2019年03月14日

2019 名古屋大賞典 レース回顧

 本日の名古屋大賞典は、ここ2戦足踏みが続いていたグリムが、番手外から直線楽に抜け出し、三つ目の重賞タイトルを獲得、改めて大舞台への足掛かりをつかみましたね。レースを振り返りましょう。


 名古屋の馬場は稍重まで回復していて、時計的にも昨日よりは少し掛かって、ほぼ良に近い水準だったのではないか、と思います。
 下級クラスとはいえマイル戦で1,46,0、1400m戦でも一頭だけ破格の29秒台で大差勝ちした馬はいたものの、他は総じて32秒台どまりなので、名古屋の標準的な時計の出方だったのではないか、と感じますし、その中での2,02,1は可もなく不可もなく、というレースレベルでしょうか。

 レース展開は、抜群のスタートからなんとしても逃げる!という人馬の気迫を感じさせたマイタンザンがハナ、その外からグリムもスムーズに番手外につけて実質的にレースを支配していきます。
 ヒラボクラターシュも悪く無いスタートでしたが、外の2頭が速くて外に持ち出すスキはなくポケットからの競馬、アナザートゥルースが外目の枠を活かしてその外を追走し、中目の枠だったキクノルアとテルペリオンはやや窮屈な競馬、位置取りになりましたね。

 ラップは6,5-3Fですが83,9(12,90)-38,2(12,73)=2,02,1(12,85)という推移でした。
 グリムが上手く番手で流れを早過ぎず遅過ぎずに支配していたので、トータルで見てややスローではありますが、ほぼ平均の範囲内で淡々と流れた格好です。
 向こう正面に入っての800-600m地点も12,8なので、さほど淀みなく、後ろから一気に捲っていくのも難しかったでしょうし、最序盤の縦横のポジショニングがほぼ成否を分けたレース、と見て過言ではないでしょう。

 勝ったグリムは、最後の枠入れだったのもありスタートが非常に速く、武Jも自分で逃げるパターンも視野には入れつつ、マイタンザンが確固たる意志を見せて行ってくれたので楽にその番手につけて、上手く最大のライバルであるヒラボクラターシュを内に閉じ込めておくことに成功しましたね。
 御存知の通り名古屋は基本内の砂が深めですし、また当然勝負所からの加速をスムーズに出来るか、という意味でも外目の方が良かったので、これは完璧なスタートからサッとレースを支配する位置まで押し上げた人馬のレースセンスが光りました。

 また道中も無理にマイタンザンをつつく事はせずに泳がせて、勝負所の向こう正面から3~4コーナーでも一気に進出はせずにギリギリまでマイタンザンを内側の壁に使って、直線入り口で満を持して抜け出すという、他の馬を綺麗に壁として利用した完璧なコースメイクでした。
 馬自身もこの平均くらいの流れなら無理なく入れて、かつ自分の仕掛けはギリギリまで待てたので直線でも余力十分でしたし、そこでヒラボクラターシュを出し抜いた分はきっちり守り切った、という感じですね。

 決して強さ、という意味ではそこまで目立つものではないですが、やはりレースセンスの良さと鞍上のペース判断、コース取りが相俟っての好走、という感じで、距離的にもこのあたりが一番いいのかな、と思います。
 今後もうひとつ上のレベルが相手になると、昨日のチュウワウィザードの成長力に比べて考えるとまだちょっと足りない、決定的な武器がないイメージにはなりますが、こういう器用さが強く問われるコースとレースなら堅実に走ってきそうですね。

 2着のヒラボクラターシュは、この枠でスタートの上手い福永Jなら、どこかで前目から外に出せるタイミングがあるかな?と期待したのですけど、そこは武Jに完璧に抑え込まれてしまいましたね。
 ただ馬の方は多少なり窮屈なポジションでもスムーズに走れていましたし、前がクリアになってからの伸び脚はしっかりしていて、上がりが速くなりすぎない地方の馬場なら今後も安定して走ってくるかな、というイメージです。
 高いレベルではハイペースの方がかみ合うと思いますので、今回は少しペースを読み間違えたのもあるのですが、それでも3着以下とは決定的な力の差は見せていますしやはりいい馬ですね。

 3着のアナザートゥルースもこの馬らしい堅実さは見せられましたし、結果的に外目の枠で、多少横のロスはあっても出し切る競馬を選択した大野Jは悪くなかったと思います。
 コーナー地点で手応えが良くなくても最後までしぶとく、というのはこの馬の真骨頂ですし、もう少し流れてくれればもうちょっと面白かったのですけれど、後続はしっかり押さえこんでいますから、今後もタフな地方の馬場でなら、相手次第でチャンスは回ってくるのではないか、ひとつこのレベルでも目途を立てたレースにはなったと思います。

 4着マイタンザンは、グリム武Jに上手く使われた分があるとはいえ健闘しましたね。
 時計的にも東海菊花賞の日はかなり馬場が軽くて、この日は前走くらいの馬場だと思うので、その中で無理のないペースで上手く進めた分自分の走りは出来た感じです。
 それでも基本カツゲキキトキトには勝てないレベルですし、圏内まで、と考えるともうワンパンチ足りないですかね。

 5着テルペリオンはやっぱり枠が仇になった感じで、どうしてもこの並びですと内外から早い馬に来られて最序盤の攻防で後手になってしまうんでしょうね。
 早い段階で諦めてのあの位置からですが、このペースでもこの馬には少し速かったかもで、要所から押し上げていける気配も薄く、最後も雪崩れ込むだけに終わってしまったのは、基本ポジショニングありき、の馬ですからやむを得ない面もあるとは思います。
 そこまで器用な馬でもないので、地方の馬場はともかく、コース形態は合わないのもあったでしょうね。やはりこの馬をOPレベルで狙うなら、素直に中央のステイヤーコースに限る、と考えておいていいでしょうし、かつスローペースになりそうな場合と、スポットが狭い馬なのは間違いないと見ています。


posted by clover at 17:37| Comment(2) | レース回顧・地方競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは★

ここはグリムが順当に勝ってきましたねえ。

キトキトも下降線を辿ってるとは言え、この舞台にいないのは残念です。

出てたら良い勝負になったんじゃないかなあ?

先日のチュウワウィザードは文句なしですね。

舞台が整えばトップクラスも喰える存在になってきたなと思いました。

ダートもトップクラスが全て揃えば、どこから印打っていいのか困るレースになりそうですよねえ。

気が早すぎますが既に年末が楽しみです(笑)
Posted by J.N at 2019年03月15日 03:33
>J,N様

 いつもコメントありがとうございますー。

 キトキトは本当に、交流戦では鞍上に足を引っ張られ続けている内に旬を逃した感じですよねぇ。
 名古屋大賞典は特に2年前の、コーナーで詰まって最後しぶとく猛追したレースぶりが印象的で、距離はここがベストなだけに出てきて欲しかったです。
 マイタンザンがあれだけ頑張れたのですから、今年のメンバーなら3着は取れたと思うのですけどね。

 チュウワウィザードは本当に安定して強くなりましたね。
 去年まではここまで安定して先行出来ませんでしたし、そのあたり川田Jの卓越した技術ありきなのかな?とも思いつつ、前目でレースを支配出来る強みは今後も生きてきそうです。
 条件次第でインティ・ルヴァンスレーヴ・ゴールドドリームの三強に割って入っていけそうな雰囲気はありますし、仰るようにどの馬も順調にローテーションをこなして、チャンピオンズカップでの激突が見たいですね。
Posted by clover at 2019年03月15日 17:22
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