2018年12月11日

2018 朝日杯フューチュリティステークス プレビュー

★はじめに

 今年はジュベナイルフィリーズもかなりのハイレベル戦になりましたが、しかしそこには牝馬の総大将たるグランアレグリアの姿はなく、鞍上ルメールJに拘った采配で牡馬相手のここにぶつけてくる事になりました。
 タニノミッションは流石に回避でしょうから最大でも15頭立て、かつ能力差が結構はっきりしているメンバー構成にはなりますが、その中でこのレースにおいて面白い馬がいるのか、しっかり見極めていきたいですね。


★レース傾向分析

 いつも通りの去年の記事です。


 結局2週続けて阪神マイルですので、去年にしても新味のある事を書こうとしても無理でした、感が漂ってはいるのですが、やはり傾向としてはJFと似た方向性には出るのでしょう。
 去年にしてもダノンプレミアムが超ハイレベルな勝ち方を披露したとはいえ、バランスとしては35,2-24,1-34,0=1,33,3で、極端では無いにせよそこそこ流れ、中緩みして、後半直線で再加速を問われる、というイメージにはなります。

 丁度去年のダノンプレミアムの姿が今年のグランアレグリアにも被るイメージはあるのですが、ただ変に内で包まれたりすると、外から勢いをつけてきた馬が優位になるコースでもありますので、そのあたりも踏まえて考えておきたいところです。
 あと地味に今のところ週末雨予報ですね。もっとも週間天気で雨になっていて、実際に土日になったら晴れ、というのをこの秋は何回も見ていますので、あまり渋った時まで深くは考えずに個体的適性をしっかり拾っていきましょう。


★有力馬所感

・グランアレグリア

 走りそのものにはほぼ付け入るスキはないな、少なくともこのメンバーでは、という印象です。
 新馬は好発からスッと先団に取りつき、直線先に抜けてからダノンファンタジーを一切寄せ付けずの1,33,6、ラスト1F11,2は破格も破格で、未だにこのレースよりもインパクトのある2歳戦はない、と言っても間違いではないでしょう。
 サウジアラビア戦は逆に出負けしてしまうも、序盤から脚を使ってさっさと先団に追いつき、淡々と11秒前半から半ばを踏み続ける形でラストまで維持してきており、このスピードの絶対値、持続性の高さはちょっと桁が違います。

 強いて言えばまだ極端なハイペースは経験がなく、その点ダノンプレミアムに比べると、とは思いますが、それでも脚質と血統的に47ペースなら余裕でこなしてくるはずで、まともにポジショニングが出来ればまず上位はゆらがない、と見ていいでしょう。
 不安要素としては当然初になる関西遠征と、後は前走の出負けですね。
 もしもここで内枠から出負けして、包まれてしまった上でスロー、となると、過去2戦で持続力はすさまじいものを見せていますが、瞬間的な切れ味の質という視座ではそこまででもないので、いつぞやの桜花賞のメジャーエンブレム的な負け方はあり得るかな、と感じます。

 ですので理想的にはやや外目の枠で、スムーズに先団に取りつければ問題はなく、出負けしても中団の外目からで十分足りるとは思っています。
 ルメールJも当然この馬でなら早め早めの動き出しは意識してくれるでしょうし、真ん中より外なら素直に本命、内枠を引いた時のみちょっと考える、くらいの扱いになると思います。

・アドマイヤマーズ

 無傷の3連勝で、前走もデイリー杯を完勝となるとかなり強いイメージにはなるのですが、果たしてこの馬で打倒グランアレグリアがなるでしょうか?

 今のところのイメージでは、ちょっと危うい気はしています。
 勿論先行力があり、後半要素も総合的に高いレベルで持つ馬なのですが、ダイワメジャー産駒らしく爆発的な脚はなく、持続面では特にちょっと心許ない気はしています。
 流れた方が強いのでは?という考え方もあるのですが、その場合中京2歳Sがかなり地味で、この後ケイデンスコールの時にも触れますが、結局のところ牝馬戦線では決してトップグループにいないエイシンゾーンとの着差から鑑みても、前々から異次元の持続力を使うグランアレグリアに対しての優位性を見出しにくいですね。

 それでも2着争い、という観点ではやはり安定して走ってくる内容は評価出来ますし、勝負を考えるなら内枠は欲しいですが、どこでも最低限の格好はつけてはくれるのかなとみています。
 ただ穴目でもそこそこ面白い馬はいますし、多分重い印は打たないかなと思います。馬場が渋れば血統的に面白いかもですね。


・ファンタジスト

 こちらも無傷の3連勝で重賞2勝とすばらしい戦績ですが、やはり初の1600mはネックになってきます。
 ロードカナロア産駒ですのでマイルがダメ、ということはないでしょうが、1200m戦でもあれだけポジションが取れて上手に競馬が出来る以上、本質的に延長がプラスにはならないと見ています。
 前走にしても1400mとはいえ、ほぼラスト2Fだけの勝負で、後半の総合力という意味でもかなりトリッキーな競馬内容でしたので、ここに繋がるかは評価しにくく、比較的扱いに困る一頭にはなりますね。

 正直このコースで持続面を強く問われれば苦しいかな、とは思っていて、マイルならむしろややハイペースくらいになってくれた方が、相手関係的にもプラスとは思うのですが、この時期の2歳戦で、多分逃げるのがイッツクールとなるとあまり期待は出来ず、内枠から好位ポケットを上手に取って、上手く出し抜いてどこまで粘れるか、くらいのラインでしょうか。
 将来的に面白い馬だとは思いますが、一度も差しに回っていない距離延長馬は狙いにくい条件ですし、外枠なら素直に消そうと思っています。


・ケイデンスコール

 こちらは新馬でアドマイヤマーズに惜敗した以外は、しっかりいい末脚で完勝を続けており、休み明けのここでどこまで肉薄できるか注目です。

 正直素材的にはそこまでのインパクトはなく、シンプルにアドマイヤマーズと互角レベル、かつ差し優位で持続力が生かしやすいこの舞台なら逆転は狙えそうですけれど、前々から持続力を引き出すグランアレグリア相手には分が悪いのは間違いないと思います。
 それこそ去年のダノンプレミアムとステルヴィオ的な関係性にはなりますし、奇しくもロードカナロア産駒でCデムJ、最後の最後に突っ込んできてやっとこ2着、というイメージまで被りますね。

 こちらの方がロードカナロア産駒でも馬単体で見てのマイル適性の高さは確かだと思いますが、未勝利戦がそこそこ流れた中でそこまでインパクトがなく、高いレベルの時計になってくると厳しいかもしれません。
 上でも触れたようにエイシンゾーンと0,4~5秒差では牝馬戦線でも上位ではないですし、新潟2歳S上位馬のその後の内容もイマイチですから、他の馬の並びなどの相対的な比較で対抗までは打つかもですが、まず本命にはしないかなと思っています。


・ドゴール

 サウジアラビア戦では唯一グランアレグリアより速い上がりを繰り出したものの、それでも歯牙にもかけられなかったこの馬でもそこそこ人気しそう、というあたりで今年の牡馬マイル路線の層の薄さが目立ちますね。
 よくよく考えれば去年はダノンプレミアム、ステルヴィオ、タワーオブロンドン、ケイアイノーテック、ダノンスマッシュが掲示板ですからめちゃ豪華でしたし、正直今年の掲示板組が揃ってここまでの活躍をするとは思えないのは正直なところです。

 話がそれましたが、この馬も2着争いの中では面白い一頭だとは感じています。
 新馬戦はそこそこタフな馬場で一気の加速を問われても楽に突き抜け完勝、前走は逆に後方からじっくり脚を溜めてラスト1Fまでそこそこの持続面を見せており、追走が問われても脚を削がれなさそうなのは好印象です。
 関東馬で津村J、というあたりで狙いにくさはありますが、程よい外目の枠で前走ほど極端な後ろにならなければ、最後差し込んでくるチャンスはあるかな、というイメージですね。


・マイネルサーパス

 前走のきんもくせい特別は強い競馬で、高速馬場とはいえ自身ハロン12の追走を問われてから、後半4F46秒そこそこで最後までラップを落とさず差し切っており、相手もこうやまき賞を勝ったダノンチェイサーですからレベルもそこそこだったはずです。

 未勝利勝ちも地味ですがそこまで弱くはなく、ただ言えるのは、持続面はそこそこでも切れ味の質は多分足りず、このコースなら狙って4F勝負くらいに持ち込まないと厳しい、というのはあるでしょう。
 普通に下り坂から仕掛けて3F勝負ですと、コーナーで押し上げ切れず、直線入り口でも置かれて、最後ジリジリ伸びるも掲示板まで、みたいな競馬が関の山だと思いますし、それこそ3コーナー手前からじわりと動いていくくらいの強気な意識がないと、この馬の良さは生かせないかなと感じます。
 ただ丹内Jにそれが出来るとも思えないですし、血統的にはともかく素材的にはかなりいい馬だと見ているのですが、重い印を打つのは躊躇いの方が大きくなりますかね。


・エメラルファイト

 こちらも関東馬なので悩ましいところですが、現状適性だけで見て、一番穴目で重く狙ってみたいのはこの馬だったりしますね。
 過去3走共に全く違う流れ・馬場になっている中でも崩れず走れている自在性と、前走クロノジェネシスには突き放されたものの、好位からこの馬もかなり切れる脚を使えていて、上手くスタートを決めてポジションが取れれば持続力勝負の中でしぶとく頑張れるのではないか、というイメージを持っています。
 先行する意識の強いビュイックJに乗り替わるのもプラスには間違いなく、出来れば内枠を引いて欲しい馬ですね。


・ディープダイバー

 堅実な走りを見せてはいますが、直線でトップギアに入ると刺さってしまったり乗り難しさはありそうで、かつプールヴィルやローゼンクリーガーに負けているレベル、しかも距離延長ローテと考えると、ここはあまり狙いたくない穴人気の馬、という評価になりますね。
 川田Jなので内埒を頼らせての意外性の逃げ、なんて戦略もあるかもですし、タイプ的に平均より流れた方がマイルではいいと思うので、あるとしたらそのパターンかな、とは思います。よほどイッツクールが外枠を引いて、こちらが内目の枠だったら少し考える余地は出てくるかな、というイメージです。


・アスターペガサス

 前走は思っていたよりは切れる脚を引き出せましたが、それでも相対的には足りず、また血統的にもここでメリハリのある流れになる中で器用に脚を使える馬というイメージはないですね。
 ズブズブの重馬場になって、欧州血脈のタフさとワンペースぶりが噛み合うくらいでないと厳しいはずです。


・二ホンピロヘンソン

 新馬では追走力を問われ、もみじSは一点超スローからの加速特化で連勝してきましたが、この舞台で必要な持続面の担保がまるでないのはやはりネックだと思います。
 にげなくても競馬は出来ると思いますが、こちらもある程度流れた方が相対的にチャンスはある筈で、イッツクールの外からつついて入っていける並びならワンチャンス、くらいの感覚ですね。


・クリノガウディー

 前走は5F勝負の中で前々からそれなりに粘り込んでいましたが、持続面で足りなかったのはここで強調できる材料がないと感じさせます。
 ただポジショニングは上手いので、この短縮でそれなりにスローバランスになってくれればワンチャンスはありそうで、新馬の脚の使い方からも3Fくらいに集約される形ならもう少し頑張れるかな、と見ています。
 人気上位馬の状態や並びにもよりますが、条件次第で拾ってもいいかな、とは考えています。


・イッツクール

 見た目以上にしぶとくいい逃げ馬だと思っていますが、流石に逃げ馬鬼門の阪神マイルでは勝負する武器が足りないな、と思います。
 こちらも後半勝負では流石に足りないと思うので、ある程度淡々と引き上げてどこまで粘り込めるか、になりそうですし、仕掛けを上手く待てればボンセルヴィーソ的な競馬が出来る可能性はありますが、グランアレグリアが近くにいそうな形の中では流石に狙いづらいかなと踏んでいます。



posted by clover at 19:45| Comment(2) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お疲れ様ですー。

改めてメンバーを見渡しても、確固たる根拠を持って頭まで押せる馬が、グランアレグリア以外にいないんですよね(笑)

仰るように、阪神マイルという舞台を考えれば、やはりケイデンスコールかドゴールになりますか……。

個人的には、圧倒的一番人気が予想されるグランアレグリアの評価を落とす材料が、牝馬である! という事しか思い浮かばないので、馬券は見送ると思います。

その上で、レースを面白く……というよりも、グランアレグリアの器を図るためにも、是非とも道悪で開催して欲しい所です。

というのも、ご存知かもしれませんがディープ産駒って牡馬よりも牝馬の方が道悪得意なんですよね。その中で、将来的に古馬になっての混合重賞を勝つような牝馬は、ジェンティルを除けばほとんど道悪得意なんですよ。宝塚記念でディープ牡馬が壊滅して、牝馬が活躍しているのがその最たる例かと。

自分もcloverさんと同じく、グランアレグリアは一瞬の脚に長けていない、見せていないというのは同意します。そして、それこそが古馬の混合重賞に混ざってもやれるディープ牝馬の特徴なんですよね。

今の所の個人的なイメージは、機動力のあるミッキークイーンといった感じでしょうか。

ディープ産駒マイスター(笑)として長々と書いてしまいましたが、とにもかくにも道悪でのレースが見てみたいですねー。
道悪で評価が急落するようなら、むしろ頭から買いたいです。最も、3倍を超えるような事はないと思うので、そこはなんともですが。
Posted by ハル at 2018年12月11日 20:56
>ハル様

 いつもコメントありがとうございますー。

 逆にもしもグランアレグリアがいなかったら、と考えると、結構ぞっとするメンバーですよね。
 今年はまだホープフルSの方に駒が揃いそうですけど、去年の上位馬のその後、で考えるとやはり出世レースになりにくい構造はありそうですし、牡馬の真打はまだこれから、の可能性は高い気はしています。

 仰るように、混合重賞のタフな展開では強いのに、良馬場のエリ女で機動力が問われると差し届かないタイプは多いですよね。
 ミッキークイーンも当然として、ラキシスやスマートレイアー、マリアライトも道悪の時に勝ってはいますが翌年はサッパリでしたし、ただこのタイプは総じてポジションが取れないのが弱点でした(レイアーは一時期逃げる競馬も出来ましたけど)。

 グランアレグリアはそこが違うので、もしも道悪上手の系譜に名を連ねるとしたら、より楽に勝ってしまう可能性はありそうです。
 でも例え道悪でも1倍台後半まででしょう(笑)。牡馬にだって、道悪になってプラスに転じると根拠のある馬がほぼほぼいませんしねぇ。
Posted by clover at 2018年12月12日 03:33
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