2018年10月15日

2018 菊花賞 プレビュー

★はじめに

 今週は牡馬クラシックの最終戦・菊花賞ですね。
 思えば去年は台風の襲来によって途轍もないレベルでの重馬場開催となり、データなどが通用しない究極の消耗戦になりましたし、このブログの中でも比較的思い入れの強いレースになっています。
 流石に今年はあれほどの極端な馬場になることはまずないでしょうが、果たしてどんなドラマが繰り広げられるかとても楽しみですね。


★レース傾向分析

 まずは去年の記事です。


 はっきり言って去年は例外中の例外、という状況でしたし、むしろ今までのプレビュー以上に、去年分析した内容がそのまま踏襲されるレースにはなるかなと思います。
 ひとつポイントとしては、今年の淀は良馬場であっても極端な高速状態にはないので、その分例年よりは内有利・前有利が顕著ではなく、それなりにしっかり流れるならば差しも決まる点でしょうか。
 比較的前目を取りたい逃げ・先行タイプもずらりと揃いましたし、その兼ね合いの中でどういうペースが刻まれるのか、道中の騎手の駆け引きも含めて楽しみですし、また今年は例年以上に異端のローテーションでここに向かう馬が多いので、能力の比較は大切になってくるかなとは思います。
 ダービー馬ワグネリアンこそ秋天挑戦で不在とはいえ、概ね春の実績馬も顔を揃えた一戦ですし、上昇度なども含めてしっかりも極めていければな、と感じています。


★有力馬所感

・エポカドーロ

 皐月賞を制し、ダービーもわずかの差で2着と、春の実績では最上位になるこの馬が、菊花賞で準三冠に挑みます。
 馬のタイプとしては先行力があり、ペースの上げ下げに対する対応力も高くて、瞬間的な切れよりは長く脚を使う競馬に向いているので、坂の下りからの4F戦になりやすく、究極の切れはまず問われない淀野3000mは向いているとは思います。
 母方の血統が短距離向きではあるので、その点で本質的にどうか、という懸念は出てきますが、少なくともダービーであれだけ走れた馬が大きく崩れるイメージは持ちにくいですね。

 ただ前哨戦の神戸新聞杯は、出負けもあったにせよやや物足りない競馬にはなりましたし、春からの成長、という観点でもあまり目立ったものはありませんでした。
 それなりに先行馬が揃った組み合わせの中でどこまでポジションが取れるか、また関東圏の騎手である戸崎Jというのもこのレースに限ってはプラス材料ではないでしょうし、春シーズンは猛威を振るっていた藤原厩舎の、狙ったレースを確実にものにする戦略性がここでもしっかり機能してくるか、色々な意味でこの馬の走りはひとつの指標になるでしょう。
 当然コース的に内目の枠の方が良く、多分この馬の場合はポケットからでも問題なく競馬は出来るはずですので、極端な外でも引かない限り印は外せないとは思っていますが、重い印を打つかどうかは直前の気配や枠を見て考えたいですね。


・エタリオウ

 神戸新聞杯ではここのメンバーの中で最先着、夏を越して血統通りの成長力を見せてきたエタリオウが、初重賞をGⅠで決める事が出来るか、先週は間一髪で騎乗停止を免れたミルコJも乾坤一擲、心機一新でどこまで肉薄できるか注目です。

 血統的にも馬のタイプ的にも距離延長がマイナスにならないのは間違いないですが、一方で先行した青葉賞と、その後溜める競馬に徹したダービー・神戸新聞杯の内容を比べても、基本的に前半無理が効かないタイプなのは間違いないと思います。
 なので当然ここでも後ろからの競馬にはなってしまうでしょうし、菊花賞を含め近代淀長距離のセオリーである、2周目3コーナーまでに縦横のいいポジションをいかに確保するか、という観点ではどうしても後手を踏む形にはなるでしょう。

 ミルコJはここ1~2年、淀では上り坂の手前からスパートしての6F勝負、という騎乗を時々見せていますし、広義で言えば昨日のミッキーチャームなども、内外の周りの違いはあれ意識としては似た感じで、本来加速の意識が持ちにくい上り坂の手前で勢いをつけていく事で、仕掛けのタイムラグを利用したポジション利を確保する、というのは中々に面白い乗り方だと思っています。
 ただし流石にそうなると、残り1200mからのスパートで6F長い脚を問われますので、余程持久力に秀でた馬でないと、という所はありますし、実際そうう競馬で勝負は出来ても中々勝ち切れないのも確かです。近年それで勝ち切ったのはそれこそゴルシくらいでしょう。

 ですのでこの馬でもある程度向こう正面から押し上げていくイメージは持ってくるか、或いは道中インベタに徹して内差しに全てを賭けるか、どちらにせよやや安定感を欠く競馬にはなると思います。
 またそういう振り切った競馬をして勝ち切れるほど地力と適性が抜けているわけではないと思いますので、個人的にはここではあまり高い評価はしたくないですね。内枠なら連下、外枠なら消すところまで有り得ると思います。


・ブラストワンピース

 ダービーでは苦杯を舐めたものの、古馬相手の新潟大賞典では楽々大外を突き抜け完勝、素材では世代屈指と誰もが認めるブラストワンピースが、改めて最後の一冠でGⅠ取りに挑みます。

 今年はこういう異端のローテで来る馬が多くて悩ましいですが、実際のところ勝ち切るところまでいけたのはそれこそアーモンドアイくらいで、他の馬はなんだかんだセオリーに屈しており、この馬のダービーもそれに準ずるところはあるでしょう。
 ただこの馬の場合も狙ったローテーションなのは間違いなく、ある程度は先行力もありますので、菊花賞、という舞台が合わないとは思いません。血統的にも去年の秋の淀で猛威を振るったハービンジャー産駒ですし、右回りでもしっかり走れていますから、ここでも勝ち切るチャンスはある一頭だと言えるでしょう。

 しかしやはりネックになるのは関東馬、という部分と、まだゲート自体にあまり信頼が置けない所で、反応の鈍さなどは淀の下りでフォローできるにしても、枠の並びにはかなり左右されるイメージになります。
 また基本的には外から出し切りたい馬ですし、それ自体は淀のセオリーには反しますので、それを置いても勝ち切れるほどの素材であるかはしっかり考えたいところです。
 今のところあまり重い印は打ちたくないな、とは考えていますが、他の馬の枠なども含めて相対的に浮上する可能性は当然ありますね。


・ジェネラーレウーノ

 皐月賞や前走のセントライト記念など、中山の急流競馬で強い競馬を見せてきているジェネラーレウーノが、初の関西遠征で果たしてどんな競馬を見せてくれるでしょうか。

 少なくとも脚質や性能的には、淀の3000mで前々からタフな競馬に持ち込んでいけばチャンスはある馬ではあると考えています。
 特にポイントは中盤で、ここで中緩みさせると後続に取りつく隙を与えてしまうので、トーホウジャッカルの年程、とまでは言わないにしても、なるべく緩みを少なく淡々と前をつついてタフな展開に組み立てる事で、その類い稀なる持久力が活きてくるかなと見ています。

 ただしやはりこちらも関東馬×関東騎手の田辺Jなので、基本的には関西圏GⅠでは狙いにくい条件になりますし、先行馬が多く揃う中でどれだけ自分のリズムを主張していけるかはまだ半信半疑、というところです。
 人馬ともにここで勝ち切る為にはもうひとつ殻を破らないと、とは思いますし、楽しみではありますが予想としてはかなり悩ましい存在ですね。印は打ちたいですけどどの重さにするかはギリギリまで考えると思います。


・メイショウテッコン

 春のクラシックにこそ間に合わなかったものの、淀の長距離にも早くから適性を見せており、前走もしぶとくクラシックホースに食らいついたメイショウテッコンが、虎視眈々と最後の一冠を狙います。

 先行馬が多い組み合わせですが、その中でもかなり適性の幅が広く、距離適性や底力など含めて面白い存在かなと考えています。
 タイプ的にはエポカドーロが総合的に少しずつ上にいる感覚ではあるのですが、それでもここならポジション差次第でどうとでもなるでしょうし、夏の成長も感じさせつつ競馬の幅を広げていますので、スムーズな競馬が出来ればここでも足りると言えるでしょう。
 神戸新聞杯3着からここで戴冠した馬も多いですし、必ずしも逃げる必要はないので、アイトーンなど玉砕逃げを打ってきそうな馬もいる中で一定の信頼度はあり、枠の並び次第では重い印も視野に入れたい馬にはなります。
 先週の淀はキングマンボ血統が躍動していましたし、直線入り口で内目から出し抜くような競馬が出来れば、と思いますね。


・グレイル

 春シーズンは不完全燃焼に終わったものの、セントライト記念ではしぶとく3着に食い込み、ステイヤーの血が3000mの距離で目覚めるか、楽しみな存在です。
 無論脚質的にこのレース向きではなく、本格化は来年、というイメージも強いですが、ある程度馬場が渋ってきたりと、よりタフな展開になった時に岩田J必殺のインベタ差し込みが決まる可能性は、特に今年の淀ならあり得るかな、と感じてもいます。
 流石に外枠を引くときびしいでしょうが、内枠で中団やや後ろくらいを狙える並びなら警戒はしておいていいかな、とは思いますね。


・フィエールマン

 ラジオNIKKEI賞では最後豪脚を見せて2着、それ以来のレースという異端のローテに関東馬と、買いにくい材料は多いながらルメールJを確保したのはなんとも不気味なこの馬はどうでしょうか?

 まあ基本的にディープ産駒とキンカメ産駒は3000m超の距離では割引、とは思っていますし、この馬の場合特に1800mしか走った経験がないので、より緩急のメリハリがあって出入りの激しい競馬になるここで、どこまで自分の競馬に徹する事が出来るか、出来たとして食い込める能力があるか、というのはポイントになるでしょうか。
 シンプルに考えた時、1800mでもメイショウテッコンに負けていますし、相手は距離延長がプラスでかつひとつ叩いて万全の態勢、と思えば、如何に直線が伸びるコースでも易々と逆転は難しいはずで、ルメールJとしてもテン乗りでどれだけ大胆な動き出しが出来るかは微妙なところです。

 いずれ走ってくる素材だとは思いますが、流石にここは様子見したい一頭ですね。


・グロンディオーズ

 去年は特殊な馬場だったとはいえ、勝ち馬の父であるルーラーシップが今年送り出す俊英は、モレイラJの失意を乗り越えての手綱捌きの中で
どんな競馬を見せてくれるでしょうか。

 とりあえず条件勝ちの馬としては一番面白いかな、とは考えていまして、前走もそうですが、前々走も非常にステイヤー色が強い競馬の中で、明確にパフォーマンスを上げてきているのが特徴的です。
 ある程度二の足の速さももっていますので、積極性の高いモレイラJならそれなりのポジションにはつけてくれるはずで、外からエタリオウなり何かが動いてロンスパになる流れをタイトに立ち回れるならかなり楽しみはあると思っています。
 当然内枠が引ければなおプラスですし、重く狙う可能性がある一頭ですね。


・グローリーヴェイズ

 こちらの方がグロンディオーズと比較して、前走はレースの格・時計共に優秀なのは確かですが、しかしタイプとしては明確にこっちは中距離向き、だとは思うのですよね。
 無論同世代相手の3000mなら能力と操縦性でなんとかなる範疇ではありますが、そこまで序盤の出足で強調できる馬ではないので、なし崩しに脚を使う枠やポジションでは流石に狙いたくはないです。
 福永Jならそつなくスタートは決めてくれるとは思うので、内枠でインぴったりを回ってこれるようなら一考、ですが、それでも連下まで、勝ち切れる絵図はここでは描きにくいでしょうかね。


・ステイフーリッシュ

 結果的にここは京都新聞杯組が多数出走しており、その中で強い競馬で勝ち切ってきたこの馬も、ここで改めてチャンスのある一頭だとは思います。
 正直前走は正攻法の持続力戦の中でかなり案外、ではありましたが、より緩急の幅が問われる菊花賞で、叩き2戦目でしっかり状態を上げてくるなら、コース適性も含めて怖さはある一頭かなと思っています。

 鞍上も京都新聞杯勝ちの時のパートナーである藤岡佑Jに戻りますし、藤岡佑Jとしても去年はクリンチャーであと一歩の競馬での悔しさはあるでしょうから、ここで改めて強気の競馬を見せてくれる公算は高く、上手く噛み合ってくれば楽しみですね。印が回るかは当落線上のイメージなのですが、実質ステゴの最終世代で、ここは大挙4頭出しが濃厚となる中で、一番脚質的に楽しみはあると踏んでいます。


・アフリカンゴールド

 こちらもステゴ産駒の上がり馬で、前走は圧巻の強さでしたが、果たしてこのメンバーでどうでしょうか?
 結構勝ちっぷりから人気になりそうですけれど、時計的に見るとやはり神戸新聞杯の方が上ですし、増して斤量差もありますので簡単ではないな、とは思っています。
 先行馬もより揃って楽な競馬が出来るイメージでもないですし、上昇度は確かですがこの馬を狙うなら他にも面白い馬はいる、という感じで、勝ち負けに持ち込むなら更なる上昇は欲しいところです。


・コズミックフォース

 ダービー3着は伊達ではない、三冠牝馬アーモンドアイを擁する国枝厩舎が牡馬クラシックに送り込む二本の矢の内、この馬はどんなレースを見せてくれるでしょうか。

 基本的にキンカメ産駒なのであまり強気には狙えないな、というのはあり、また基本的に一貫したペース向きの馬だと思っていますので、分散される競馬になった時に好位で上手く立ち回ってどこまでやれるか、という所でしょうか。
 持続力戦ではしっかりエタリオウに先着しているわけですし完全に見くびるのは怖いですが、やはり関東馬でオウケンムーン共々難しさはある筈で、流石にここまで印は回らないだろうな、というのが素直な感触ですね。


・シャルドネゴールド

 この馬も一応1600万下でそこそこの競馬が出来ていますし、ローテーション的には違和感はあれ、少なくともレース間隔としては他の異端ローテの馬よりはまともで、距離延長自体も克服は可能でしょう。
 ただ脚質的にあまり前には行けず、そこまで機動力もないので淀ですと下りで置かれてしまう不安は付き纏い、また時計勝負自体もあまり向いていないので、少し渋ったほうがチャンスは出てくる馬だと見ています。
 良馬場なら多分狙わないですが、渋った時にいい枠を引いていれば、というイメージですね。


・ユーキャンスマイル

 この馬もキンカメ産駒ですし、コーナーの動きや切れなども微妙で、タフな競馬になっても対応出来る素地はありますが、より器用さを問われやすいこの舞台で強気に狙ってみたいほどではないかなと思います。
 淀マイスターの武Jとはいえ、流石にこの癖の強い馬を完璧に型にはめ込むのは難しいと思いますし、ノーチャンスではないと思いますが評価としては掲示板まで、くらいのイメージですね。


・アイトーン

 超・大穴としては、この馬の大逃げではないかと密かに思っています。
 タイプ的にまずハナを切らないとダメ、というタイプですし、他の先行馬は絶対に逃げなくてはならない馬はいませんので、やや外目の枠からならハナを切るだけは難しくないと感じます。
 その上で一貫ペースの持久力戦に持ち込めればかなり強い馬ではあり、流石に皐月賞ほど前傾になるときびしいですが、淡々と59,5-63-60,5くらいで刻むイメージを強気に持てれば、後続の仕掛けの意識も難しくなりますし、まんまと、という形を作るチャンスはゼロではないと思います。

 立場的に負けて元々ではありますし、自分の競馬に徹してくれれば、若葉Sの内容からもノーチャンスではないと踏んでいます。少し渋って、後続の仕掛けの意識が更に遅れるようならよりベターですし、ただ逃げるだけでなく、しっかり離して逃げる意識をもって乗って欲しいなと思います。




posted by clover at 19:59| Comment(2) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは★ 今年の菊はエポカドーロで頭は固い!

と、ダービー終了後から、ずっと思っていたんですが神戸新聞杯の負け方が気になって気になって(笑)

初志貫徹で行くか、贔屓にしてるジェネラーレで行くかってとこです。

菊も近年は強い馬が勝つの言葉の通り勝ち馬からスターホースが出てるので有力馬が少なくても楽しみです。

全ジョッキー距離を間違えることなくレースを終えられれば良いなあ(笑)

秋天、メンバーの豪華さに気づきませんでしたがフルゲート割れでしたかあ...

ワグネリアンの回避も決定しちゃいましたもんね。

何というか、マイラーと中長距離馬が一堂に会する秋天でワクワクしたくなる気持ちは私も分かります(笑)
Posted by J.N at 2018年10月17日 05:07
>J,N様

 いつもコメントありがとうございますー。

 今日の藤原調教師のインタビュー記事で、前走の感想は?にひたすら「戸崎ぃ!」だったのがツボに嵌りました。。。
 まあ少なくとも陣営としては、まともにスタートして先団に入っていければ勝ち負け出来る能力はある、と信頼しているとは思いますし、前走にしてもゲートそのものは出ていますからね。
 後は本当に関西圏の競馬で信頼度の低い戸崎Jがしっかり乗ってくれればなんですけれど。ウーノも狙いたいですが、やっぱり関東×関東の組み合わせは重い印を打つのに悩ましいところですしねぇ。

 距離錯誤の件は本当に直線ガチ追いしていてびっくりしますよねぇ。
 往年の安藤Jなんかも、武Jに「このレース何mだっけ?」なんて尋ねていたエピソードがありましたけど、流石にこれはプロとしてあるまじき失態ですし大反省して欲しいです。
 というか、菊花賞クラスのレースでそれがあったら、返還にしないと大暴動が起きるでしょうね(笑)。

 ワグネリアンも回避して、レイデオロも一週前追い切りでアクシデントで雲行き怪しく、ディアドラもほぼ香港直行みたいですから、秋天はかなり頭数少なくなってしまいそうですね。
 まあ元々外枠鬼門のレースだけに、フェアに近づくと思えばそうですし、メンバーレベルが高くて面白いのは間違いないんですけどねぇ。
Posted by clover at 2018年10月17日 18:28
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