンの3Fが最重要で、そこでマイペースに主導権を取ってしまえば、後はスキのないロンスパで、高速馬場なら長く長く11秒台半ばから後半の脚を維持できるのが凄味です。

 なので今回も枠の並びはひとつポイントで、やはり出来れば内目の枠から楽にハナを奪える形が望ましいのかなと思います。
 傾向展望でも触れたのですが、アルアインやダンビュライト、エポカドーロなどは、その気になればキセキよりもテンそのものは速く入れる馬だとは見ていて、特にノーザン全体のオーダー的に考えると、ダンビュライトあたりが積極的につついていく、或いは内から抵抗する、という可能性はあるレースにはなるでしょう。
 完全に本格化後に、高速馬場で平均ペースはまだ経験がないといっていいので、そうなった時にどこまでやれるかは未知数ではありますし、やはり去年の有馬までの激走の反動が残っていないか、休み明け初戦からしゃんと動けるか、調教だけでは見極めにくい部分があるだけに、全幅の信頼を置けるかは考え所にはなると思います。

 ただやはり高速馬場での2000mなら、普通に1分57秒後半を意識して作れる一頭だと思います。
 秋天ではサングレーザーにも交わされていますが、阪神内回りでコーナー勝負に持ち込みやすいところは当然有利で、阪神内回りの勝ち方を熟知している川田Jとのコンビ継続も非常に心強いので、極端な外枠だったり、あまりに直前の調教が悪い、という事がなければ、当然重い印を打つ候補には入ってくる一頭になりますね。


・ブラストワンピース

 クラシック路線では苦汁をなめ続けたものの、古馬混合の有馬記念で留飲を下げるGⅠ初制覇、そこから更なる成長を遂げるであろうこの馬も、まずは今年の始動戦でどういうレースが出来るか非常に楽しみですね。

 馬のタイプとしては明確なステイヤー、というわけではなく、例えば毎日杯でもそこそこの流れをポケットで競馬して、きちんと後半要素を引き出せているように、総合力の高い素材型、というイメージにはなります。
 距離は2000mが、高いレベルでは下限かな、という感覚ではあるものの、スタートをさえ決めて序盤のポジショニングで後手を踏まなければ、そこまでコースを問わずに走ってくるかな、とは踏んでいます。
 敢えて言えば菊花賞の様に、急激な加速力と瞬発力の質が問われると少し器用さで足りない面はありますが、その点はこのレース、キセキがいますので、しっかり分散されてこの馬最大の武器である持続力がしっかり生きる形になるはずなので、ここでも大崩れは考えにくい一頭です。

 まあ今までのイメージですと、休み明けで関東馬、となるとそれだけで割引、という面はあったのですが、今をときめく天栄仕上げに抜かりはないでしょうし、この馬の力は出してくれるでしょう。
 枠的には、やはり少し大跳びで自分のリズムを守りたい面はありますので、極端な内よりは真ん中からやや外くらいがベストだと思います。
 持続力面で言えば、この距離このコースでの強敵は結構いると思いますので、それらと比較して前半のポジショニングでどこまで攻められるか、それが可能な枠の並びになるかがポイントで、重い印も視野に入れつつ、まぁ最低でも連下は回さないといけない一頭にはなってくると考えています。


・ワグネリアン

 昨年秋から、混合GⅠや重賞で猛威を振るっている最強明け4歳世代ですが、しかしその大将格であるダービー馬のワグネリアンは、秋初戦を快勝したもののその後ターフに戻ってくる事はなく、未だその真の実力はヴェールに包まれたままです。
 この馬とのダービー制覇、そして先週の高松宮記念制覇で、かつてのトラウマから脱却し、更なる飛躍を見せてくれそうな福永Jを鞍上に、長い休み明けでもこの馬が何処まで存在感を示せるかも非常に楽しみなところです。

 少なくともダービーと神戸新聞杯の内容から見て、この世代でトップレベルの持続力を保持していたのは間違いないと思います。
 皐月賞の内容がだらしないので、本質的に小回り寄りの2000mが少し忙しい感覚はありますけれど、それでも馬場が悪くなかった弥生賞の時点ではダノンプレミアム相手に強い競馬が出来ていましたし、高速馬場での時計勝負なら当然浮上してくるでしょう。

 ただこの馬もスタートや二の足がそこまでいいタイプではなく、かつ馬群の中から器用にエンジンをスッとかけていけるタイプではないので、キセキが紡ぐロンスパ展開の中で外目からどこまで追撃していけるか、というのは、ブラストもそうですが鍵にはなってくるでしょう。
 追走面は東スポ杯でそれなりのものを見せていますが、高いレベルでは未知数なので、せめて去年の秋天に出てきてくれていればそのあたりが読めたのですけれど、2400mの二つだけですとちょっと判断が難しいですね。

 こちらも休み明けとは言え、入念な調整で仕上がり自体はそこまで不安視しなくてもいいはずで、後は枠の並びでどのあたりのポジションが取れるか、しっかりダービーのように、折り合いを不安視せずに福永Jが強気のポジショニングを実行できるか、になるでしょう。
 ディープ産駒ですから休み明けでしっかりパフォーマンスを発揮できるはずですし、頭で思い切って狙う価値もある馬ではありますが、この馬が戦線離脱している間にしっかり成長を見せてきた馬も多いので、その落としどころに最後まで悩む事にはなりそうです。


・ステルヴィオ

 前走の中山記念では外目から長く脚を使って惜しい3着、それでも距離延長に目途をつけての大阪杯、去年のマイルチャンピオンシップに続いての二階級制覇となるか、同日に走るアーモンドアイと共に、更に父ロードカナロアの名声を高める事が出来るか、こちらもやはり注目です。

 こうして綴っていくと本当に4歳世代は粒揃いの上に、みんな順調に成長してきているのでワクワクしますね。
 この馬も去年の秋は2戦に留め、今年もじっくり乗り込んでの中山記念、かなりの強敵が揃う中で正攻法の競馬で僅差3着は、本音を言えば差し切って欲しいラインでしたが休み明けとしては上々でしょう。
 少なくとも去年の春に比べると確実にスタートと二の足は改善されており、余程外枠でなければ真ん中より前のポジションは取れるのではないか、というのが、どちらかと言えば長距離型のブラストやワグネリアンに対しての強みにはなると思います。

 この馬も一瞬の切れはちょっと足りないですが、高速馬場の持続面では未だに底を見せた感はないので、この距離でポジショニングを逆転できる余地があるのなら、一気に世代のトップに躍り出ても不思議はない能力は感じさせますね。
 一方で、まだGⅠ勝ちはない丸山Jの騎乗は、特に関西圏となるとやはり少し不安材料ではあって、今年はかなりいい馬が集まる中でも、この大舞台で委縮せず攻めの競馬を展開できるかはひとつ鍵になると思います。

 ブラストやワグネリアンとの比較で言えば、ある程度馬群の中からでも足を引き出せるのは強みだと思いますし、コーナーでの機動力もありますので、こちらは大外、とかでもない限りは枠はある程度どこでも、と思います。
 ただ勿論強敵が多いので、理想は内目の枠から好位の4~5番手のイン、コーナーをタイトに立ち回りつつしっかり進路確保していく形にはなるのではないかなと考えています。
 個人的にも近年でトップクラスに気に入っている馬なので、距離延長がプラス、とまでは言えませんが、展開が嵌る可能性がある枠を引けたなら重い印は視野に入れたいところですね。


・ペルシアンナイト

 去年2着の舞台でどこまで躍動できるか、今年も一叩きして良化が見込める中、去年の勝利騎手であるミルコJを背にどういう競馬をしてくれるのか、4歳世代に対して意地を見せる事が出来るか楽しみな一頭になります。

 この馬もイメージ的にはステルヴィオと似たり寄ったりで、純正マイラーという感じではなく、時計が速くなりすぎるとマイルでは少し忙しくて、2000mなら高速馬場がぴったり、となるのだろうと踏んでいます。
 その点前走は2000mでも稍重、また仕掛けも遅れて加速力勝負の色合いが強い中での4着ですから悪い結果ではなく、去年同様にスローロンスパが濃厚なこの舞台なら立ち回りひとつでチャンスは出て来るでしょう。

 ただ去年は内々で完璧なコース取りだったのも事実で、それでいてあまり直線イン突きをするのは得意ではない、という繊細さもありますので、去年のこのレースや、初GⅠのマイルのような神がかったコース取りを再現できるか、今の微妙な調子のミルコJにそこまで期待出来るか、という点で、やや信頼度はここまで触れた馬の中では劣るのかな、と見ています。

 またあまりポジショニングもいい馬ではないので、こちらは出来る限り内枠の方がいいでしょう。
 壁を作りつつ中団くらいで上手く構えて、どこかで綺麗に外に出すタイミングを推し量る事が出来れば面白い一頭にはなりますし、持続力そのものはこの相手でも互角にやれるものは持っていると思います。
 ただし外枠ですと、ポジショニングが難しくなし崩しに脚を使いそうなので少し評価は下げたいですね。まぁそのあたりはこの馬に限った話ではないですけれど、程度問題としてより、というイメージです。


・サングレーザー

 香港では力を発揮しきれなかったものの、2000m路線でも秋天で国内トップクラスを証明してきたサングレーザーが、改めて悲願のGⅠ取りのターゲットとしてこのレースをチョイスしてきました。

 この馬の強みは流れても強い事と、持続力にプラスして瞬間的な爆発力もあり、その合わせ技で素晴らしい後半要素を引き出せるところです。
 秋天もレイデオロには敗れたとはいえ、この馬自身推定で後半5Fは56,4くらいを駆使しており、これは極限的なラインにあるとは思うので、この舞台でもその適性の高さは侮れません。
 またこの馬の場合は、コーナーで無理せずとも、直線向いての瞬間的な切れである程度差を詰める事が出来ますので、向こう正面から11秒半ばを刻む明快な高速ロンスパになり切ったとしても、この馬だけ疑似的な二段階加速を踏んでいける、というレースプランが可能なのは面白いところです。

 ただミナリクJ、というのはやっぱり不安要素ではあり、阪神内回りは仕掛けどころやコーナーワーク、ポジショニングなど総合的な難しさもありますし、この頭数ですとごちゃつく事もありますから、その中でこの馬の脚を十全に引き出すエスコートが出来るか、そこはポイントでしょう。
 こちらも休み明けは苦にしないタイプですし、嵌り切れば勝ち切れるチャンスはある一頭だと思っていますが、どこまで積極的にポジションを取ってくれるか、帰国目前のミナリクJの意地は見たいところですね。


・エポカドーロ

 去年の春二冠は強かったものの、そこからの戦績がどうにも噛み合ってこない、オルフェ産駒の代表格となるエポカドーロですが、改めて父もGⅡ時代に制したGⅠの舞台で、世代のトップクラスに返り咲く事が出来るでしょうか?

 この馬の場合、血統イメージよりはステイヤー寄りだと思っていて、高速馬場ですと2400mくらいで丁度いいのでは?という感覚はまだあります。
 ただその一方で、あすなろ賞などを見てもテンの追走力は持っていると思うのですが、1800~2000mの距離でやたらゆったり入りたがる鞍上との相性も含めて難しい判断にはなります。

 少なくとも単純な持続力適性では他の有力馬には見劣っていて、ダービーが一番頑張った形にはなるものの、逃げてレースを支配しての4F勝負、持続力特化に近い形で外からワグネリアンに捻じ伏せられている以上、高速馬場で持続力勝負は分が悪いのは間違いないでしょう。
 それでもダービーの様に一番前にいれば、相対的なポジショニングで食い込む余地はありますが、前走みたいに離れた3番手で、実質的には後ろのグループと同じ持続力特化の土俵に乗ってしまうと難しいのは明白です。

 なので、ここで勝ち負けに持ち込むには前半、特にテンの3Fの入りが重要でしょう。
 キセキは何事もなければ自力でロンスパの流れを作ってそのまま粘り込んでしまうタイプですから、単純にこの馬のお尻を追いかけているだけでもちょっと足りないはずで、理想はテンからつついて最初の3Fの入りを最低でも35秒台半ばくらいまで引き上げさせるイメージが必要だと思います。
 キセキはあまりギアの上げ下げが得意ではなく、じわじわとエンジンを吹かし続けてどんどんスピードに乗せていく変則的な逃げ馬ではありますので、本来の逃げ馬らしいペースのアップダウンを上手くこなせる、という武器を生かして、キセキと後続の強みを揃って削ぐレースメイクが出来れば、地力的にはワンチャンスはあっていい馬だと思っています。

 ただ関西の戸崎Jでそれが出来るか、ですし、或いは同型の馬がそういう流れに持ち込んでくれるのの驥尾に付す、でもいいのですけど、それもこの後書きますけど期待はあまりできないですからね。
 それでもある程度キセキに積極的についていく形が作れれば格好はつけられるはずで、重い印は厳しいですが並び次第で印は出来れば回したいと思っている一頭にはなりますね。


・アルアイン

 皐月賞の鮮やかな戴冠からはや2年、勝ち星に見放され続けている悩めるクラシック馬が、去年3着のこの舞台でどこまで上位に肉薄する事が出来るでしょうか?

 ちなみに去年は川田J鞍上でしたけど、好枠から好発を決めた割にはやや消極的なポジショニングで、やはりそのあたり、去年の英国遠征を境に色々ガラッと変わってきた感を印象付けるひとつの例にはなります。
 去年も番手まで早めに押し上げて、もう少し現実的なペースに持ち込んでいれば勝ち負けは出来ていたと未だに思っていますし、この馬も、というか、皐月賞馬って大抵そういうイメージになりますけど、前後半のバランスをしっかり取って後続の決め手勝負の強みを如何に削ぐか、その総合力勝負に持ち込める気概が鞍上にあるかが常に鍵になるのですよね。

 皐月賞というレースは基本放っておいてもそこそこ流れるので、そこではある程度の位置取りでも噛み合うのですけど、そうでない場面では自分からつつきにいってレースを作る意識がないと勝ち切るのは難しいのでしょう。
 この馬の前走も、休み明けと急遽の乗り替わりはあったにせよ、ポジショニングも仕掛けも消極的で、コーナー出口で一気に置かれる情けない競馬に終始してしまっていました。
 ただ北村友Jは、基本流れに合わせてコースロスをギリギリまで少なくしたい、という、レース観というか視野が少し画一的な乗り手なので、それで噛み合う馬&枠ならいいですが、この馬には基本的には合わない、とは思っています。

 まああえて言えば、昨日のダノンスマッシュくらい貪欲なポジショニングはこの馬でこそやって欲しいですし、勿論斜行は論外ですが、運よくここでも乗れるチャンスが来たのですから、腹を括って前半勝負に持ち込んでいく気概を……見せてはくれないですかねぇやっぱり。
 ともあれ、この馬で勝つなら前半58,5くらいの流れは必須だと思いますし、そうするとマイラー寄りの持続型であるステルヴィオやペルシアンナイトはともかく、ワグネリアンやブラストワンピースのような長距離寄りの持続型の脚を削げるチャンスはありますし、キセキも潰せる可能性は出てきます。
 もしも今年波乱があるとすれば、それはハイペースになった時のみと今のところは思っていて、チームノーザンとしての戦略性のひとつの駒としてのこの馬の走りはポイントになってくるかも、とは考えています。


・エアウィンザー

 5歳世代ですがクラシックには縁がなく、古馬になってメキメキ力をつけてきた今年最大の上がり馬のエアウィンザーは、浜中Jとのコンビでこの相手にどこまでやれるか注目です。

 前走の金鯱賞は、相手をダノンプレミアムに絞ったタイトな騎乗の中で、持ち味が完全に生かし切れたとは言い難いところはありますし、実際にチャレンジCで高速5Fロンスパを突き抜けてきた点からしても、このコースでの更なる躍進は期待出来ると思います。
 今の浜中Jは少し仕掛けの意識やコース取りで雑さを感じる事は多くて、確実に出し切りたいこの馬でどこまで、とは思いますが、キセキの流れに沿うならこの馬もチャンスはある一頭かなと思っています。

 勿論前走から更に相手は強くなりますし、簡単な競馬にはならないでしょうが、例えば有力馬がみんな外でこの馬だけ内枠とか、相対的な条件が整ってくれば充分通用していい地力は身につけてきている、と思うので楽しみですね。


・スティッフェリオ

 ローカルとはいえ重賞連勝で波に乗るこの馬が、その勢いのままにこの大舞台でどこまで通用するか、力試しの一戦となります。
 まあ近走の充実ぶりと、好走スポットの幅は楽しみな要素にはなりますが、流石に現実的な力関係としてはまだちょっと足りないのは、タニノフランケルの金鯱賞から判断しても明白だろうとは思います。まあ金鯱賞のタニノは騎乗も微妙でしたから、一概には言い切れないですけれどね。

 ただ去年一昨年、同じように小倉大賞典の強い競馬経由でここに来たアポジーにトリオンフと、やっぱり通用はしていませんし、この馬も簡単ではないでしょう。
 どちらかと言えばチャンスがあるとすれば前半流れての総合力戦で、オクトーバーSの負け方からしても持続特化でどうこう、という馬ではないので、この馬でも積極的に前をつついてくれるなら、とは思います。
 思います、が、鞍上が今絶賛スランプの田辺Jですし、去年もトリオンフで半端な仕掛けをして、スワーヴリチャードの噛ませ犬になってしまっていましたから、今年この舞台で、伏兵でレースを壊しても、みたいな強気さをもってレースに臨んでくれるイメージはもちづらいですね。
 基本的には流れない公算の方が強いですし、そうであれば流石に印を回す余地はないと思います。


・ステイフーリッシュ

 この馬も明け4歳世代としていぶし銀の活躍を見せるものの、近走は善戦マンになってしまっている中、昨日高松宮記念で大きな穴を開けた藤岡康Jとのコンビになってどこまで戦えるでしょうか?

 まあ現実的に、高速馬場の2000mで後半勝負ですとチャレンジCの力関係を覆すのは簡単ではなく、そのエアウィンザーですらここではどうか、ですからね。
 この馬の場合は京都新聞杯が、前半58秒台のハイペースを番手追走して早め抜け出す強い競馬が出来ているように、追走面では良いものを持っていますから、藤岡兄のままで積極果敢に前を脅かしていく形に持ち込めればノーチャンスではない、とは思っていたのですけれど、流石に弟の方ですと流れに合わせてしまう可能性は強いですね。

 繰り返しになりますけれど、今回の組み合わせは伏兵陣の大抵がある程度流れていく中で活路を見出したい、決め手比べでは分が悪い、という馬ばかりなので、荒れるとすればハイペースで、この馬もその一翼を担えるラインにはいるとは思います。
 ただそれでも思い切って狙うだけの要素があるか、となると微妙ですし、本当にいい良いメンバーですからねぇ……。


・ダンビュライト

 前走の京都記念で久々の勝利の美酒を味わい、相性抜群の松若Jとのコンビで改めて大舞台でも躍動できるか、人馬ともに試金石の一戦となりそうです。

 前走にしても、勝ったからいいもののスローはスローで、タフな馬場に助けられた面は大きかったと思います。
 この馬も高速馬場なら前半に活路を見出すしかなく、それは去年のこのレースの結果からも明白で、ただ松若Jは今のところ、ポジショニングそのものの意識は高めでも、狙っている位置を取れたらそれで満足して、ペースメイクにまで介在していく意識は薄いと見ていますので、キセキの動きに合わせる競馬では去年の二の舞は確実でしょう。

 ただ今回はキセキを楽に逃がしたらまずい、というのはだれしもわかっているとは思いますし、ノーザン関係の馬は多いですから、どれかが鉄砲玉宜しくキセキをつついてペースを引き上げる選択も有り得なくはない、とは見ていて、それを一番やりやすいのはこの馬かアルアインだろうな、とは感じます。
 実際問題、勿論競馬ですから走ってみないとわかりませんが、この馬ならほぼ確実に前半飛ばした方が好成績になると思っていますし、人気的にも実績的にもそれが許される立場でもあると思うのですよね。
 音無調教師が基本的に前目に行き過ぎるのを嫌うのは有名ですが、近年は少しずつ意識も変わってきていると思いますし、若武者と挑戦者らしい積極果敢なレースを期待はしたいところです。現実的に見て、多分印は回さないのですけどね。。。


・マカヒキ

 かつてのダービー馬もはや6歳、国内ではその後勝利に恵まれる事もなく、若い世代に圧倒される形になっていますが、ここらで反骨の勝利を掴み取る事が出来るでしょうか?

 近年はタフな馬場専用になってきている感じで、秋天の後半要素だけを見ても、高速馬場の決め手比べでは分が悪い印象です。
 といってタフな馬場やハイペースで圧倒出来るわけではなく、あくまでも相対的には良くなる、くらいで、前走にしてもあの相手を外から捻じ伏せられないよう手は……とはなってしまいますね。
 今回は続けての岩田Jで、ロンスパ展開の中で内枠を引いて、乾坤一擲のイン付きに賭ける形でどこまでか、となりますが、伸び盛りの若い馬が出揃うここで、斜陽のこの馬を狙うのは流石に無理筋だろうな、というイメージです。



posted by clover at 20:59| Comment(5) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Posted by ハル at 2019年03月26日 01:16
 お疲れ様ですー。

 今年は去年に続いて、大阪杯は現地観戦する予定です!
 当日指定席のために、日曜は朝の5時過ぎには阪神競馬場に到着する予定ですよ。
 なので、今の所大丈夫そうですが、晴れる事を心から願っています(笑)

 自分の本命候補は、キセキ、ワグネリアン、サングレーザー、ペルシアンナイト、エアウィンザーの中から選ぶ感じになりそうです。
 正直、実績のある騎手が乗るなら、本命サングレーザーで揺るがなかっただけに、ミナリク騎手……うーんって感じです(笑)

 キセキはやっぱり、使っていって状態上げてきてるのが気になりますよねー。

 ワグネリアンは、休み明け&初古馬戦で、過去最高のパフォーマンスを見せる可能性が非情に高い。
 ワグネリアンの皐月賞に関しては、状態落ちだったと見ています。神戸新聞杯を全力で走って休養する馬な訳ですからねー。弥生賞を全力で走ってしまったのではないかと。

 ペルシアンナイトは状態上向き濃厚。
 エアウィンザーは仰る通りだと思います。

 サングレーザーは前走は案外でしたが、向かない超スローと秋の天皇賞激走後で、状態が落ちていた可能性が極めて高いので、度外視したいです。
 予想オッズ(あまり参考にはなりませんが)で10倍もついているので、妙味もかなりありそう。

 1番人気濃厚のブラストワンピースは、思い切って軽視したいですね。中長距離よりもマイル志向のスピード優先のレースになると思いますし、ブラストワンピースは前がラップを落とした際に差してくる差し馬ってイメージです。ポジション取れればいいですが、ここしばらくはゆったりしたレース&距離ばかり使ってますからね。

 返す返すも、何故ミナリク騎手……(泣
Posted by ハル at 2019年03月26日 01:41
こんばんは★ 大阪杯、楽しみですよね。

また、キセキ×川田Jの凄味がある競馬を見たいとこです。

いつか、大胆な脚質転換の成功話しも聞きたいとこですよね。

個人的にはアルアインには、一度でいいので59-59のイメージで走破する競馬をして欲しいのですが、北村友Jに期待するのは、やっぱり酷ですかねえ(笑)

良い馬が多くて相当悩みそうですが、乗り手との相性も考えて週末まで熟孝したいと思います。




Posted by J.N at 2019年03月26日 04:01
>ハル様

 いつもコメントありがとうございますー。
 朝5時スタンバイで現地観戦ですか、気合入ってますねー。でもこのメンバーならそれだけしても生で見る価値は絶対にありそうですよね。
 やはり良馬場で、キセキが紡ぐ絶対的な後半のスピード持続力勝負が見たいですし、晴れて欲しいですね。

 サングレーザーはモレイラJだったら私も本命にしたんじゃないかと思います(笑)。
 返す返す、去年の騎手免許でモレイラJを試験で振り落としたのは勿体なかったですね。まぁモレイラJクラスなら、JRA免許持っていてもドバイだったかもですけれど。。。
 最上位の持続力に+αで瞬発力の質まで保持しているタイプはこの馬しかいないので、スムーズな競馬が出来れば、単なる持続特化型に対してのアドバンテージは確実にあるはずのですが……悩ましいですよね。

 ワグネリアンの皐月賞は調教から甘かったですし、馬場も馬場でしたからねぇ。
 結局ディープ産駒は使い減りが大きすぎるのが最大のネックなんでしょうし、ここでどれだけの成長力を見せてくれるか、ですね。

 キセキ、というか、ルーラーシップやハービンジャー産駒は基本叩き良化型ですから、そのあたりでの難しさはありますよね。
 ただ毎日王冠は逃げる形でなくともいい競馬が出来ていましたし、調教がまともなら極端に嫌う意味はないかな、という感覚です。

 ブラストは元々こういうローテの馬ですけれど、やっぱり大型馬で距離短縮、忙しい競馬になってポジショニングで後手にならないかは不安要素ですかね。
 大崩れは考えにくいですけれど、外々になって4~5着は普通にありそうですし、この混戦の中で人気を考えれば、有力馬の2~3頭は嫌わないと難しいですからねぇ。
 やはりここも枠が出て、土曜の馬場を見ないとどうにもなりませんね。
Posted by clover at 2019年03月26日 05:22
>J,N様

 いつもコメントありがとうございますー。

 キセキ川田Jコンビがいる限り、変なペースになってどっちらけなレースになる可能性はまずない、という信頼感がありますよね。
 ただキセキ自体は前半からがんがん飛ばす正統派の逃げ馬ではないので、そこに付け入るスキを見出す人馬が本当は出てこないと嘘、なんですけどね。

 正直北村友Jですと、仮に前の馬が58で飛ばしてくれても、離れた3番手で60通過、とか普通にやりそうで……。陣営がバテてもいいから前の馬に食らいついていけ!くらいの明確な指示を出してくれないと、ですかねぇ。
Posted by clover at 2019年03月26日 05:28
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